REPORT
レポート
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関東大学対抗戦A 明治大学戦
2018/11/18
11月18日(日)・秩父宮ラグビー場
●帝京大学(5勝1敗)18-23明治大学(5勝1敗)○
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本(2)清水⇒文(3)淺岡⇒當眞(4)ロガヴァトゥ⇒今村(5)秋山(6)安田⇒長谷川(7)菅原(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)小畑(10)北村(11)宮上⇒奥村(12)マクカラン(二)(13)尾﨑(14)木村(15)竹山
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)安(2)武井(3)祝原(4)片倉(5)箸本(6)石井(7)井上(8)坂
[BK]
(9)福田(10)忽那(11)高橋(12)森(13)渡邉(14)山村(15)山沢
【前半】【得点経過】
【5分】帝0-3明
PGを決められる。
【9分】帝0-10明
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【27分】帝3-10明
WTB竹山がPGを決める。
【33分】帝3-13明
PGを決められる。
【41分】帝8-13明
スクラムからBKへ展開。No8マクカラン(ブ)-SH小畑-SO北村-CTBマクカラン(二)-SO北村-WTB宮上-FB竹山-WTB木村と渡り、木村が走り切ってトライ。
【後半】【得点経過】
【2分】帝8-20明
スクラムをターンオーバーされ、キックを拾われて、トライを奪われる。
【22分】帝15-20明
相手のキックをWTB木村がキャッチし、FB竹山にパス。竹山がカウンターアタックで大きく前進。CTB尾﨑にパスし、さらに尾﨑が前進。SH小畑-WTB木村と渡り、木村が走り切ってトライ。ゴール成功。
【35分】帝15-23明
PGを決められる。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第6戦は、春・夏と敗れている明治大学。帝京は開始早々、ピンチを迎える。ミスから自陣深くからのスクラムを押され、攻撃を受ける。LO秋山、FL菅原らのタックルで防ぐが、5分にはスクラムでペナルティを取られ、PGで0-3と先制を許してしまう。さらに、9分、ゴール前のスクラムから攻められ、トライを奪われる。その後も帝京が攻める時間帯は短く、守る時間が長くなる。帝京が得点を返したのは27分。ペナルティをもらい、FB竹山がPGを決め、3-10とする。PGを返されたあとの41分、ようやく帝京らしい攻撃が出る。スクラムを押されながらも、No8マクカラン(ブ)がしっかりとボールを出し、BKへ展開。SO北村がタックルを受けながらもうまくWTB宮上へとつなぎ、最後はWTB木村がトライ。8-13で前半を折り返した。勢いを取り戻したい後半だったが、やはりスクラムで劣勢となる。後半開始早々、マイボールのスクラムを奪われ、トライを奪われてしまう。ここからは一進一退。お互いに相手の攻撃を必死のディフェンスで防ぐ。次に得点したのは22分の帝京。FB竹山のカウンターアタックからうまくつなぎ、最後はWTB木村がトライを決め、5点差と迫る。しかし、35分にPGを決められ、8点差。最後の帝京のチャンスも相手のうまいディフェンスに阻まれてしまう。15-23でノーサイド。帝京は対抗戦初黒星を喫した。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日のゲームについては、明治大学さんのFWの頑張りに尽きると思います。スクラムではすべてで劣勢であったわけではないと思いますが、要所要所で明治大学さんに勢いを与えてしまいました。我々の方は少し硬さがあって勢いに乗れず、そこが大きな敗因の一つかなと感じています。我々もいいトライがありましたし、ペナルティをもう少し抑えることができていたら、最後までどちらに転ぶかわからないゲームになっていたと思います。今日は明治大学さんの戦い方に敬意を表して、甘かった部分を学生とともに、もう一度、見直していきたいと思います。」
