REPORT
レポート
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夏季練習試合 早稲田大学戦
2019/08/21
8月21日(水)・サニアパーク菅平D
●帝京大学21-31早稲田大学○
《帝京大学》
[FW]
(1)北⇒奥野(2)李(承爀)⇒文(3)細木⇒清水(4)佐藤⇒水谷(5)久保(6)安田(7)亀井⇒トンガタマ(8)金(隆)
[BK]
(9)末⇒土永(10)李(承信)⇒北村(11)奥村⇒平坂(海)(12)本郷⇒李(承信)(13)尾﨑⇒マクカラン(14)木村(15)岡村⇒小村
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)久保(2)森島(3)小林(4)三浦(5)下川(6)大崎(7)幸重(8)丸尾
[BK]
(9)河村(10)岸岡(11)安部(12)中西(13)長田(14)桑山(15)南
【前半】【得点経過】
【5分】帝0-7早
ラインアウトからつながれ、SOに走られ、トライを奪われる。
【15分】帝0-14早
ラインアウトからモールで攻められ、トライを奪われる。
【21分】帝0-21早
スクラムからつながれ、SOに走られ、トライを奪われる。
【41分】帝7-21早
スクラムを押し込み、No8金が持ち出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝7-26早
スクラムでターンオーバーされ、つながれて、トライを奪われる。
【9分】帝7-31早
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
【32分】帝14-31早
スクラムを押し込み、No8金が押さえてトライ。ゴール成功。
【36分】帝21-31早
ペナルティでWTB奥村がクイックリスタート。WTB木村にパスし、木村が大きく抜け出す。PR奥野にパスし、奥野から木村がもらい直して、トライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
今シーズンの夏合宿でのAチームの試合は2試合。その2試合目の相手は、対抗戦のライバル早稲田大学。春季大会では帝京が快勝しているが、そのときとはお互いにメンバーも大きく異なる。本郷キャプテンから「様子見なしで、スタートからトップギアで行こう」と声が掛かる。ところが、その言葉とは逆に、スタートから相手の勢いに押される場面が多くなる。接点で食い込まれ、自分たちのペースに持っていくことができない。その分、ペナルティも増え、攻撃のリズムも整わない。さらに、相手SOの個人技でトライを奪われるなど、前半の前半で3トライ3ゴールを奪われてしまった。その後、ようやくスイッチが入った帝京は、劣勢を撥ね退けてペースをつかむが、相手のディフェンスも厳しく、なかなかスコアにまではつながらない。ようやく前半終了間際に、スクラムを押し込んでトライを奪い、7-21でハーフタイムを迎えた。後半は前半の終盤に見せた勢いを継続したかったが、まるで前半の最初にまでリセットされてしまったかのような展開になる。開始早々、スクラムでターンオーバーされてトライを奪われると、ペナルティで攻め込まれて7-31と点差を広げられてしまう。後半も、ここから帝京が勢いを取り戻すが、それまでに広げられてしまったスコアは大きく、2トライを返したところで、ノーサイド。帝京は21-31で敗れてしまった。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は、早稲田大学さんのいいところと我々の未熟なところが出て、それがこの結果になったと思います。もちろん、我々にもいいところはありましたので、けっして悲観するものではありませんが、今後の取り組み方については、一人一人が自分自身の問題として考えてほしいと思っています。個人競技と異なり、チームスポーツでは誰かがチームメイトに頼っていても、いい結果が出ることがあります。しかし、苦しいとき、厳しい場面で他人に頼るメンバーが多いと、局面の打開が難しくなってしまいます。「チームの問題は自分の問題」と全員が認識できるチームになってほしいと思っています。対抗戦開幕まで間がありませんが、技術的な面、メンタル的な面の両方について、私自身も含め、チーム全体でもう一度、ねじを「締め直し」ていきます。最後になりましたが、対戦するたびに「ひたむきさ」を体現され、学ばせていただける早稲田大学さんに感謝申し上げます。11月の再戦を楽しみにしております。ありがとうございました。」
■キャプテン・CTB本郷泰司(4年)
