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関東大学対抗戦A 青山学院大学戦
2018/10/01
関東大学対抗戦A 対青山学院大学戦
9月23日(日・祝)・百草グラウンド
○帝京大学(2勝)141-7青山学院大学(2敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本⇒清水(2)呉⇒李(3)淺岡⇒當眞(4)久保⇒野田(5)秋山(6)トンガタマ(7)菅原⇒藤田(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)北林⇒末(10)北村⇒奥村(11)宮上(12)大内⇒新井(13)尾﨑(14)木村(15)竹山
《青山学院大学》※先発のみ
[FW]
(1)鈴木(2)岩切(3)渡邊(4)柚木(5)森田(6)小島(7)藤森(8)松尾
[BK]
(9)小日向(10)関根(11)佐藤(12)西村(13)堀本(14)衣笠(15)黒木
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0青
ラインアウトからモールを押し込む。崩れてラックになるも、SH北林-PR岡本へと渡り、岡本が抜け出してトライ。ゴール成功。
【11分】帝14-0青
ラインアウトからモールを形成。22m以上、押し切って、HO呉がトライ。ゴール成功。
【15分】帝21-0青
こぼれ球をCTB尾﨑が拾って前進し、FL菅原にパス。菅原がさらに前進し、WTB木村にパス。木村が走り切ってトライ。ゴール成功。
【17分】帝28-0青
キックオフから連続攻撃。CTB尾﨑が前進。ラックからSH北林-SO北村へと渡り、北村がキックパス。WTB木村が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【21分】帝33-0青
ターンオーバーして連続攻撃。ラックからSH北林-CTB尾﨑へと渡り、尾﨑が抜け出し、走り切ってトライ。
【23分】帝33-7青
ノックオンしたボールを拾われて攻め込まれ、トライを奪われる。
【27分】帝40-7青
ラインアウトでモールを形成。SH北林-FB竹山-WTB宮上へと渡り、宮上がトライ。ゴール成功。
【32分】帝47-7青
ラインアウトからモールを押し切り、HO呉がトライ。ゴール成功。
【35分】帝54-7青
相手のノックオンしたボールを拾って連続攻撃。ラックからSH北林-SO北村へと渡り、北村がキックパス。WTB木村がキャッチし、前進。つかまりかけるが、LO久保にパスし、さらに木村が久保からパスをもらい、抜け出してトライ。ゴール成功。
【38分】帝61-7青
スクラムからの攻撃。No8マクカラン-SH北林-SO北村-CTB尾﨑へと渡り、尾﨑がキック。WTB宮上、CTB大内が追いかけ、大内が拾って前進し、トライ。ゴール成功。
【40分】帝68-7青
相手のキックしたボールをWTB宮上が拾って、連続攻撃。ラックから、SH北林-SO北村へと渡り、北村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【1分】帝73-7青
ラインアウトから攻撃。FLトンガタマが抜け出す。FL菅原にパスし、菅原がトライ。
【4分】帝80-7青
ペナルティからSH末がクイック・リスタート。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【6分】帝87-7青
ペナルティでFL菅原のクイック・リスタートから連続攻撃。ラックからSH末-SO北村-FB竹山へと渡り、竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
【10分】帝94-7青
FB竹山がクイック・スローイン。SH末-WTB木村へと渡り、木村が抜け出す。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【13分】帝101-7青
スクラムを押し切り、No8マクカラン(ブ)がトライ。ゴール成功。
【15分】帝108-7青
キックオフ・キャッチでラックに。SH末が持ち出し、そのまま抜け出す。CTB大内にパスし、大内がトライ。ゴール成功。
【24分】帝115-7青
ラインアウトからモールを押し込み、HO呉がトライ。ゴール成功。
【31分】帝122-7青
スクラムから連続攻撃。ラックからSH末-FB竹山へと渡り、竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
