REPORT
レポート
REPORT
レポート
関東大学対抗戦A 青山学院大学戦
2019/09/14
9月14日(土)・大和スポーツセンター競技場
○帝京大学(3勝)80-7青山学院大学(3敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)清水⇒小林(2)李(承爀)⇒長谷川(耀)(3)細木⇒金森(4)マクロビー(5)久保(6)トンガタマ⇒山添(7)金(隆)⇒野田(8)安田
[BK]
(9)土永⇒谷中(10)北村⇒押川(11)平坂(海)⇒新井(12)本郷(13)李(承信)(14)木村(15)奥村
《青山学院大学》※先発のみ
[FW]
(1)渡邊(2)相根(3)堀田(4)齊藤(5)森田(6)中谷(7)小島(8)下里
[BK]
(9)星(10)桑田(11)手島(12)西野(13)河部(14)鈴木(15)山同
【前半】【得点経過】
【3分】帝0-7青
ターンオーバーから攻められ、トライを奪われる。
【9分】帝7-7青
ラインアウトからモールを押し込み、HO李がトライ。ゴール成功。
【14分】帝14-7青
自陣ゴール前でターンオーバーしてつなぐ。WTB木村、FB奥村が大きく前進。一度、相手にボールを奪われるも、ラックからこぼれたボールをSH土永が拾って、そのままトライ。ゴール成功。
【24分】帝21-7青
ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH土永-CTB李-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【26分】帝28-7青
キックオフからつなぐ。FLトンガタマが前進。ラックから、SH土永-No8安田-PR清水と渡り、清水が大きく前進。さらに、SH土永-WTB木村と渡り、木村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【43分】帝35-7青
ラインアウトから連続攻撃。No8安田が前進し、さらに連続攻撃。ラックから、LO久保が持ち出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【3分】帝40-7青
ペナルティでSH土永がクイックリスタート。土永から、CTB李-SO北村-WTB平坂と渡り、平坂が抜け出してトライ。
【13分】帝47-7青
相手のノックオンしたボールを拾って、つなぐ。WTB新井が抜け出し、大きく前進。ゴール前でつかまるも、FLトンガタマが拾って、トライ。ゴール成功。
【15分】帝54-7青
LO水谷の好タックルでのターンオーバーから連続攻撃。FL金が前進。ラックから、SH土永が持ち出してトライ。ゴール成功。
【23分】帝61-7青
スクラムを押し切って、No8安田がトライ。ゴール成功。
【25分】帝68-7青
キックオフから連続攻撃。HO李が前進。ラックから、SH土永-CTB李-SO北村と渡り、北村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【30分】帝75-7青
スクラムを押し切って、No8安田がトライ。ゴール成功。
【40分】帝80-7青
スクラムを押し切って、No8安田がトライ。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第3戦の相手は、青山学院大学。試合の入りから厳しさを出していきたい帝京だったが、開始早々、ミスからピンチを招き、3分にあっさりと失点を許してしまう。だが、徐々にエンジンを噴かすように、9分にはモールを押し込んで同点とすると、14分にはBK陣の活躍で逆転に成功する。ここから波に乗っていきたいところだったが、相手の粘り強いディフェンスもあり、いいテンポでゲームを進めることができない。いい形でのトライが続く場面もあったが、一方で停滞する時間帯も長くなる。前半を35-7で折り返した。後半は明らかに前半と違い、アタック、ディフェンスとも前に出る、厳しいプレーが出始める。3つのスクラムトライを含む、7トライを奪い、また後半は失点も防いで、80-7でノーサイド。帝京は対抗戦3連勝とした。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は甘さもありましたが、少しずつ前進してくれているのではないかと思います。自分たちでそういった厳しい挑戦を、ここからもう一層、頑張ってやっていってほしいと思っています。ワールドカップ開催で対抗戦はこのあと少し間があきますが、ジュニア選手権もありますし、また練習試合もいくつか組まれていますので、この期間、まずはディフェンスの部分を頑張って、成長していってほしいと思っています。青山学院大学さんには先制トライをされ、また粘り強いプレー、気持ちの入ったプレーが随所に見られました。今後もファイティングスピリットあふれるプレーで、頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。」
