REPORT
レポート
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関東大学春季大会Aグループ(さっぽろラグビーフェスティバル) 明治大学戦
2018/04/30
4月30日(月・休)・札幌ドーム
●帝京大学(勝点1)14-17 明治大学(勝点5)○
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本⇒清水(2)呉(3)淺岡⇒當眞(4)藤田(5)秋山(6)ロガヴァトゥ⇒菅原(7)申(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)小畑(10)奥村(11)西川(12)マクカラン(二)(13)本郷(14)木村(15)尾﨑⇒北村
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)安(2)武井(3)吉岡(4)土井(5)箸本(6)朝長(7)井上(8)坂
[BK]
(9)福田(10)忽那(11)高橋(12)森(13)齊藤(14)山村(15)山﨑
【前半】【得点経過】
【7分】帝0-7明
ターンオーバーから連続攻撃され、トライを奪われる。
【35分】帝0-10明
PGを決められる。
【39分】帝7-10明
スクラムからSH小畑がパス。乱れるも、SO奥村がうまく拾って、そのまま前進。相手ディフェンスを振り切り、走り切ってトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【24分】帝14-10明
スクラムから連続攻撃。FB奥村が前進。つかまるもFL申-CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランがトライ。ゴール成功。
【37分】帝14-17明
スクラムからFWで攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
今シーズン初の公式戦は、北海道・札幌ドームで行われた明治大学戦。札幌ドームでラグビーの試合が行われるのはこの日が初めて。また、対戦相手の明治大学とは、1月の大学選手権決勝で1点差の好ゲームを戦ったばかりということもあり、札幌ドームには1万4500人と多くのファンが訪れた。試合は開始直後から、お互いに激しいディフェンスを見せる。しかし、7分、帝京は自陣ゴール前から攻めてターンオーバーされ、トライを許してしまう。そこから帝京が攻め込む時間帯も多くあったが、トライを取り切ることができない。35分にはPGを決められ、0-10とされる。だが、前半終了間際、スクラムからの乱れたボールをSO奥村がうまく拾って、そのまま走り切ってトライを奪い、7-10で前半を終えた。後半の序盤は、帝京が攻められる時間が長くなるが、しっかりとしたディフェンスで得点を許さない。24分にはFBに回った奥村の突破からチャンスを作り、CTBマクカラン(二)が逆転トライ。ここから帝京の時間帯になるかと思われたが、相手の激しさも衰えない。終了間際、ゴール前まで攻め込まれ、FW攻撃を受ける。帝京も必死のディフェンスで防ぐが、防ぎきれず、逆転トライを許してしまった。残り時間のない状態でのキックオフ。帝京はボールを確保できず、万事休す。そのままノーサードとなり、春季大会初戦で黒星を喫した。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は札幌ドームというすばらしい環境の中で試合をやらせていただき、ありがとうございました。4月のこの段階ですし、今シーズンのスタートゲームということもあり、両チームともまだまだフィットしていない中、こうしたすばらしい環境に見合うゲームができるかどうか、少し心配なところもあったのですが、今日は両チームとも激しいプレーをお見せすることができ、特にディフェンス面でお互いしっかりとやれていたのではないかと思います。今日は公式戦ということと同時に、春のトレーニングの中でのスタートゲームとして、お互い、とてもいいものを出してくれたと思っています。結果として、Aチームでは久しぶりの敗戦を喫することになりました。まずは、明治大学さんのすばらしいプレーに対して、敬意を表したいと思います。私たちも奮起して、明治大学さんに『追いつけ、追い越せ』という姿勢で、これからのトレーニングをしっかりとやっていきたいと思います。勝つことはもちろんうれしいことですが、こうした厳しい試合をさせていただいて、負けた中からこそ得られ、気づけることがあります。『勝っても負けても収穫あり』とても良い経験ができました。最後になりましたが、主催者である大会実行委員会の方々、北海道ラグビーフットボール協会、北海道、札幌市、札幌ドーム、北海道新聞社、株式会社セブンスギアの方々、その他大会運営に携わられた方々、エスコートキッズをしてくださったラグビースクールのお子さんたち、保護者の方々、そして当日ご観戦いただいた1万4500人のお客様方に感謝を申し上げます。ありがとうございました。」