【33分】帝127-7青
キックカウンターから連続攻撃。ラックから、SH末-SO奥村-CTB新井-WTB宮上へと渡り、宮上がトライ。
【36分】帝134-7青
ラインアウトをNo8マクカランがキャッチ。FLトンガタマにパスし、トンガタマが抜け出してトライ。ゴール成功。
【40分】帝141-7青
ラックでターンオーバーし、SH末が持ち出して前進。さらにラックから、PR清水が持ち出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第2戦は青山学院大学との対戦。開始2分、帝京はラインアウトからモールを押し込む。ラックになるが、PR岡本がうまく走り込んで先制トライを奪う。その後、相手ディフェンスの粘りもあり、得点を奪えないが、11分過ぎから帝京の怒涛の攻撃が始まる。モールを押し切ってのトライあり、キックパスからのトライあり、ディフェンスラインを突破してのトライありと、帝京が得点を重ねていく。23分には、ノックオンしたボールを拾われてトライを奪われるが、その後も帝京は気持ちを緩めず攻撃を続ける。尾﨑、大内の両CTB、FB竹山、さらには宮上、木村の両WTBもうまく連動して前進していく。FW陣も奮闘。FL菅原は、好タックルはもちろん、抜け出したBKランナーのフォローにも走っていく。前半だけで10トライ。68-7でハーフタイムを迎えた。後半も気持ちの緩みは一切なし。開始早々、FLトンガタマの前進でチャンスを作り、FL菅原がトライ。その後も着実に得点を重ねていく。ペナルティでのクイック・リスタートから連続得点をあげると、13分にはスクラムトライ。さらに、FW、BK一体となった攻撃で得点を重ねる。後半は11トライを奪い、141-7でノーサイド。対抗戦、帝京は開幕から2連勝を飾った。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「細かなスキル、判断、連携などはまだまだですが、例年のこの時期に比べますと、気持ちの部分はよく表現できていると思います。これは、けっして得点差の話ではなく、プレーに臨む姿勢、プレーそのものへの気持ちの入り方の問題です。この時期はまだまだ基本的なことを積み上げる段階ですので、やるべきことが絞られていて集中しやすいこともありますが、一人一人がしっかりとやるべきことをやろうとしていることが一番の要因ではないでしょうか。最後になりましたが、青山学院大学の選手、スタッフ、関係者の皆様に御礼申し上げます。」
■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「今日も前に出続けることはできていたと思いますが、後半最後の10分がどうしてもミスが増えてしまうことと、入りの部分で焦って取り切ろうとしすぎて丁寧さに欠け、ミスにつながってしまったところがありました。一つ一つの丁寧なプレーの積み重ねがトライにつながるので、そこを修正していきたいです。チームとしては、もう少しエネルギッシュな雰囲気がほしいと感じています。トライを取ったあとの喜び方だったり、いいプレーに対するリアクションだったりに、エネルギッシュさが足りない気がしています。多少、オーバーでも、やっていくことで自分たちの力に変わっていくと思うので、もっとエネルギッシュにやって、チームの雰囲気もさらに上げていきたいと思っています。次戦も、自分たちが強みとしている前に出続けることを意識して、挑戦心を持って、自分たちが成長できるゲームにしたいと思います。」
■さらにプレーの精度を高めていきたい・FL菅原貴人(4年)
「今日は、ゲームの入りから帝京のペースになるように、キックオフ、ボールキャリーでいいムードを作っていけるようにと思って臨みました。いいアタックができた場面も多々ありましたが、今後は一つ一つのプレーについて精度をもっと高めていきたいと思っています。チームも秋山を中心に一人一人が気を張り続けて、80分間戦い続けることを常に意識しているので、油断や気の緩みはいまのところほとんど感じられず、いい状態だと思います。自分としても、チームにエネルギーがない状態、緩む状態をなくすプレーや声掛けを意識してやっていこうと思っています。4年生にとってラストシーズンなので、一試合一試合を大切にしてやっていきたいと思っています。次戦も、帝京としての芯となるプレーを出して、どんな場面でも気を緩めず、粘り強さを出して戦っていきたいと思います。」
■いい緊張感で勢いのあるプレーができた・CTB新井翼(3年)