■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「今日のゲームは、春・夏と敗れている明治大学さんに対して、これまでやってきたことをしっかりと出して、チャレンジしようと言って臨みました。しかし、スクラムで受けてしまったところが多くあり、また少しのミスでビッグゲインを切られる明治大学さんの高い集中力に、受けてしまったところがあったと思います。この敗戦の悔しさ、その要因をチーム全員で共有して、次のゲームにつなげていきたいと思います。」
■久しぶりのゲームで緊張も強さを発揮・LOジョセファ・ロガヴァトゥ(3年)
「久しぶりの試合で、緊張しました。ずっとリハビリで、コンタクトしたのはケガが治ってからは今日がほとんど初めて。明治大学さんは集中力が高く、本当に強かったです。もうケガは治っていて大丈夫ですが、自分のパフォーマンスは100%じゃなかったので、次の試合はもっとできるように頑張ります。フィットネスとコンタクトにフォーカスして、ディフェンスではタックル、アタッキングではGo Forwardしたいです。次の試合、そして大学選手権に向けて、もっとレベルアップしたいです。」
■自身のプレーを反省するも、しっかりと前を見据える・HO文相太(3年)
「短い時間でしたが、とにかく全力を出すことを目標にやりました。ですが、自分の武器であるスクラムで圧倒しなければいけなかったのにできませんでした。また、自陣のやってはいけないところでペナルティをしてしまったりして、自分の冷静さの欠如、経験の浅さがそういう部分で出てしまいました。秩父宮という環境でしたが、前回(日本体育大学戦)、百草グラウンドで対抗戦に出場したときも緊張しましたし、今日はむしろ、いい緊張感でやれたと思っています。ただ、やはり大観衆の前でも自分の力を100%出せるようにしなければいけないと感じました。今日は悔しいですが、ここで終わりではないですし、自分たちの課題もわかったので、今日の敗戦を活かして、課題を修正して、次戦、そして大学選手権に向けて、しっかりと準備していきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
対抗戦初出場、短時間ながら自身の強みを発揮
FL 長谷川耀(3年)
HASEGAWA YO
教育学部教育文化学科
佐世保工業高校出身
身長175cm/体重95kg
■対抗戦初出場でした。まずは試合の感想をお願いします。
「今日はリザーブに入れていただいて、もし試合に出るチャンスをいただけたら、自分がいま持っている力を100%出し切ろうと思って、試合に臨みました。」
■残り少ない時間でしたが、出場していきなりスクラムでした。
「スクラムは3番側(右側)が押されるケースが多かったので、自分がしっかり3番を後ろから押して、優位なスクラムが組めるように頑張ろうと思って押しました。」
■プレー全体としての手応えはどうでしたか。
「3~4分と短い時間でしたが、自分の強みであるコンタクトの部分、特にタックルで前に出ることができたと思います。」
■今日、対抗戦のメンバーとして選ばれたのは、どんなところを期待されたからだと思いますか。
「監督やコーチから直接聞いてはいませんが、縦への突破とか、インパクトの強さを出してこいという意味で抜擢されたと思っています。」
■Cチームから、Bを経ずにいきなりAチームに上がったんですね。
「はい。東海大学さんとのCチームでの練習試合のあと、Aチームに上がっていました。」
■今日の試合の結果を今後につなげていく上で大事なことはどんなことだと考えていますか。
「今日の悔しさを絶対に忘れたらいけないと思います。この悔しさを糧に、日頃の練習の一つ一つを大事にして、大学選手権でもう一度、明治大学さんと当たったときにはしっかり勝てるようにしたいです。また、いま自分は3年生で、来年4年生になったときには自分たちがチームを引っ張っていけるように頑張っていきたいです。」
先週の練習試合ではCチームのメンバーとして出場。その後、Aチームに上がっていて驚いたという。対抗戦初出場で、秩父宮という大舞台ながら、臆することなく、自分の強みを出していった。敗戦の悔しさを噛みしめながらも、しっかりと前を見据えている。3年生として、自身が最上級生になったときのことも想定している。成長が楽しみな選手が、また一人現れた。
