REPORT
レポート
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関東大学春季大会Aグループ 東海大学戦
2018/05/20
5月20日(日)・百草グラウンド
○帝京大学(勝点13)69-7東海大学(勝点1)●
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本⇒長谷川(2)李⇒上方(3)淺岡⇒當眞(4)ロガヴァトゥ⇒野田(5)秋山(6)藤田(7)菅原(8)マクカラン(ブ)⇒トンガタマ
[BK]
(9)小畑⇒土永(10)北村(11)竹山⇒西川(12)マクカラン(二)(13)本郷(14)木村(15)奥村⇒尾﨑
《東海大学》※先発のみ
[FW]
(1)小野(2)前本(3)中野(4)西川(5)玉野(6)平田(7)山田(8)河野
[BK]
(9)中村(10)丸山(11)望月(12)吉田(13)永島(14)清水(15)赤﨑
【前半】【得点経過】
【4分】帝7-0東
ラインアウトから連続攻撃。ラックからPR淺岡-No8マクカラン(ブ)-FL菅原と渡り、菅原が抜け出して、走り切ってトライ。ゴール成功。
【9分】帝12-0東
キックカウンターから連続攻撃。PR岡本が抜け出し、大きく前進。BKに展開し、WTB木村が前進。ゴール前でつかまるも、ラックからCTBマクカラン(二)が持ち出してトライ。
【13分】帝17-0東
スクラムから連続攻撃。CTB本郷が抜け出し、大きく前進。つかまるも、ラックから、CTBマクカラン(二)-SO北村-WTB木村-FB奥村と渡り、奥村がトライ。
【16分】帝24-0東
キックカウンターから連続攻撃。WTB竹山が大きく前進。竹山からCTB本郷-CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランがトライ。ゴール成功。
【29分】帝31-0東
相手のドロップアウトのボールを拾って、連続攻撃。LOロガヴァトゥが大きく前進。さらに、パスをもらったPR岡本が大きく前進。ゴール前でつかまるも、SH小畑が持ち出してトライ。ゴール成功。
【41分】帝36-0東
相手ボールのラインアウトを奪って、連続攻撃。FB奥村がインゴールへキック。WTB竹山が押さえてトライ。
【後半】【得点経過】
【6分】帝43-0東
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH土永-HO李と渡り、李が抜け出してトライ。ゴール成功。
【8分】帝48-0東
キックカウンターから連続攻撃。WTB木村が大きく前進。さらに、HO李が大きく前進。ラックからSH土永-CTBマクカラン(二)-No8マクカラン(ブ)-CTB本郷-WTB竹山-FL菅原と渡り、菅原がトライ。
【13分】帝55-0東
ラックでターンオーバー。SH土永-SO北村と渡り、北村が前方へキック。WTB竹山が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【19分】帝62-0東
ペナルティでのクイック・リスタートから連続攻撃。CTB本郷が抜け出し、大きく前進。さらに、No8トンガタマが前進。WTB木村にパスし、木村からFB奥村に渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【27分】帝69-0東
スクラムから連続攻撃。ラックからSH土永-LO藤田と渡り、藤田がトライ。ゴール成功。
【33分】帝69-7東
ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
春季大会第3戦は、東海大学とのゲーム。試合は、開始直後から帝京ペース。4分にFL菅原が先制トライと奪うと、9分にはPR岡本の前進からチャンスを作り、CTBマクカラン(二)がトライ。さらに13分にはCTB本郷の突破から、16分にはWTB竹山の突破からトライが生まれる。立て続けに4トライを奪った帝京だが、ここからややペースダウン。相手の必死のディフェンスもあるが、それ以外に自分たちのイージーなミス、判断ミスも出始める。ただ、守る時間帯になっても、整ったチームディフェンスで防ぎ、ここぞという場面でのターンオーバーでピンチをチャンスに変えていく。このあとも2トライを追加した帝京は、36-0で前半を折り返した。後半も開始早々から帝京がペースをつかむ。公式戦初出場のHO李が躍動し、CTB本郷は攻守にわたって存在感を見せる。