REPORT
レポート
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関東大学対抗戦A 明治大学戦
2019/11/24
11月24日(日)・秩父宮ラグビー場
●帝京大学(4勝2敗)17-40明治大学(6勝)○
《帝京大学》
[FW]
(1)北⇒近藤(2)李(承爀)⇒上片(3)細木(4)久保⇒佐藤(5)水谷(6)トンガタマ(7)本郷(8)ツイナカウヴァドラ
[BK]
(9)土永⇒末(10)押川⇒北村(11)小村(12)新井⇒李(承信)(13)マクカラン(14)木村(15)奥村
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)安(2)武井(3)笹川(4)片倉(5)箸本(6)石井(7)繁松(8)坂
[BK]
(9)飯沼(10)山沢(11)山﨑(12)射場(13)森(14)山村(15)雲山
【前半】【得点経過】
【2分】帝0-7明
キックカウンターから攻められ、トライを奪われる。
【13分】帝3-7明
SO押川がPGを決める。
【19分】帝3-14明
キックカウンターからつながれ、トライを奪われる。
【35分】帝3-19明
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【39分】帝3-26明
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
【後半】【得点経過】
【2分】帝10-26明
ラインアウトからモールを押し込み、HO李がトライ。ゴール成功。
【21分】帝10-33明
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
【33分】帝10-40明
ラインアウトからモールで攻められ、トライを奪われる。
【36分】帝17-40明
CTBマクカランが相手のキックをチャージ。すぐに拾って、FB奥村にパス。奥村が走り切ってトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第6戦の相手は、昨年度の大学選手権優勝チーム、明治大学。ゲームは開始早々から激しいぶつかり合いとなる。2分に失点を許すが、13分にはSO押川がPGを返し、4点差とする。お互いに体をぶつけあう展開が続くが、1つのタックルミスから19分にトライを奪われ、前半終了間際にも2トライを許してしまう。帝京が攻める場面もあるが、相手の固く分厚いディフェンスで、なかなか得点にまで至らず、前半を3-26で折り返した。後半は帝京が先に得点する。2分にゴール前のラインアウトからモールで押し込んで、HO李がトライ。反撃ののろしを上げたが、やはり相手の固く、激しいディフェンスで、追加点を奪えない。その間、ペナルティから攻め込まれて、2トライを許してしまう。36分には、CTBマクカランのキックチャージから、FB奥村がトライを奪うが、反撃もここまで。帝京は17-40で敗れた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「この結果は、現時点での明治大学さんと帝京大学との実力差だと思います。プレーがスコアになるのにはいろいろな綾がありますが、我々の力が足りず、明治大学さんがすばらしかったということに尽きるだろうと思っています。この試合で私自身も学生たちも、いろいろな財産を得たと思います。ゲームをただ総括するのではなく、次に活かしていけるように学生たちと一緒に頑張っていきたいと思います。本郷選手のFL起用は、私の判断です。彼はケガが多かったこともあってメンバーとプレーした時間も短く、FW陣の経験の浅さも考えて、FWとしてチームを引っ張るのが一番いいだろうと考えました。FW陣は自信のなさから、ミスではないことまでミスにしてしまう場面がありました。そういうFW陣を勇気づけられるのはキャプテンの本郷だと。FLとしての要求よりも、FW陣を勇気づけるキャプテンとしての役割を重視しました。私としては、合格点をあげたいと思っています。かみ合わなかったのは、これまでやったことがないセットプレーだけです。それはこれから学んで、いい意味で成長していけると思います。強がりを言うわけではありませんが、今年のチームがやっと自分たちで、成長する力を見せ始めたなと感じています。このチームで勝ちたいという気持ちを、私自身も本気で持っています。ここからの成長を彼ら自身が楽しめるように、しっかりとサポートしていきたいと思います。今日の敗戦を、チームのすべての部分に活かせるようにしてほしいと思います。学生の本気を明治大学さんからいただいたので、ここから本当の成長が始まると信じています。」