《COLUMN》
―― いまこそ問われる4年力 ――
帝京は春・夏と連敗していた明治大学に敗れ、対抗戦初黒星を喫しました。帝京の対抗戦での敗戦は2015年の筑波大学戦以来。明治大学戦での黒星は、対抗戦では2010年以来でした。
2010年(度)といえば、帝京のV2の年。正確にはV2を目指して頑張っていた時期です。この年の対抗戦は前半4連勝のあと、早稲田大学、明治大学、慶応義塾大学との戦いで3連敗を喫し、4勝3敗の4位で対抗戦を終えました。
このときのキャプテンは吉田光治郎選手。ふさぎ込むキャプテンを見て、岩出監督は「くさくさしていないで、4年生みんなで酒でも飲んでくれば」とアドバイスし(費用も工面したそうです)、4年生たちは吉田キャプテンの親戚が経営する居酒屋へと繰り出すことになりました。
学生の飲み会ということもあり、また3連敗の「憂さ晴らし」的な意味合いもあり、会の終盤まで和気あいあいと進み、あちこちで笑い声が沸き上がるような盛り上がりを見せていたといいます。
吉田キャプテンの叔父さん(この居酒屋のご主人)は「このまま、ただ爆笑しただけで、この飲み会を終えてしまうのではないか」とハラハラしながら、その様子を伺っていたそうです。「せっかく4年生が全員集まっているのに、ただ飲んで爆笑しただけでは意味がない」とわかっていた、そして息子である吉田光治郎キャプテンが悩み、苦しんでいたこともよくわかっていたからです。
そろそろお開きという頃、ついに吉田キャプテンが立ち上がって、4年生全員の前で真剣な表情でこう話しました。
「頼む。みんなの力を俺に貸してくれ!」
吉田キャプテンはどちらかと言うとプレーでチームを引っ張るタイプ。普段、こういうセリフを吐くタイプではありませんでした。だから余計にみんなに伝わったのでしょう。翌日から、チームの雰囲気がガラリと変わりました。4年生たちが、チームのためのさまざまな仕事を、先回りして、率先して取り組むようになり、さらに元気なメンバー外の選手たちがメンバーの練習相手となって激しく体を張ってくれるようになり、あるいは分析面でさまざまなアドバイスをくれるようになりました。まさにチームがひとつになったのです。
こうして生まれ変わったチームは大学選手権で、対抗戦で敗れた慶應義塾大学、早稲田大学らを撃破し(明治大学とは対戦なし)、見事V2を達成したのです。
この頃から帝京では「4年力」という言葉がよく使われるようになりました。秋から冬にかけて、最後のひと踏ん張りという時期に、4年生の力がチームをまとめる原動力になり、下級生たちがそれに引っ張られるようにチーム力が向上していくというのが、帝京のひとつの伝統にもなってきました。
今回、明治大学に敗れた秩父宮では、4年生たち、また学生コーチたちから「ここはこうしてはどうだろう」「相手はこう考えてあのプレーをしてきたのではないか。だから、帝京はこうすればどうだろう」といった話をしているのが聞こえてきました。
いまこそ、こうした「4年力」が必要なときです。
まだ帝京が「常勝チーム」と言われる前の時代の先輩たちが、苦しみながらも勝利を勝ち取ってきた歴史は、いまのチームにもとても参考になるものではないでしょうか。これからが「4年力」の見せどころ。まだまだ勝負はここからです。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
CTB・FB 人見太基(1年)
伏見工業高校出身
身長173cm/体重90kg
「自分は力強いランと正確なキックを自分の持ち味としています。課題はディフェンスです。自分は体重が重い分、スピードが他の選手と比べて少し遅いので、それを補うためにディフェンスのシステムをしっかりと理解してやるように取り組んでいます。ただ、体重が重いことはしっかりタックルに入れたら強みになると思っています。帝京大学ラグビー部に入る前から、上級生がいろいろな仕事をしてくださるとは聞いていましたが、そうは言っても、下級生もある程度は仕事があるのだろうと思っていました。ですが、実際にはほとんどの仕事を上級生がやってくださり、その分、僕たちに時間の余裕も生まれ、その時間にウエイトトレーニングができたり、心の部分での余裕も生まれます。また、自分たちが上級生になったときにやるべきことも明確になるので、とても感謝しています。自分はケガで手術を何度もやっていて、ラグビーができていない状況が続いているので、まずはラグビーができるようにすること。そして、再発しないようにウエイトトレーニングなどもしっかり取り組んで、復帰したときにはケガをする前よりもいいプレーヤーになって、チームに貢献で切る選手になりたいです。」
