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菅平夏季強化合宿・練習試合ショートレポート (Aチーム早稲田戦)
2012/08/29
【第3戦】
鉄壁のディフェンスで勝ち取った完封勝利
8月26日(日)・菅平サニアパーク
○帝京大学 43-0 早稲田大学●
《帝京》
1森川⇒猿渡 2泉 3出渕⇒深村 4小瀧⇒今村 5マニング 6イラウア 7松永(浩)⇒藤田(哲)
8李⇒大和田 9天野⇒流 10森谷⇒前原 11磯田⇒菅谷 12中村 13荒井(基)⇒金田 14小野(寛) 15竹田
《早稲田》※先発のみ
1上田 2須藤 3垣永 4近藤 5芦谷 6金 7大峯 8佐藤 9辰野 10小倉 11荻野 12布巻 13藤近
14中 15黒澤
2012夏合宿の集大成となる試合は、対抗戦のライバル・早稲田大学。強敵相手に、自分たちがここまでやってきたことをどれだけ出し切れるか。自らの現在地を知る上でも注目のゲームとなり、数多くの両校ファン・関係者・ラグビーファン等々がサニアパークに駆けつけた。
いよいよキックオフ。この日の泉キャプテンそしてメンバーたちには、いつにも増して、試合前から落ち着いた様子でどっしりと構えている。その表情には、ここまでチームで積み上げてきたものへの自信と、仲間を信じる気持ちが表れているように見えた。
【前半戦】
開始直前、岩出監督からは「相手がどうこうじゃない。自分たちが帝京の厳しさをしっかりと継承できるかだぞ」と檄が飛ぶ。
その言葉通りに、開始早々から厳しいプレーを見せる帝京。一進一退の攻防となる中、相手の攻撃を組織的なディフェンスと激しいタックルで防ぐ。そして、ここぞというときには湧き出るようにラックに人が押し寄せ、かたまりとなってボールを越えていく。
先制点は目の覚めるような、左右に揺さぶるワイド攻撃。右に展開し、相手ディフェンスを集めておいて、SH天野が素早い球出しで左に展開。この夏にさらにたくましさを増したWTB磯田がゴールラインを駆け抜ける。
さらに攻めあがる帝京。この機を逃すまいと追加点を奪いにかかる。その起点は、SO森谷の超ロングキックから。ハーフウェイ付近でペナルティを得ると、一気にゴール前まで運ぶタッチキックを見せる。そのラインアウトから、FLイラウアが持ち込んでトライ。さらには、スクラムからBKへ展開して前進し、最後はFWがかたまりとなってインゴールへ。セットプレーからの仕掛けでトライを重ねる。
前半終了間際には、この試合を象徴するかのようなプレーが出る。自陣でマイボールラインアウトを取られ、展開されるピンチに。ディフェンスラインもやや受けに回るが、FB竹田が厳しいタックルでターンオーバーすると、ボールはCTB中村へ。その中村がそのまま走ってトライ。前半を28-0で折り返すこととなった。
ここまでの試合展開はお互い激しい攻防の連続ながらも、要所の集中力で帝京が先を行き得点を重ねた。さらに帝京は守ってもしぶとく耐えて、要所でターンオーバー。一人一人が集中してノミネートを意識し続けたことと、ここぞというときの集まりの速さが際立った。「集散」の速さで上回った帝京がスコアを伸ばした前半だった。
【後半戦】
ハーフタイム、岩出監督からは「しっかり守って、敵陣に行って、みんなで取ろう。よくコミュニケーションして、本当の意味での“仲間”になって戦おう」との指示が飛ぶ。いよいよAチーム、夏合宿ラストの40分だ。
その後半戦も帝京が主導権を握る。まず最初の得点は、WTB小野の巧みなプレーから。相手のタッチライン際のハイパントをうまく処理して、ダイレクトタッチにする。すぐさまラインアウトから展開して、中村が前進。ラックにFWが集まると、相手のディフェンスもラック周辺を警戒する。だが帝京はいち早く状況を察知し、一気に外へ。竹田がインゴールに飛び込んでトライを重ねる。
その後、攻められるシーンもあるが、ディフェンスでの集中は切れない。そして、ここぞというところでラックに一気に集まり、ターンオーバー。素早く展開すると、相手ディフェンスはついてこられない。
まさに「しっかり守って、敵陣に行って、みんなで取る」という展開を続け、後半3トライ。43-0で帝京が勝利した。やるべきことを全員できっちりとやり切っての勝利に、選手たちの顔は自信に満ちた笑顔であふれていた。
いよいよ夏の強化期を乗り越え、勇躍、関東対抗戦に臨むこととなる2012帝京ラグビー部。菅平に残して来た忘れものはない。ここからは、全部員が一丸となって一歩一歩力を蓄え、いよいよシーズンに羽ばたくのみだ。
「今日は遠いところまで本当にたくさんの方々が観戦に来られ、また大きな声で声援を送ってくださいました。ありがとうございました。
