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~あたたかい情熱~ 「恐れずアタックせよ!」
2012/11/08
藤田哲啓インタビュー
~あたたかい情熱~
「恐れずアタックせよ!」
大学4年生、最後のシーズンを迎えた藤田哲啓。彼は、常にチーム、そして自らの向上のために日々を過ごしているように映る。その意識はきっと誰よりも高いものに違いない。彼は今いかにしてラストイヤーを過ごし、そしてチームにどのような影響をもたらすのだろうか。
〔ふじた・あきひろ…4年生、フランカー。青森北高校出身、175cm・93kg、医療技術学部スポーツ医療学科。高校時代は主将として全国大会に出場した。衰えないフィットネスと粘り強いプレーが光るFW第3列としてチームを支える〕
【意識をもってプレーする】
例年同様、今季も帝京のFW第3列はハイレベルなポジション争いを繰り広げている。特に藤田と同じオープンサイドFLを務める松永浩平は、岩出監督も眼を細めるほどの成長を見せている。現在、その2番手に位置するのが藤田だ。いまのところ対抗戦での出場は果たせないでいる彼だが、今のチーム状況、そして自身についても「4年間でもっとも充実した日々を過ごせている」と語る。春はAチームでもたびたび先発出場し、また現在はジュニア選手権(Bチーム)のリーダーとして、全勝を走るチームを支えている。これからの戦いに向けて彼は、チームにいかにコミットし、自らに渇していくのだろうか。
■藤田哲啓
対抗戦も後半に入りましたが、ここからの試合は一試合一試合がとても大切です。そんな中で自分は決して器用ではありませんが、まずは練習からチームに貢献していきたいと思います。
今はジュニアリーダーを任されていますが、自分のプレーだけではなく、チームの状況や展開を見て下級生を引っ張りながら、考えながら、もっともっとチームとともに成長していきたいと思います。
チームから求められる自分の役割は、決して小さくないと勝手に思っています(笑)。
ジュニア選手権での一試合目に自分はミスをしてしまいました。それが自分の中で大きかったです。けれど、いい経験になったと思います。そのミスを無駄にせず、次の試合に生かしていきたいです。練習では発揮できていると思います。
常にボールを動かして、展開する。グラウンドを大きく使うラグビーが、チームの中で自分に求められているスキルだと思います。それができれば、チームも自分もチャンスが増えてくる。自分自身、チャンスをものにするために、そのチャンスに向かって恐れずアタックしたいと思います。
課題はまだあると思いますが、チーム全体でもいい(練習の)積み重ねが試合に出せ始めています。日頃から練習での意識が高いので毎日が大変ですが、それが必ず自分たちの結果に跳ね返ってくるので、皆真剣です。監督が言われるように、『本気の取り組み』が大事ですからね。
【一緒に向かいたい場所】
最上級生となり藤田は多くのことを学び、そしてたくさんのことを伝えようとしている。チームを動かすのは、決して上級生だけではない。下級生一人一人もチームに及ぼす影響は大きい。彼はそれを身をもって感じてきた。
■藤田哲啓
最後の年ということで、気持ちの面でもこれまで以上に一日一日、本気で取り組んでいます。
下級生を引っ張って行こうという気持ちは常に持っています。一日一日がとても充実していますし、シーズンが深まるにつれて体のケアも心のケアも大切にしています。
春の時点では、1・2年生は、上級生に引っ張られているという感じでしたが、今はしっかり下級生のみんなも、色々考えながら行動できていると思います。1年生は体力面でも凄く成長が見られますね。下級生のAチームでやっている選手も、上でやっていく自覚を持ってしっかりやっていると思います。
キャプテン、副キャプテンを中心に全員で一つの目標に向かって目指しているものがあるので、まだ先はありますがここまでまずまずの状態でやってこれたのだと思います。それを見失ったら、きっと、すべてにおいて人まかせになってしまうと思います。
ただ、対抗戦の四戦目の慶應戦で少し、下級生の気持ちの弱さ、心のスキ、甘い部分がでてしまったと思います。そこは、最上級生の4年生、リーダー格の3年生がフォローして、まだまだ立ち位置の難しい2年生も伸び伸びプレーできるようにしてあげなければいけないと思います。あとは、2年生でも遠慮なくリーダーシップを発揮することが大事だと思います。
そんな中でも、最近2年生たちはよく話し合い、考え方も各自、成長していっていると感じます。練習へ取り組む姿勢なども変わりました。2年生が頑張ることによって3・4年生はさらに頑張ろうと思い、1年生もついて行こうとする。そのおかげでいい雰囲気が作られて、高いレベルでの練習や戦いが今後さらにできると思います。
今までは、あまり下級生と話すことはなかった自分ですが4年生になって、コミュニケーションを積極的にとるように心がけています。私生活でコミュニケーションをはかることによって、プレーでも自然と意思疎通ができようになりました。元気ももらえますし、下級生の純粋な部分がとても自分にとってプラスになります。コミュニケーションはもしかすると、ラグビーで一番大切なことかも知れませんね。
【仲間との出会い】
最後に、彼がラグビーを始めた時の話を聞かせてもらった。