■キャプテン・秋山大地(4年)
「すごく悔しいです。帝京はこれまであまり負ける経験をしてこなかったので、負けることの重さを感じるというか、本当にとても悔しいです。試合後、明治大学さんが喜んでいるシーンを全員が目に焼きつけたと思うので、この悔しさを忘れず、ここからしっかりと取り組んでいけたらと思っています。今後の練習や活動全体の雰囲気の部分で、よりいっそうの緊張感が出ると思いますし、今日の敗戦を一人一人がしっかりと考えていけると思います。これまでのような取り組み方では全然足りないということが、みんな分かったと思うので、そういう面ではいい薬になってくれると思います。今日がスタートゲームで、いいところも悪いところもあってこの結果なので、それを全員が受け止めて、足りない部分を一つ一つ考え、今年のスタート時の目標である10連覇に向けて、ここからしっかりとやっていきたいと思います。」
■手応えと反省点の両方をつかんだ・FB尾﨑泰雅(2年)
「今日はAチームでの初めての公式戦でかなり緊張もあったのですが、プレーしていくうちに次第に緊張もほぐれていきました。ただ、自分としてはもっとできたはずという思いがあり、反省しています。この試合で経験した自分の足りないところ、例えば体づくりであったり、スキルだったりをもっともっと努力して改善していきたいです。特に体づくりはしっかりやって、どんな相手にも負けない体にしたいです。自分はアタックのところで相手を抜いていくプレーを期待されていると考えていましたが、今日はボールを持つ機会が少なく、自分が思っていたことができませんでした。ディフェンス面ではうまくできたところもあったので、そこは自信にしていきたいです。これからもっと努力して、チームに貢献できる選手になり、自分が納得できるシーズンにしていきたいです。」
■スクラムでのさらなる成長を誓う・PR清水岳(2年)
「今日はコンタクトウィンということを掲げて臨みました。勝てていたところもあったのですが、スクラムで受けてしまって、そこが響いてしまったと思っています。見ていた方はスクラムがすごく劣勢だったと感じておられるかもしれませんが、負け惜しみでなく、組んだ感触としてはそんなに負けていたとは思っていません。ただ、相手に勢いを与えてしまったところはあったので、もっとプレシャーをかけられるようにしていきたいです。自分としては、勢いづいた相手の気持ちを跳ね返すつもりで入ったのですが、もっともっと圧倒できるくらいにならなければいけないと思っています。今後は、個人としては、まずはスクラムの安定、そして安定だけではなく強みとして、相手にプレッシャーをかけられるようにしていきたいです。チームとしては、この敗戦を次に活かすためのいい反省をして、次からいいゲームをしていけるようにしたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
強みのランプレーで得点シーンを演出
SO・FB 奥村 翔(2年)
OKUMURA KAKERU
医療技術学部スポーツ医療学科
伏見工業高校出身
身長179cm/80kg
■まずは今日のゲームを振り返ってください。
「春はここまでディフェンスを中心に練習してきました。今日はいい形でディフェンスできたところが多かったので、その部分はよかったと思います。でも、自陣でプレーする時間が長くなり、明治大学さんの強みを出させてしまい、トライを取られてしまいました。もう少し、エリア取り、地域のことを考えていかなければと思いました。」
■個人的にはアタックでいいプレーが目立っていたと思いますが、そのあたりの手応えはいかがですか。
「今日は自分のもっているものを思い切り出そうと思って、試合に臨みました。自分の強みはランだと思うので、そこは自信になりました。」
■SOで先発して、途中からFBに回りました。今後もこういう形で2つのポジションをやっていくのでしょうか。
「はい、そうですね。二刀流で。SOとFBの両方ができるところも、自分の強みとしていきます。」
■複数ポジションをやる上で心掛けていることはありますか。
「自分はボールをもって走ることを期待されていると思うので、その部分ではどちらに入ってもその期待に応えられるようにしたいです。また、自分はキックにも自信をもっているので、その部分もどちらのポジションでも活かせると思っています。あとは、SOとしてのゲームコントロールのところをもっと成長させていきたいです。」
■ここからどんなシーズンにしていきたいですか。
「チームが仕上がっていくのは、まだまだこれからだと思いますが、一つずつ丁寧に積み重ねていければと思っています。」
この日はSOで先発出場。後半の途中からポジションを同期の北村に譲り、自身はFBに回った。昨シーズンからFBにも挑戦しているが、今後もSOとFBの「二刀流」でやっていくことになりそうだ。得意のランプレーやキックはどちらのポジションでも大きな武器になる。自ら課題として挙げるゲームメイキングも、経験を重ねていくことで積み上がっていくことだろう。この日は、アタックでスタンドを沸かせるプレーを何度も見せ、得点にもつながったが、ディフェンスでもしっかりと体を張っていた。2年生ということもあり、まだまだ伸びしろも大きい。今後の成長が楽しみなプレーヤーの一人だ。