WTB・FB 白國亮大(1年)
摂津高校出身
身長166cm/体重67kg
「自分の強みは素早さを活かしたランプレーです。また、相手を抜くステップが得意です。課題は体づくりとディフェンスです。帝京大学ラグビー部は上級生が後輩に対して、いろいろな仕事をしてくださるのは聞いていましたが、それ以上に先輩方の考え方、言動、行動がすばらしいと感じています。普通の人は、自分で言ったことでも行動に移せないときもあると思うのですが、帝京の先輩方は自分の言ったことをしっかりと行動で見せてくれます。リーダーシップも発揮されていて、本当にすごいと感じます。今後はもっと体を大きくして、周りから信頼される選手になっていきたいです。」
WTB・FB 梁潤学(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長175cm/体重78kg
「自分のプレーでのアピールポイントは、ランプレーです。課題は、下半身の筋力がまだ弱いところ。また、タックルに強い姿勢で入ることができていないと感じています。フォームがよくなくて、強く当たれないことがあるので、そこをもっと改善していきたいです。帝京大学ラグビー部は、行動する前にまず自分たちでしっかりと考えてから実行するというところがすごいと感じます。Aチームの23人だけが試合で戦うのではなく、メンバー外の部員も同じ気持ちで戦うのが帝京大学ラグビー部なので、自分もメンバー外であっても、常にメンバーと同じ気持ちで戦えるようにしていきたいです。」
●帝京大学(5勝1敗)18-23明治大学(5勝1敗)○
《帝京大学》
[FW]
(1)岡本(2)清水⇒文(3)淺岡⇒當眞(4)ロガヴァトゥ⇒今村(5)秋山(6)安田⇒長谷川(7)菅原(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)小畑(10)北村(11)宮上⇒奥村(12)マクカラン(二)(13)尾﨑(14)木村(15)竹山
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)安(2)武井(3)祝原(4)片倉(5)箸本(6)石井(7)井上(8)坂
[BK]
(9)福田(10)忽那(11)高橋(12)森(13)渡邉(14)山村(15)山沢
【前半】【得点経過】
【5分】帝0-3明
PGを決められる。
【9分】帝0-10明
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【27分】帝3-10明
WTB竹山がPGを決める。
【33分】帝3-13明
PGを決められる。
【41分】帝8-13明
スクラムからBKへ展開。No8マクカラン(ブ)-SH小畑-SO北村-CTBマクカラン(二)-SO北村-WTB宮上-FB竹山-WTB木村と渡り、木村が走り切ってトライ。
【後半】【得点経過】
【2分】帝8-20明
スクラムをターンオーバーされ、キックを拾われて、トライを奪われる。
【22分】帝15-20明
相手のキックをWTB木村がキャッチし、FB竹山にパス。竹山がカウンターアタックで大きく前進。CTB尾﨑にパスし、さらに尾﨑が前進。SH小畑-WTB木村と渡り、木村が走り切ってトライ。ゴール成功。
【35分】帝15-23明
PGを決められる。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第6戦は、春・夏と敗れている明治大学。帝京は開始早々、ピンチを迎える。ミスから自陣深くからのスクラムを押され、攻撃を受ける。LO秋山、FL菅原らのタックルで防ぐが、5分にはスクラムでペナルティを取られ、PGで0-3と先制を許してしまう。さらに、9分、ゴール前のスクラムから攻められ、トライを奪われる。その後も帝京が攻める時間帯は短く、守る時間が長くなる。帝京が得点を返したのは27分。ペナルティをもらい、FB竹山がPGを決め、3-10とする。PGを返されたあとの41分、ようやく帝京らしい攻撃が出る。