今日の勝利は、明治大学戦での反省も生かすことができ、ここまでやってきたことをしっかりと出せたという意味でもナイスゲームだったと思います。まずは、今日の勝利は素直に喜びたいと思います。しかし、これからまだまだやるべきことがたくさんあります。今日の勝利でおごることなく、油断することなく、対抗戦に向けてさらに積み上げていきたいと思います。
早稲田大学さんは非常にやりがいのあるチームです。対抗戦ではまた違った戦い方になることでしょう。勝って兜の緒を締めたいと思います。
今日は泉キャプテンの日と言ってもいいかもしれません。彼がしっかりとチームをまとめてくれました。また、昨年度レギュラーで出ていなかった彼のような選手たちにとっては、本当に厳しい相手に勝利できたことで、大きな自信をつかんでくれたことと思います。
『ディテール』、細部までこだわってチームを強化していくことが、この合宿のテーマの一つでしたが、夏合宿を通して天候にも恵まれ、良い積み重ねができました。まもなくシーズンがはじまります。学生たちはこれからもまだまだ大きく成長していくはずです。みなさまにその成長ぶりを感じていただけるようなゲームをしていきたいと思いますので、変わらぬご声援のほど、よろしくお願いいたします」
■キャプテン・HO泉敬(4年)
「今日の勝利は本当にうれしいです。この夏合宿を通して、特別なことをやってきたわけではなく、春シーズンにやってきたことのディテールを鮮明にすること、細かい部分の正確さを増していくことをテーマにやってきたのですが、それが出し切れたことはとても自信になりました。
正直言いますと、明治戦での敗戦直後はものすごく悔しい気持ちでいっぱいでした。ただ、あの負けがあったからこそ、課題が見えたと思いますし、あの悔しさをバネに練習に励んだことで、今日の結果につながったと思っています。
今日の勝利はとてもうれしいのですが、ここが僕たちの最終目標ではありません。本当の勝負はこれからです。油断せずに、全員でさらにレベルアップしていきたいと思います。」
《NEXT MATCH PREVIEW》
【9月9日(日)関東大学対抗戦・第1戦 VS立教大学 秩父宮ラグビー場 15時キックオフ】
いよいよ関東大学対抗戦が開幕する。第1戦の相手は立教大学。昨季、対抗戦Bグループで全勝し、Aグループに昇格したチームだが、相手云々よりも自分たちの積み上げてきたものをきっちりと出し切りたいところだ。
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
鉄壁のディフェンスで勝ち取った完封勝利
8月26日(日)・菅平サニアパーク
○帝京大学 43-0 早稲田大学●
《帝京》
1森川⇒猿渡 2泉 3出渕⇒深村 4小瀧⇒今村 5マニング 6イラウア 7松永(浩)⇒藤田(哲)
8李⇒大和田 9天野⇒流 10森谷⇒前原 11磯田⇒菅谷 12中村 13荒井(基)⇒金田 14小野(寛) 15竹田
《早稲田》※先発のみ
1上田 2須藤 3垣永 4近藤 5芦谷 6金 7大峯 8佐藤 9辰野 10小倉 11荻野 12布巻 13藤近
14中 15黒澤
2012夏合宿の集大成となる試合は、対抗戦のライバル・早稲田大学。強敵相手に、自分たちがここまでやってきたことをどれだけ出し切れるか。自らの現在地を知る上でも注目のゲームとなり、数多くの両校ファン・関係者・ラグビーファン等々がサニアパークに駆けつけた。
いよいよキックオフ。この日の泉キャプテンそしてメンバーたちには、いつにも増して、試合前から落ち着いた様子でどっしりと構えている。その表情には、ここまでチームで積み上げてきたものへの自信と、仲間を信じる気持ちが表れているように見えた。
【前半戦】
開始直前、岩出監督からは「相手がどうこうじゃない。自分たちが帝京の厳しさをしっかりと継承できるかだぞ」と檄が飛ぶ。
その言葉通りに、開始早々から厳しいプレーを見せる帝京。一進一退の攻防となる中、相手の攻撃を組織的なディフェンスと激しいタックルで防ぐ。そして、ここぞというときには湧き出るようにラックに人が押し寄せ、かたまりとなってボールを越えていく。
先制点は目の覚めるような、左右に揺さぶるワイド攻撃。右に展開し、相手ディフェンスを集めておいて、SH天野が素早い球出しで左に展開。この夏にさらにたくましさを増したWTB磯田がゴールラインを駆け抜ける。
さらに攻めあがる帝京。この機を逃すまいと追加点を奪いにかかる。その起点は、SO森谷の超ロングキックから。ハーフウェイ付近でペナルティを得ると、一気にゴール前まで運ぶタッチキックを見せる。そのラインアウトから、FLイラウアが持ち込んでトライ。さらには、スクラムからBKへ展開して前進し、最後はFWがかたまりとなってインゴールへ。セットプレーからの仕掛けでトライを重ねる。
前半終了間際には、この試合を象徴するかのようなプレーが出る。自陣でマイボールラインアウトを取られ、展開されるピンチに。ディフェンスラインもやや受けに回るが、FB竹田が厳しいタックルでターンオーバーすると、ボールはCTB中村へ。その中村がそのまま走ってトライ。前半を28-0で折り返すこととなった。