■キャプテン・FL本郷泰司(4年)
「今日の試合、ディフェンスがキーになってくると思い、タックルにフォーカスしてやり続けようと言って、臨みました。タックルでは、受けることなく、前に前に出ることはできていたと思います。ですが、タックルミスであったり、相手の力強いところにうまくタックルに行けていなかったことが何度か重なって、失点につながってしまったと思います。あとは、自分たちのセットプレーでのミス。そこが課題として見えました。今日の敗戦をネガティブに捉えるのではなく、しっかりと次に活かすように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。FLというポジションには、最初は正直びっくりしたのですが、自分のプレーを活かせるポジションだと思い、またリーダーとしてFWでプレーすることで、いまのFWをより元気づけられるかなと思いました。セットプレーではだいぶ迷惑をかけたと思うので、チームで切磋琢磨し合って、強化していけたらと思います。」
■課題を見出しつつ、手応えも得られた・WTB小村健太(2年)
「公式戦初出場だったので、緊張も少しありましたが、試合全体としては楽しくプレーできて、いつも通りにできたと思います。プレーの中身としては、自分の通用するところもあったと思いますが、課題もいろいろ出て、チームとしても個人としても、もっともっと成長できると感じています。そんな中でも、ランとコミュニケーションの部分は、ある程度、手応えも得ることができました。ボールを持って走るのは自分の得意とするところですし、コミュニケーションの部分は、英語が話せる強みというか、外国人留学生ともうまくコミュニケーションができた点も自分の強みを出せたかなと思っています。WTBはコミュニケーションが大事なので、その点はよかったです。ただ、ディフェンス、特にフィジカルの部分はまだまだだと感じました。もっともっと強くなって、高いレベルでいいパフォーマンスができるようにしたいです。ここから個人としては、通用したところをもって伸ばして、自分の強みにしていけるようにしたいです。チームとしては、前半の入りはそんなに悪くなかったのですが、ミスから崩れてしまったので、そこを修正していきたいです。次の試合に向けて、練習で強みを磨いて、課題を克服して、秩父宮でプレーして、チームに貢献したいと思います。」
■ラインアウトでのミスを悔やむも、スクラムには自信を得た・HO上片風馬(3年)
「今日は、いい流れに乗れそうになったところでのミスが、要所要所で出てしまいました。自分の中では最後のラインアウト・スローでオーバーボールになってしまったのが、一番の反省点です。また、ディフェンスのセカンドタックルのところでも、しっかり入れていなかったので、もっとそこを修正していかなければと感じました。明治大学さんという強い相手と戦うという、いい経験をさせていただきましたが、これをただの『いい経験』で終わらせるのではなく、次にどう活かすかをここからの時間でしっかり考えて、自分の中でいいプレーにつなげていきたいです。自分が期待されているのは、スクラム、ラインアウトのセットプレーだと思っています。今日は、スクラムはうまく組めていたと思うのですが、ラインアウトとタックルでミスをしてしまいました。スクラムも手応えは得られましたが、まだまだ先発の李承爀には及ばないと思っているので、彼を超えられるように、頑張っていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
コンタクトで当たり負けしない自信が得られた
PR 近藤芽吹(3年)
Ibuki Kondo
医療技術学部スポーツ医療学科
新潟工業高校出身
身長177cm/体重108kg
■まずゲームの感想からお願いします。
「チームとしては、春の頃に比べるとよくなっているところもあるのですが、まだ一歩足りないとも実感しました。まだまだ伸びしろがあるなというのが感想です。」
■個人としてのプレーはいかがでしたか。
「ゲーム前から体を張り続けようと言って、臨みました。いいタックルができたところもありましたし、ボールを持って前進できたところもありましたが、やはりまだ一歩足りない、もっと成長しなければいけないと感じました。」
■その「一歩足りない」というのは、例えばどういう部分でしょうか。
「いろいろなところでそれぞれ『一歩足りない』という感じなのですが、例えばスクラムでは、相手の笹川(大五)さんに押されたところがあったので、スクラム力の足りなさは実感しました。」
■逆に手応えを得られたところは?
