REPORT
レポート
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関東大学春季大会Aグループ 流通経済大学戦
2019/04/28
4月28日(日)・百草グラウンド
○帝京大学(勝点6)50-19流通経済大学(勝点0)●
《帝京大学》
[FW]
(1)長谷川(耀)⇒近藤(2)李(承爀)⇒上片(3)奥野⇒細木⇒奥野(4)本山⇒マクロビー(5)久保(6)安田(7)山添(8)金(隆)⇒ツイナカウヴァドラ
[BK]
(9)末⇒春野(10)北村⇒高本(11)二村(12)岡村⇒小村(13)尾﨑(14)木村(15)奥村
《流通経済大学》※先発のみ
[FW]
(1)小川(2)松田(3)津嘉山(4)粥塚(5)カペネ(6)田村(7)坂本(8)積
[BK]
(9)古川(10)荒木(11)ブルア(12)中川(13)タカヤワ(14)中根(15)北野
【前半】【得点経過】
【2分】帝0-5流
キックカウンターからつながれ、抜け出されて、トライを奪われる。
【12分】帝5-5流
スクラムから連続攻撃。ラックから、SH末-LO本山と渡り、トライ。
【19分】帝10-5流
ペナルティからクイック・リスタートで連続攻撃。SO北村が逆サイドにキックパス。WTB木村がキャッチして、トライ。
【28分】帝10-12流
ラインアウトからつながれ、トライを奪われる。
【32分】帝17-12流
ラインアウトからモールを形成。モールから、SH末-CTB岡村-CTB尾﨑と渡り、尾﨑が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【3分】帝24-12流
ラインアウトからモールを形成。ラックになって、連続攻撃。ラックから、LO久保が持ち出し、トライ。ゴール成功。
【14分】帝31-12流
ターンオーバーして展開。ラックから、SH末-FB奥村-CTB小村-WTB木村と渡り、木村がトライ。ゴール成功。
【26分】帝38-12流
ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH末-PR細木と渡り、細木が抜け出してトライ。ゴール成功。
【34分】帝45-12流
自陣でのスクラムから、SH春野-CTB小村-SO北村-FB奥村-WTB木村と渡り、木村が抜け出す。ゴール前で、SO北村にパスし、そのまま北村がトライ。ゴール成功。
【37分】帝50-12流
自陣22m内で相手のキックをWTB木村が拾って、走る。ゴール前で、FB奥村にパスし、奥村が走り切ってトライ。
【41分】帝50-19流
ペナルティでのクイック・リスタートからつながれて、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
2019年度、春の公式戦・春季大会が始まった。「平成」最後となるこの試合の相手は、リーグ戦グループの強豪・流通経済大学。帝京は公式戦初出場のメンバーも多く、前半はやや硬さが見られる。開始2分には、先制トライを許してしまった。だが、ここから少しずつ、帝京らしさを取り戻し、12分にLO本山がトライを奪うと、19分にはSO北村からのキックパスを、WTB木村がしっかりとキャッチし、逆転トライ。その後、再度逆転されるも、32分にはCTB尾﨑が再逆転のトライを奪い、17-12で前半を折り返した。後半は、積極的に相手に体を当てていくことを意識し、落ち着きを取り戻す。FW、BKともに躍動し、計5トライを奪い、ノーサイド。50-19で、帝京が春季大会第1戦を勝利で飾った。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「2019年度のシーズンが始まりました。新チームの公式戦スタートとして、厳しいゲーム、そしてコントロールし合ったゲームにしようと言って、臨みました。メンバー的に若い、経験の浅い選手が多いので、あまり目先の成功・失敗にとらわれずに、コントロールを失わないようにしながら、闘争心、挑戦心を前面に出して、自分自身をそこに浸していくことで、厳しさの土台をつくっていくようなゲームをしてほしいと期待していました。若い分、浮き沈みもありますが、少しずつよくなっていると感じています。去年、先輩たちが達成できなかったことを達成できるように、厳しく、一歩一歩進んでいってほしいと思います。今年のチームは、伸びしろの大きいチームだと感じていますので、彼らの成長がとても楽しみです。厳しさを楽しめるようなプレーヤーになっていくためのベースを、この時期、つくっていって、今後もいい挑戦をしていってくれればと思います。ファンの皆様も、学生たちの成長を温かく見守っていただければ幸いです。最後になりましたが、後半の最後まで激しいプレーをしてくださった流通経済大学さんに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。」