■キャプテン・CTB本郷泰司(4年)
「今日の試合は厳しさを持って、激しく体を張り続けることテーマに試合に臨みました。しかし、前半の最初のところで青山学院大学さんのアタックに対して、いいタックル、いいブレイクダウンができず、自分たちがテンポに乗れないところがありました。後半は、厳しさ、体を張るプレーも出てきて、スコアにつなげることができました。前半はよくなかったのですが、後半は帝京らしいアタック、ディフェンスができていたので、そこはよかったと思います。今年はこの後、ワールドカップ期間ということで、少し間があきますが、ディフェンスの強化に重点を置いて、しっかり練習していきたいと思います。」
■速攻に対応できた1トライに手応え・WTB平坂海人(3年)
「前半はディフェンスでミスが出てしまい、相手に押し込まれる部分もあったのですが、後半はしっかりとディフェンスができたので、そこはよかったと思います。アタックは、自分が呼ぶべきところで呼んで、トライを取り切ることができたので、よかったです。今年の目標である大学選手権優勝に向けて、自分は試合のメンバーに入っていても、入っていなくても、常に全力で取り組むことを心がけていて、少しでもチームの役に立てたらと思ってやっています。ここから対抗戦は間があきますが、ジュニア選手権もあるので、自分はWTBとしてしっかりとトライを取り切れるように、そしてチームの力になれるように、体を張っていきたいと思います。」
■再三のチャンスメイクで活躍も自身は無トライを反省・WTB新井翼(4年)
「今日は後半途中から出場するチャンスをいただきましたが、そのチャンスを活かしきれなかったという後悔が残るゲームでした。いい形でボールをもらえて、抜け出すところまではよかったのですが、トライを取り切るべきところで取りきれなかったのはWTBとしての役割を果たせなかったと思っています。4年生が少ない中、後半途中からでもチームの元気を引き出そうと思って、声を出すことを意識しました。いまは試合に出ている人数は多くないですが、最終学年の4年生がどれだけまとまってチームに貢献できるかが、今後、チームにとってもカギになってくると思っています。来週にはジュニア選手権で明治大学さんとの戦いがありますので、そこで出場機会をいただけたら、チームに勢いをつけられるタックルをするなど、自分の役割を果たして、そのあとの対抗戦にもつながるプレーをしていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
初出場ながらスクラムに手応え十分
PR・HO 小林恵太(2年・ゲームMVP)
Keita Kobayashi
医療技術学部スポーツ医療学科
宮崎西高校出身
身長174cm/体重107kg
■まずは試合を振り返ってください。
「初の公式戦だったのですが、まずは自分ができることをしっかりやり切ろうと思って、試合に臨みました。みんなに支えてもらいながらですが、自分のプレーができて、よかったと思います。」
■特に手応えを得られたのは、どんなところですか。
「スクラムです。ゴール前のスクラムで、みんなで一つになって押すことができ、スクラムトライをいくつか取ることができたので、そこが一番うれしかったです。」
■いいタックルもありました。
「はい、ありがとうございます。でも、最後まで倒しきれていなかったので、もっと強いインパクトでいいタックルができるようにしたいです。」
■今日、メンバーに選ばれたのは、どんなところを期待されたと思いますか。
「練習でスクラムを押すことができて、そこを評価していただいたと思います。」
■後半10分過ぎぐらいからの出場でしたが、スタミナの部分はどうでしたか。
「まだまだ足りないところがあって、もっとこれから走り込みを頑張っていきたいです。」
■今後への意気込みをお願いします。
「ジュニア選手権、そして対抗戦と厳しい戦いが続きますが、そこでもっと活躍できるように頑張っていきたいと思います。」
対抗戦初出場。練習でのスクラムの強さを買われ、メンバー入りを果たした。最初はPRで、途中からはHOとして、セットプレーを牽引した。後半、3つのスクラムトライを奪ったが、それらに大きく貢献し、ゲームMVPも獲得。フィールドプレーでも好プレーを見せ、成長度はまさに赤丸急上昇中。常に笑顔を絶やさないキャラクターは、チームにとって欠かせないムードメーカーでもある。その笑顔とは裏腹に、グラウンドでは激しいプレーで体を張る。そんなキャラクター・ギャップにも注目だ。
《COLUMN》
―― 自分の機嫌は自分でとる ――
この日の試合での帝京の動きは、前半と後半とで大きく違っていました。前半は、特に最初の時間帯で失点するなど、あまりいい動きができていなかったのに対して、後半は前に出る圧力が出て、タックルやブレイクダウンでの勢いもよくなっていました。