「コンタクトのところですね。春から体重が増えたこともあって、当たり負けしなかったという手応えは得られました。」
■ワールドカップを見ていて、なにか得たものはありましたか。
「高校の先輩で、同じPRの稲垣啓太さんのプレーには、運動量、タックルの部分で見習うべきところがたくさんありました。自分も動き続けられるPRにならなければと感じました。」
■今後に向けての意気込みをお願いします。
「まずは次の試合に出られるように練習して、出られたら、PRとしてやるべき仕事をしっかりやっていきたいと思います。」
対抗戦初出場とは思えぬ、のびのびとしたプレーを披露。課題もたくさん見つかったと語るが、強敵相手にいいタックルを何度も見せ、ボールキャリーでも力強さを発揮した。体重も増え、重量FWを誇る相手にも当たり負けしない自信をつけ、実際、当たり負けすることはなかった。成長著しいFW陣に、また新たな成長株が現れた。
《COLUMN》
―― 勝負はこれから ――
この日の試合、帝京は17-40で明治大学に敗れました。岩出監督は記者会見で「現時点での実力差の現れ」と述べました。この日の帝京は、気持ちはしっかりと入っていたと思います。スイッチは入っていました。だからこそ、「実力差」で敗れたと言い切れたのでしょう。
ただし、ポイントは「現時点での」というところ。つまり、ここから先のことはまだまだわからないぞ、ということです。
もちろん、その差が開くという可能性もあるでしょう。しかし、帝京にも十分な伸びしろがありますから、「現時点での」実力差をどこまで縮めることができるか、あるいは逆転できるかは、今後の頑張り次第と言っていいでしょう。
以前、対抗戦で大苦戦し(4勝3敗)、その後、一気に立ち直り、大学選手権優勝にまで駆け上がっていった年がありました。9年前、V2を達成した、吉田光治郎キャプテンの代です。
この年は対抗戦終了後に4年生が強く結束し、チームの雰囲気をがらりと変えていきました。あっという間に力をつけ、対抗戦で敗れた相手を大学選手権で倒し、栄冠をつかんだのでした。
大学選手権までの時間はあまりありませんが、対抗戦をもう1試合残している現状では、このV2の代が覚醒した時よりは、少しだけ長く時間があります。この年のチームよりも、やれることは多いのではないでしょうか。
まだまだ、ここからが勝負です。
どこまで成長を見せてくれるか。しっかり見守っていきたいと思います。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
SH・WTB 田中玲(1年)
長崎北陽台高校
身長173cm/体重68kg
「自分の強みは『負けず嫌い』なところだと思っています。どんなときも、誰にも負けないようにということを常に意識しながら、やっています。課題はSHとしてのパススキル。もっと向上させていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、ウエイトトレーニングの施設、栄養管理、トレーナーさんたちのサポートなどについて、まさに日本一だと感じています。WTBとSHの両刀でやっていますが、WTBとしてはトライを取り切れるように、SHとしてはゲームコントロールを意識してやっています。どちらも違ったやりがいがあるので、両方楽しめるように練習していきたいです。夏合宿で一度(大東文化大学戦)、Aチームで試合に出させていただきましたが、それ以来、Aチームでの出場がないので、もっともっと努力して、Aチームで試合に出られるように頑張りたいと思います。」
HO 屋部謙仁(1年)
名護高校出身
身長175kg/体重95kg
「自分の強みはアタックです。ワンステップで相手をずらして前に出るプレーが得意です。課題はワークレート、仕事量が足りないところです。もっともっと上げていかないといけないと思っています。あとは、体を大きくすること。フィジカルの強化が必要だと思っています。帝京大学ラグビー部は、ラグビースキルやウエイトの数値がすごいです。自分もそうした基礎のところを固めていきたいですし、それをしっかりやることでゲームに出るチャンスも増えると思っています。まずは基礎固めを積み重ねて、上のチームで貢献できるようにしたいです。」
分析・中根誌音(1年)
静岡聖光学院高校出身
身長175cm/体重80kg