《COLUMN》
―― 勝っても学び、負けても学び ――
今シーズンの春季大会の初戦で、帝京は黒星を喫し、試合後、秋山キャプテンはピッチ上で涙を見せました。帝京が学生相手に敗れたのは、2015年11月の対抗戦での筑波大戦以来、春季大会に限って言えば、大会の開始以来、すべて全勝優勝してきましたので、史上初の黒星ということになりました。
もちろん、どんなチームもすべての試合を勝ち続けることなどできないですし、どんな試合も全力で戦った結果、勝利につながってきたわけで、何もせずに簡単に勝てた試合など一つもありません。
帝京大学ラグビー部という船に乗れば、自動的に「勝利」という目的地に行けるというわけではないのです。試合に出るメンバーだけでなく、チーム全員が必死に、同じ方向に向かって息を合わせて漕ぎ続けなければ、けっして目的地にはたどり着けません。
秋山キャプテンが語ったように、この試合で選手たちは「負けることの重み」を改めて感じたことと思います。
ただ、試合を振り返れば、敗れはしたものの、特にディフェンスでは相手の激しい連続攻撃を何度も防ぎ、ゴール前のピンチも何度も凌いでいました。激しいプレーで札幌ドームのお客さんたちを何度も沸かせました。
もちろん、負けていい試合など一つもありませんが、この試合は今シーズンのスタートゲーム。スタートでこうした厳しい経験ができたことは、今後にいい形で影響していくに違いありませんし、していかなければいけないでしょう。
2016年度に大学選手権8連覇を成し遂げたときの亀井亮依キャプテン(現・NECグリーンロケッツ)は、よくこんなことをチームのみんなに語っていました。
「周囲は『7連覇したから次は8連覇』と言うけれど、このチームはまだ何も成し遂げてはいない。」
岩出監督は常々こう言っています。
「勝っても学び、負けても学び。」
幸いなことにまだシーズンは始まったばかり。この厳しい経験をスタートゲームで得られたことで、チームの雰囲気も変わっていくことでしょう。この経験を糧とできるかどうかは、一人一人の今後の取り組み方次第です。
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対大東文化大学(http://www.daito-rfc.com/)
5月13日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
●帝京大学(勝点1)14-17 明治大学(勝点5)○
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本⇒清水(2)呉(3)淺岡⇒當眞(4)藤田(5)秋山(6)ロガヴァトゥ⇒菅原(7)申(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)小畑(10)奥村(11)西川(12)マクカラン(二)(13)本郷(14)木村(15)尾﨑⇒北村
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)安(2)武井(3)吉岡(4)土井(5)箸本(6)朝長(7)井上(8)坂
[BK]
(9)福田(10)忽那(11)高橋(12)森(13)齊藤(14)山村(15)山﨑
【前半】【得点経過】
【7分】帝0-7明
ターンオーバーから連続攻撃され、トライを奪われる。
【35分】帝0-10明
PGを決められる。
【39分】帝7-10明
スクラムからSH小畑がパス。乱れるも、SO奥村がうまく拾って、そのまま前進。相手ディフェンスを振り切り、走り切ってトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【24分】帝14-10明
スクラムから連続攻撃。FB奥村が前進。つかまるもFL申-CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランがトライ。ゴール成功。
【37分】帝14-17明
スクラムからFWで攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