途中出場のWTB西川も好タックルを見せるなど、ディフェンスも安定。後半は5トライを奪い、帝京が69-7で勝利。春季大会2勝目をあげた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日はトータルで見ればいいところもたくさん出たゲームだったと思いますが、時間帯によって、少し甘さが出てしまい、軽いプレーでミスをしてしまう場面がありました。チャレンジしてのミスは何の問題もありませんが、得点を重ねたがゆえの安心から来る軽いプレー、イージーなミスはなくしていかなければなりません。安心して軽いプレーをしてしまっては成長もできませんし、何よりケガのリスクが高まります。安心というのは試合中ではなく、試合が終わってからするものです。それを体感できたという意味では、いいゲームをさせてもらえたと感じています。最後になりましたが、東海大学の選手、スタッフ、関係者の皆様に感謝申し上げます。」
■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「ゲームの入りのところは、みんながアタックする気持ちを持っていて、いい入りができたと思うのですが、トライを重ねるにつれて、ゆるい部分、甘さが出てしまった時間帯がありました。そこで自分がキャプテンとして、きちんと修正できなかったところは、自分の甘さが出てしまったと思っています。その時間帯をしっかり直していかないと、シーズンでは通用しないと思うので、もう一度、そこを見つめ直してやっていきたいと思います。今日、緩んでしまった時間帯をもっと厳しくプレーできるように練習から突き詰めて、次戦では80分間、集中力の高いまま、厳しさを重ねられるゲームにしたいと思います。」
■公式戦初出場でトライを奪取し、セットプレーも安定・HO李承?(2年)
「公式戦初出場で試合前からかなり緊張していて、最初はプレーにも表れてしまいましたが、コンタクトを重ねて体が慣れてきたこともあり、また先輩方のサポートもあって、時間とともに緊張も解けて、普段のプレーができるようになったと思います。スクラムは自分も期待されている部分だと思っていますし、練習でもしっかりやっていて、入りから受けずにやっていこうと思っていました。そこはできたのでよかったです。また、今日は自分の強みの一つであるブレイクダウンで、しっかりやれたのもよかったです。トライのシーンは、BKが前に出てくれて、前のスペースがあいたので、そこに走り込んでボールをもらうことができました。今日、出場できたことに満足せず、さらにひたむきなプレーをして、初心を忘れず、今後もメンバーとして選ばれるようにしっかりやっていきたいです。」
■2トライをあげるも次は圧倒するディフェンスをしたい・CTBニコラス・マクカラン(2年)
「今日は、帝京のキックチェイスがよく、キックバックされたあとのカウンター・アタックで、ワイドに攻撃できて、両WTBがいい仕事ができたと思います。ただ、リラックスしすぎる時間帯があり、また、後半、相手に得点されてしまったところは反省です。自分のプレーでは、キャリーとサポートプレーからトライを取れたところはよかったと思います。ディフェンスでは、今日はただタックルしていただけで、圧倒するようなタックルができなかったので、次の試合では、ディフェンスにフォーカスして、もっと圧倒するディフェンスをしたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
後半、いいテンポで球をさばき、攻めのリズムを作った
SH 土永 雷(2年)
DOEI AZUMA
医療技術学部スポーツ医療学科
光泉高校出身
身長167cm/体重67kg
■まずは、今日のゲームを振り返って、感想をお願いします。
「今日は、後半、いつ出るかわからない状況だったのですが、けっこう早いタイミング(後半4分から出場)で出させていただきました。その時点で、すでに相手のディフェンスの足が止まり気味だったので、いいテンポでボールを出そうと思ってプレーしました。最初はそれができていたと思いますが、後半の後半、アタックのテンポ、ゴール前のオプションの使い方がまだまだだと実感させられた試合でした。」
■いいテンポという話が出ましたが、ボールさばきの部分では、かなりよかったのではないでしょうか。