■ゲームキャプテン・SH末拓実(4年)
「今日は、特に前半、ブレイクダウンなどでぐちゃぐちゃとしたときに、僕がリードアップできませんでした。途中からはFWをコントロールして、立て直せたところもあったのですが、もっと早くに自分がリーダーシップを発揮していれば、よりまとまったかなと反省しています。SHとして、ブレイクダウンでFWをどう使っていくかをもっとコントロールできていたら、うまくボールが出て、もっといいアタックにつなげられたと思います。チームの状況は、成長途上のFWという感じなのに対して、BKは去年からの出場メンバーも多いので、BKがリードしてくれて、それにつられてFWも成長していってくれれば、強いチームになっていくのではないかと思っています。自分自身、まだまだチームを引っ張る力が足りないので、ゲームキャプテンとしての自覚を持って、声を出すことでも行動の部分でも、もっと引っ張っていきたいです。それによって、自分も帝京のゲームキャプテンとしてふさわしい人間に成長していけると思っています。去年からの出場メンバーたち、例えばマサ(北村将大)なんかが一緒に引っ張ってくれるので、そこに助けられている部分もありましたが、本当は自分がもっと引っ張っていきたいと思っているので、しっかりやっていきたいです。次に向けて、今日出たミスや課題を練習で修正していって、マインドも整えて、大東文化大学さんに対して、今日以上のゲームができたらと思っています。」
■4年生としてFWをまとめる・PR長谷川耀(4年)
「今日はセットプレーを安定させて、試合を優位に進めようと思って試合に臨んだのですが、スクラムでは相手の組み方に付き合ってしまって、自分たちのやりたいスクラムができず、差し込まれるプレーがいくつかあったので、そこは修正して次に臨みたいです。チームとしては、キャプテンとバイス・キャプテンがケガで不在ということで、いまは僕がバイス・キャプテンの代役をやらせてもらっているのですが、チームを、特にFWをしっかりとまとめて、全員が同じ方向でアタック、ディフェンスができる組織になるよう、みんなとしっかりコミュニケーションを取るようにしています。次は、大東文化大学さんとの試合ですが、スクラムを強みとしているチームだと思いますので、オフ明けから徹底的に強化して、大東文化大学さんに負けないように、自分たちのスクラムを組めるようにしたいです。去年のチームは、特にFWに4年生が多かったこともあって、今年のチームは経験が浅かったり、1、2年生もいたりするのですが、毎日の練習で少しずつですが成長を感じていますし、FWとして一体となりつつある実感もあります。これから、もっとまとまっていけるように、しっかりやっていきたいと思います。」
■先制トライでチームに勢いをつけた・LO本山尊(4年)
「今日ゲームでのよかった点は、まずは勝利で終われたところ、また、スクラムでは押されるシーンもありましたが、自分たちのやってきたことを前面に出せて、それも勝利につながったと思います。チームとしては、まだまだ改善点がたくさんありますが、そこを改善していけば、チームとして大きく成長できると思います。特に今日の試合で言えば、FWならブレイクダウンのところをもっと改善していきたいと思います。後半は、体を当てていくことをより意識してプレーしたことで、Go Forwardできて、BKのいいトライにつなげられたかなと思うので、試合の最初からもっと体を当てていくことを意識してやるようにしたいです。次に向けては、FWとしてはやはり体を張り続けるところ、前進し続けるというところを意識して、いい準備をしたいと思います。」
■キャプテン・本郷泰司(4年)
「今日は前半、もっと激しいプレーで相手に挑んでいけたらよかったのですが、そこが足りずに拮抗したゲームになってしまったと思います。ただ、その前半も痛いプレー、相手の体力を奪うようなプレーが、ある程度、できていたからこそ、後半はボールを動かして、BKを起点としていいアタックができて、それが後半のスコアにつながったと思います。経験の浅いメンバーも多く、前半は硬さもあったのかもしれませんが、それでも前半から激しさを出していけるように修正したいです。チームは、昨年度の敗戦を受けてむしろ気持ちが入って雰囲気よく練習ができているので、この雰囲気をずっと継続させていきたいです。また、勝つことで自信も得られて、もっともっとチームの雰囲気もよくなっていくと思うので、結果もしっかりと求めていきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