今シーズン初の公式戦は、北海道・札幌ドームで行われた明治大学戦。札幌ドームでラグビーの試合が行われるのはこの日が初めて。また、対戦相手の明治大学とは、1月の大学選手権決勝で1点差の好ゲームを戦ったばかりということもあり、札幌ドームには1万4500人と多くのファンが訪れた。試合は開始直後から、お互いに激しいディフェンスを見せる。しかし、7分、帝京は自陣ゴール前から攻めてターンオーバーされ、トライを許してしまう。そこから帝京が攻め込む時間帯も多くあったが、トライを取り切ることができない。35分にはPGを決められ、0-10とされる。だが、前半終了間際、スクラムからの乱れたボールをSO奥村がうまく拾って、そのまま走り切ってトライを奪い、7-10で前半を終えた。後半の序盤は、帝京が攻められる時間が長くなるが、しっかりとしたディフェンスで得点を許さない。24分にはFBに回った奥村の突破からチャンスを作り、CTBマクカラン(二)が逆転トライ。ここから帝京の時間帯になるかと思われたが、相手の激しさも衰えない。終了間際、ゴール前まで攻め込まれ、FW攻撃を受ける。帝京も必死のディフェンスで防ぐが、防ぎきれず、逆転トライを許してしまった。残り時間のない状態でのキックオフ。帝京はボールを確保できず、万事休す。そのままノーサードとなり、春季大会初戦で黒星を喫した。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は札幌ドームというすばらしい環境の中で試合をやらせていただき、ありがとうございました。4月のこの段階ですし、今シーズンのスタートゲームということもあり、両チームともまだまだフィットしていない中、こうしたすばらしい環境に見合うゲームができるかどうか、少し心配なところもあったのですが、今日は両チームとも激しいプレーをお見せすることができ、特にディフェンス面でお互いしっかりとやれていたのではないかと思います。今日は公式戦ということと同時に、春のトレーニングの中でのスタートゲームとして、お互い、とてもいいものを出してくれたと思っています。結果として、Aチームでは久しぶりの敗戦を喫することになりました。まずは、明治大学さんのすばらしいプレーに対して、敬意を表したいと思います。私たちも奮起して、明治大学さんに『追いつけ、追い越せ』という姿勢で、これからのトレーニングをしっかりとやっていきたいと思います。勝つことはもちろんうれしいことですが、こうした厳しい試合をさせていただいて、負けた中からこそ得られ、気づけることがあります。『勝っても負けても収穫あり』とても良い経験ができました。最後になりましたが、主催者である大会実行委員会の方々、北海道ラグビーフットボール協会、北海道、札幌市、札幌ドーム、北海道新聞社、株式会社セブンスギアの方々、その他大会運営に携わられた方々、エスコートキッズをしてくださったラグビースクールのお子さんたち、保護者の方々、そして当日ご観戦いただいた1万4500人のお客様方に感謝を申し上げます。ありがとうございました。」
■キャプテン・秋山大地(4年)
「すごく悔しいです。帝京はこれまであまり負ける経験をしてこなかったので、負けることの重さを感じるというか、本当にとても悔しいです。試合後、明治大学さんが喜んでいるシーンを全員が目に焼きつけたと思うので、この悔しさを忘れず、ここからしっかりと取り組んでいけたらと思っています。今後の練習や活動全体の雰囲気の部分で、よりいっそうの緊張感が出ると思いますし、今日の敗戦を一人一人がしっかりと考えていけると思います。これまでのような取り組み方では全然足りないということが、みんな分かったと思うので、そういう面ではいい薬になってくれると思います。今日がスタートゲームで、いいところも悪いところもあってこの結果なので、それを全員が受け止めて、足りない部分を一つ一つ考え、今年のスタート時の目標である10連覇に向けて、ここからしっかりとやっていきたいと思います。」
「今日はAチームでの初めての公式戦でかなり緊張もあったのですが、プレーしていくうちに次第に緊張もほぐれていきました。ただ、自分としてはもっとできたはずという思いがあり、反省しています。この試合で経験した自分の足りないところ、例えば体づくりであったり、スキルだったりをもっともっと努力して改善していきたいです。特に体づくりはしっかりやって、どんな相手にも負けない体にしたいです。自分はアタックのところで相手を抜いていくプレーを期待されていると考えていましたが、今日はボールを持つ機会が少なく、自分が思っていたことができませんでした。ディフェンス面ではうまくできたところもあったので、そこは自信にしていきたいです。これからもっと努力して、チームに貢献できる選手になり、自分が納得できるシーズンにしていきたいです。」
■スクラムでのさらなる成長を誓う・PR清水岳(2年)
「今日はコンタクトウィンということを掲げて臨みました。勝てていたところもあったのですが、スクラムで受けてしまって、そこが響いてしまったと思っています。見ていた方はスクラムがすごく劣勢だったと感じておられるかもしれませんが、負け惜しみでなく、組んだ感触としてはそんなに負けていたとは思っていません。ただ、相手に勢いを与えてしまったところはあったので、もっとプレシャーをかけられるようにしていきたいです。自分としては、勢いづいた相手の気持ちを跳ね返すつもりで入ったのですが、もっともっと圧倒できるくらいにならなければいけないと思っています。今後は、個人としては、まずはスクラムの安定、そして安定だけではなく強みとして、相手にプレッシャーをかけられるようにしていきたいです。チームとしては、この敗戦を次に活かすためのいい反省をして、次からいいゲームをしていけるようにしたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