「分析は高校1年のときからやっています。高校時代は選手をやりつつ、分析もやりました。分析によって、プレーが数値化されるのはとてもおもしろいですし、試合やプレーを細かいところまで見ることができ、いわゆる『ラグビーIQ』も高まっていく楽しさがあります。ただ、大学レベルの分析は高校時代のものとはレベルが違うので、一から教えていただいて見えてきたものもあり、それらを自分のものにできるように、日々、頑張っています。帝京大学ラグビー部は、チームに携わるスタッフの分厚さというか、外部の方も含めて、たくさんの方々が関わっていることに驚きました。また、ラグビーだけでなく、私生活がきちんとしていないと社会に出た時にしっかりとした生活が送れないという考え方が定着しているのも、すごいと感じます。ここからしっかり学んでいって、一つ一つ課題をクリアしていきたいです。選手ではないので、いわば『黒子』ですが、黒子がいないとできないこともたくさんあると思うので、分析担当の川畑さん、増田さんと一緒に、しっかりチームに貢献していきたいと思います。」
左から田中玲、屋部謙仁、中根誌音
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対慶應義塾大学(https://keiorugby.com/)
11月30日(土) 秩父宮ラグビー場
11時30分キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦12勝8敗1分(大学選手権5勝)
[慶応義塾大学の直近5戦]
9月8日 ●14-17筑波大学(関東大学対抗戦A)
9月14日 ○101-0成蹊大学(関東大学対抗戦A)
11月4日 ●27-30日本体育大学(関東大学対抗戦A)
11月10日 ●3-40明治大学(関東大学対抗戦A)
11月23日 ●10-17早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
●帝京大学(4勝2敗)17-40明治大学(6勝)○
《帝京大学》
[FW]
(1)北⇒近藤(2)李(承爀)⇒上片(3)細木(4)久保⇒佐藤(5)水谷(6)トンガタマ(7)本郷(8)ツイナカウヴァドラ
[BK]
(9)土永⇒末(10)押川⇒北村(11)小村(12)新井⇒李(承信)(13)マクカラン(14)木村(15)奥村
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)安(2)武井(3)笹川(4)片倉(5)箸本(6)石井(7)繁松(8)坂
[BK]
(9)飯沼(10)山沢(11)山﨑(12)射場(13)森(14)山村(15)雲山
【前半】【得点経過】
【2分】帝0-7明
キックカウンターから攻められ、トライを奪われる。
【13分】帝3-7明
SO押川がPGを決める。
【19分】帝3-14明
キックカウンターからつながれ、トライを奪われる。
【35分】帝3-19明
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【39分】帝3-26明
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
【後半】【得点経過】
【2分】帝10-26明
ラインアウトからモールを押し込み、HO李がトライ。ゴール成功。
【21分】帝10-33明
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
【33分】帝10-40明
ラインアウトからモールで攻められ、トライを奪われる。
【36分】帝17-40明
CTBマクカランが相手のキックをチャージ。すぐに拾って、FB奥村にパス。奥村が走り切ってトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第6戦の相手は、昨年度の大学選手権優勝チーム、明治大学。ゲームは開始早々から激しいぶつかり合いとなる。2分に失点を許すが、13分にはSO押川がPGを返し、4点差とする。お互いに体をぶつけあう展開が続くが、1つのタックルミスから19分にトライを奪われ、前半終了間際にも2トライを許してしまう。帝京が攻める場面もあるが、相手の固く分厚いディフェンスで、なかなか得点にまで至らず、前半を3-26で折り返した。