REPORT
レポート
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招待試合(第18回滋賀県ラグビー祭) 立命館大学戦
2019/06/08
6月8日(土)・皇子山運動公園陸上競技場
○帝京大学24-14立命館大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)北⇒長谷川(2)李(承爀)⇒文(3)奥野⇒細木(4)マクロビー(5)久保⇒佐藤(6)安田(7)山添⇒トンガタマ(8)ツイナカウヴァドラ⇒中野⇒山添
[BK]
(9)土永⇒春野(10)北村⇒高本⇒北村(11)李(承信)⇒薬師寺(12)本郷(13)尾﨑⇒岡村⇒小村(14)木村(15)奥村
《立命館大学》※先発のみ
[FW]
(1)向仲(2)島田(3)紙森(4)田中(5)横井(6)内田(7)野村(8)宮下
[BK]
(9)諸井(10)吉本(11)木田(12)藤高(13)原口(14)藤井(15)池島
【前半】【得点経過】
【4分】帝5-0立
ラインアウトからモールを押し込み、HO李がトライ。
【12分】帝5-7立
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【18分】帝10-7立
スクラムから連続攻撃。ラックからSH土永-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。
【30分】帝17-7立
ターンオーバーから連続攻撃。SH土永が抜け出し、キック。WTB木村が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【34分】帝24-7立
CTB小村がパスをインターセプト。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【46分】帝24-14立
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
招待試合(第18回滋賀県ラグビー祭)の対戦相手は、関西Aリーグの立命館大学。滋賀県は岩出監督が長年、中学・高校の教員を務めていたゆかりの深い土地。また、チームの選手にも滋賀県出身、滋賀県の高校出身、すぐ隣の京都府出身者もおり、スタンドで家族や友人、知人たちが見守る中でのキックオフとなった。先制したのは帝京。4分にモールを押し込み、HO李がトライ。だが、12分にペナルティからピンチを招き、逆転を許してしまう。18分にBKでトライを奪って逆転し、勢いに乗れるかと思ったが、ミスが多くなり、得点にまで至らない。30分にWTB木村がトライを奪って、17-7で前半を折り返した。後半は、お互い一進一退。ただし、帝京が攻め込んではミスをするという展開が多くなる。どちらも加点できない、緊迫した状況が続く。34分、ようやく得点が動く。CTB小村が相手のパスをインターセプト。そのまま走り切って24-7とする。終了間際に得点されるも、24-14でノーサイド。帝京が勝利を収めた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日はお世話になった滋賀県でのゲームということで、私個人としましては、帝京のいいラグビーをお見せしたいと思っておりました。試合の内容については、いいところもあり、まだまだなところもありで、お見せしたかったラグビーとは少し違ったかもしれませんが、学生たちは一生懸命にプレーしていましたし、そうした一生懸命さは多くの皆様に伝わったのではないかと思います。学生たちには、今日、この滋賀の地で体験したことを糧として、さらなる成長につなげていってくれるものと期待しています。チーム力アップのために一人一人がよく考えて、今日のゲームをしっかりと振り返ってほしいと思います。最後になりましたが、ノーサイドの瞬間まで激しいプレーで戦ってくださった立命館大学の選手、スタッフ、関係者の皆様、また、関西協会、滋賀県協会、および大会関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。」
■キャプテン・CTB本郷泰司(4年)