「FWの人たちがクリーンボールをしっかりと出してくれたので、さばきやすかったです。自分としては、高校時代と比べると、この1年間で、余裕をもって投げられるようになっているので、そこは成長できている部分だと思っています。ただ、周りをよく見る力がまだまだ足りないので、球をさばく部分と自分で考えてボールを動かしていくというところを両方しっかりやっていきたいです。」
■球さばきでの余裕という部分で成長できているという話でしたが、他に自身で成長を感じるところはありますか。
「最初の頃はオプションとかサインとかがわからない状態だったので、そのことに対してフォーカスしなければいけなかったのですが、まだまだとはいえ、今はそういうことがだいぶわかるようになってきて、どこにスペースがあるのかを見ながら、パスを放れるようにはなってきたと思います。」
■1年生が入ってきて、何か変わった点はありますか。
「後輩が入ってきて、自分たちは先輩として見られていると思って行動するようになったと思います。2年生のレベルが上がれば、それを見て1年生のレベルも上がっていくと思いますし、自分だけではなく、2年生全体でそういう思いを共有するために、横のつながりをさらに意識するようになったと思います。」
■岩出監督から「2年生のときの頑張りこそが将来につながる」というお話があったと聞きました。将来を見据えて、今、どんな取り組みをしていこうと思っていますか。
「目先のことだけを考えていては、成長が止まってしまうと思っています。日々の練習も、自分の未来の幸せのために練習していると思うと、自分で考えることも増えていくと思いますし、一日一日を大事にしていこうという気持ちになります。」
■では、今後に向けて意気込みをお願いします。
「この春の明治大学戦では、控えのメンバーに入っていたのですが、出場機会はありませんでした。あのようなクロスゲームで出られないのは、まだまだ自分の実力不足、信頼不足だったので、今日のような試合でのワンプレーを大事にして、すべてをいい経験にして、1分1秒を無駄にしないようにやっていきたいです。2年生としてのこの1年はとても大事な1年になると思うので、ラグビーの面でも人間的にも成長するために、まずはケガをしないこと、そしてそのための体づくりをしっかりやっていきたいです。また、頭と心の成長は日々の積み重ねが大事だと思うので、誰からも信頼されるように、日々、頑張っていきたいです。」
予定よりやや早い、後半4分からの出場。本人は明治大学戦で出場機会がなかったことを、実力不足、信頼不足と述べるが、この日の出場時間からは、監督・コーチ陣からの信頼度がかなり増してきていることが見て取れる。また、ボールさばきのテンポ、そしてスペースを探してプレーできる余裕の部分で、かなりの手応えを得ているようだ。2年生になり、「先輩」としての意識も高まっている。さらには、日々の練習や試合に対して、自身の将来を見据えながら取り組むという考え方も育っているようだ。今後、大きな成長が期待できる一人と言えそうだ。
《COLUMN》
―― 「安心」とリーダーの役割 ――
この日のゲーム、スコアだけを見れば帝京の圧勝だったと言えます。前半だけで36-0ですから、試合の行方という意味では、少なくとも帝京が大きく支配していたことは間違いありません。
しかし、ハーフタイムで岩出監督は、前半16分のトライ以降にイージーなミスや軽いプレーの選択、明らかな判断ミスなどが多発した点を指摘しました。
「得点を重ねて、安心したことが原因ではないのか。試合中に安心する意味がわからない。安心は試合が終わったあとにするものだ。」
また、その安心の気配を感じ取っていながら、修正できなかった秋山キャプテンらリーダー陣にも苦言を呈しました。
「甘さの出ている状況では、厳しい言葉で気づかせてあげるのもリーダー陣の役割である。」
ここで難しいのは、ほとんどの選手は自分が安心していたことに気づいておらず、あとから指摘されて、そうだったかもしれないとわかった、あるいは試合の結果を経てから気づいたという点です。このコラムでも何度か書いたと思いますが、「意識」と「無意識」の問題に関わってきます。
意識の上では誰も安心などしていなかったと思います。しかし、無意識の領域には「ここまで得点すればもう追い付かれない」「ここまで得点を重ねたのだから、このあとも同じように得点できるだろう」「あとは自動的に得点を重ねて、勝利できるだろう」といったことが、漠然と湧いていたに違いありません。
さらに無意識には「疲れたな」「痛いのは嫌だな」「激しいプレーでケガをしたら嫌だな」といった感情も芽生えたことでしょう。実際には安心してしまった状態の方がケガのリスクは高いのですが、無意識はそこまでは考えません。そう考えるのは意識(理性)の方です。