スクラムを押されながらも、No8マクカラン(ブ)がしっかりとボールを出し、BKへ展開。SO北村がタックルを受けながらもうまくWTB宮上へとつなぎ、最後はWTB木村がトライ。8-13で前半を折り返した。勢いを取り戻したい後半だったが、やはりスクラムで劣勢となる。後半開始早々、マイボールのスクラムを奪われ、トライを奪われてしまう。ここからは一進一退。お互いに相手の攻撃を必死のディフェンスで防ぐ。次に得点したのは22分の帝京。FB竹山のカウンターアタックからうまくつなぎ、最後はWTB木村がトライを決め、5点差と迫る。しかし、35分にPGを決められ、8点差。最後の帝京のチャンスも相手のうまいディフェンスに阻まれてしまう。15-23でノーサイド。帝京は対抗戦初黒星を喫した。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日のゲームについては、明治大学さんのFWの頑張りに尽きると思います。スクラムではすべてで劣勢であったわけではないと思いますが、要所要所で明治大学さんに勢いを与えてしまいました。我々の方は少し硬さがあって勢いに乗れず、そこが大きな敗因の一つかなと感じています。我々もいいトライがありましたし、ペナルティをもう少し抑えることができていたら、最後までどちらに転ぶかわからないゲームになっていたと思います。今日は明治大学さんの戦い方に敬意を表して、甘かった部分を学生とともに、もう一度、見直していきたいと思います。」
■キャプテン・LO秋山大地(4年)
「今日のゲームは、春・夏と敗れている明治大学さんに対して、これまでやってきたことをしっかりと出して、チャレンジしようと言って臨みました。しかし、スクラムで受けてしまったところが多くあり、また少しのミスでビッグゲインを切られる明治大学さんの高い集中力に、受けてしまったところがあったと思います。この敗戦の悔しさ、その要因をチーム全員で共有して、次のゲームにつなげていきたいと思います。」
■久しぶりのゲームで緊張も強さを発揮・LOジョセファ・ロガヴァトゥ(3年)
「久しぶりの試合で、緊張しました。ずっとリハビリで、コンタクトしたのはケガが治ってからは今日がほとんど初めて。明治大学さんは集中力が高く、本当に強かったです。もうケガは治っていて大丈夫ですが、自分のパフォーマンスは100%じゃなかったので、次の試合はもっとできるように頑張ります。フィットネスとコンタクトにフォーカスして、ディフェンスではタックル、アタッキングではGo Forwardしたいです。次の試合、そして大学選手権に向けて、もっとレベルアップしたいです。」
■自身のプレーを反省するも、しっかりと前を見据える・HO文相太(3年)
「短い時間でしたが、とにかく全力を出すことを目標にやりました。ですが、自分の武器であるスクラムで圧倒しなければいけなかったのにできませんでした。また、自陣のやってはいけないところでペナルティをしてしまったりして、自分の冷静さの欠如、経験の浅さがそういう部分で出てしまいました。秩父宮という環境でしたが、前回(日本体育大学戦)、百草グラウンドで対抗戦に出場したときも緊張しましたし、今日はむしろ、いい緊張感でやれたと思っています。ただ、やはり大観衆の前でも自分の力を100%出せるようにしなければいけないと感じました。今日は悔しいですが、ここで終わりではないですし、自分たちの課題もわかったので、今日の敗戦を活かして、課題を修正して、次戦、そして大学選手権に向けて、しっかりと準備していきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
対抗戦初出場、短時間ながら自身の強みを発揮
FL 長谷川耀(3年)
HASEGAWA YO
教育学部教育文化学科
佐世保工業高校出身
身長175cm/体重95kg
■対抗戦初出場でした。まずは試合の感想をお願いします。
「今日はリザーブに入れていただいて、もし試合に出るチャンスをいただけたら、自分がいま持っている力を100%出し切ろうと思って、試合に臨みました。」
■残り少ない時間でしたが、出場していきなりスクラムでした。
「スクラムは3番側(右側)が押されるケースが多かったので、自分がしっかり3番を後ろから押して、優位なスクラムが組めるように頑張ろうと思って押しました。」
■プレー全体としての手応えはどうでしたか。