「今日は、『ゲインラインで勝つ』ことをテーマとして臨んだのですが、逆に早稲田大学さんの前に出る圧力に対して自分たちが受けてしまって、常にゲインラインを切られてしまうという流れになってしまいました。それで、自分たちのやりたいことが全然できませんでした。あとは、ブレイクダウンのところでのペナルティやミスが多かったので、自分たちで勢いを削いでしまったところがありました。タックルでも足を踏み込めていなくて、ゲインされて、ポジショニングが取れなくて、さらにゲインされるという流れになってしまいました。勢いが出て、前に行けた時間帯も多かったので、けっしてフィジカルで負けていたわけではなく、メンタルの部分が大きいと思っています。ネガティブに捉えず、マインドのところでもっとしっかり気持ちを出せていれば、ゲインラインのところでも負けていないですし、自分たちの成長も見られるので、そこは伸ばしていきたいです。対抗戦もすぐに始まりますが、いい準備をするだけだと思っています。どれだけ本気になれるか、一日一日、一つ一つの練習を大切にして、毎日を送れるかどうかが、特に(ワールドカップによる休止期間後の)11月以降の戦いに関わってくると思うので、そこに向けて、まずはディフェンス、一人一人のタックル、ブレイクダウンの激しさ、そしてセットプレーの部分をもう一度、磨き直して、対抗戦で全勝できるように頑張りたいです。まだまだ伸びしろのあるチームなので、完成に近づけ、完成させられるようにやっていきたいと思います。」
■試合中に修正できたスクラムに自信・PR細木康太郎(2年)
「前半、コリジョン、体をぶつけていく部分で受けてしまいました。1対1で負けるフィジカルではないと思っていますが、気持ちの部分で受けてしまっていたのだと思います。タックルも、自分たちではしっかり行っているつもりでも、無意識に待ってしまって、前に出ようという気持ちが相手の方が勝っていたのだろうと思います。前半の最後など、僕たちも気持ちが入っているときには前に出ることができていたので、やはりマインドの部分なのだと感じます。後半は最初のスクラムで僕たちFWがターンオーバーされてしまって、勢いを相手に渡すことになってしまい、悔しいです。言い訳になってしまうのですが、FWのメンバー交替もあって、そこでの意思統一があいまいで、8人で組むという意識が薄いまま組んでしまったように思います。これは大きな反省点です。スクラムはゲームを通して、いいところと悪いところがはっきり見えたと思います。最初は、やろうとしていたことができていなかったのですが、ファーストスクラムでペナルティをもらってしまってから、話し合って、その後は修正できた点はよかったです。僕たちがやろうとしているスクラムを組めれば勝てるという自信はつきました。自分はPRとしてスクラムにこだわるということを春からずっと言ってきて、今後もスクラムを強くしていきたいと思っているので、対抗戦ではスクラムでのペナルティはゼロにして、しっかり押し込めるようにしていきたいです。試合の途中で修正できることがわかったので、それを最初からやれるように相手の研究もして、プランを立てて、いい準備をして、ミスなく、最初からスクラムで圧倒していきたいです。」
■前半の最初から全力を出せるチームにしたい・LO佐藤羅雲(4年・バイスキャプテン)
「チームとして、前半の初めからコンタクトでひるまず前に出ると決めて臨んだのですが、ファーストコンタクトで受けてしまって、自分たちの流れをつかむことができませんでした。あらためて、前半の最初の入りの重要性を感じさせられた試合でした。この合宿では、すべての練習を全力でやり続けることを意識してやってきました。少しずつですが、成長を感じることができています。対抗戦が始まりますが、今日出た、前半の最初からガツガツ行けるかどうかという課題を踏まえて、常に自分たちのペースで100%を出し続けることを意識して、対抗戦に臨みたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
複数ポジションを経験し、BK全体の動きを理解
SO・CTB 李承信(1年)
Lee Sung-Shin
医療技術学部スポーツ医療学科
大阪朝鮮高級学校出身
身長175cm/体重82kg
■今日はSOでの出場でしたが、試合にはどんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「自分でもびっくりしましたが、複数のポジションができる方がいいですし、考え方の幅も広がるということだと理解しました。これまでほとんど経験していなかったポジションでしたが、その分、これまでとは違った発見だったり、自分がこれまで気づかなかった才能が見つかったりするかもしれないので、アグレッシブに、積極的に行こうと考えて試合に臨みました。」
■ハーフタイムには岩出監督から『緊張していたのか』と声を掛けられていましたが、緊張はあったのでしょうか。