「今日は『ハードワーク』をテーマとして臨みましたが、ミスも多く出てしまい、最後まで流れがつかめない試合になってしまいました。また、個人的なことですが、自分は滋賀県出身で、滋賀で試合をするのは中学生以来でした。いろいろな人に応援していただいて、その応援に応えるプレーをしたいという思いで試合に臨みました。ケガからの復帰戦ということもあり、ゲーム感覚はまだまだ戻り切っていなかったかもしれませんが、思い切りやり続けようと考えてプレーしました。思い切りの部分ではできたと思うのですが、ミスも出てしまいました。相手の最初のトライは、完全に僕のタックルミスでしたし、あれがなかったら相手に勢い付かせることもなく、自分たちのペースに持って行けたと思うので、大きな反省点だと思っています。チームとしては、前に出られていなかったわけではないので、ミスさえなかったら、もっとトライまで持って行けたシーンも増えていたはずなので、取り切れないという課題が出た試合だったと思います。チームはまだまだ成長段階ですが、もっと激しくとか、前に出ようといった気持ち次第でさらに成長できると感じています。いまはそこがまだまだ足りないです。自分たちが勢いに乗っているときはいいのですが、強く、厳しい相手に対して、自分たちが勢いを失い、相手が勢い付いているときに、そこからどうやって流れを引き戻すかが課題です。次の早稲田大学さんとの試合は春シーズンのラストゲームとなりますが、まずは自分たちが勢いをつかむこと、ミスをなくすことなど、今日出た課題を修正して、挑みたいと思います。クロスゲームになると思いますが、そうしたクロスゲームをしっかり勝ち切れるように、今日はあまりできていなかった『ハードワーク』をもっとできるようにしたいと思います。」
■トライシーンではいいコミュニケーションが取れた・WTB木村朋也(3年)
「今日は自分たちの力が全然出せなかった試合になってしまいました。場内のインタビューで立命館大学の片岡(涼亮)キャプテンが『点差以上に差を感じた』とおっしゃっていましたが、それはつまり僕たちとしてはもっと点数が取れたはずの試合だったということだと思います。なぜそういう試合になってしまったのかを、もう一度、見直すことが大事だと思います。滋賀での試合(隣の京都府出身)ということで、知り合いもたくさん来てくれて、モチベーションも上がり、1トライできてよかったのですが、もっと活躍できるはずのシーンもたくさんあったので、もっとチャレンジできたらよかったです。トライシーン(SH土永からのキックにうまく反応してのトライ)は、裏がよく見えていて、SHともうまくコミュニケーションが取れたので、そこはよかったです。次は春の最終戦。自分たちがこの春にやってきたことを精一杯出して、もっとチャレンジして、その結果、勝利できたらと思います。」
■下級生が思い切ってプレーできるように伴走していきたい・FB奥村翔(3年)
「今日は、滋賀での試合(隣の京都府出身)ということで、チームとしては立命館さんがホームで帝京の方がアウェイだったと思いますが、自分としてはホームでプレーしている感覚がありました。いつもとはちょっと違う感じで、ずっと楽しみにしていました。試合は、イージーミスとブレイクダウンでの甘さが出てしまいました。ブレイクダウンでは、立命館さんのジャッカルに自分たちが対応できていなかったです。勝てたのはよかったですが、もっと点数も取れたはずの試合だったと思います。前に出ているのにミスで最後に点を取り切れないというところが、このところずっと出ている反省点です。そこは、みんなで話し合っています。3年生ですが、上級生として下級生を引っ張っていく、伴走していくということは常に意識してやっていますし、これまで自分たちが先輩に引っ張ってもらったように、下級生に思い切ってプレーしてもらうように自分も伴走していきたいです。次は、春にやってきたことをすべて出し切るだけだと思っています。今日出た修正点をしっかり改善できるようにしていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
地元で気持ちの入った好プレーを披露
SH 土永雷(3年)
Doei Azuma
医療技術学部スポーツ医療学科
光泉高校出身
身長167cm/体重67kg
■試合を振り返って感想をお願いします。
「今日の帝京のテーマは『ハードワーク』。歩かないことを意識して臨みました。また、自分のSHとしてのテーマは『声を出そう』ということでした。湿度、気温とも高く、みんなしんどいところもあったと思いますが、自分が一番、声を出そうと思って、やりました。」
■「声を出す」という部分は、どうでしたか。
「前回の試合(6月2日の明治大学戦)よりはできたと思いますが、まだまだFWのコントロールやBKとFWのコネクションのところなどがうまくいかず、得点につながらなかったので、そこは修正点だと思います。」
■手応えを得た部分もあったのでは?