無意識が厄介なのは、自分ではわからない(気づかない)という点です。わからなければ修正のしようがありません。
無意識が感じ取ったことを修正するには、「意識化」するしかありません。「あ、自分はいま、安心してしまっているかもしれない。それでは甘さが出るし、ケガのリスクも高まる」と意識(理性)の方で判断できるようにするわけです。
自分で気づけるのがベストですが、他人に気づかせてもらうのもアリでしょう。このときに重要なのがキャプテンらリーダー陣の存在ということになります。経験値も高く、無意識の意識化への理解もあるはずのリーダー陣が、気づいていない仲間の意識の肩を叩いて、気づかせてあげる。その役割を担っているのがリーダー陣です。
このとき、意識の肩を軽く叩く程度では、なかなか気づいてくれないかもしれません。きちんと気づいてもらうには、ある程度、強い口調で指摘してあげる必要も出てきます。
岩出監督がリーダー陣に求めたのはこういうところだったのだと思います。
こうした経験も、選手たちを成長させてくれます。プレーの質はもちろん、精神面での成長も温かく見守っていきたいと思います。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
CTB 小柳琢登(1年)
佐賀工業高校出身
身長186cm/体重95kg
「自分の強みはボールを持って、強く前に出るプレーです。もともとはWTBをやっていたのですが、CTBとして自分が前に出ることでチーム全体が前に出られることがわかり、体も大きいので、この前に出るプレーをさらに強みにしていきたいです。課題はタックルです。身長が大きい分、低いタックルが難しいのですが、しっかり膝を落としてタックルするように練習しています。帝京大学ラグビー部は自分の頭で考える機会がとても多いです。最初は考えることで精いっぱいだったのですが、最近やっと慣れてきて、前を見て状況判断ができるようになってきました。今後は、同じCTBの先輩の本郷泰司さんみたいになれるように、頑張りたいです。」
WTB・FB 上代遼輔(1年)
専修大学松戸高校出身
身長173cm/体重79kg
「自分の強みはステップです。ただ、ここ最近、得意のステップがやや不調なので、もっと磨いていきたいです。また、課題としては、体が小さいので体づくりをしていくことと、タックルを大学水準に高めていくことがあります。高校時代にFBをやっていて、大学に入ってWTBもやるようになったので、まだ慣れていないところもありますが、両方できるように取り組んでいきます。帝京大学ラグビー部では、すべての練習について意味があることがよくわかり、最初はそのことにすごく驚きました。また、常に社会に出た後のことまで考える文化があり、それはここでしか学べないことなのではないかと感じています。すばらしい先輩方がたくさんいるので、まずは見習い、そして見習うだけではなく、負けないように、自分が成長して上に上がっていけるように、頑張りたいです。」
SH 藤原大成(1年)
専修大学松戸高校出身
身長163cm/体重70kg
「自分はパスのスキルと裏のエリアを取るキックを得意としています。また、自分で仕掛けていけるのも強みだと思っています。足りない部分はコミュニケーション能力と判断力です。コミュニケーション能力を上げていくことで、いい判断もできるようになると思うので、そこをもっと成長させていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、一つ一つの練習で常に頭を使うところがすごいと感じます。また、積み重ねということをとても大事にしていて、まずはその日のことを振り返った上で次の日の練習に臨むということをみんながやっているのもすごいです。さらには、設備、環境がすばらしいです。食事、トレーニング、体のケアなどすべてにおいてエキスパートのスタッフがいらっしゃるのですが、そうやってサポートしてくださるスタッフの方々に感謝して、これからも頑張っていきたいです。SHというポジションは競争が激しいところですが、先輩方のプレーから多くを学んで、上のチームで貢献できるように頑張ります。」
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対流通経済大学(http://rku-rugby.jp/)