「緊張もあり、受け身のプレーも多くなってしまいました。『積極的に行こう』という気持ちもありましたが、不安の方が優ってしまったようで、積極的なプレーがあまりできませんでした。」
■一度、ベンチに下がってから、今度はCTBのポジションに入りました。そのときは、落ち着いているように見えました。
「時間も経っていましたし、一度、冷静に外から見ることができたので、前半よりは落ち着いてプレーできたかなと思います。」
■試合全体を振り返ると、どう捉えていますか。
「前半、SOとしてゲームを作ることができなくて、そこは責任を感じています。でも、早稲田大学さんという強い相手と、こういう試合ができたことは、秋冬のシーズンにつながっていく、いい経験ができたと思っています。」
■ここまでの合宿の手応えは。
「春はWTBをやって、CTBに戻って、ここではSOをやったりして、いろいろなポジションを経験して、自分がどういうプレーをしなければいけないのかが、BK全体として見えてきたので、これは今後に活きてくると思っています。」
■すぐに対抗戦が始まります。
「菅平での経験を無駄にせず、アグレッシブに自分のよさを、もっともっと前面に出していきたいです。まずは、メンバーに入れるように、日々の練習にしっかりと取り組んで、試合に出たら、思い切ってプレーしたいと思います。」
SOでの出場は初めてということもあり、最初は動きも硬かった。時間とともに徐々にほぐれていったが、本人は納得のいくパフォーマンスができなかったと振り返った。それでも、この経験を経て、BK全体での動きが見えてきたことは大きな収穫だと捉えている。高校日本代表キャプテンを任されたほどのキャプテンシーも魅力。今後の成長も非常に楽しみだ。
《COLUMN》
―― 自分ごと、他人ごと ――
組織全体の問題を、自分の問題と同じように、いや、自分の問題として捉えて対処していくというのは、意外に簡単なことではないようです。
たとえば、会社組織を考えたとき、会社の業績が下がっている状況に対して、一般社員、いや少なくとも中間管理職ぐらいまでの人だと、「これは、ボーナスが下がるかもしれないな」ぐらいは思うかもしれませんが、「会社の業績を立て直すために、俺が先頭に立って、一肌脱ごう」とか「業績アップをめざして頑張っている常務と一緒に、俺も日々できることを全力でやっていこう」などと考えて、実行できる人は稀だと思います。
会社組織とラグビーのチームとでは異なる部分も多々ありますが、「組織全体の問題を、自分の問題として捉えて動けるか」ということに関しては、共通する部分も少なくないのではないでしょうか。
組織の運営はよく、オールを使って船を漕ぐ様子にたとえられます。波が穏やかなときは、何人かが力を抜いて漕いでいても、そこそこうまく進んでくれます。それで、特に問題も起こりません。
しかし、ひとたび波が高くなれば、話は違ってきます。一人一人が真剣に漕ぐことはもちろん、力を同じ方向に結集して進んで行かないと、向かうべき場所とはまったく違ったところへ流されてしまいかねません。
このとき、全員が船が流されている状況を「自分ごと」として真剣に捉え、真剣に漕ぐか、何人かが「他人ごと」のように「誰かがうまくやってくれるさ」と思いながら、なんとなく漕ぐかで、船の行き先は大きく違ってくるでしょう。
「他人ごと」のまま漕いでいると、訪れる状況をどうしても「他人」のせいにしてしまいがちです。でも、自分ごととして捉えていない人に、責任を押し付けられても、その人は信頼を失うでしょうし、組織の状況も好転していきません。
波が高ければ高いほど、全員がその状況を「自分の問題」として捉え、気持ちを一つにして、同じ方向に向かってオールを漕ぐ必要があります。
もう間もなく、対抗戦が始まります。波はこれまで以上に高くなっていくことでしょう。その波を、全員が「自分ごと」と捉えて、同じ方向に向かって漕いで行けるかどうか。オールをつかんでいることへの自覚と誇りに気づけるかどうか。ファンの皆さまにはぜひしっかり見守っていただき、時に励まし、時に叱咤していただければと思います。
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対成蹊大学(http://www.seikeiruggerclub.com/)
9月1日(日) サニアパーク菅平メイン
12時45分キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦27勝2敗(大学選手権での対戦はなし)
[成蹊大学の直近5戦]
5月26日 ○28-20中央大学(関東大学春季大会C)
6月9日 ●21-22日本体育大学(関東大学春季大会C)
8月18日 ○34-28大東文化大学(夏季練習試合)
8月20日 ●0-22東海大学(夏季練習試合)
8月22日 ●7-57國學院大学(夏季練習試合)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
