REPORT
レポート
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第56回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 3回戦 流通経済大学戦
2019/12/15
12月15日(日)・熊谷ラグビー場
●帝京大学39-43流通経済大学○
《帝京大学》
[FW]
(1)近藤⇒髙井(2)小林(3)細木(4)マクロビー⇒野田(5)久保(6)佐藤(7)松本(8)トンガタマ⇒ツイナカウヴァドラ
[BK]
(9)末⇒土永(10)奥村(11)宮上⇒新井(12)李(承信)(13)マクカラン(14)木村(15)小村
《流通経済大学》※先発のみ
[FW]
(1)藤田(2)松田(3)西村(4)平井(5)サリミ(6)粥塚(7)坂本(8)積
[BK]
(9)野村(10)柳田(11)横瀬(12)土居(13)タカヤワ(14)ブルア(15)河野
【前半】【得点経過】
【1分】帝0-5流
ラインアウトからモールを押され、トライを奪われる。
【3分】帝0-10流
キックオフからつながれ、トライを奪われる。
【9分】帝7-12流
スクラムから、No8トンガタマが持ち出して、トライ。ゴール成功。
【14分】帝7-19流
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【17分】帝12-19流
相手のこぼしたボールをCTBマクカランが拾って、そのままトライ。
【22分】帝17-19流
相手ボールラインアウトを奪って、連続攻撃。HO小林が大きく前進。ラックから、PR細木が持ち出してトライ。
【27分】帝20-19流
SO奥村がPGを決める。
【39分】帝25-19流
相手のこぼれ球を、CTB李が拾って、WTB木村にパス。木村がタックルを受けながらも、なんとか走り切ってトライ。
【後半】【得点経過】
【8分】帝25-24流
ターンオーバーからつながれ、トライを奪われる。
【14分】帝25-31流
キックカウンターからつながれ、トライを奪われる。
【16分】帝32-31流
CTBマクカランがパス・インターセプト。そのまま、走り切ってトライ。ゴール成功。
【22分】帝39-31流
ラインアウトから展開し、CTB李が外へキックパス。WTB木村が拾って、FB小村にパス。小村が大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックから、SH末-HO小林と渡り、小林が抜け出してトライ。ゴール成功。
【29分】帝39-38流
スクラムからつながれ、トライを奪われる。
【32分】帝39-43流
ラインアウトからつながれ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
大学選手権初戦の相手は流通経済大学。晴天ながら、風の強い中での試合となった。帝京は、いきなりその風に苦戦する。風に流されるキックオフのボールを後ろにこぼして、そのままタッチへ。ゴール前での相手ボールのラインアウトからモールを押し込まれ、トライを許してしまう。次のキックオフでは、相手のノックオンかと思われたプレー(判定はノックバックでプレーオン)で一瞬、足が止まり、そこから大きく前進を許してしまう。さらにここから攻められ、あっという間に12点のビハインドを負ってしまう。ようやくエンジンがかかり始めた帝京は、前半4トライを奪い返して25-19でハーフタイムを迎える。しかし、後半も先に2トライを奪われ逆転。CTBマクカラン、HO小林のトライで再逆転するも、後半33分、ペナルティから攻め込まれて、逆転を許してしまう。残りは5分以上あったが、深く蹴ったキックオフのボールを相手はFWでキープ。帝京は奪い返すことができず、ホーンが鳴り、ノーサイド。帝京は大学選手権3回戦で敗れた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「敗戦という結果でしたので、実力不足だったと思っています。相手の流通経済大学さんの頑張り、いいランニングをした選手もいました。こちらももう少し力を持っていると思っていたのですが、今シーズンをこれで終わるということですので、残念ながら力不足、積み上げてきたものがまだまだ甘かったということに尽きると思います。この敗戦の悔しさを、4年生は次のステージでどう活かすか、3年生以下は来年に向かってどう頑張ってくれるかを、いまは期待するしかありません。そうしたことを各自が自分の心に刻んでほしいと思っています。勝者の流通経済大学さんを称えたいと思いますし、次の天理大学さんとの試合でも頑張っていただきたいです。」
■ゲームキャプテン・FL佐藤羅雲(4年)