「1年ぶりの対抗戦出場ということもあり、最初は緊張もありましたが、それが逆にいい緊張感となって集中して試合に臨むことができました。もしもっとフワフワした気持ちで入っていたら、ミスも多くなっていたと思うので、よかったです。リザーブの役目はチームに勢いを与えることだとしっかり意識して臨めたので、点差に関係なく、いいマインドで入れたと思います。ただ、プレーの内容自体には納得していないので、修正して次に臨みたいです。いまはチャンスをいただいている身。しっかりとしたプレー、かつ勢いのあるプレーをすることが自分の役割だと考えています。今後もメンバーに選ばれるように努力して、大学選手権優勝に向けてチームに貢献できるように頑張りたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
メンタル面の変化で急成長中
CTB 尾﨑泰雅(2年・ゲームMVP)
OZAKI TAIGA
医療技術学部スポーツ医療学科
伏見工業高校出身
身長182cm/体重79kg
■試合を振り返って、感想をお願いします。
「いま自分ができることをすべて出して、チームに貢献できたらと思って試合に臨みました。よかったところもありましたが、自分のキックミスでチームに迷惑をかけたところもあったので、もっと努力していきたいです。」
■いいキックもたくさんありました。
「たまたまいいキックになっただけというのが多かったので、まだまだだと思います。」
■ディフェンスもよかったですね。
「まずはタックルから勢いをつけられるようにという話をして試合に臨みました。自分のタックルでチームに勢いがつけられたらと思ってやっていました。思い切って行きました。」
■ランプレーはどうでしたか? 走るのはもちろん、つなぐプレー、あるいはサポートで走るプレーなど、しっかりできていたように思いましたが、自身ではどう捉えていますか。
「ありがとうございます。チームに貢献できて、よかったです。」
■自身の中で、メンタルの部分で変わったところはありますか。
「メンタルは変わったと思います。ミスをしても、そこでへこんだり、引きずったりせず、次のプレーで取り返してやろうというように、すぐに切り替えができるようになりました。」
■何かきっかけがあったのでしょうか。
「いえ、特にこれというきっかけがあったわけではないですが、自分の中で徐々にできるようになってきました。」
■FBでの出場が多かった中、夏合宿からCTBに回っています。このポジションについてはどう捉えていますか。
「いろいろなポジションができた方が自分としても幅が広がると思うので、やりがいがあります。」
■今後への意気込みをお願いします。
「まだまだシーズンが始まったばかりですが、ずっと試合に出続けられるように、練習から全力で努力し続けていきたいです。」
この日は、ディフェンス、アタックともに存在感を示してくれた。鋭いタックルで相手を倒し、攻撃面ではランプレー、キック、さらにはつなぐプレーでも光った。自身はキックミスを反省するが、それを補って余りある活躍を見せてくれた。なにより成長が目立ったのはメンタル面だろう。ミスをしても引きずることなく、次のプレーで取り返そうと思うようになったという。この変化は、今後の成長度にも大きな影響を与えることだろう。
《COLUMN》
―― チームの成長曲線に乗れるか ――
帝京が開幕2連勝を飾りました。帝京は対抗戦7連覇中(同率優勝を含む)ですし、ここ何年もシーズン序盤で星を落とすことはありませんでしたから、順当と言えば順当なのですが、今シーズンの帝京はここ数年の序盤戦とはかなり違い、特に気持ちの部分で緩むことなく、しっかりと戦えているように思えます。
実際、この日のゲーム終了後、岩出監督からも「ここ数年で最も気持ちの入った戦いができている」という言葉がチーム全員に対して告げられました。
ここ数年、開幕からの数試合は、前年度の順位が低い相手との戦いになることが多かったこともあり、「油断」とまではいかなくとも、無意識のどこかに「Maxで臨まなくても勝てるだろう」「激しく戦ってケガをするのは嫌だ」「(自分が全力を出さなくても)ずば抜けてうまい何人かの選手がなんとかしてくれるだろう」といった気持ちが見え隠れし、それについて岩出監督から強い言葉で指摘されることも少なくありませんでした(ただし、これはあくまでも「無意識レベル」の話であって、選手たちはけっしてそんなことを「考えて」戦っていたわけではないはずです)。
選手たちもこのことはある程度、わかっていたようで、春にブロディ・マクカラン・バイスキャプテンにインタビューしたときにも、「帝京はいつも、開幕からの数試合、あまり気合いが入らないことが多い。今シーズンは開幕から気合いの入ったゲームをしたい」というコメントが聞かれました。