成長著しいユーティリティ・プレーヤー
CTB・FB 小村 健太(2年)
KOMURA KENTA
医療技術学部スポーツ医療学科
Hamilton Boys High School出身
身長177cm/体重81kg
■まずは、今日の試合を振り返って、感想をお願いします。
「今日は、自分としてもAチームでのファースト・ゲームだったのですが、自分の力の足りないところ、通用するところ、両方ありました。これからももっと練習して、Aチームのプレーができるようにしたいと思います。」
■最初、FBの奥村選手が出血で、急遽、一時的にFBに入りました。その後、奥村選手が戻って、次にCTBに入るという、ユーティリティ・プレーヤーぶりを発揮しました。
「去年、最初の方はずっと15番(FB)をやっていて、去年の終わりごろから12番(CTB)や10番(SO)と、いろいろなポジションをやらせてもらっています。どのポジションでもいいプレーができる選手になっていけたらと思っています。」
■ディフェンスでも、かなりタックルに行っていたように見えました。
「ミス・タックルもいくつかありましたし、ディフェンスの上がり下がり、どこで流して、詰めるかなど、そういったところがまだまだでした。もっと勉強しなければと思いました。」
■ポジションが変わると、ディフェンスの仕方も変わってくるでしょうし、その理解も重要になりそうですね。
「頭を柔軟にして、どこでもできるようにしていきたいです。」
■次戦に向けての意気込みをお願いします。
「僕が試合に出たら、チームに貢献できるように、この試合で出たミスや改善点を振り返って、次に向けていい準備をしたいと思います。」
高校時代、単身ニュージーランドへ留学。日本と海外、両方のラグビーを知る貴重な存在だ。この日は、Aチームとして初出場。出血による一時的交替として、急遽FBに入ったあと、途中出場でCTBに入った。さらに、SOもこなす。自身はディフェンス面での課題を語ったが、いいタックルがいくつもあった。改善点も多く見つかったようで、今後、さらに大きく成長してくれることだろう。
《COLUMN》
―― 新チームの「チャレンジ」が始まった ――
2019年度の新チーム公式戦(春季大会)が始まりました。毎年、この時期、選手もスタッフも新たな気持ちで臨んできましたが、今年はここ数年と少し違った雰囲気があるようです。もちろん、昨シーズン、大きな目標としてきた大学選手権優勝というタイトルをつかめず、今シーズンは「無冠の挑戦者」として臨むことになったからです。
加えて、この日の出場メンバーを見ると、特にFWでAチームとしての出場経験が少ない選手が多く、文字通り「新チーム」という顔ぶれです。リザーブも含め、4年生は3人しかいない、若いチームです。
この日の試合、特に前半はやや固さも見えました。しかし、前半12分にLO本山選手が公式戦初トライを奪うと、チームの固さもかなり取れ、動きもよくなっていきました。さらに、ハーフタイムに岩出監督から「もっと体をぶつけていこう。挑戦しての失敗はいい。そこから学べるから。挑戦しないのが一番よくない」とアドバイスをもらうと、後半は前に出る動きもよくなりました。
ちょっとしたマインドの変化で、プレーが大きく変わったのが印象的でした。
これは、経験の浅い、若いチームだからこそのアドバンテージだと言えそうです。昨年度のチームはいま考えると、一人一人の経験値も高く、マインドセットのスキルも比較的高い人が多かったので、完成度が高かった分、かえって「伸びしろ」が小さかったのかもしれません。
それに対して、今年度のチームは「伸びしろ」が大きなチームです。吸収力が高いと言ってもいいかもしれません。監督やコーチ陣からのちょっとしたアドバイスで、がらりとプレーが変わる。あとは経験を積んでいくことで、今度は自分たちでがらりと変えることができるようになれば、さらにいい循環に入っていけることでしょう。
この「伸びしろ」の話を岩出監督に聞いてみると、ニコッと笑いながら「楽しみでしょ」という答えが返ってきました。
選手本人たちはもちろん、監督、スタッフ陣も彼らに対して「成長マインドセット」を持って接していることがよくわかります。私たちファンも、この「成長マインドセット」で選手たちを長い目で温かく見守っていきたいと思います。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
SH・SO 谷中樹平(1年)
御所実業高校出身
身長177cm/体重75kg