後半は帝京が先に得点する。2分にゴール前のラインアウトからモールで押し込んで、HO李がトライ。反撃ののろしを上げたが、やはり相手の固く、激しいディフェンスで、追加点を奪えない。その間、ペナルティから攻め込まれて、2トライを許してしまう。36分には、CTBマクカランのキックチャージから、FB奥村がトライを奪うが、反撃もここまで。帝京は17-40で敗れた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「この結果は、現時点での明治大学さんと帝京大学との実力差だと思います。プレーがスコアになるのにはいろいろな綾がありますが、我々の力が足りず、明治大学さんがすばらしかったということに尽きるだろうと思っています。この試合で私自身も学生たちも、いろいろな財産を得たと思います。ゲームをただ総括するのではなく、次に活かしていけるように学生たちと一緒に頑張っていきたいと思います。本郷選手のFL起用は、私の判断です。彼はケガが多かったこともあってメンバーとプレーした時間も短く、FW陣の経験の浅さも考えて、FWとしてチームを引っ張るのが一番いいだろうと考えました。FW陣は自信のなさから、ミスではないことまでミスにしてしまう場面がありました。そういうFW陣を勇気づけられるのはキャプテンの本郷だと。FLとしての要求よりも、FW陣を勇気づけるキャプテンとしての役割を重視しました。私としては、合格点をあげたいと思っています。かみ合わなかったのは、これまでやったことがないセットプレーだけです。それはこれから学んで、いい意味で成長していけると思います。強がりを言うわけではありませんが、今年のチームがやっと自分たちで、成長する力を見せ始めたなと感じています。このチームで勝ちたいという気持ちを、私自身も本気で持っています。ここからの成長を彼ら自身が楽しめるように、しっかりとサポートしていきたいと思います。今日の敗戦を、チームのすべての部分に活かせるようにしてほしいと思います。学生の本気を明治大学さんからいただいたので、ここから本当の成長が始まると信じています。」
■キャプテン・FL本郷泰司(4年)
「今日の試合、ディフェンスがキーになってくると思い、タックルにフォーカスしてやり続けようと言って、臨みました。タックルでは、受けることなく、前に前に出ることはできていたと思います。ですが、タックルミスであったり、相手の力強いところにうまくタックルに行けていなかったことが何度か重なって、失点につながってしまったと思います。あとは、自分たちのセットプレーでのミス。そこが課題として見えました。今日の敗戦をネガティブに捉えるのではなく、しっかりと次に活かすように、チーム一丸となって頑張っていきたいと思います。FLというポジションには、最初は正直びっくりしたのですが、自分のプレーを活かせるポジションだと思い、またリーダーとしてFWでプレーすることで、いまのFWをより元気づけられるかなと思いました。セットプレーではだいぶ迷惑をかけたと思うので、チームで切磋琢磨し合って、強化していけたらと思います。」
■課題を見出しつつ、手応えも得られた・WTB小村健太(2年)
「公式戦初出場だったので、緊張も少しありましたが、試合全体としては楽しくプレーできて、いつも通りにできたと思います。プレーの中身としては、自分の通用するところもあったと思いますが、課題もいろいろ出て、チームとしても個人としても、もっともっと成長できると感じています。そんな中でも、ランとコミュニケーションの部分は、ある程度、手応えも得ることができました。ボールを持って走るのは自分の得意とするところですし、コミュニケーションの部分は、英語が話せる強みというか、外国人留学生ともうまくコミュニケーションができた点も自分の強みを出せたかなと思っています。WTBはコミュニケーションが大事なので、その点はよかったです。ただ、ディフェンス、特にフィジカルの部分はまだまだだと感じました。もっともっと強くなって、高いレベルでいいパフォーマンスができるようにしたいです。ここから個人としては、通用したところをもって伸ばして、自分の強みにしていけるようにしたいです。チームとしては、前半の入りはそんなに悪くなかったのですが、ミスから崩れてしまったので、そこを修正していきたいです。次の試合に向けて、練習で強みを磨いて、課題を克服して、秩父宮でプレーして、チームに貢献したいと思います。」