「テンポを出せたところもありましたが、80分間、すべてがいい方向に行けていたわけではないので、SHとして80分間、すべていい方向に持って行けるようにしていかなければと思っています。」
■今日は久しぶりの先発出場。SHはチーム内の競争も激しいポジションの一つだと思いますが、どんな意識で臨んだのでしょうか。
「今日に関しては、帝京大学のスターティングメンバーを任された者として、ファーストジャージへのプライドを持って臨みました。その気持ちをこれからも持ち続けて、シーズンに向けて努力していきたいです。」
■地元(光泉高校出身)ということで、気持ちの入り方も違ったのでは。
「そうですね。実家は京都ですが、高校が滋賀でしたので、友人、知人も応援に来てくれましたし、いつも以上に頑張ろうと思いました。」
■次戦は春シーズン最後の試合になりますが、そこへ向けての意気込みをお願いします。
「自分の出番があれば、自分の持ち味を発揮して、さらに自分だけでなく、チームのみんなにいい影響を与えるプレーをしたいと思います。」
滋賀県の光泉高校出身。その滋賀での試合で。今季初先発ながら、いいパフォーマンスを見せてくれた。SHとしてテンポよくさばいたのはもちろん、自ら仕掛けて前に出るプレーで、再三チャンスを作った。声を出すことをテーマにしたと語るように、ゲームコントロールへの意識も高い。この日、地元でいいプレーの感触を得たことは、今後の成長にもいい影響を与えてくれるに違いない。
《COLUMN》
―― アウェイでのホーム感覚 ――
この日の試合は、滋賀県大津市で立命館大学とのゲームでした。立命館大学は京都市や滋賀県草津市などにキャンパスがあり、ラグビー部のグラウンドも滋賀県草津市にあります。つまり、滋賀県での試合は立命館大学にとって「ホーム」であり、帝京にとっては「アウェイ」と言えるでしょう。
実際、立命館大学のチャンスのときにスタンドが沸くというシーンが多かったですし、チームの応援の人数も立命館大学の方が多かったと思います。
「ホーム」「アウェイ」という考え方は、サッカーなどでよく用いられます。地元の応援も多く、また慣れた場所でプレーできる「ホーム」のチームの方が有利で、応援が少なく、慣れない場所で試合をすることになる「アウェイ」のチームは不利だという考え方です。
これは心理学的にもある程度、根拠のあることとされているようですから、いかにホーム的な環境で戦えるかはとても重要だと言えるでしょう。
ただ、この日、FBの奥村翔選手はこんなふうに語ってくれました。
「アウェイなのに、ホームでプレーしている感覚がありました。」
奥村選手は滋賀の隣の京都出身(京都駅と大津駅は、電車で9分の距離!)。地元に戻ってきたという感覚が強かったようです。他にも、CTB尾﨑、WTB木村が京都出身。SH土永は京都出身で高校は滋賀。CTB本郷は京都の高校出身ですが、実家は滋賀。そして何より、岩出監督は滋賀で16年間、教員をしていました。この日のゲームも、岩出監督と滋賀とのご縁で実現したものと言えます。
ですから、客観的なスタジアムの雰囲気とは違い、「アウェイなのに、ホームでプレーしている感覚」を持った帝京の選手が意外にたくさんいたことになります。そして実際、スタンドには彼らの家族、昔からの友人、知人たちが応援してくれていました。その姿は「ホーム感覚」を大いに高めてくれたはずです。
この春、百草グラウンドという完全なホームグラウンドで戦う機会が多かった帝京の選手たちにとって、「アウェイでのホーム感覚」という、ちょっと変わった状況を味わえたことは、今後にとっていい影響を与えてくれるのではないでしょうか。
もっとも、スタジアムの客観的状況が「ホーム」であるのがいちばん望ましいわけですから、ファンの皆様にはぜひグラウンドに足を運んでいただきたく存じます。たくさんの方々に赤いシャツで赤い旗を振っていただけることを願っています。
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対早稲田大学(https://www.wasedarugby.com/)
6月16日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/太田和樹(帝京スポーツ))