「今年一年、大学選手権優勝を目標に掲げて、取り組んできました。しかし、自分たちの力不足、ミスを修正する力が足りず、流れを変えきれず、流通経済大学さんに力強いアタックをされてしまい、敗戦という結果になりました。どんどん身体を当てて、前に出るアタック、前に出るディフェンスをしようとチーム全員で話し合っていたのですが、ミスが出て、それを修正できず、また最後まで激しいプレーをやり続けることができなかったことが敗因だと思っています。帝京大学はこの経験を活かして、来年度、大学選手権優勝を目指して、チーム一丸となって戦っていきます。」
■悔しさをプラスに変えて、来年こそは最後に笑顔で・SH末拓実(4年)
「今日はミスが多く、練習段階でも出ていたミスが試合でも出てしまったように思います。そこは僕らのこの1年間の課題でもあったのですが、それが修正し切れず、それが今日の相手のスコアにつながって、こういう結果になったのだと思っています。大学選手権の初戦で負けて、こんなに悔しい思いをしたのは僕らも初めてでしたが、下の学年のみんなはこの初めての悔しさを逆にプラスに捉えて、しっかりと1年間、積み重ねをして、来年度はみんなが最後に笑顔で終われるように頑張ってほしいです。」
■来年の4年生には今年の甘さを克服してほしい・WTB宮上廉(4年)
「僕自身の力不足もそうですし、僕たち4年生の力不足、4年生の責任だと思っています。これから、何が足りなかったのかをしっかりと整理して、この悔しさを晴らしてくれるように後輩たちに伝えていきたいです。僕たち4年生の取り組みの甘さが、今日の結果となってしまったので、特に来年の4年生はその甘さをなくせるように、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。」
■後悔しないように毎日を大切にしてほしい・WTB新井翼(4年)
「今日の試合、最後の最後に出させてもらったのですが、何もできずにただただ悔しい思いです。後輩には『もっとこうしておけばよかった』とか、『あのときにああしておけば』という後悔を一つもないように、一日一日を大切にして頑張ってほしいです。」
《PICK UP PLAYERS》
甘さをなくして、優勝できるチームを作ってほしい
キャプテン 本郷泰司(4年)
Taiji Hongo
教育学部教育文化学科
京都成章高校出身
身長180cm/体重95kg
■いまの思いをお願いします。
「『最後は国立競技場で笑って終わりたい』という思いでやってきたのですが、こういう形で終わってしまって残念です……」
■今日、試合に出られなかったことへの思いは?
「前の試合でのケガがあり、次の試合には何とか間に合わせたいと思っていました。」
■大学選手権に臨むにあたっては、どんな思いがありましたか。
「対抗戦で3連敗してしまって、そのとき、自分たちの力を出し切れていないと感じていました。そこをうまく変えていけたらと思っていたのですが、変えることができませんでした。」
■いま、後輩たちに伝えたいことはどんなことですか。
「今日の悔しさを次につなげてほしいと思います。今年の甘さが今日の試合でも『実力』という形で出てしまったと思うので、そうした甘さをなくして、来年こそは優勝できるチームを作ってもらいたいと思います。」
最後までケガに泣かされた4年間だったかもしれない。学年の全会一致で選ばれたキャプテン。結果が出ない時期、リーダーシップの発揮法にも悩みながら、それでも常に前を向いて必死にチームを引っ張ってきた。その姿は誰もが認めている。この経験を、人生の次なるステージで必ず役立ててほしい。
《COLUMN》
―― 何度でも立ち上がる ――
帝京の今シーズンの公式戦は、今回の敗戦をもって終了しました。敗戦が決まった以上、いまは何を言っても言い訳にしかならないでしょうし、温かい言葉もなぐさめにはならないでしょう。
各種マスコミでは「ケガ人が多く、最後までベストメンバーを組めなかった」といった論調が見られますが、第三者的な批評とはいえ、そうした言葉はこの日の出場メンバーに対する敬意を欠く表現でしょう。帝京のファーストジャージを着ている以上、その人はその試合のベストメンバーとして選ばれているはずです。
たしかにこの試合、本郷キャプテンをはじめ、今年のチームにとって「この人はぜひ、いてほしい」というメンバーの何人かがケガで出場できなかったことは事実です。しかし、ケガ人が出てしまうのは、ラグビーにおいて、ある程度は想定内の出来事。その代わりに出場した選手が、いかに遜色なくチームに溶け込み、チームプレーができるか。そこを強化してきたことで、帝京はV9を達成してきたとも言えるでしょう。
さて、試合後、4年生の宮上選手がこんな話をしてくれました。