■ラインアウトでのミスを悔やむも、スクラムには自信を得た・HO上片風馬(3年)
「今日は、いい流れに乗れそうになったところでのミスが、要所要所で出てしまいました。自分の中では最後のラインアウト・スローでオーバーボールになってしまったのが、一番の反省点です。また、ディフェンスのセカンドタックルのところでも、しっかり入れていなかったので、もっとそこを修正していかなければと感じました。明治大学さんという強い相手と戦うという、いい経験をさせていただきましたが、これをただの『いい経験』で終わらせるのではなく、次にどう活かすかをここからの時間でしっかり考えて、自分の中でいいプレーにつなげていきたいです。自分が期待されているのは、スクラム、ラインアウトのセットプレーだと思っています。今日は、スクラムはうまく組めていたと思うのですが、ラインアウトとタックルでミスをしてしまいました。スクラムも手応えは得られましたが、まだまだ先発の李承爀には及ばないと思っているので、彼を超えられるように、頑張っていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
コンタクトで当たり負けしない自信が得られた
PR 近藤芽吹(3年)
Ibuki Kondo
医療技術学部スポーツ医療学科
新潟工業高校出身
身長177cm/体重108kg
■まずゲームの感想からお願いします。
「チームとしては、春の頃に比べるとよくなっているところもあるのですが、まだ一歩足りないとも実感しました。まだまだ伸びしろがあるなというのが感想です。」
■個人としてのプレーはいかがでしたか。
「ゲーム前から体を張り続けようと言って、臨みました。いいタックルができたところもありましたし、ボールを持って前進できたところもありましたが、やはりまだ一歩足りない、もっと成長しなければいけないと感じました。」
■その「一歩足りない」というのは、例えばどういう部分でしょうか。
「いろいろなところでそれぞれ『一歩足りない』という感じなのですが、例えばスクラムでは、相手の笹川(大五)さんに押されたところがあったので、スクラム力の足りなさは実感しました。」
■逆に手応えを得られたところは?
「コンタクトのところですね。春から体重が増えたこともあって、当たり負けしなかったという手応えは得られました。」
■ワールドカップを見ていて、なにか得たものはありましたか。
「高校の先輩で、同じPRの稲垣啓太さんのプレーには、運動量、タックルの部分で見習うべきところがたくさんありました。自分も動き続けられるPRにならなければと感じました。」
■今後に向けての意気込みをお願いします。
「まずは次の試合に出られるように練習して、出られたら、PRとしてやるべき仕事をしっかりやっていきたいと思います。」
対抗戦初出場とは思えぬ、のびのびとしたプレーを披露。課題もたくさん見つかったと語るが、強敵相手にいいタックルを何度も見せ、ボールキャリーでも力強さを発揮した。体重も増え、重量FWを誇る相手にも当たり負けしない自信をつけ、実際、当たり負けすることはなかった。成長著しいFW陣に、また新たな成長株が現れた。
《COLUMN》
―― 勝負はこれから ――
この日の試合、帝京は17-40で明治大学に敗れました。岩出監督は記者会見で「現時点での実力差の現れ」と述べました。この日の帝京は、気持ちはしっかりと入っていたと思います。スイッチは入っていました。だからこそ、「実力差」で敗れたと言い切れたのでしょう。
ただし、ポイントは「現時点での」というところ。つまり、ここから先のことはまだまだわからないぞ、ということです。
もちろん、その差が開くという可能性もあるでしょう。しかし、帝京にも十分な伸びしろがありますから、「現時点での」実力差をどこまで縮めることができるか、あるいは逆転できるかは、今後の頑張り次第と言っていいでしょう。
以前、対抗戦で大苦戦し(4勝3敗)、その後、一気に立ち直り、大学選手権優勝にまで駆け上がっていった年がありました。9年前、V2を達成した、吉田光治郎キャプテンの代です。
この年は対抗戦終了後に4年生が強く結束し、チームの雰囲気をがらりと変えていきました。あっという間に力をつけ、対抗戦で敗れた相手を大学選手権で倒し、栄冠をつかんだのでした。