○帝京大学24-14立命館大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)北⇒長谷川(2)李(承爀)⇒文(3)奥野⇒細木(4)マクロビー(5)久保⇒佐藤(6)安田(7)山添⇒トンガタマ(8)ツイナカウヴァドラ⇒中野⇒山添
[BK]
(9)土永⇒春野(10)北村⇒高本⇒北村(11)李(承信)⇒薬師寺(12)本郷(13)尾﨑⇒岡村⇒小村(14)木村(15)奥村
《立命館大学》※先発のみ
[FW]
(1)向仲(2)島田(3)紙森(4)田中(5)横井(6)内田(7)野村(8)宮下
[BK]
(9)諸井(10)吉本(11)木田(12)藤高(13)原口(14)藤井(15)池島
【前半】【得点経過】
【4分】帝5-0立
ラインアウトからモールを押し込み、HO李がトライ。
【12分】帝5-7立
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【18分】帝10-7立
スクラムから連続攻撃。ラックからSH土永-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。
【30分】帝17-7立
ターンオーバーから連続攻撃。SH土永が抜け出し、キック。WTB木村が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【34分】帝24-7立
CTB小村がパスをインターセプト。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【46分】帝24-14立
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
招待試合(第18回滋賀県ラグビー祭)の対戦相手は、関西Aリーグの立命館大学。滋賀県は岩出監督が長年、中学・高校の教員を務めていたゆかりの深い土地。また、チームの選手にも滋賀県出身、滋賀県の高校出身、すぐ隣の京都府出身者もおり、スタンドで家族や友人、知人たちが見守る中でのキックオフとなった。先制したのは帝京。4分にモールを押し込み、HO李がトライ。だが、12分にペナルティからピンチを招き、逆転を許してしまう。18分にBKでトライを奪って逆転し、勢いに乗れるかと思ったが、ミスが多くなり、得点にまで至らない。30分にWTB木村がトライを奪って、17-7で前半を折り返した。後半は、お互い一進一退。ただし、帝京が攻め込んではミスをするという展開が多くなる。どちらも加点できない、緊迫した状況が続く。34分、ようやく得点が動く。CTB小村が相手のパスをインターセプト。そのまま走り切って24-7とする。終了間際に得点されるも、24-14でノーサイド。帝京が勝利を収めた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日はお世話になった滋賀県でのゲームということで、私個人としましては、帝京のいいラグビーをお見せしたいと思っておりました。試合の内容については、いいところもあり、まだまだなところもありで、お見せしたかったラグビーとは少し違ったかもしれませんが、学生たちは一生懸命にプレーしていましたし、そうした一生懸命さは多くの皆様に伝わったのではないかと思います。学生たちには、今日、この滋賀の地で体験したことを糧として、さらなる成長につなげていってくれるものと期待しています。チーム力アップのために一人一人がよく考えて、今日のゲームをしっかりと振り返ってほしいと思います。最後になりましたが、ノーサイドの瞬間まで激しいプレーで戦ってくださった立命館大学の選手、スタッフ、関係者の皆様、また、関西協会、滋賀県協会、および大会関係者の皆様に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。」
■キャプテン・CTB本郷泰司(4年)