野球の投手などでも、初回の立ち上がりが一番難しいと言われるように、どんなスポーツでも試合開始直後の時間帯というのは簡単ではありません。だからこそ、とても重要な時間帯だと言えます。ここで勢いをつけられるか、相手に勢いをつけてしまうかで、試合自体の行方をも左右しかねません。
この日、後半はいい動きができていたということは、スキルの問題ではなく、気持ちの問題なのでしょう。試合のスタート時に後半のような気持ちが作れれば、入りの時間帯からこの日の後半のようなパフォーマンスが出せるようになることでしょう。
お笑いコンビ「ANZEN漫才」のみやぞんさんは、テレビ番組などでよく「自分の機嫌は自分でとる」などと言っています。周りの状況や他人の言動によって、自分の機嫌が左右されるのではなく、自分で自分の気持ちをコントロールするということでしょう。
自分で自分の気持ちをコントロールすることについて、以前、イヤーブックで岩出監督とも対談をしたことがあるスポーツドクターの辻秀一さんは、「フロー」という概念を使って説明しています。「フロー」とは「揺らがず、とらわれず」の状態、つまり、心が揺れ動いたり、何かにとらわれていたりしていない状態です。逆に「揺らいで、とらわれて」いる状態を「ノンフロー」と言います。
「フロー」な心を保つには、まずは自分の心の状態に気づくこと。「あ、いま、ノンフローになっているかも」と気づかないことには、「フロー」に持っていくことはできません。それに気づいた上で「ライフスキル」と呼ばれる「フロー」になるためのスキルを駆使します。
たとえば、「好きなもの(食べ物など)を考える」「今に生きると考える」「一生懸命を楽しもうと考える」「(特定の人をではなく、ただ漠然と)頑張れと応援する」などがあるそうです。そんなふうに考えることで、心のフロー化が起こってくると言います。
誰にでも簡単にできることなのですが、習慣化するまでには時間がかかるそうです。
前半の最初から後半の最後まで、同じ心の状態を保つことは難しいかもしれません。しかし、少しでもそこへ近づこうとすることには意味があるでしょう。他人に言われるのではなく、「自分の機嫌は自分でとる」ことで、プレーのパフォーマンスも大きく変わってくるはずです。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
SO 高本幹也(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長171cm/体重82kg
「自分の強みはアタックでしっかり状況判断して、あいているスペースにボールを運ぶプレーです。課題はディフェンス。フィジカルがまだまだ弱いので、ウエイトトレーニングをしっかりやって、ディフェンスの意識を上げることを心がけています。高校と大学とではフィジカルの強さが違うことは予想していましたが、通用すると思っていたことが通用しなかったので、しっかり鍛えていきたいです。帝京大学ラグビー部は先輩方がとても優しく、毎日、楽しく過ごすことができています。Aチームのメンバーに入って、チームに貢献できるように頑張っていきたいです。」
LO・No8 江里口真弘(1年)
大分東明高校出身
身長184cm/体重112kg
「自分の強みは力強く前に出るボールキャリーです。課題はタフさ。長い時間プレーしたり、フェイズが重なった時など、しんどい時に走り切る力がまだまだ弱いです。もっとフィットネスを高めて、タフに走れるようにしていきたいと思っています。高校と大学では、フィジカル、スピード、スキルが全然違うと感じましたが、それを実感したことによって、そのレベルをめざそうという気持ちが強くなりました。帝京大学ラグビー部は、環境、設備がすばらしく、体づくりのための食事面のサポートやウエイトルームの設備の充実など、日々、感謝しながら利用させていただいています。今後はいまある課題をなくしていって、上のチームでプレーできるように、頑張りたいです。」
PR 髙井翔太(1年)
常翔学園高校出身
身長171kg/体重101kg
「自分の強みはボールキャリーとスクラムです。ボールキャリーでチームを鼓舞することをいつも意識してプレーしています。課題はブレイクダウンとディフェンスです。ディフェンスでは、まず前に上がってしっかり相手を止められるように練習したり、相手が細かいステップを切ってきても臨機応変に対応できるように、左右に動く練習をしています。帝京大学ラグビー部は環境がとてもよく、すばらしい先輩方、スタッフの方々がおられるという人的な環境と、ウエイトルームなどの設備が整っているという部分での環境と、どちらもすばらしいです。そうした環境を活用して、ウエイトトレーニングをしっかりやって、フィジカルを強化していきたいです。1年生だからまだこれからなどとは考えずに、上のチームに上がって活躍して、大学選手権優勝に貢献できるように頑張りたいと思います。」