「4年生の責任として、何が足りなかったのかをきちんと整理して、後輩たちに伝えたい。」
公式戦は終わりましたが、帝京の戦いは続きます。そして、4年生はいますぐに卒業してしまうわけではありません。来年度への戦いはすでに始まっていると言えるでしょう。
来年度の4年生(現3年生)は、チーム内で大学日本一を知っている学年ということになります。ここから、もう一度立ち上がって、前に進んでいかなければなりません。卒業までは、現4年生も後輩たちを支えてくれることでしょう。
V9時、他校は帝京の分厚い壁の前に何度も撥ね返され、そのたびに何度でも立ち上がり、帝京への挑戦を続けました。次は帝京が立ち上がって、挑戦する番です。倒されても、何度でも立ち上がって、挑み続けます。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
LOアレクサンダー・マクロビー(1年)
St.Kentigern College出身
身長195cm/体重95kg
「自分の得意なプレーはラインアウトです。相手のボールをターンオーバーしたり、セットピースのいい要になれるようにと思ってプレーしています。課題はディフェンス、タックルです。相手をドミネートする(圧倒する・完全に優位に立つ)という部分がまだまだです。帝京大学ラグビー部は、これまで関わってきたチームの中で、一番ハードワークするチームです。ニュージーランドから来て、文化がとても違うことに驚いています。今後、もっと体を大きくして、強くなって、存在感を示せるプレーができるように頑張ります。」
FL・No8ミティエリ・ ツイナカウヴァドラ
St.Josephs College, Hunters Hill出身
身長185cm/体重108kg
「自分の得意なプレーは、ボールキャリーとアグレッシブなプレーです。課題はゲーム理解や細かなスキル。小さなことの積み重ねが大きなことにつながっていくと思っています。帝京大学ラグビー部は、オーストラリアのリラックスしたチームの雰囲気と違って、毎日、ハードワークしていて、また、多くの人たちから期待されているチームだと感じています。今後は、試合で完璧なプレーができるように、小さなことから大きなことまで頑張って、グラウンドの中で一番いい選手になりたいと思っています。」
《NEXT MATCH》
(今シーズンの公式戦は終了しました。)
4年生試合
対慶應義塾大学
12月22日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
●帝京大学39-43流通経済大学○
《帝京大学》
[FW]
(1)近藤⇒髙井(2)小林(3)細木(4)マクロビー⇒野田(5)久保(6)佐藤(7)松本(8)トンガタマ⇒ツイナカウヴァドラ
[BK]
(9)末⇒土永(10)奥村(11)宮上⇒新井(12)李(承信)(13)マクカラン(14)木村(15)小村
《流通経済大学》※先発のみ
[FW]
(1)藤田(2)松田(3)西村(4)平井(5)サリミ(6)粥塚(7)坂本(8)積
[BK]
(9)野村(10)柳田(11)横瀬(12)土居(13)タカヤワ(14)ブルア(15)河野
【前半】【得点経過】
【1分】帝0-5流
ラインアウトからモールを押され、トライを奪われる。
【3分】帝0-10流
キックオフからつながれ、トライを奪われる。
【9分】帝7-12流
スクラムから、No8トンガタマが持ち出して、トライ。ゴール成功。
【14分】帝7-19流
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【17分】帝12-19流
相手のこぼしたボールをCTBマクカランが拾って、そのままトライ。
【22分】帝17-19流
相手ボールラインアウトを奪って、連続攻撃。HO小林が大きく前進。ラックから、PR細木が持ち出してトライ。
【27分】帝20-19流
SO奥村がPGを決める。
【39分】帝25-19流
相手のこぼれ球を、CTB李が拾って、WTB木村にパス。木村がタックルを受けながらも、なんとか走り切ってトライ。
【後半】【得点経過】
【8分】帝25-24流
ターンオーバーからつながれ、トライを奪われる。
【14分】帝25-31流
キックカウンターからつながれ、トライを奪われる。
【16分】帝32-31流
CTBマクカランがパス・インターセプト。そのまま、走り切ってトライ。ゴール成功。
【22分】帝39-31流
ラインアウトから展開し、CTB李が外へキックパス。WTB木村が拾って、FB小村にパス。小村が大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックから、SH末-HO小林と渡り、小林が抜け出してトライ。ゴール成功。