「3~4分と短い時間でしたが、自分の強みであるコンタクトの部分、特にタックルで前に出ることができたと思います。」
■今日、対抗戦のメンバーとして選ばれたのは、どんなところを期待されたからだと思いますか。
「監督やコーチから直接聞いてはいませんが、縦への突破とか、インパクトの強さを出してこいという意味で抜擢されたと思っています。」
■Cチームから、Bを経ずにいきなりAチームに上がったんですね。
「はい。東海大学さんとのCチームでの練習試合のあと、Aチームに上がっていました。」
■今日の試合の結果を今後につなげていく上で大事なことはどんなことだと考えていますか。
「今日の悔しさを絶対に忘れたらいけないと思います。この悔しさを糧に、日頃の練習の一つ一つを大事にして、大学選手権でもう一度、明治大学さんと当たったときにはしっかり勝てるようにしたいです。また、いま自分は3年生で、来年4年生になったときには自分たちがチームを引っ張っていけるように頑張っていきたいです。」
先週の練習試合ではCチームのメンバーとして出場。その後、Aチームに上がっていて驚いたという。対抗戦初出場で、秩父宮という大舞台ながら、臆することなく、自分の強みを出していった。敗戦の悔しさを噛みしめながらも、しっかりと前を見据えている。3年生として、自身が最上級生になったときのことも想定している。成長が楽しみな選手が、また一人現れた。
《COLUMN》
―― いまこそ問われる4年力 ――
帝京は春・夏と連敗していた明治大学に敗れ、対抗戦初黒星を喫しました。帝京の対抗戦での敗戦は2015年の筑波大学戦以来。明治大学戦での黒星は、対抗戦では2010年以来でした。
2010年(度)といえば、帝京のV2の年。正確にはV2を目指して頑張っていた時期です。この年の対抗戦は前半4連勝のあと、早稲田大学、明治大学、慶応義塾大学との戦いで3連敗を喫し、4勝3敗の4位で対抗戦を終えました。
このときのキャプテンは吉田光治郎選手。ふさぎ込むキャプテンを見て、岩出監督は「くさくさしていないで、4年生みんなで酒でも飲んでくれば」とアドバイスし(費用も工面したそうです)、4年生たちは吉田キャプテンの親戚が経営する居酒屋へと繰り出すことになりました。
学生の飲み会ということもあり、また3連敗の「憂さ晴らし」的な意味合いもあり、会の終盤まで和気あいあいと進み、あちこちで笑い声が沸き上がるような盛り上がりを見せていたといいます。
吉田キャプテンの叔父さん(この居酒屋のご主人)は「このまま、ただ爆笑しただけで、この飲み会を終えてしまうのではないか」とハラハラしながら、その様子を伺っていたそうです。「せっかく4年生が全員集まっているのに、ただ飲んで爆笑しただけでは意味がない」とわかっていた、そして息子である吉田光治郎キャプテンが悩み、苦しんでいたこともよくわかっていたからです。
そろそろお開きという頃、ついに吉田キャプテンが立ち上がって、4年生全員の前で真剣な表情でこう話しました。
「頼む。みんなの力を俺に貸してくれ!」
吉田キャプテンはどちらかと言うとプレーでチームを引っ張るタイプ。普段、こういうセリフを吐くタイプではありませんでした。だから余計にみんなに伝わったのでしょう。翌日から、チームの雰囲気がガラリと変わりました。4年生たちが、チームのためのさまざまな仕事を、先回りして、率先して取り組むようになり、さらに元気なメンバー外の選手たちがメンバーの練習相手となって激しく体を張ってくれるようになり、あるいは分析面でさまざまなアドバイスをくれるようになりました。まさにチームがひとつになったのです。
こうして生まれ変わったチームは大学選手権で、対抗戦で敗れた慶應義塾大学、早稲田大学らを撃破し(明治大学とは対戦なし)、見事V2を達成したのです。
この頃から帝京では「4年力」という言葉がよく使われるようになりました。秋から冬にかけて、最後のひと踏ん張りという時期に、4年生の力がチームをまとめる原動力になり、下級生たちがそれに引っ張られるようにチーム力が向上していくというのが、帝京のひとつの伝統にもなってきました。
今回、明治大学に敗れた秩父宮では、4年生たち、また学生コーチたちから「ここはこうしてはどうだろう」「相手はこう考えてあのプレーをしてきたのではないか。だから、帝京はこうすればどうだろう」といった話をしているのが聞こえてきました。