「BKすべてのポジションができ、いまはSOを中心にやっています。自分は、左足でのキックを持っているので、そこは強みだと思っています。また、体は大きくないのですが、一対一のタックルには自信を持っています。課題は、その体の小ささだと感じていて、大きな大学生相手ではフィジカル負けしてしまうと思うので、まずは体づくりをしっかりやらなければと思っています。帝京大学ラグビー部は、チーム全体が一つになっているというか、何をやるにしても全員が同じ目標に向かってやっているので、そこはとてもすごいことだと感じています。いまはケガをしていて、練習も部分参加なのですが、まずはケガを治してプレーに復帰し、さらに体づくりをしっかりやって、Aチームで出場できるように頑張りたいです。また、考えることも多いので、体づくりに頭も追いついていけるように、ラグビーの理解度を高めて、頭も体も最善の状態で復帰できたらと思います。」
WTB/FB 南成亮(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長172cm/体重76kg
「自分のアピールポイントは、ランニングです。ボールを持ったときに、しっかりずらしてゲインしていくところをアピールしたいです。課題は体づくりです。まだ体が小さいので、もっとトレーニングして体を大きくして、タックルを強化したいです。帝京大学ラグビー部は、ウエイトトレーニングの環境がとてもしっかりしていると感じました。また、練習の質も高いのですが、練習以外の私生活部分もレベルが高いと感じます。今後は、どんどん上のチームに入っていけるように頑張りたいと思います。」
HO 中谷基希(1年)
高岡第一高校出身
身長174cm/93kg
「自分は、ボールを持ったときにフットワークを使って、相手の裏に出るプレーを強みとしています。また、ラインアウトのスローも得意としています。今後は、プレー中のコミュニケーション力を強化していきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、グラウンドなどの環境がとてもいいのはわかっていたつもりでしたが、実際に来てみると、思っていた以上に練習環境が充実していると感じました。今後は、もっとコミュニケーション力を磨いて、チームの先頭に立てるように頑張っていきたいです。」
左から谷中樹平、南成亮、中谷基希
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対大東文化大学(https://www.daito-rfc.com/)
5月12日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(勝点6)50-19流通経済大学(勝点0)●
《帝京大学》
[FW]
(1)長谷川(耀)⇒近藤(2)李(承爀)⇒上片(3)奥野⇒細木⇒奥野(4)本山⇒マクロビー(5)久保(6)安田(7)山添(8)金(隆)⇒ツイナカウヴァドラ
[BK]
(9)末⇒春野(10)北村⇒高本(11)二村(12)岡村⇒小村(13)尾﨑(14)木村(15)奥村
《流通経済大学》※先発のみ
[FW]
(1)小川(2)松田(3)津嘉山(4)粥塚(5)カペネ(6)田村(7)坂本(8)積
[BK]
(9)古川(10)荒木(11)ブルア(12)中川(13)タカヤワ(14)中根(15)北野
【前半】【得点経過】
【2分】帝0-5流
キックカウンターからつながれ、抜け出されて、トライを奪われる。
【12分】帝5-5流
スクラムから連続攻撃。ラックから、SH末-LO本山と渡り、トライ。
【19分】帝10-5流
ペナルティからクイック・リスタートで連続攻撃。SO北村が逆サイドにキックパス。WTB木村がキャッチして、トライ。
【28分】帝10-12流
ラインアウトからつながれ、トライを奪われる。
【32分】帝17-12流
ラインアウトからモールを形成。モールから、SH末-CTB岡村-CTB尾﨑と渡り、尾﨑が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【3分】帝24-12流
ラインアウトからモールを形成。ラックになって、連続攻撃。ラックから、LO久保が持ち出し、トライ。ゴール成功。
【14分】帝31-12流
ターンオーバーして展開。ラックから、SH末-FB奥村-CTB小村-WTB木村と渡り、木村がトライ。ゴール成功。
【26分】帝38-12流
ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH末-PR細木と渡り、細木が抜け出してトライ。ゴール成功。
【34分】帝45-12流
自陣でのスクラムから、SH春野-CTB小村-SO北村-FB奥村-WTB木村と渡り、木村が抜け出す。ゴール前で、SO北村にパスし、そのまま北村がトライ。ゴール成功。
【37分】帝50-12流
自陣22m内で相手のキックをWTB木村が拾って、走る。ゴール前で、FB奥村にパスし、奥村が走り切ってトライ。