彼は、スポーツを通して、自分の存在、場所を自ら創り上げていきたいという。普段は決して口数の多い方ではない藤田だが、そこには普段伺いしることのない、彼の想いがあった。
■藤田哲啓
ラグビーは高校に入ってから始めました。兄がラグビーをやっていたのでその影響から始めました。中学時代は野球部で、いつも全国大会にいけるかいけないかというところで負けていて、どうしても全国に行きたかった。誰よりも全国への気持ちは強かったと思います。ラグビーと出会い、素晴らしい先生に出会いラグビーで全国に行きたいと思いました。
もちろん、しんどくて辞めたいと思った時もありました。けれど、毎回いい仲間と出会えるのが凄く嬉しくて、ここで辞めたら仲間と離れてしまう。そういう気持ちが強かったので、絶対に辞めることはありませんでした。帝京に入ってからはその気持ちはさらに強くなりました。あとは岩出監督をはじめ、本当に部員たちのことを親身になって考えてくださるスタッフの方々との出会いは財産になりました。これからも仲間と一緒に同じ目標に向かってやっていきたいです。それが自分にとって一番の誇りであり、支えです。
帝京でラグビーできるのも、あとわずかです。とにかく一歩でも上に行きたいですね。そのためにも自分の課題はタックルです。レベルは少しずつ上がってきていると思いますけど、もう少しチームに流れを与えられるようなタックルができるようにしたい。タックルの理想型や考え方も理解した上で、チームに貢献できるタックルをしたいです。春から教えてもらった、培ってきた基本プレーを忘れずに、一日一日やっていく。そのなかで新しいこと、今やろうとしていることを、地道にひたむきにできれば良いと思います。
【No Side!! ~編集後記~】
藤田選手と話す前、彼はきっとシャイなのだろうな、と私の勝手なイメージで感じていました。いざ、インタビューを始めると、彼の口からは、チームへの想いが湧き出るように溢れてきました。それはとても嬉しかったと同時に、良い意味で拍子抜けしてしまった私は、メモを取るのも忘れて彼の話に聞き入ってしまいました。彼の言葉には、力強さが感じられます。その言葉の裏には、彼の経験してきたものやバックボーンの大きさが感じられました。当然ながら、まだまだ彼は1stジャージをあきらめていません。私はラグビーは素人ですが、なんだか彼は最後にやってくれそうな気がして仕方がありません。
[ライター・プロフィール]
あいすけ(青木愛)
よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属
神奈川県平塚市出身。
中学1年から柔道を始める。元全柔連強化指定選手、弍段。
現在、「近代柔道」誌連載エッセイ『一本笑負』ほか、執筆活動を展開中。
また、大学3年からNSC東京に通い現在は芸歴4年目。
~あたたかい情熱~
「恐れずアタックせよ!」
大学4年生、最後のシーズンを迎えた藤田哲啓。彼は、常にチーム、そして自らの向上のために日々を過ごしているように映る。その意識はきっと誰よりも高いものに違いない。彼は今いかにしてラストイヤーを過ごし、そしてチームにどのような影響をもたらすのだろうか。
〔ふじた・あきひろ…4年生、フランカー。青森北高校出身、175cm・93kg、医療技術学部スポーツ医療学科。高校時代は主将として全国大会に出場した。衰えないフィットネスと粘り強いプレーが光るFW第3列としてチームを支える〕
【意識をもってプレーする】
例年同様、今季も帝京のFW第3列はハイレベルなポジション争いを繰り広げている。特に藤田と同じオープンサイドFLを務める松永浩平は、岩出監督も眼を細めるほどの成長を見せている。現在、その2番手に位置するのが藤田だ。いまのところ対抗戦での出場は果たせないでいる彼だが、今のチーム状況、そして自身についても「4年間でもっとも充実した日々を過ごせている」と語る。春はAチームでもたびたび先発出場し、また現在はジュニア選手権(Bチーム)のリーダーとして、全勝を走るチームを支えている。これからの戦いに向けて彼は、チームにいかにコミットし、自らに渇していくのだろうか。
■藤田哲啓
対抗戦も後半に入りましたが、ここからの試合は一試合一試合がとても大切です。そんな中で自分は決して器用ではありませんが、まずは練習からチームに貢献していきたいと思います。
今はジュニアリーダーを任されていますが、自分のプレーだけではなく、チームの状況や展開を見て下級生を引っ張りながら、考えながら、もっともっとチームとともに成長していきたいと思います。
チームから求められる自分の役割は、決して小さくないと勝手に思っています(笑)。
ジュニア選手権での一試合目に自分はミスをしてしまいました。それが自分の中で大きかったです。けれど、いい経験になったと思います。そのミスを無駄にせず、次の試合に生かしていきたいです。練習では発揮できていると思います。
常にボールを動かして、展開する。グラウンドを大きく使うラグビーが、チームの中で自分に求められているスキルだと思います。それができれば、チームも自分もチャンスが増えてくる。自分自身、チャンスをものにするために、そのチャンスに向かって恐れずアタックしたいと思います。