【29分】帝39-38流
スクラムからつながれ、トライを奪われる。
【32分】帝39-43流
ラインアウトからつながれ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
大学選手権初戦の相手は流通経済大学。晴天ながら、風の強い中での試合となった。帝京は、いきなりその風に苦戦する。風に流されるキックオフのボールを後ろにこぼして、そのままタッチへ。ゴール前での相手ボールのラインアウトからモールを押し込まれ、トライを許してしまう。次のキックオフでは、相手のノックオンかと思われたプレー(判定はノックバックでプレーオン)で一瞬、足が止まり、そこから大きく前進を許してしまう。さらにここから攻められ、あっという間に12点のビハインドを負ってしまう。ようやくエンジンがかかり始めた帝京は、前半4トライを奪い返して25-19でハーフタイムを迎える。しかし、後半も先に2トライを奪われ逆転。CTBマクカラン、HO小林のトライで再逆転するも、後半33分、ペナルティから攻め込まれて、逆転を許してしまう。残りは5分以上あったが、深く蹴ったキックオフのボールを相手はFWでキープ。帝京は奪い返すことができず、ホーンが鳴り、ノーサイド。帝京は大学選手権3回戦で敗れた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「敗戦という結果でしたので、実力不足だったと思っています。相手の流通経済大学さんの頑張り、いいランニングをした選手もいました。こちらももう少し力を持っていると思っていたのですが、今シーズンをこれで終わるということですので、残念ながら力不足、積み上げてきたものがまだまだ甘かったということに尽きると思います。この敗戦の悔しさを、4年生は次のステージでどう活かすか、3年生以下は来年に向かってどう頑張ってくれるかを、いまは期待するしかありません。そうしたことを各自が自分の心に刻んでほしいと思っています。勝者の流通経済大学さんを称えたいと思いますし、次の天理大学さんとの試合でも頑張っていただきたいです。」
■ゲームキャプテン・FL佐藤羅雲(4年)
「今年一年、大学選手権優勝を目標に掲げて、取り組んできました。しかし、自分たちの力不足、ミスを修正する力が足りず、流れを変えきれず、流通経済大学さんに力強いアタックをされてしまい、敗戦という結果になりました。どんどん身体を当てて、前に出るアタック、前に出るディフェンスをしようとチーム全員で話し合っていたのですが、ミスが出て、それを修正できず、また最後まで激しいプレーをやり続けることができなかったことが敗因だと思っています。帝京大学はこの経験を活かして、来年度、大学選手権優勝を目指して、チーム一丸となって戦っていきます。」
■悔しさをプラスに変えて、来年こそは最後に笑顔で・SH末拓実(4年)
「今日はミスが多く、練習段階でも出ていたミスが試合でも出てしまったように思います。そこは僕らのこの1年間の課題でもあったのですが、それが修正し切れず、それが今日の相手のスコアにつながって、こういう結果になったのだと思っています。大学選手権の初戦で負けて、こんなに悔しい思いをしたのは僕らも初めてでしたが、下の学年のみんなはこの初めての悔しさを逆にプラスに捉えて、しっかりと1年間、積み重ねをして、来年度はみんなが最後に笑顔で終われるように頑張ってほしいです。」
■来年の4年生には今年の甘さを克服してほしい・WTB宮上廉(4年)
「僕自身の力不足もそうですし、僕たち4年生の力不足、4年生の責任だと思っています。これから、何が足りなかったのかをしっかりと整理して、この悔しさを晴らしてくれるように後輩たちに伝えていきたいです。僕たち4年生の取り組みの甘さが、今日の結果となってしまったので、特に来年の4年生はその甘さをなくせるように、一日一日を大切に過ごしてほしいと思います。」
■後悔しないように毎日を大切にしてほしい・WTB新井翼(4年)
「今日の試合、最後の最後に出させてもらったのですが、何もできずにただただ悔しい思いです。後輩には『もっとこうしておけばよかった』とか、『あのときにああしておけば』という後悔を一つもないように、一日一日を大切にして頑張ってほしいです。」
《PICK UP PLAYERS》
甘さをなくして、優勝できるチームを作ってほしい
キャプテン 本郷泰司(4年)
Taiji Hongo
教育学部教育文化学科
京都成章高校出身
身長180cm/体重95kg
■いまの思いをお願いします。
「『最後は国立競技場で笑って終わりたい』という思いでやってきたのですが、こういう形で終わってしまって残念です……」
■今日、試合に出られなかったことへの思いは?