6月3日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(勝点13)69-7東海大学(勝点1)●
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本⇒長谷川(2)李⇒上方(3)淺岡⇒當眞(4)ロガヴァトゥ⇒野田(5)秋山(6)藤田(7)菅原(8)マクカラン(ブ)⇒トンガタマ
[BK]
(9)小畑⇒土永(10)北村(11)竹山⇒西川(12)マクカラン(二)(13)本郷(14)木村(15)奥村⇒尾﨑
《東海大学》※先発のみ
[FW]
(1)小野(2)前本(3)中野(4)西川(5)玉野(6)平田(7)山田(8)河野
[BK]
(9)中村(10)丸山(11)望月(12)吉田(13)永島(14)清水(15)赤﨑
【前半】【得点経過】
【4分】帝7-0東
ラインアウトから連続攻撃。ラックからPR淺岡-No8マクカラン(ブ)-FL菅原と渡り、菅原が抜け出して、走り切ってトライ。ゴール成功。
【9分】帝12-0東
キックカウンターから連続攻撃。PR岡本が抜け出し、大きく前進。BKに展開し、WTB木村が前進。ゴール前でつかまるも、ラックからCTBマクカラン(二)が持ち出してトライ。
【13分】帝17-0東
スクラムから連続攻撃。CTB本郷が抜け出し、大きく前進。つかまるも、ラックから、CTBマクカラン(二)-SO北村-WTB木村-FB奥村と渡り、奥村がトライ。
【16分】帝24-0東
キックカウンターから連続攻撃。WTB竹山が大きく前進。竹山からCTB本郷-CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランがトライ。ゴール成功。
【29分】帝31-0東
相手のドロップアウトのボールを拾って、連続攻撃。LOロガヴァトゥが大きく前進。さらに、パスをもらったPR岡本が大きく前進。ゴール前でつかまるも、SH小畑が持ち出してトライ。ゴール成功。
【41分】帝36-0東
相手ボールのラインアウトを奪って、連続攻撃。FB奥村がインゴールへキック。WTB竹山が押さえてトライ。
【後半】【得点経過】
【6分】帝43-0東
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH土永-HO李と渡り、李が抜け出してトライ。ゴール成功。
【8分】帝48-0東
キックカウンターから連続攻撃。WTB木村が大きく前進。さらに、HO李が大きく前進。ラックからSH土永-CTBマクカラン(二)-No8マクカラン(ブ)-CTB本郷-WTB竹山-FL菅原と渡り、菅原がトライ。
【13分】帝55-0東
ラックでターンオーバー。SH土永-SO北村と渡り、北村が前方へキック。WTB竹山が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【19分】帝62-0東
ペナルティでのクイック・リスタートから連続攻撃。CTB本郷が抜け出し、大きく前進。さらに、No8トンガタマが前進。WTB木村にパスし、木村からFB奥村に渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【27分】帝69-0東
スクラムから連続攻撃。ラックからSH土永-LO藤田と渡り、藤田がトライ。ゴール成功。
【33分】帝69-7東
ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
春季大会第3戦は、東海大学とのゲーム。試合は、開始直後から帝京ペース。4分にFL菅原が先制トライと奪うと、9分にはPR岡本の前進からチャンスを作り、CTBマクカラン(二)がトライ。さらに13分にはCTB本郷の突破から、16分にはWTB竹山の突破からトライが生まれる。立て続けに4トライを奪った帝京だが、ここからややペースダウン。相手の必死のディフェンスもあるが、それ以外に自分たちのイージーなミス、判断ミスも出始める。ただ、守る時間帯になっても、整ったチームディフェンスで防ぎ、ここぞという場面でのターンオーバーでピンチをチャンスに変えていく。このあとも2トライを追加した帝京は、36-0で前半を折り返した。後半も開始早々から帝京がペースをつかむ。公式戦初出場のHO李が躍動し、CTB本郷は攻守にわたって存在感を見せる。途中出場のWTB西川も好タックルを見せるなど、ディフェンスも安定。後半は5トライを奪い、帝京が69-7で勝利。