課題はまだあると思いますが、チーム全体でもいい(練習の)積み重ねが試合に出せ始めています。日頃から練習での意識が高いので毎日が大変ですが、それが必ず自分たちの結果に跳ね返ってくるので、皆真剣です。監督が言われるように、『本気の取り組み』が大事ですからね。
【一緒に向かいたい場所】
最上級生となり藤田は多くのことを学び、そしてたくさんのことを伝えようとしている。チームを動かすのは、決して上級生だけではない。下級生一人一人もチームに及ぼす影響は大きい。彼はそれを身をもって感じてきた。
■藤田哲啓
最後の年ということで、気持ちの面でもこれまで以上に一日一日、本気で取り組んでいます。
下級生を引っ張って行こうという気持ちは常に持っています。一日一日がとても充実していますし、シーズンが深まるにつれて体のケアも心のケアも大切にしています。
春の時点では、1・2年生は、上級生に引っ張られているという感じでしたが、今はしっかり下級生のみんなも、色々考えながら行動できていると思います。1年生は体力面でも凄く成長が見られますね。下級生のAチームでやっている選手も、上でやっていく自覚を持ってしっかりやっていると思います。
キャプテン、副キャプテンを中心に全員で一つの目標に向かって目指しているものがあるので、まだ先はありますがここまでまずまずの状態でやってこれたのだと思います。それを見失ったら、きっと、すべてにおいて人まかせになってしまうと思います。
ただ、対抗戦の四戦目の慶應戦で少し、下級生の気持ちの弱さ、心のスキ、甘い部分がでてしまったと思います。そこは、最上級生の4年生、リーダー格の3年生がフォローして、まだまだ立ち位置の難しい2年生も伸び伸びプレーできるようにしてあげなければいけないと思います。あとは、2年生でも遠慮なくリーダーシップを発揮することが大事だと思います。
そんな中でも、最近2年生たちはよく話し合い、考え方も各自、成長していっていると感じます。練習へ取り組む姿勢なども変わりました。2年生が頑張ることによって3・4年生はさらに頑張ろうと思い、1年生もついて行こうとする。そのおかげでいい雰囲気が作られて、高いレベルでの練習や戦いが今後さらにできると思います。
今までは、あまり下級生と話すことはなかった自分ですが4年生になって、コミュニケーションを積極的にとるように心がけています。私生活でコミュニケーションをはかることによって、プレーでも自然と意思疎通ができようになりました。元気ももらえますし、下級生の純粋な部分がとても自分にとってプラスになります。コミュニケーションはもしかすると、ラグビーで一番大切なことかも知れませんね。
【仲間との出会い】
最後に、彼がラグビーを始めた時の話を聞かせてもらった。
彼は、スポーツを通して、自分の存在、場所を自ら創り上げていきたいという。普段は決して口数の多い方ではない藤田だが、そこには普段伺いしることのない、彼の想いがあった。
■藤田哲啓
ラグビーは高校に入ってから始めました。兄がラグビーをやっていたのでその影響から始めました。中学時代は野球部で、いつも全国大会にいけるかいけないかというところで負けていて、どうしても全国に行きたかった。誰よりも全国への気持ちは強かったと思います。ラグビーと出会い、素晴らしい先生に出会いラグビーで全国に行きたいと思いました。
もちろん、しんどくて辞めたいと思った時もありました。けれど、毎回いい仲間と出会えるのが凄く嬉しくて、ここで辞めたら仲間と離れてしまう。そういう気持ちが強かったので、絶対に辞めることはありませんでした。帝京に入ってからはその気持ちはさらに強くなりました。あとは岩出監督をはじめ、本当に部員たちのことを親身になって考えてくださるスタッフの方々との出会いは財産になりました。これからも仲間と一緒に同じ目標に向かってやっていきたいです。それが自分にとって一番の誇りであり、支えです。
帝京でラグビーできるのも、あとわずかです。とにかく一歩でも上に行きたいですね。そのためにも自分の課題はタックルです。レベルは少しずつ上がってきていると思いますけど、もう少しチームに流れを与えられるようなタックルができるようにしたい。タックルの理想型や考え方も理解した上で、チームに貢献できるタックルをしたいです。春から教えてもらった、培ってきた基本プレーを忘れずに、一日一日やっていく。そのなかで新しいこと、今やろうとしていることを、地道にひたむきにできれば良いと思います。
【No Side!! ~編集後記~】
藤田選手と話す前、彼はきっとシャイなのだろうな、と私の勝手なイメージで感じていました。いざ、インタビューを始めると、彼の口からは、チームへの想いが湧き出るように溢れてきました。それはとても嬉しかったと同時に、良い意味で拍子抜けしてしまった私は、メモを取るのも忘れて彼の話に聞き入ってしまいました。彼の言葉には、力強さが感じられます。その言葉の裏には、彼の経験してきたものやバックボーンの大きさが感じられました。当然ながら、まだまだ彼は1stジャージをあきらめていません。私はラグビーは素人ですが、なんだか彼は最後にやってくれそうな気がして仕方がありません。
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神奈川県平塚市出身。
中学1年から柔道を始める。元全柔連強化指定選手、弍段。
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