「前の試合でのケガがあり、次の試合には何とか間に合わせたいと思っていました。」
■大学選手権に臨むにあたっては、どんな思いがありましたか。
「対抗戦で3連敗してしまって、そのとき、自分たちの力を出し切れていないと感じていました。そこをうまく変えていけたらと思っていたのですが、変えることができませんでした。」
■いま、後輩たちに伝えたいことはどんなことですか。
「今日の悔しさを次につなげてほしいと思います。今年の甘さが今日の試合でも『実力』という形で出てしまったと思うので、そうした甘さをなくして、来年こそは優勝できるチームを作ってもらいたいと思います。」
最後までケガに泣かされた4年間だったかもしれない。学年の全会一致で選ばれたキャプテン。結果が出ない時期、リーダーシップの発揮法にも悩みながら、それでも常に前を向いて必死にチームを引っ張ってきた。その姿は誰もが認めている。この経験を、人生の次なるステージで必ず役立ててほしい。
《COLUMN》
―― 何度でも立ち上がる ――
帝京の今シーズンの公式戦は、今回の敗戦をもって終了しました。敗戦が決まった以上、いまは何を言っても言い訳にしかならないでしょうし、温かい言葉もなぐさめにはならないでしょう。
各種マスコミでは「ケガ人が多く、最後までベストメンバーを組めなかった」といった論調が見られますが、第三者的な批評とはいえ、そうした言葉はこの日の出場メンバーに対する敬意を欠く表現でしょう。帝京のファーストジャージを着ている以上、その人はその試合のベストメンバーとして選ばれているはずです。
たしかにこの試合、本郷キャプテンをはじめ、今年のチームにとって「この人はぜひ、いてほしい」というメンバーの何人かがケガで出場できなかったことは事実です。しかし、ケガ人が出てしまうのは、ラグビーにおいて、ある程度は想定内の出来事。その代わりに出場した選手が、いかに遜色なくチームに溶け込み、チームプレーができるか。そこを強化してきたことで、帝京はV9を達成してきたとも言えるでしょう。
さて、試合後、4年生の宮上選手がこんな話をしてくれました。
「4年生の責任として、何が足りなかったのかをきちんと整理して、後輩たちに伝えたい。」
公式戦は終わりましたが、帝京の戦いは続きます。そして、4年生はいますぐに卒業してしまうわけではありません。来年度への戦いはすでに始まっていると言えるでしょう。
来年度の4年生(現3年生)は、チーム内で大学日本一を知っている学年ということになります。ここから、もう一度立ち上がって、前に進んでいかなければなりません。卒業までは、現4年生も後輩たちを支えてくれることでしょう。
V9時、他校は帝京の分厚い壁の前に何度も撥ね返され、そのたびに何度でも立ち上がり、帝京への挑戦を続けました。次は帝京が立ち上がって、挑戦する番です。倒されても、何度でも立ち上がって、挑み続けます。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
LOアレクサンダー・マクロビー(1年)
St.Kentigern College出身
身長195cm/体重95kg
「自分の得意なプレーはラインアウトです。相手のボールをターンオーバーしたり、セットピースのいい要になれるようにと思ってプレーしています。課題はディフェンス、タックルです。相手をドミネートする(圧倒する・完全に優位に立つ)という部分がまだまだです。帝京大学ラグビー部は、これまで関わってきたチームの中で、一番ハードワークするチームです。ニュージーランドから来て、文化がとても違うことに驚いています。今後、もっと体を大きくして、強くなって、存在感を示せるプレーができるように頑張ります。」
FL・No8ミティエリ・ ツイナカウヴァドラ
St.Josephs College, Hunters Hill出身
身長185cm/体重108kg
「自分の得意なプレーは、ボールキャリーとアグレッシブなプレーです。課題はゲーム理解や細かなスキル。小さなことの積み重ねが大きなことにつながっていくと思っています。帝京大学ラグビー部は、オーストラリアのリラックスしたチームの雰囲気と違って、毎日、ハードワークしていて、また、多くの人たちから期待されているチームだと感じています。今後は、試合で完璧なプレーができるように、小さなことから大きなことまで頑張って、グラウンドの中で一番いい選手になりたいと思っています。」
《NEXT MATCH》
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12月22日(日) 百草グラウンド
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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