ここまでの試合展開はお互い激しい攻防の連続ながらも、要所の集中力で帝京が先を行き得点を重ねた。さらに帝京は守ってもしぶとく耐えて、要所でターンオーバー。一人一人が集中してノミネートを意識し続けたことと、ここぞというときの集まりの速さが際立った。「集散」の速さで上回った帝京がスコアを伸ばした前半だった。
【後半戦】
ハーフタイム、岩出監督からは「しっかり守って、敵陣に行って、みんなで取ろう。よくコミュニケーションして、本当の意味での“仲間”になって戦おう」との指示が飛ぶ。いよいよAチーム、夏合宿ラストの40分だ。
その後半戦も帝京が主導権を握る。まず最初の得点は、WTB小野の巧みなプレーから。相手のタッチライン際のハイパントをうまく処理して、ダイレクトタッチにする。すぐさまラインアウトから展開して、中村が前進。ラックにFWが集まると、相手のディフェンスもラック周辺を警戒する。だが帝京はいち早く状況を察知し、一気に外へ。竹田がインゴールに飛び込んでトライを重ねる。
その後、攻められるシーンもあるが、ディフェンスでの集中は切れない。そして、ここぞというところでラックに一気に集まり、ターンオーバー。素早く展開すると、相手ディフェンスはついてこられない。
まさに「しっかり守って、敵陣に行って、みんなで取る」という展開を続け、後半3トライ。43-0で帝京が勝利した。やるべきことを全員できっちりとやり切っての勝利に、選手たちの顔は自信に満ちた笑顔であふれていた。
いよいよ夏の強化期を乗り越え、勇躍、関東対抗戦に臨むこととなる2012帝京ラグビー部。菅平に残して来た忘れものはない。ここからは、全部員が一丸となって一歩一歩力を蓄え、いよいよシーズンに羽ばたくのみだ。
《試合後のインタビュー》
■岩出雅之監督「今日は遠いところまで本当にたくさんの方々が観戦に来られ、また大きな声で声援を送ってくださいました。ありがとうございました。
今日の勝利は、明治大学戦での反省も生かすことができ、ここまでやってきたことをしっかりと出せたという意味でもナイスゲームだったと思います。まずは、今日の勝利は素直に喜びたいと思います。しかし、これからまだまだやるべきことがたくさんあります。今日の勝利でおごることなく、油断することなく、対抗戦に向けてさらに積み上げていきたいと思います。
早稲田大学さんは非常にやりがいのあるチームです。対抗戦ではまた違った戦い方になることでしょう。勝って兜の緒を締めたいと思います。
今日は泉キャプテンの日と言ってもいいかもしれません。彼がしっかりとチームをまとめてくれました。また、昨年度レギュラーで出ていなかった彼のような選手たちにとっては、本当に厳しい相手に勝利できたことで、大きな自信をつかんでくれたことと思います。
『ディテール』、細部までこだわってチームを強化していくことが、この合宿のテーマの一つでしたが、夏合宿を通して天候にも恵まれ、良い積み重ねができました。まもなくシーズンがはじまります。学生たちはこれからもまだまだ大きく成長していくはずです。みなさまにその成長ぶりを感じていただけるようなゲームをしていきたいと思いますので、変わらぬご声援のほど、よろしくお願いいたします」
■キャプテン・HO泉敬(4年)
「今日の勝利は本当にうれしいです。この夏合宿を通して、特別なことをやってきたわけではなく、春シーズンにやってきたことのディテールを鮮明にすること、細かい部分の正確さを増していくことをテーマにやってきたのですが、それが出し切れたことはとても自信になりました。
正直言いますと、明治戦での敗戦直後はものすごく悔しい気持ちでいっぱいでした。ただ、あの負けがあったからこそ、課題が見えたと思いますし、あの悔しさをバネに練習に励んだことで、今日の結果につながったと思っています。
今日の勝利はとてもうれしいのですが、ここが僕たちの最終目標ではありません。本当の勝負はこれからです。油断せずに、全員でさらにレベルアップしていきたいと思います。」
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【9月9日(日)関東大学対抗戦・第1戦 VS立教大学 秩父宮ラグビー場 15時キックオフ】
いよいよ関東大学対抗戦が開幕する。第1戦の相手は立教大学。昨季、対抗戦Bグループで全勝し、Aグループに昇格したチームだが、相手云々よりも自分たちの積み上げてきたものをきっちりと出し切りたいところだ。
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
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