春季大会2勝目をあげた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日はトータルで見ればいいところもたくさん出たゲームだったと思いますが、時間帯によって、少し甘さが出てしまい、軽いプレーでミスをしてしまう場面がありました。チャレンジしてのミスは何の問題もありませんが、得点を重ねたがゆえの安心から来る軽いプレー、イージーなミスはなくしていかなければなりません。安心して軽いプレーをしてしまっては成長もできませんし、何よりケガのリスクが高まります。安心というのは試合中ではなく、試合が終わってからするものです。それを体感できたという意味では、いいゲームをさせてもらえたと感じています。最後になりましたが、東海大学の選手、スタッフ、関係者の皆様に感謝申し上げます。」
■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「ゲームの入りのところは、みんながアタックする気持ちを持っていて、いい入りができたと思うのですが、トライを重ねるにつれて、ゆるい部分、甘さが出てしまった時間帯がありました。そこで自分がキャプテンとして、きちんと修正できなかったところは、自分の甘さが出てしまったと思っています。その時間帯をしっかり直していかないと、シーズンでは通用しないと思うので、もう一度、そこを見つめ直してやっていきたいと思います。今日、緩んでしまった時間帯をもっと厳しくプレーできるように練習から突き詰めて、次戦では80分間、集中力の高いまま、厳しさを重ねられるゲームにしたいと思います。」
■公式戦初出場でトライを奪取し、セットプレーも安定・HO李承?(2年)
「公式戦初出場で試合前からかなり緊張していて、最初はプレーにも表れてしまいましたが、コンタクトを重ねて体が慣れてきたこともあり、また先輩方のサポートもあって、時間とともに緊張も解けて、普段のプレーができるようになったと思います。スクラムは自分も期待されている部分だと思っていますし、練習でもしっかりやっていて、入りから受けずにやっていこうと思っていました。そこはできたのでよかったです。また、今日は自分の強みの一つであるブレイクダウンで、しっかりやれたのもよかったです。トライのシーンは、BKが前に出てくれて、前のスペースがあいたので、そこに走り込んでボールをもらうことができました。今日、出場できたことに満足せず、さらにひたむきなプレーをして、初心を忘れず、今後もメンバーとして選ばれるようにしっかりやっていきたいです。」
■2トライをあげるも次は圧倒するディフェンスをしたい・CTBニコラス・マクカラン(2年)
「今日は、帝京のキックチェイスがよく、キックバックされたあとのカウンター・アタックで、ワイドに攻撃できて、両WTBがいい仕事ができたと思います。ただ、リラックスしすぎる時間帯があり、また、後半、相手に得点されてしまったところは反省です。自分のプレーでは、キャリーとサポートプレーからトライを取れたところはよかったと思います。ディフェンスでは、今日はただタックルしていただけで、圧倒するようなタックルができなかったので、次の試合では、ディフェンスにフォーカスして、もっと圧倒するディフェンスをしたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
後半、いいテンポで球をさばき、攻めのリズムを作った
SH 土永 雷(2年)
DOEI AZUMA
医療技術学部スポーツ医療学科
光泉高校出身
身長167cm/体重67kg
■まずは、今日のゲームを振り返って、感想をお願いします。
「今日は、後半、いつ出るかわからない状況だったのですが、けっこう早いタイミング(後半4分から出場)で出させていただきました。その時点で、すでに相手のディフェンスの足が止まり気味だったので、いいテンポでボールを出そうと思ってプレーしました。最初はそれができていたと思いますが、後半の後半、アタックのテンポ、ゴール前のオプションの使い方がまだまだだと実感させられた試合でした。」
■いいテンポという話が出ましたが、ボールさばきの部分では、かなりよかったのではないでしょうか。
「FWの人たちがクリーンボールをしっかりと出してくれたので、さばきやすかったです。自分としては、高校時代と比べると、この1年間で、余裕をもって投げられるようになっているので、そこは成長できている部分だと思っています。ただ、周りをよく見る力がまだまだ足りないので、球をさばく部分と自分で考えてボールを動かしていくというところを両方しっかりやっていきたいです。」