いまこそ、こうした「4年力」が必要なときです。
まだ帝京が「常勝チーム」と言われる前の時代の先輩たちが、苦しみながらも勝利を勝ち取ってきた歴史は、いまのチームにもとても参考になるものではないでしょうか。これからが「4年力」の見せどころ。まだまだ勝負はここからです。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
CTB・FB 人見太基(1年)
伏見工業高校出身
身長173cm/体重90kg
「自分は力強いランと正確なキックを自分の持ち味としています。課題はディフェンスです。自分は体重が重い分、スピードが他の選手と比べて少し遅いので、それを補うためにディフェンスのシステムをしっかりと理解してやるように取り組んでいます。ただ、体重が重いことはしっかりタックルに入れたら強みになると思っています。帝京大学ラグビー部に入る前から、上級生がいろいろな仕事をしてくださるとは聞いていましたが、そうは言っても、下級生もある程度は仕事があるのだろうと思っていました。ですが、実際にはほとんどの仕事を上級生がやってくださり、その分、僕たちに時間の余裕も生まれ、その時間にウエイトトレーニングができたり、心の部分での余裕も生まれます。また、自分たちが上級生になったときにやるべきことも明確になるので、とても感謝しています。自分はケガで手術を何度もやっていて、ラグビーができていない状況が続いているので、まずはラグビーができるようにすること。そして、再発しないようにウエイトトレーニングなどもしっかり取り組んで、復帰したときにはケガをする前よりもいいプレーヤーになって、チームに貢献で切る選手になりたいです。」
WTB・FB 白國亮大(1年)
摂津高校出身
身長166cm/体重67kg
「自分の強みは素早さを活かしたランプレーです。また、相手を抜くステップが得意です。課題は体づくりとディフェンスです。帝京大学ラグビー部は上級生が後輩に対して、いろいろな仕事をしてくださるのは聞いていましたが、それ以上に先輩方の考え方、言動、行動がすばらしいと感じています。普通の人は、自分で言ったことでも行動に移せないときもあると思うのですが、帝京の先輩方は自分の言ったことをしっかりと行動で見せてくれます。リーダーシップも発揮されていて、本当にすごいと感じます。今後はもっと体を大きくして、周りから信頼される選手になっていきたいです。」
WTB・FB 梁潤学(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長175cm/体重78kg
「自分のプレーでのアピールポイントは、ランプレーです。課題は、下半身の筋力がまだ弱いところ。また、タックルに強い姿勢で入ることができていないと感じています。フォームがよくなくて、強く当たれないことがあるので、そこをもっと改善していきたいです。帝京大学ラグビー部は、行動する前にまず自分たちでしっかりと考えてから実行するというところがすごいと感じます。Aチームの23人だけが試合で戦うのではなく、メンバー外の部員も同じ気持ちで戦うのが帝京大学ラグビー部なので、自分もメンバー外であっても、常にメンバーと同じ気持ちで戦えるようにしていきたいです。」
左から人見太基・白國亮大・梁潤学
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対筑波大学(http://club.taiiku.tsukuba.ac.jp/rugby/)
12月1日(土) 熊谷ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦23勝14敗(大学選手権4勝0敗)
[筑波大学の直近5戦]
9月30日 ●24-35慶應義塾大学(関東大学対抗戦A)
10月7日 ●21-66明治大学(関東大学対抗戦A)
10月21日 ○73-31青山学院大学(関東大学対抗戦A)
11月3日 ○101-0成蹊大学(関東大学対抗戦A)
11月18日 ○55-24日本体育大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/田中伸弥・志賀由佳)
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