●帝京大学21-31早稲田大学○
《帝京大学》
[FW]
(1)北⇒奥野(2)李(承爀)⇒文(3)細木⇒清水(4)佐藤⇒水谷(5)久保(6)安田(7)亀井⇒トンガタマ(8)金(隆)
[BK]
(9)末⇒土永(10)李(承信)⇒北村(11)奥村⇒平坂(海)(12)本郷⇒李(承信)(13)尾﨑⇒マクカラン(14)木村(15)岡村⇒小村
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)久保(2)森島(3)小林(4)三浦(5)下川(6)大崎(7)幸重(8)丸尾
[BK]
(9)河村(10)岸岡(11)安部(12)中西(13)長田(14)桑山(15)南
【前半】【得点経過】
【5分】帝0-7早
ラインアウトからつながれ、SOに走られ、トライを奪われる。
【15分】帝0-14早
ラインアウトからモールで攻められ、トライを奪われる。
【21分】帝0-21早
スクラムからつながれ、SOに走られ、トライを奪われる。
【41分】帝7-21早
スクラムを押し込み、No8金が持ち出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝7-26早
スクラムでターンオーバーされ、つながれて、トライを奪われる。
【9分】帝7-31早
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
【32分】帝14-31早
スクラムを押し込み、No8金が押さえてトライ。ゴール成功。
【36分】帝21-31早
ペナルティでWTB奥村がクイックリスタート。WTB木村にパスし、木村が大きく抜け出す。PR奥野にパスし、奥野から木村がもらい直して、トライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
今シーズンの夏合宿でのAチームの試合は2試合。その2試合目の相手は、対抗戦のライバル早稲田大学。春季大会では帝京が快勝しているが、そのときとはお互いにメンバーも大きく異なる。本郷キャプテンから「様子見なしで、スタートからトップギアで行こう」と声が掛かる。ところが、その言葉とは逆に、スタートから相手の勢いに押される場面が多くなる。接点で食い込まれ、自分たちのペースに持っていくことができない。その分、ペナルティも増え、攻撃のリズムも整わない。さらに、相手SOの個人技でトライを奪われるなど、前半の前半で3トライ3ゴールを奪われてしまった。その後、ようやくスイッチが入った帝京は、劣勢を撥ね退けてペースをつかむが、相手のディフェンスも厳しく、なかなかスコアにまではつながらない。ようやく前半終了間際に、スクラムを押し込んでトライを奪い、7-21でハーフタイムを迎えた。後半は前半の終盤に見せた勢いを継続したかったが、まるで前半の最初にまでリセットされてしまったかのような展開になる。開始早々、スクラムでターンオーバーされてトライを奪われると、ペナルティで攻め込まれて7-31と点差を広げられてしまう。後半も、ここから帝京が勢いを取り戻すが、それまでに広げられてしまったスコアは大きく、2トライを返したところで、ノーサイド。帝京は21-31で敗れてしまった。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は、早稲田大学さんのいいところと我々の未熟なところが出て、それがこの結果になったと思います。もちろん、我々にもいいところはありましたので、けっして悲観するものではありませんが、今後の取り組み方については、一人一人が自分自身の問題として考えてほしいと思っています。個人競技と異なり、チームスポーツでは誰かがチームメイトに頼っていても、いい結果が出ることがあります。しかし、苦しいとき、厳しい場面で他人に頼るメンバーが多いと、局面の打開が難しくなってしまいます。「チームの問題は自分の問題」と全員が認識できるチームになってほしいと思っています。対抗戦開幕まで間がありませんが、技術的な面、メンタル的な面の両方について、私自身も含め、チーム全体でもう一度、ねじを「締め直し」ていきます。最後になりましたが、対戦するたびに「ひたむきさ」を体現され、学ばせていただける早稲田大学さんに感謝申し上げます。11月の再戦を楽しみにしております。ありがとうございました。」
■キャプテン・CTB本郷泰司(4年)