■球さばきでの余裕という部分で成長できているという話でしたが、他に自身で成長を感じるところはありますか。
「最初の頃はオプションとかサインとかがわからない状態だったので、そのことに対してフォーカスしなければいけなかったのですが、まだまだとはいえ、今はそういうことがだいぶわかるようになってきて、どこにスペースがあるのかを見ながら、パスを放れるようにはなってきたと思います。」
■1年生が入ってきて、何か変わった点はありますか。
「後輩が入ってきて、自分たちは先輩として見られていると思って行動するようになったと思います。2年生のレベルが上がれば、それを見て1年生のレベルも上がっていくと思いますし、自分だけではなく、2年生全体でそういう思いを共有するために、横のつながりをさらに意識するようになったと思います。」
■岩出監督から「2年生のときの頑張りこそが将来につながる」というお話があったと聞きました。将来を見据えて、今、どんな取り組みをしていこうと思っていますか。
「目先のことだけを考えていては、成長が止まってしまうと思っています。日々の練習も、自分の未来の幸せのために練習していると思うと、自分で考えることも増えていくと思いますし、一日一日を大事にしていこうという気持ちになります。」
■では、今後に向けて意気込みをお願いします。
「この春の明治大学戦では、控えのメンバーに入っていたのですが、出場機会はありませんでした。あのようなクロスゲームで出られないのは、まだまだ自分の実力不足、信頼不足だったので、今日のような試合でのワンプレーを大事にして、すべてをいい経験にして、1分1秒を無駄にしないようにやっていきたいです。2年生としてのこの1年はとても大事な1年になると思うので、ラグビーの面でも人間的にも成長するために、まずはケガをしないこと、そしてそのための体づくりをしっかりやっていきたいです。また、頭と心の成長は日々の積み重ねが大事だと思うので、誰からも信頼されるように、日々、頑張っていきたいです。」
予定よりやや早い、後半4分からの出場。本人は明治大学戦で出場機会がなかったことを、実力不足、信頼不足と述べるが、この日の出場時間からは、監督・コーチ陣からの信頼度がかなり増してきていることが見て取れる。また、ボールさばきのテンポ、そしてスペースを探してプレーできる余裕の部分で、かなりの手応えを得ているようだ。2年生になり、「先輩」としての意識も高まっている。さらには、日々の練習や試合に対して、自身の将来を見据えながら取り組むという考え方も育っているようだ。今後、大きな成長が期待できる一人と言えそうだ。
《COLUMN》
―― 「安心」とリーダーの役割 ――
この日のゲーム、スコアだけを見れば帝京の圧勝だったと言えます。前半だけで36-0ですから、試合の行方という意味では、少なくとも帝京が大きく支配していたことは間違いありません。
しかし、ハーフタイムで岩出監督は、前半16分のトライ以降にイージーなミスや軽いプレーの選択、明らかな判断ミスなどが多発した点を指摘しました。
「得点を重ねて、安心したことが原因ではないのか。試合中に安心する意味がわからない。安心は試合が終わったあとにするものだ。」
また、その安心の気配を感じ取っていながら、修正できなかった秋山キャプテンらリーダー陣にも苦言を呈しました。
「甘さの出ている状況では、厳しい言葉で気づかせてあげるのもリーダー陣の役割である。」
ここで難しいのは、ほとんどの選手は自分が安心していたことに気づいておらず、あとから指摘されて、そうだったかもしれないとわかった、あるいは試合の結果を経てから気づいたという点です。このコラムでも何度か書いたと思いますが、「意識」と「無意識」の問題に関わってきます。
意識の上では誰も安心などしていなかったと思います。しかし、無意識の領域には「ここまで得点すればもう追い付かれない」「ここまで得点を重ねたのだから、このあとも同じように得点できるだろう」「あとは自動的に得点を重ねて、勝利できるだろう」といったことが、漠然と湧いていたに違いありません。
さらに無意識には「疲れたな」「痛いのは嫌だな」「激しいプレーでケガをしたら嫌だな」といった感情も芽生えたことでしょう。実際には安心してしまった状態の方がケガのリスクは高いのですが、無意識はそこまでは考えません。そう考えるのは意識(理性)の方です。
無意識が厄介なのは、自分ではわからない(気づかない)という点です。わからなければ修正のしようがありません。