【41分】帝50-19流
ペナルティでのクイック・リスタートからつながれて、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
2019年度、春の公式戦・春季大会が始まった。「平成」最後となるこの試合の相手は、リーグ戦グループの強豪・流通経済大学。帝京は公式戦初出場のメンバーも多く、前半はやや硬さが見られる。開始2分には、先制トライを許してしまった。だが、ここから少しずつ、帝京らしさを取り戻し、12分にLO本山がトライを奪うと、19分にはSO北村からのキックパスを、WTB木村がしっかりとキャッチし、逆転トライ。その後、再度逆転されるも、32分にはCTB尾﨑が再逆転のトライを奪い、17-12で前半を折り返した。後半は、積極的に相手に体を当てていくことを意識し、落ち着きを取り戻す。FW、BKともに躍動し、計5トライを奪い、ノーサイド。50-19で、帝京が春季大会第1戦を勝利で飾った。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「2019年度のシーズンが始まりました。新チームの公式戦スタートとして、厳しいゲーム、そしてコントロールし合ったゲームにしようと言って、臨みました。メンバー的に若い、経験の浅い選手が多いので、あまり目先の成功・失敗にとらわれずに、コントロールを失わないようにしながら、闘争心、挑戦心を前面に出して、自分自身をそこに浸していくことで、厳しさの土台をつくっていくようなゲームをしてほしいと期待していました。若い分、浮き沈みもありますが、少しずつよくなっていると感じています。去年、先輩たちが達成できなかったことを達成できるように、厳しく、一歩一歩進んでいってほしいと思います。今年のチームは、伸びしろの大きいチームだと感じていますので、彼らの成長がとても楽しみです。厳しさを楽しめるようなプレーヤーになっていくためのベースを、この時期、つくっていって、今後もいい挑戦をしていってくれればと思います。ファンの皆様も、学生たちの成長を温かく見守っていただければ幸いです。最後になりましたが、後半の最後まで激しいプレーをしてくださった流通経済大学さんに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。」
■ゲームキャプテン・SH末拓実(4年)
「今日は、特に前半、ブレイクダウンなどでぐちゃぐちゃとしたときに、僕がリードアップできませんでした。途中からはFWをコントロールして、立て直せたところもあったのですが、もっと早くに自分がリーダーシップを発揮していれば、よりまとまったかなと反省しています。SHとして、ブレイクダウンでFWをどう使っていくかをもっとコントロールできていたら、うまくボールが出て、もっといいアタックにつなげられたと思います。チームの状況は、成長途上のFWという感じなのに対して、BKは去年からの出場メンバーも多いので、BKがリードしてくれて、それにつられてFWも成長していってくれれば、強いチームになっていくのではないかと思っています。自分自身、まだまだチームを引っ張る力が足りないので、ゲームキャプテンとしての自覚を持って、声を出すことでも行動の部分でも、もっと引っ張っていきたいです。それによって、自分も帝京のゲームキャプテンとしてふさわしい人間に成長していけると思っています。去年からの出場メンバーたち、例えばマサ(北村将大)なんかが一緒に引っ張ってくれるので、そこに助けられている部分もありましたが、本当は自分がもっと引っ張っていきたいと思っているので、しっかりやっていきたいです。次に向けて、今日出たミスや課題を練習で修正していって、マインドも整えて、大東文化大学さんに対して、今日以上のゲームができたらと思っています。」
■4年生としてFWをまとめる・PR長谷川耀(4年)
「今日はセットプレーを安定させて、試合を優位に進めようと思って試合に臨んだのですが、スクラムでは相手の組み方に付き合ってしまって、自分たちのやりたいスクラムができず、差し込まれるプレーがいくつかあったので、そこは修正して次に臨みたいです。チームとしては、キャプテンとバイス・キャプテンがケガで不在ということで、いまは僕がバイス・キャプテンの代役をやらせてもらっているのですが、チームを、特にFWをしっかりとまとめて、全員が同じ方向でアタック、ディフェンスができる組織になるよう、みんなとしっかりコミュニケーションを取るようにしています。次は、大東文化大学さんとの試合ですが、スクラムを強みとしているチームだと思いますので、オフ明けから徹底的に強化して、大東文化大学さんに負けないように、自分たちのスクラムを組めるようにしたいです。去年のチームは、特にFWに4年生が多かったこともあって、今年のチームは経験が浅かったり、1、2年生もいたりするのですが、毎日の練習で少しずつですが成長を感じていますし、FWとして一体となりつつある実感もあります。これから、もっとまとまっていけるように、しっかりやっていきたいと思います。」