左から高本幹也、江里口真弘、髙井翔太
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対筑波大学(http://tsa.tsukuba.ac.jp/rugby/)
11月4日(月・振休) 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦24勝14敗(大学選手権4勝)
[筑波大学の直近5戦]
6月16日 ○40-17拓殖大学(関東大学春季大会B)
6月23日 ●22-36天理大学(練習試合)
8月日31●33-59明治大学(関東大学対抗戦A)
9月8日 ○17-14慶応義塾大学(関東大学対抗戦A)
9月15日 ●8-52早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(3勝)80-7青山学院大学(3敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)清水⇒小林(2)李(承爀)⇒長谷川(耀)(3)細木⇒金森(4)マクロビー(5)久保(6)トンガタマ⇒山添(7)金(隆)⇒野田(8)安田
[BK]
(9)土永⇒谷中(10)北村⇒押川(11)平坂(海)⇒新井(12)本郷(13)李(承信)(14)木村(15)奥村
《青山学院大学》※先発のみ
[FW]
(1)渡邊(2)相根(3)堀田(4)齊藤(5)森田(6)中谷(7)小島(8)下里
[BK]
(9)星(10)桑田(11)手島(12)西野(13)河部(14)鈴木(15)山同
【前半】【得点経過】
【3分】帝0-7青
ターンオーバーから攻められ、トライを奪われる。
【9分】帝7-7青
ラインアウトからモールを押し込み、HO李がトライ。ゴール成功。
【14分】帝14-7青
自陣ゴール前でターンオーバーしてつなぐ。WTB木村、FB奥村が大きく前進。一度、相手にボールを奪われるも、ラックからこぼれたボールをSH土永が拾って、そのままトライ。ゴール成功。
【24分】帝21-7青
ラインアウトから連続攻撃。ラックから、SH土永-CTB李-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【26分】帝28-7青
キックオフからつなぐ。FLトンガタマが前進。ラックから、SH土永-No8安田-PR清水と渡り、清水が大きく前進。さらに、SH土永-WTB木村と渡り、木村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【43分】帝35-7青
ラインアウトから連続攻撃。No8安田が前進し、さらに連続攻撃。ラックから、LO久保が持ち出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【3分】帝40-7青
ペナルティでSH土永がクイックリスタート。土永から、CTB李-SO北村-WTB平坂と渡り、平坂が抜け出してトライ。
【13分】帝47-7青
相手のノックオンしたボールを拾って、つなぐ。WTB新井が抜け出し、大きく前進。ゴール前でつかまるも、FLトンガタマが拾って、トライ。ゴール成功。
【15分】帝54-7青
LO水谷の好タックルでのターンオーバーから連続攻撃。FL金が前進。ラックから、SH土永が持ち出してトライ。ゴール成功。
【23分】帝61-7青
スクラムを押し切って、No8安田がトライ。ゴール成功。
【25分】帝68-7青
キックオフから連続攻撃。HO李が前進。ラックから、SH土永-CTB李-SO北村と渡り、北村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【30分】帝75-7青
スクラムを押し切って、No8安田がトライ。ゴール成功。
【40分】帝80-7青
スクラムを押し切って、No8安田がトライ。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第3戦の相手は、青山学院大学。試合の入りから厳しさを出していきたい帝京だったが、開始早々、ミスからピンチを招き、3分にあっさりと失点を許してしまう。だが、徐々にエンジンを噴かすように、9分にはモールを押し込んで同点とすると、14分にはBK陣の活躍で逆転に成功する。ここから波に乗っていきたいところだったが、相手の粘り強いディフェンスもあり、いいテンポでゲームを進めることができない。いい形でのトライが続く場面もあったが、一方で停滞する時間帯も長くなる。前半を35-7で折り返した。後半は明らかに前半と違い、アタック、ディフェンスとも前に出る、厳しいプレーが出始める。3つのスクラムトライを含む、7トライを奪い、また後半は失点も防いで、80-7でノーサイド。帝京は対抗戦3連勝とした。