「今日は、『ゲインラインで勝つ』ことをテーマとして臨んだのですが、逆に早稲田大学さんの前に出る圧力に対して自分たちが受けてしまって、常にゲインラインを切られてしまうという流れになってしまいました。それで、自分たちのやりたいことが全然できませんでした。あとは、ブレイクダウンのところでのペナルティやミスが多かったので、自分たちで勢いを削いでしまったところがありました。タックルでも足を踏み込めていなくて、ゲインされて、ポジショニングが取れなくて、さらにゲインされるという流れになってしまいました。勢いが出て、前に行けた時間帯も多かったので、けっしてフィジカルで負けていたわけではなく、メンタルの部分が大きいと思っています。ネガティブに捉えず、マインドのところでもっとしっかり気持ちを出せていれば、ゲインラインのところでも負けていないですし、自分たちの成長も見られるので、そこは伸ばしていきたいです。対抗戦もすぐに始まりますが、いい準備をするだけだと思っています。どれだけ本気になれるか、一日一日、一つ一つの練習を大切にして、毎日を送れるかどうかが、特に(ワールドカップによる休止期間後の)11月以降の戦いに関わってくると思うので、そこに向けて、まずはディフェンス、一人一人のタックル、ブレイクダウンの激しさ、そしてセットプレーの部分をもう一度、磨き直して、対抗戦で全勝できるように頑張りたいです。まだまだ伸びしろのあるチームなので、完成に近づけ、完成させられるようにやっていきたいと思います。」
■試合中に修正できたスクラムに自信・PR細木康太郎(2年)
「前半、コリジョン、体をぶつけていく部分で受けてしまいました。1対1で負けるフィジカルではないと思っていますが、気持ちの部分で受けてしまっていたのだと思います。タックルも、自分たちではしっかり行っているつもりでも、無意識に待ってしまって、前に出ようという気持ちが相手の方が勝っていたのだろうと思います。前半の最後など、僕たちも気持ちが入っているときには前に出ることができていたので、やはりマインドの部分なのだと感じます。後半は最初のスクラムで僕たちFWがターンオーバーされてしまって、勢いを相手に渡すことになってしまい、悔しいです。言い訳になってしまうのですが、FWのメンバー交替もあって、そこでの意思統一があいまいで、8人で組むという意識が薄いまま組んでしまったように思います。これは大きな反省点です。スクラムはゲームを通して、いいところと悪いところがはっきり見えたと思います。最初は、やろうとしていたことができていなかったのですが、ファーストスクラムでペナルティをもらってしまってから、話し合って、その後は修正できた点はよかったです。僕たちがやろうとしているスクラムを組めれば勝てるという自信はつきました。自分はPRとしてスクラムにこだわるということを春からずっと言ってきて、今後もスクラムを強くしていきたいと思っているので、対抗戦ではスクラムでのペナルティはゼロにして、しっかり押し込めるようにしていきたいです。試合の途中で修正できることがわかったので、それを最初からやれるように相手の研究もして、プランを立てて、いい準備をして、ミスなく、最初からスクラムで圧倒していきたいです。」
■前半の最初から全力を出せるチームにしたい・LO佐藤羅雲(4年・バイスキャプテン)
「チームとして、前半の初めからコンタクトでひるまず前に出ると決めて臨んだのですが、ファーストコンタクトで受けてしまって、自分たちの流れをつかむことができませんでした。あらためて、前半の最初の入りの重要性を感じさせられた試合でした。この合宿では、すべての練習を全力でやり続けることを意識してやってきました。少しずつですが、成長を感じることができています。対抗戦が始まりますが、今日出た、前半の最初からガツガツ行けるかどうかという課題を踏まえて、常に自分たちのペースで100%を出し続けることを意識して、対抗戦に臨みたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
複数ポジションを経験し、BK全体の動きを理解
SO・CTB 李承信(1年)
Lee Sung-Shin
医療技術学部スポーツ医療学科
大阪朝鮮高級学校出身
身長175cm/体重82kg
■今日はSOでの出場でしたが、試合にはどんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「自分でもびっくりしましたが、複数のポジションができる方がいいですし、考え方の幅も広がるということだと理解しました。これまでほとんど経験していなかったポジションでしたが、その分、これまでとは違った発見だったり、自分がこれまで気づかなかった才能が見つかったりするかもしれないので、アグレッシブに、積極的に行こうと考えて試合に臨みました。」
■ハーフタイムには岩出監督から『緊張していたのか』と声を掛けられていましたが、緊張はあったのでしょうか。
「緊張もあり、受け身のプレーも多くなってしまいました。『積極的に行こう』という気持ちもありましたが、不安の方が優ってしまったようで、積極的なプレーがあまりできませんでした。」
■一度、ベンチに下がってから、今度はCTBのポジションに入りました。そのときは、落ち着いているように見えました。