強みのランプレーで得点シーンを演出
SO・FB 奥村 翔(2年)
OKUMURA KAKERU
医療技術学部スポーツ医療学科
伏見工業高校出身
身長179cm/80kg
■まずは今日のゲームを振り返ってください。
「春はここまでディフェンスを中心に練習してきました。今日はいい形でディフェンスできたところが多かったので、その部分はよかったと思います。でも、自陣でプレーする時間が長くなり、明治大学さんの強みを出させてしまい、トライを取られてしまいました。もう少し、エリア取り、地域のことを考えていかなければと思いました。」
■個人的にはアタックでいいプレーが目立っていたと思いますが、そのあたりの手応えはいかがですか。
「今日は自分のもっているものを思い切り出そうと思って、試合に臨みました。自分の強みはランだと思うので、そこは自信になりました。」
■SOで先発して、途中からFBに回りました。今後もこういう形で2つのポジションをやっていくのでしょうか。
「はい、そうですね。二刀流で。SOとFBの両方ができるところも、自分の強みとしていきます。」
■複数ポジションをやる上で心掛けていることはありますか。
「自分はボールをもって走ることを期待されていると思うので、その部分ではどちらに入ってもその期待に応えられるようにしたいです。また、自分はキックにも自信をもっているので、その部分もどちらのポジションでも活かせると思っています。あとは、SOとしてのゲームコントロールのところをもっと成長させていきたいです。」
■ここからどんなシーズンにしていきたいですか。
「チームが仕上がっていくのは、まだまだこれからだと思いますが、一つずつ丁寧に積み重ねていければと思っています。」
この日はSOで先発出場。後半の途中からポジションを同期の北村に譲り、自身はFBに回った。昨シーズンからFBにも挑戦しているが、今後もSOとFBの「二刀流」でやっていくことになりそうだ。得意のランプレーやキックはどちらのポジションでも大きな武器になる。自ら課題として挙げるゲームメイキングも、経験を重ねていくことで積み上がっていくことだろう。この日は、アタックでスタンドを沸かせるプレーを何度も見せ、得点にもつながったが、ディフェンスでもしっかりと体を張っていた。2年生ということもあり、まだまだ伸びしろも大きい。今後の成長が楽しみなプレーヤーの一人だ。
《COLUMN》
―― 勝っても学び、負けても学び ――
今シーズンの春季大会の初戦で、帝京は黒星を喫し、試合後、秋山キャプテンはピッチ上で涙を見せました。帝京が学生相手に敗れたのは、2015年11月の対抗戦での筑波大戦以来、春季大会に限って言えば、大会の開始以来、すべて全勝優勝してきましたので、史上初の黒星ということになりました。
もちろん、どんなチームもすべての試合を勝ち続けることなどできないですし、どんな試合も全力で戦った結果、勝利につながってきたわけで、何もせずに簡単に勝てた試合など一つもありません。
帝京大学ラグビー部という船に乗れば、自動的に「勝利」という目的地に行けるというわけではないのです。試合に出るメンバーだけでなく、チーム全員が必死に、同じ方向に向かって息を合わせて漕ぎ続けなければ、けっして目的地にはたどり着けません。
秋山キャプテンが語ったように、この試合で選手たちは「負けることの重み」を改めて感じたことと思います。
ただ、試合を振り返れば、敗れはしたものの、特にディフェンスでは相手の激しい連続攻撃を何度も防ぎ、ゴール前のピンチも何度も凌いでいました。激しいプレーで札幌ドームのお客さんたちを何度も沸かせました。
もちろん、負けていい試合など一つもありませんが、この試合は今シーズンのスタートゲーム。スタートでこうした厳しい経験ができたことは、今後にいい形で影響していくに違いありませんし、していかなければいけないでしょう。
2016年度に大学選手権8連覇を成し遂げたときの亀井亮依キャプテン(現・NECグリーンロケッツ)は、よくこんなことをチームのみんなに語っていました。
「周囲は『7連覇したから次は8連覇』と言うけれど、このチームはまだ何も成し遂げてはいない。」
岩出監督は常々こう言っています。
「勝っても学び、負けても学び。」
幸いなことにまだシーズンは始まったばかり。この厳しい経験をスタートゲームで得られたことで、チームの雰囲気も変わっていくことでしょう。この経験を糧とできるかどうかは、一人一人の今後の取り組み方次第です。
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
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