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は甘さもありましたが、少しずつ前進してくれているのではないかと思います。自分たちでそういった厳しい挑戦を、ここからもう一層、頑張ってやっていってほしいと思っています。ワールドカップ開催で対抗戦はこのあと少し間があきますが、ジュニア選手権もありますし、また練習試合もいくつか組まれていますので、この期間、まずはディフェンスの部分を頑張って、成長していってほしいと思っています。青山学院大学さんには先制トライをされ、また粘り強いプレー、気持ちの入ったプレーが随所に見られました。今後もファイティングスピリットあふれるプレーで、頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。」
■キャプテン・CTB本郷泰司(4年)
「今日の試合は厳しさを持って、激しく体を張り続けることテーマに試合に臨みました。しかし、前半の最初のところで青山学院大学さんのアタックに対して、いいタックル、いいブレイクダウンができず、自分たちがテンポに乗れないところがありました。後半は、厳しさ、体を張るプレーも出てきて、スコアにつなげることができました。前半はよくなかったのですが、後半は帝京らしいアタック、ディフェンスができていたので、そこはよかったと思います。今年はこの後、ワールドカップ期間ということで、少し間があきますが、ディフェンスの強化に重点を置いて、しっかり練習していきたいと思います。」
■速攻に対応できた1トライに手応え・WTB平坂海人(3年)
「前半はディフェンスでミスが出てしまい、相手に押し込まれる部分もあったのですが、後半はしっかりとディフェンスができたので、そこはよかったと思います。アタックは、自分が呼ぶべきところで呼んで、トライを取り切ることができたので、よかったです。今年の目標である大学選手権優勝に向けて、自分は試合のメンバーに入っていても、入っていなくても、常に全力で取り組むことを心がけていて、少しでもチームの役に立てたらと思ってやっています。ここから対抗戦は間があきますが、ジュニア選手権もあるので、自分はWTBとしてしっかりとトライを取り切れるように、そしてチームの力になれるように、体を張っていきたいと思います。」
■再三のチャンスメイクで活躍も自身は無トライを反省・WTB新井翼(4年)
「今日は後半途中から出場するチャンスをいただきましたが、そのチャンスを活かしきれなかったという後悔が残るゲームでした。いい形でボールをもらえて、抜け出すところまではよかったのですが、トライを取り切るべきところで取りきれなかったのはWTBとしての役割を果たせなかったと思っています。4年生が少ない中、後半途中からでもチームの元気を引き出そうと思って、声を出すことを意識しました。いまは試合に出ている人数は多くないですが、最終学年の4年生がどれだけまとまってチームに貢献できるかが、今後、チームにとってもカギになってくると思っています。来週にはジュニア選手権で明治大学さんとの戦いがありますので、そこで出場機会をいただけたら、チームに勢いをつけられるタックルをするなど、自分の役割を果たして、そのあとの対抗戦にもつながるプレーをしていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
初出場ながらスクラムに手応え十分
PR・HO 小林恵太(2年・ゲームMVP)
Keita Kobayashi
医療技術学部スポーツ医療学科
宮崎西高校出身
身長174cm/体重107kg
■まずは試合を振り返ってください。
「初の公式戦だったのですが、まずは自分ができることをしっかりやり切ろうと思って、試合に臨みました。みんなに支えてもらいながらですが、自分のプレーができて、よかったと思います。」
■特に手応えを得られたのは、どんなところですか。
「スクラムです。ゴール前のスクラムで、みんなで一つになって押すことができ、スクラムトライをいくつか取ることができたので、そこが一番うれしかったです。」
■いいタックルもありました。
「はい、ありがとうございます。でも、最後まで倒しきれていなかったので、もっと強いインパクトでいいタックルができるようにしたいです。」
■今日、メンバーに選ばれたのは、どんなところを期待されたと思いますか。
「練習でスクラムを押すことができて、そこを評価していただいたと思います。」
■後半10分過ぎぐらいからの出場でしたが、スタミナの部分はどうでしたか。
「まだまだ足りないところがあって、もっとこれから走り込みを頑張っていきたいです。」
■今後への意気込みをお願いします。
「ジュニア選手権、そして対抗戦と厳しい戦いが続きますが、そこでもっと活躍できるように頑張っていきたいと思います。」