■先制トライでチームに勢いをつけた・LO本山尊(4年)
「今日ゲームでのよかった点は、まずは勝利で終われたところ、また、スクラムでは押されるシーンもありましたが、自分たちのやってきたことを前面に出せて、それも勝利につながったと思います。チームとしては、まだまだ改善点がたくさんありますが、そこを改善していけば、チームとして大きく成長できると思います。特に今日の試合で言えば、FWならブレイクダウンのところをもっと改善していきたいと思います。後半は、体を当てていくことをより意識してプレーしたことで、Go Forwardできて、BKのいいトライにつなげられたかなと思うので、試合の最初からもっと体を当てていくことを意識してやるようにしたいです。次に向けては、FWとしてはやはり体を張り続けるところ、前進し続けるというところを意識して、いい準備をしたいと思います。」
■キャプテン・本郷泰司(4年)
「今日は前半、もっと激しいプレーで相手に挑んでいけたらよかったのですが、そこが足りずに拮抗したゲームになってしまったと思います。ただ、その前半も痛いプレー、相手の体力を奪うようなプレーが、ある程度、できていたからこそ、後半はボールを動かして、BKを起点としていいアタックができて、それが後半のスコアにつながったと思います。経験の浅いメンバーも多く、前半は硬さもあったのかもしれませんが、それでも前半から激しさを出していけるように修正したいです。チームは、昨年度の敗戦を受けてむしろ気持ちが入って雰囲気よく練習ができているので、この雰囲気をずっと継続させていきたいです。また、勝つことで自信も得られて、もっともっとチームの雰囲気もよくなっていくと思うので、結果もしっかりと求めていきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
成長著しいユーティリティ・プレーヤー
CTB・FB 小村 健太(2年)
KOMURA KENTA
医療技術学部スポーツ医療学科
Hamilton Boys High School出身
身長177cm/体重81kg
■まずは、今日の試合を振り返って、感想をお願いします。
「今日は、自分としてもAチームでのファースト・ゲームだったのですが、自分の力の足りないところ、通用するところ、両方ありました。これからももっと練習して、Aチームのプレーができるようにしたいと思います。」
■最初、FBの奥村選手が出血で、急遽、一時的にFBに入りました。その後、奥村選手が戻って、次にCTBに入るという、ユーティリティ・プレーヤーぶりを発揮しました。
「去年、最初の方はずっと15番(FB)をやっていて、去年の終わりごろから12番(CTB)や10番(SO)と、いろいろなポジションをやらせてもらっています。どのポジションでもいいプレーができる選手になっていけたらと思っています。」
■ディフェンスでも、かなりタックルに行っていたように見えました。
「ミス・タックルもいくつかありましたし、ディフェンスの上がり下がり、どこで流して、詰めるかなど、そういったところがまだまだでした。もっと勉強しなければと思いました。」
■ポジションが変わると、ディフェンスの仕方も変わってくるでしょうし、その理解も重要になりそうですね。
「頭を柔軟にして、どこでもできるようにしていきたいです。」
■次戦に向けての意気込みをお願いします。
「僕が試合に出たら、チームに貢献できるように、この試合で出たミスや改善点を振り返って、次に向けていい準備をしたいと思います。」
高校時代、単身ニュージーランドへ留学。日本と海外、両方のラグビーを知る貴重な存在だ。この日は、Aチームとして初出場。出血による一時的交替として、急遽FBに入ったあと、途中出場でCTBに入った。さらに、SOもこなす。自身はディフェンス面での課題を語ったが、いいタックルがいくつもあった。改善点も多く見つかったようで、今後、さらに大きく成長してくれることだろう。
《COLUMN》
―― 新チームの「チャレンジ」が始まった ――
2019年度の新チーム公式戦(春季大会)が始まりました。毎年、この時期、選手もスタッフも新たな気持ちで臨んできましたが、今年はここ数年と少し違った雰囲気があるようです。もちろん、昨シーズン、大きな目標としてきた大学選手権優勝というタイトルをつかめず、今シーズンは「無冠の挑戦者」として臨むことになったからです。