今シーズン、開幕から気持ちの入ったゲームができている要因として考えられるのは、一つには、春・夏と対抗戦のライバル校に敗れたという経験でしょう。もっともっと成長しないとライバル校には勝てない。成長するためには、どんな試合でも気持ちを引き締め、しっかり戦っていく必要あるとみんなが感じているのでしょう。
この試合の前日ミーティングでも、こうした考え方は共有され、気持ちを入れて試合に臨んだようです。それはゲームに出たAチームだけではありません。学生コーチを中心に、メンバー外の選手たちにも「応援・サポートを油断することなくやっていこう」という意識が共有されました。
ただ、岩出監督はこんなこともおっしゃいました。
「このいい雰囲気は、選手の成長、チームの成長にいい影響を与えるでしょう。ただし、いい形で成長する選手がいる一方、その波に乗れずに停滞してしまう選手は、あっという間に『置いてけぼり』を食ってしまうかもしれません。この短期間で成長する選手と停滞する選手との差が大きく開くのではないでしょうか。選手たちにとっては、この期間に成長できるかどうかが勝負所になるでしょう。」
例年以上に全体の成長曲線の傾きが大きい分、ちょっと停滞してしまうだけで、一気に置いていかれてしまいかねないというわけです。
チームの成長曲線に自分も乗っていけるかどうか。そのためには、日々、本気の積み重ねをしていくしかありません。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
FL・LO 森田雅之(1年)
桐蔭学園高校出身
身長180cm/体重84kg
「僕はタックルやラックでのファイトなど、体を張ったプレーを得意としています。そして、芯となるプレーをしっかりやることを常に心掛けています。ただ、タックルのスキルは改善したいところがたくさんあります。『相手を向こう側に倒すタックル』と『相手にゲインを許してしまうタックル』とがありますが、どれだけたくさん『相手を向こう側に倒すタックル』ができるかに取り組んで、練習しています。帝京大学ラグビー部には、人として成長できる環境があると感じて入ったのですが、入ってみると思っていた以上に深いものがありました。『わかる』という言葉には『分かる』と『解かる』がありますが、人間としてどう成長するかをより深くまで『解かる』ことをチームとしての強みにしている点は、本当に驚きでしたし、自分のモチベーションも変わりました。今後はまずは体づくりをして体を大きくして、自分に足りないものは何かを考えながら生活し、Aチームに上がって優勝に貢献できたらと思っています。」
SO・FB 志和池豊馬(1年)
日向高校出身
身長176cm/体重80kg
「自分はキックを得意としています。ロングキックもショートキックも得意です。課題はスピード。相手を一瞬で抜き去るスピードがまだないので、瞬発的なスピードをつけたいです。また、相手に当たられたときに当たり負けしてしまうこともあるので、当たり負けしない強い体をつくりたいです。帝京大学ラグビー部は上級生が僕たち1年生のためにいろいろな仕事をやってくださるというのは聞いていたのですが、それだけでなく、プレー面でも私生活の面でも、親身になってアドバイスしてくださるので、そういうところがすごいと感じました。今後の目標は、まず公式戦の試合に出ること。自分の強みであるキックを活かして、チームの勝利に貢献できるように頑張ります。」
右:志和池 豊馬 左:森田 雅之
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対日本体育大学(http://nittairfc.d2.r-cms.jp/)
10月7日(日) 百草グラウンド
15時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦21勝18敗(大学選手権での対戦なし)
[日本体育大学の直近5戦]
6月10日 ●10-21中央大学(関東大学春季大会B)
8月20日 ●26-49専修大学(夏季練習試合)
8月22日 ○34-25大阪体育大学(夏季練習試合)
8月24日 ○45-33龍谷大学(夏季練習試合)
9月15日 ●17-84慶應義塾大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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