対抗戦初出場。練習でのスクラムの強さを買われ、メンバー入りを果たした。最初はPRで、途中からはHOとして、セットプレーを牽引した。後半、3つのスクラムトライを奪ったが、それらに大きく貢献し、ゲームMVPも獲得。フィールドプレーでも好プレーを見せ、成長度はまさに赤丸急上昇中。常に笑顔を絶やさないキャラクターは、チームにとって欠かせないムードメーカーでもある。その笑顔とは裏腹に、グラウンドでは激しいプレーで体を張る。そんなキャラクター・ギャップにも注目だ。
《COLUMN》
―― 自分の機嫌は自分でとる ――
この日の試合での帝京の動きは、前半と後半とで大きく違っていました。前半は、特に最初の時間帯で失点するなど、あまりいい動きができていなかったのに対して、後半は前に出る圧力が出て、タックルやブレイクダウンでの勢いもよくなっていました。
野球の投手などでも、初回の立ち上がりが一番難しいと言われるように、どんなスポーツでも試合開始直後の時間帯というのは簡単ではありません。だからこそ、とても重要な時間帯だと言えます。ここで勢いをつけられるか、相手に勢いをつけてしまうかで、試合自体の行方をも左右しかねません。
この日、後半はいい動きができていたということは、スキルの問題ではなく、気持ちの問題なのでしょう。試合のスタート時に後半のような気持ちが作れれば、入りの時間帯からこの日の後半のようなパフォーマンスが出せるようになることでしょう。
お笑いコンビ「ANZEN漫才」のみやぞんさんは、テレビ番組などでよく「自分の機嫌は自分でとる」などと言っています。周りの状況や他人の言動によって、自分の機嫌が左右されるのではなく、自分で自分の気持ちをコントロールするということでしょう。
自分で自分の気持ちをコントロールすることについて、以前、イヤーブックで岩出監督とも対談をしたことがあるスポーツドクターの辻秀一さんは、「フロー」という概念を使って説明しています。「フロー」とは「揺らがず、とらわれず」の状態、つまり、心が揺れ動いたり、何かにとらわれていたりしていない状態です。逆に「揺らいで、とらわれて」いる状態を「ノンフロー」と言います。
「フロー」な心を保つには、まずは自分の心の状態に気づくこと。「あ、いま、ノンフローになっているかも」と気づかないことには、「フロー」に持っていくことはできません。それに気づいた上で「ライフスキル」と呼ばれる「フロー」になるためのスキルを駆使します。
たとえば、「好きなもの(食べ物など)を考える」「今に生きると考える」「一生懸命を楽しもうと考える」「(特定の人をではなく、ただ漠然と)頑張れと応援する」などがあるそうです。そんなふうに考えることで、心のフロー化が起こってくると言います。
誰にでも簡単にできることなのですが、習慣化するまでには時間がかかるそうです。
前半の最初から後半の最後まで、同じ心の状態を保つことは難しいかもしれません。しかし、少しでもそこへ近づこうとすることには意味があるでしょう。他人に言われるのではなく、「自分の機嫌は自分でとる」ことで、プレーのパフォーマンスも大きく変わってくるはずです。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
SO 高本幹也(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長171cm/体重82kg
「自分の強みはアタックでしっかり状況判断して、あいているスペースにボールを運ぶプレーです。課題はディフェンス。フィジカルがまだまだ弱いので、ウエイトトレーニングをしっかりやって、ディフェンスの意識を上げることを心がけています。高校と大学とではフィジカルの強さが違うことは予想していましたが、通用すると思っていたことが通用しなかったので、しっかり鍛えていきたいです。帝京大学ラグビー部は先輩方がとても優しく、毎日、楽しく過ごすことができています。Aチームのメンバーに入って、チームに貢献できるように頑張っていきたいです。」
LO・No8 江里口真弘(1年)
大分東明高校出身
身長184cm/体重112kg
「自分の強みは力強く前に出るボールキャリーです。課題はタフさ。長い時間プレーしたり、フェイズが重なった時など、しんどい時に走り切る力がまだまだ弱いです。もっとフィットネスを高めて、タフに走れるようにしていきたいと思っています。高校と大学では、フィジカル、スピード、スキルが全然違うと感じましたが、それを実感したことによって、そのレベルをめざそうという気持ちが強くなりました。帝京大学ラグビー部は、環境、設備がすばらしく、体づくりのための食事面のサポートやウエイトルームの設備の充実など、日々、感謝しながら利用させていただいています。今後はいまある課題をなくしていって、上のチームでプレーできるように、頑張りたいです。」
PR 髙井翔太(1年)
常翔学園高校出身
身長171kg/体重101kg