「今日は『ハードワーク』をテーマとして臨みましたが、ミスも多く出てしまい、最後まで流れがつかめない試合になってしまいました。また、個人的なことですが、自分は滋賀県出身で、滋賀で試合をするのは中学生以来でした。いろいろな人に応援していただいて、その応援に応えるプレーをしたいという思いで試合に臨みました。ケガからの復帰戦ということもあり、ゲーム感覚はまだまだ戻り切っていなかったかもしれませんが、思い切りやり続けようと考えてプレーしました。思い切りの部分ではできたと思うのですが、ミスも出てしまいました。相手の最初のトライは、完全に僕のタックルミスでしたし、あれがなかったら相手に勢い付かせることもなく、自分たちのペースに持って行けたと思うので、大きな反省点だと思っています。チームとしては、前に出られていなかったわけではないので、ミスさえなかったら、もっとトライまで持って行けたシーンも増えていたはずなので、取り切れないという課題が出た試合だったと思います。チームはまだまだ成長段階ですが、もっと激しくとか、前に出ようといった気持ち次第でさらに成長できると感じています。いまはそこがまだまだ足りないです。自分たちが勢いに乗っているときはいいのですが、強く、厳しい相手に対して、自分たちが勢いを失い、相手が勢い付いているときに、そこからどうやって流れを引き戻すかが課題です。次の早稲田大学さんとの試合は春シーズンのラストゲームとなりますが、まずは自分たちが勢いをつかむこと、ミスをなくすことなど、今日出た課題を修正して、挑みたいと思います。クロスゲームになると思いますが、そうしたクロスゲームをしっかり勝ち切れるように、今日はあまりできていなかった『ハードワーク』をもっとできるようにしたいと思います。」
■トライシーンではいいコミュニケーションが取れた・WTB木村朋也(3年)
「今日は自分たちの力が全然出せなかった試合になってしまいました。場内のインタビューで立命館大学の片岡(涼亮)キャプテンが『点差以上に差を感じた』とおっしゃっていましたが、それはつまり僕たちとしてはもっと点数が取れたはずの試合だったということだと思います。なぜそういう試合になってしまったのかを、もう一度、見直すことが大事だと思います。滋賀での試合(隣の京都府出身)ということで、知り合いもたくさん来てくれて、モチベーションも上がり、1トライできてよかったのですが、もっと活躍できるはずのシーンもたくさんあったので、もっとチャレンジできたらよかったです。トライシーン(SH土永からのキックにうまく反応してのトライ)は、裏がよく見えていて、SHともうまくコミュニケーションが取れたので、そこはよかったです。次は春の最終戦。自分たちがこの春にやってきたことを精一杯出して、もっとチャレンジして、その結果、勝利できたらと思います。」
■下級生が思い切ってプレーできるように伴走していきたい・FB奥村翔(3年)
「今日は、滋賀での試合(隣の京都府出身)ということで、チームとしては立命館さんがホームで帝京の方がアウェイだったと思いますが、自分としてはホームでプレーしている感覚がありました。いつもとはちょっと違う感じで、ずっと楽しみにしていました。試合は、イージーミスとブレイクダウンでの甘さが出てしまいました。ブレイクダウンでは、立命館さんのジャッカルに自分たちが対応できていなかったです。勝てたのはよかったですが、もっと点数も取れたはずの試合だったと思います。前に出ているのにミスで最後に点を取り切れないというところが、このところずっと出ている反省点です。そこは、みんなで話し合っています。3年生ですが、上級生として下級生を引っ張っていく、伴走していくということは常に意識してやっていますし、これまで自分たちが先輩に引っ張ってもらったように、下級生に思い切ってプレーしてもらうように自分も伴走していきたいです。次は、春にやってきたことをすべて出し切るだけだと思っています。今日出た修正点をしっかり改善できるようにしていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
地元で気持ちの入った好プレーを披露
SH 土永雷(3年)
Doei Azuma
医療技術学部スポーツ医療学科
光泉高校出身
身長167cm/体重67kg
■試合を振り返って感想をお願いします。
「今日の帝京のテーマは『ハードワーク』。歩かないことを意識して臨みました。また、自分のSHとしてのテーマは『声を出そう』ということでした。湿度、気温とも高く、みんなしんどいところもあったと思いますが、自分が一番、声を出そうと思って、やりました。」
■「声を出す」という部分は、どうでしたか。
「前回の試合(6月2日の明治大学戦)よりはできたと思いますが、まだまだFWのコントロールやBKとFWのコネクションのところなどがうまくいかず、得点につながらなかったので、そこは修正点だと思います。」
■手応えを得た部分もあったのでは?