加えて、この日の出場メンバーを見ると、特にFWでAチームとしての出場経験が少ない選手が多く、文字通り「新チーム」という顔ぶれです。リザーブも含め、4年生は3人しかいない、若いチームです。
この日の試合、特に前半はやや固さも見えました。しかし、前半12分にLO本山選手が公式戦初トライを奪うと、チームの固さもかなり取れ、動きもよくなっていきました。さらに、ハーフタイムに岩出監督から「もっと体をぶつけていこう。挑戦しての失敗はいい。そこから学べるから。挑戦しないのが一番よくない」とアドバイスをもらうと、後半は前に出る動きもよくなりました。
ちょっとしたマインドの変化で、プレーが大きく変わったのが印象的でした。
これは、経験の浅い、若いチームだからこそのアドバンテージだと言えそうです。昨年度のチームはいま考えると、一人一人の経験値も高く、マインドセットのスキルも比較的高い人が多かったので、完成度が高かった分、かえって「伸びしろ」が小さかったのかもしれません。
それに対して、今年度のチームは「伸びしろ」が大きなチームです。吸収力が高いと言ってもいいかもしれません。監督やコーチ陣からのちょっとしたアドバイスで、がらりとプレーが変わる。あとは経験を積んでいくことで、今度は自分たちでがらりと変えることができるようになれば、さらにいい循環に入っていけることでしょう。
この「伸びしろ」の話を岩出監督に聞いてみると、ニコッと笑いながら「楽しみでしょ」という答えが返ってきました。
選手本人たちはもちろん、監督、スタッフ陣も彼らに対して「成長マインドセット」を持って接していることがよくわかります。私たちファンも、この「成長マインドセット」で選手たちを長い目で温かく見守っていきたいと思います。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
SH・SO 谷中樹平(1年)
御所実業高校出身
身長177cm/体重75kg
「BKすべてのポジションができ、いまはSOを中心にやっています。自分は、左足でのキックを持っているので、そこは強みだと思っています。また、体は大きくないのですが、一対一のタックルには自信を持っています。課題は、その体の小ささだと感じていて、大きな大学生相手ではフィジカル負けしてしまうと思うので、まずは体づくりをしっかりやらなければと思っています。帝京大学ラグビー部は、チーム全体が一つになっているというか、何をやるにしても全員が同じ目標に向かってやっているので、そこはとてもすごいことだと感じています。いまはケガをしていて、練習も部分参加なのですが、まずはケガを治してプレーに復帰し、さらに体づくりをしっかりやって、Aチームで出場できるように頑張りたいです。また、考えることも多いので、体づくりに頭も追いついていけるように、ラグビーの理解度を高めて、頭も体も最善の状態で復帰できたらと思います。」
WTB/FB 南成亮(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長172cm/体重76kg
「自分のアピールポイントは、ランニングです。ボールを持ったときに、しっかりずらしてゲインしていくところをアピールしたいです。課題は体づくりです。まだ体が小さいので、もっとトレーニングして体を大きくして、タックルを強化したいです。帝京大学ラグビー部は、ウエイトトレーニングの環境がとてもしっかりしていると感じました。また、練習の質も高いのですが、練習以外の私生活部分もレベルが高いと感じます。今後は、どんどん上のチームに入っていけるように頑張りたいと思います。」
HO 中谷基希(1年)
高岡第一高校出身
身長174cm/93kg
「自分は、ボールを持ったときにフットワークを使って、相手の裏に出るプレーを強みとしています。また、ラインアウトのスローも得意としています。今後は、プレー中のコミュニケーション力を強化していきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、グラウンドなどの環境がとてもいいのはわかっていたつもりでしたが、実際に来てみると、思っていた以上に練習環境が充実していると感じました。今後は、もっとコミュニケーション力を磨いて、チームの先頭に立てるように頑張っていきたいです。」
左から谷中樹平、南成亮、中谷基希
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対大東文化大学(https://www.daito-rfc.com/)
5月12日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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