「自分の強みはボールキャリーとスクラムです。ボールキャリーでチームを鼓舞することをいつも意識してプレーしています。課題はブレイクダウンとディフェンスです。ディフェンスでは、まず前に上がってしっかり相手を止められるように練習したり、相手が細かいステップを切ってきても臨機応変に対応できるように、左右に動く練習をしています。帝京大学ラグビー部は環境がとてもよく、すばらしい先輩方、スタッフの方々がおられるという人的な環境と、ウエイトルームなどの設備が整っているという部分での環境と、どちらもすばらしいです。そうした環境を活用して、ウエイトトレーニングをしっかりやって、フィジカルを強化していきたいです。1年生だからまだこれからなどとは考えずに、上のチームに上がって活躍して、大学選手権優勝に貢献できるように頑張りたいと思います。」
左から高本幹也、江里口真弘、髙井翔太
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対筑波大学(http://tsa.tsukuba.ac.jp/rugby/)
11月4日(月・振休) 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦24勝14敗(大学選手権4勝)
[筑波大学の直近5戦]
6月16日 ○40-17拓殖大学(関東大学春季大会B)
6月23日 ●22-36天理大学(練習試合)
8月日31●33-59明治大学(関東大学対抗戦A)
9月8日 ○17-14慶応義塾大学(関東大学対抗戦A)
9月15日 ●8-52早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
アーカイブス
- 2019年12月(1)
- 2019年11月(4)
- 2019年9月(3)
- 2019年8月(2)
- 2019年6月(3)
- 2019年5月(3)
- 2019年4月(1)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(2)
- 2018年11月(2)
- 2018年10月(3)
- 2018年9月(1)
- 2018年8月(3)
- 2018年6月(2)
- 2018年5月(2)
- 2018年4月(1)
- 2018年1月(2)
- 2017年12月(1)
- 2017年11月(4)
- 2017年10月(2)
- 2017年9月(2)
- 2017年8月(3)
- 2017年6月(3)
- 2017年5月(3)
- 2017年1月(3)
- 2016年12月(2)
- 2016年11月(3)
- 2016年10月(2)
- 2016年9月(2)
- 2016年8月(3)
- 2016年6月(3)
- 2016年5月(3)
- 2016年4月(1)
- 2016年2月(1)
- 2016年1月(2)
- 2015年12月(4)
- 2015年11月(3)
- 2015年10月(2)
- 2015年9月(2)
- 2015年8月(3)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(2)
- 2015年2月(2)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(5)
- 2014年11月(2)
- 2014年10月(2)
- 2014年9月(2)
- 2014年8月(3)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(3)
- 2014年4月(2)
- 2014年2月(1)
- 2014年1月(2)
- 2013年12月(4)
- 2013年11月(3)
- 2013年10月(2)
- 2013年9月(2)
- 2013年8月(2)
- 2013年7月(1)
- 2013年6月(3)
- 2013年5月(5)
- 2013年2月(2)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(5)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(5)
- 2012年9月(2)
- 2012年8月(2)
- 2012年7月(1)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(3)
- 2012年4月(1)
- 2012年3月(1)
- 2012年2月(1)
- 2012年1月(2)
- 2011年12月(7)
- 2011年11月(2)
- 2011年10月(3)
- 2011年9月(3)
- 2011年8月(1)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(3)
- 2011年4月(1)
- 2011年2月(2)
- 2011年1月(2)
- 2010年12月(3)
- 2010年11月(2)
- 2010年10月(3)
- 2010年9月(1)