「テンポを出せたところもありましたが、80分間、すべてがいい方向に行けていたわけではないので、SHとして80分間、すべていい方向に持って行けるようにしていかなければと思っています。」
■今日は久しぶりの先発出場。SHはチーム内の競争も激しいポジションの一つだと思いますが、どんな意識で臨んだのでしょうか。
「今日に関しては、帝京大学のスターティングメンバーを任された者として、ファーストジャージへのプライドを持って臨みました。その気持ちをこれからも持ち続けて、シーズンに向けて努力していきたいです。」
■地元(光泉高校出身)ということで、気持ちの入り方も違ったのでは。
「そうですね。実家は京都ですが、高校が滋賀でしたので、友人、知人も応援に来てくれましたし、いつも以上に頑張ろうと思いました。」
■次戦は春シーズン最後の試合になりますが、そこへ向けての意気込みをお願いします。
「自分の出番があれば、自分の持ち味を発揮して、さらに自分だけでなく、チームのみんなにいい影響を与えるプレーをしたいと思います。」
滋賀県の光泉高校出身。その滋賀での試合で。今季初先発ながら、いいパフォーマンスを見せてくれた。SHとしてテンポよくさばいたのはもちろん、自ら仕掛けて前に出るプレーで、再三チャンスを作った。声を出すことをテーマにしたと語るように、ゲームコントロールへの意識も高い。この日、地元でいいプレーの感触を得たことは、今後の成長にもいい影響を与えてくれるに違いない。
《COLUMN》
―― アウェイでのホーム感覚 ――
この日の試合は、滋賀県大津市で立命館大学とのゲームでした。立命館大学は京都市や滋賀県草津市などにキャンパスがあり、ラグビー部のグラウンドも滋賀県草津市にあります。つまり、滋賀県での試合は立命館大学にとって「ホーム」であり、帝京にとっては「アウェイ」と言えるでしょう。
実際、立命館大学のチャンスのときにスタンドが沸くというシーンが多かったですし、チームの応援の人数も立命館大学の方が多かったと思います。
「ホーム」「アウェイ」という考え方は、サッカーなどでよく用いられます。地元の応援も多く、また慣れた場所でプレーできる「ホーム」のチームの方が有利で、応援が少なく、慣れない場所で試合をすることになる「アウェイ」のチームは不利だという考え方です。
これは心理学的にもある程度、根拠のあることとされているようですから、いかにホーム的な環境で戦えるかはとても重要だと言えるでしょう。
ただ、この日、FBの奥村翔選手はこんなふうに語ってくれました。
「アウェイなのに、ホームでプレーしている感覚がありました。」
奥村選手は滋賀の隣の京都出身(京都駅と大津駅は、電車で9分の距離!)。地元に戻ってきたという感覚が強かったようです。他にも、CTB尾﨑、WTB木村が京都出身。SH土永は京都出身で高校は滋賀。CTB本郷は京都の高校出身ですが、実家は滋賀。そして何より、岩出監督は滋賀で16年間、教員をしていました。この日のゲームも、岩出監督と滋賀とのご縁で実現したものと言えます。
ですから、客観的なスタジアムの雰囲気とは違い、「アウェイなのに、ホームでプレーしている感覚」を持った帝京の選手が意外にたくさんいたことになります。そして実際、スタンドには彼らの家族、昔からの友人、知人たちが応援してくれていました。その姿は「ホーム感覚」を大いに高めてくれたはずです。
この春、百草グラウンドという完全なホームグラウンドで戦う機会が多かった帝京の選手たちにとって、「アウェイでのホーム感覚」という、ちょっと変わった状況を味わえたことは、今後にとっていい影響を与えてくれるのではないでしょうか。
もっとも、スタジアムの客観的状況が「ホーム」であるのがいちばん望ましいわけですから、ファンの皆様にはぜひグラウンドに足を運んでいただきたく存じます。たくさんの方々に赤いシャツで赤い旗を振っていただけることを願っています。
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対早稲田大学(https://www.wasedarugby.com/)
6月16日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/太田和樹(帝京スポーツ))
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