大学選手権までの時間はあまりありませんが、対抗戦をもう1試合残している現状では、このV2の代が覚醒した時よりは、少しだけ長く時間があります。この年のチームよりも、やれることは多いのではないでしょうか。
まだまだ、ここからが勝負です。
どこまで成長を見せてくれるか。しっかり見守っていきたいと思います。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
SH・WTB 田中玲(1年)
長崎北陽台高校
身長173cm/体重68kg
「自分の強みは『負けず嫌い』なところだと思っています。どんなときも、誰にも負けないようにということを常に意識しながら、やっています。課題はSHとしてのパススキル。もっと向上させていきたいと思っています。帝京大学ラグビー部は、ウエイトトレーニングの施設、栄養管理、トレーナーさんたちのサポートなどについて、まさに日本一だと感じています。WTBとSHの両刀でやっていますが、WTBとしてはトライを取り切れるように、SHとしてはゲームコントロールを意識してやっています。どちらも違ったやりがいがあるので、両方楽しめるように練習していきたいです。夏合宿で一度(大東文化大学戦)、Aチームで試合に出させていただきましたが、それ以来、Aチームでの出場がないので、もっともっと努力して、Aチームで試合に出られるように頑張りたいと思います。」
HO 屋部謙仁(1年)
名護高校出身
身長175kg/体重95kg
「自分の強みはアタックです。ワンステップで相手をずらして前に出るプレーが得意です。課題はワークレート、仕事量が足りないところです。もっともっと上げていかないといけないと思っています。あとは、体を大きくすること。フィジカルの強化が必要だと思っています。帝京大学ラグビー部は、ラグビースキルやウエイトの数値がすごいです。自分もそうした基礎のところを固めていきたいですし、それをしっかりやることでゲームに出るチャンスも増えると思っています。まずは基礎固めを積み重ねて、上のチームで貢献できるようにしたいです。」
分析・中根誌音(1年)
静岡聖光学院高校出身
身長175cm/体重80kg
「分析は高校1年のときからやっています。高校時代は選手をやりつつ、分析もやりました。分析によって、プレーが数値化されるのはとてもおもしろいですし、試合やプレーを細かいところまで見ることができ、いわゆる『ラグビーIQ』も高まっていく楽しさがあります。ただ、大学レベルの分析は高校時代のものとはレベルが違うので、一から教えていただいて見えてきたものもあり、それらを自分のものにできるように、日々、頑張っています。帝京大学ラグビー部は、チームに携わるスタッフの分厚さというか、外部の方も含めて、たくさんの方々が関わっていることに驚きました。また、ラグビーだけでなく、私生活がきちんとしていないと社会に出た時にしっかりとした生活が送れないという考え方が定着しているのも、すごいと感じます。ここからしっかり学んでいって、一つ一つ課題をクリアしていきたいです。選手ではないので、いわば『黒子』ですが、黒子がいないとできないこともたくさんあると思うので、分析担当の川畑さん、増田さんと一緒に、しっかりチームに貢献していきたいと思います。」
左から田中玲、屋部謙仁、中根誌音
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対慶應義塾大学(https://keiorugby.com/)
11月30日(土) 秩父宮ラグビー場
11時30分キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦12勝8敗1分(大学選手権5勝)
[慶応義塾大学の直近5戦]
9月8日 ●14-17筑波大学(関東大学対抗戦A)
9月14日 ○101-0成蹊大学(関東大学対抗戦A)
11月4日 ●27-30日本体育大学(関東大学対抗戦A)
11月10日 ●3-40明治大学(関東大学対抗戦A)
11月23日 ●10-17早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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