無意識が感じ取ったことを修正するには、「意識化」するしかありません。「あ、自分はいま、安心してしまっているかもしれない。それでは甘さが出るし、ケガのリスクも高まる」と意識(理性)の方で判断できるようにするわけです。
自分で気づけるのがベストですが、他人に気づかせてもらうのもアリでしょう。このときに重要なのがキャプテンらリーダー陣の存在ということになります。経験値も高く、無意識の意識化への理解もあるはずのリーダー陣が、気づいていない仲間の意識の肩を叩いて、気づかせてあげる。その役割を担っているのがリーダー陣です。
このとき、意識の肩を軽く叩く程度では、なかなか気づいてくれないかもしれません。きちんと気づいてもらうには、ある程度、強い口調で指摘してあげる必要も出てきます。
岩出監督がリーダー陣に求めたのはこういうところだったのだと思います。
こうした経験も、選手たちを成長させてくれます。プレーの質はもちろん、精神面での成長も温かく見守っていきたいと思います。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
CTB 小柳琢登(1年)
佐賀工業高校出身
身長186cm/体重95kg
「自分の強みはボールを持って、強く前に出るプレーです。もともとはWTBをやっていたのですが、CTBとして自分が前に出ることでチーム全体が前に出られることがわかり、体も大きいので、この前に出るプレーをさらに強みにしていきたいです。課題はタックルです。身長が大きい分、低いタックルが難しいのですが、しっかり膝を落としてタックルするように練習しています。帝京大学ラグビー部は自分の頭で考える機会がとても多いです。最初は考えることで精いっぱいだったのですが、最近やっと慣れてきて、前を見て状況判断ができるようになってきました。今後は、同じCTBの先輩の本郷泰司さんみたいになれるように、頑張りたいです。」
WTB・FB 上代遼輔(1年)
専修大学松戸高校出身
身長173cm/体重79kg
「自分の強みはステップです。ただ、ここ最近、得意のステップがやや不調なので、もっと磨いていきたいです。また、課題としては、体が小さいので体づくりをしていくことと、タックルを大学水準に高めていくことがあります。高校時代にFBをやっていて、大学に入ってWTBもやるようになったので、まだ慣れていないところもありますが、両方できるように取り組んでいきます。帝京大学ラグビー部では、すべての練習について意味があることがよくわかり、最初はそのことにすごく驚きました。また、常に社会に出た後のことまで考える文化があり、それはここでしか学べないことなのではないかと感じています。すばらしい先輩方がたくさんいるので、まずは見習い、そして見習うだけではなく、負けないように、自分が成長して上に上がっていけるように、頑張りたいです。」
SH 藤原大成(1年)
専修大学松戸高校出身
身長163cm/体重70kg
「自分はパスのスキルと裏のエリアを取るキックを得意としています。また、自分で仕掛けていけるのも強みだと思っています。足りない部分はコミュニケーション能力と判断力です。コミュニケーション能力を上げていくことで、いい判断もできるようになると思うので、そこをもっと成長させていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、一つ一つの練習で常に頭を使うところがすごいと感じます。また、積み重ねということをとても大事にしていて、まずはその日のことを振り返った上で次の日の練習に臨むということをみんながやっているのもすごいです。さらには、設備、環境がすばらしいです。食事、トレーニング、体のケアなどすべてにおいてエキスパートのスタッフがいらっしゃるのですが、そうやってサポートしてくださるスタッフの方々に感謝して、これからも頑張っていきたいです。SHというポジションは競争が激しいところですが、先輩方のプレーから多くを学んで、上のチームで貢献できるように頑張ります。」
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対流通経済大学(http://rku-rugby.jp/)
6月3日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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