「時間も経っていましたし、一度、冷静に外から見ることができたので、前半よりは落ち着いてプレーできたかなと思います。」
■試合全体を振り返ると、どう捉えていますか。
「前半、SOとしてゲームを作ることができなくて、そこは責任を感じています。でも、早稲田大学さんという強い相手と、こういう試合ができたことは、秋冬のシーズンにつながっていく、いい経験ができたと思っています。」
■ここまでの合宿の手応えは。
「春はWTBをやって、CTBに戻って、ここではSOをやったりして、いろいろなポジションを経験して、自分がどういうプレーをしなければいけないのかが、BK全体として見えてきたので、これは今後に活きてくると思っています。」
■すぐに対抗戦が始まります。
「菅平での経験を無駄にせず、アグレッシブに自分のよさを、もっともっと前面に出していきたいです。まずは、メンバーに入れるように、日々の練習にしっかりと取り組んで、試合に出たら、思い切ってプレーしたいと思います。」
SOでの出場は初めてということもあり、最初は動きも硬かった。時間とともに徐々にほぐれていったが、本人は納得のいくパフォーマンスができなかったと振り返った。それでも、この経験を経て、BK全体での動きが見えてきたことは大きな収穫だと捉えている。高校日本代表キャプテンを任されたほどのキャプテンシーも魅力。今後の成長も非常に楽しみだ。
《COLUMN》
―― 自分ごと、他人ごと ――
組織全体の問題を、自分の問題と同じように、いや、自分の問題として捉えて対処していくというのは、意外に簡単なことではないようです。
たとえば、会社組織を考えたとき、会社の業績が下がっている状況に対して、一般社員、いや少なくとも中間管理職ぐらいまでの人だと、「これは、ボーナスが下がるかもしれないな」ぐらいは思うかもしれませんが、「会社の業績を立て直すために、俺が先頭に立って、一肌脱ごう」とか「業績アップをめざして頑張っている常務と一緒に、俺も日々できることを全力でやっていこう」などと考えて、実行できる人は稀だと思います。
会社組織とラグビーのチームとでは異なる部分も多々ありますが、「組織全体の問題を、自分の問題として捉えて動けるか」ということに関しては、共通する部分も少なくないのではないでしょうか。
組織の運営はよく、オールを使って船を漕ぐ様子にたとえられます。波が穏やかなときは、何人かが力を抜いて漕いでいても、そこそこうまく進んでくれます。それで、特に問題も起こりません。
しかし、ひとたび波が高くなれば、話は違ってきます。一人一人が真剣に漕ぐことはもちろん、力を同じ方向に結集して進んで行かないと、向かうべき場所とはまったく違ったところへ流されてしまいかねません。
このとき、全員が船が流されている状況を「自分ごと」として真剣に捉え、真剣に漕ぐか、何人かが「他人ごと」のように「誰かがうまくやってくれるさ」と思いながら、なんとなく漕ぐかで、船の行き先は大きく違ってくるでしょう。
「他人ごと」のまま漕いでいると、訪れる状況をどうしても「他人」のせいにしてしまいがちです。でも、自分ごととして捉えていない人に、責任を押し付けられても、その人は信頼を失うでしょうし、組織の状況も好転していきません。
波が高ければ高いほど、全員がその状況を「自分の問題」として捉え、気持ちを一つにして、同じ方向に向かってオールを漕ぐ必要があります。
もう間もなく、対抗戦が始まります。波はこれまで以上に高くなっていくことでしょう。その波を、全員が「自分ごと」と捉えて、同じ方向に向かって漕いで行けるかどうか。オールをつかんでいることへの自覚と誇りに気づけるかどうか。ファンの皆さまにはぜひしっかり見守っていただき、時に励まし、時に叱咤していただければと思います。
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対成蹊大学(http://www.seikeiruggerclub.com/)
9月1日(日) サニアパーク菅平メイン
12時45分キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦27勝2敗(大学選手権での対戦はなし)
[成蹊大学の直近5戦]
5月26日 ○28-20中央大学(関東大学春季大会C)
6月9日 ●21-22日本体育大学(関東大学春季大会C)
8月18日 ○34-28大東文化大学(夏季練習試合)
8月20日 ●0-22東海大学(夏季練習試合)
8月22日 ●7-57國學院大学(夏季練習試合)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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