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2013関東大学春季大会 第1戦・流通経済大学戦

2013関東大学春季大会 第1戦・流通経済大学戦

2013/05/01

「2013関東大学春季大会 第1戦・対流通経済大学戦」

4月28日(日)・百草グラウンド
○帝京大学 76-19 流通経済大学●

《帝京大学》
[FW]
①森川 ②前田⇒竹井 ③東恩納⇒高田 ④飯野⇒今村 ⑤町野 ⑥イラウ
ア ⑦杉永 ⑧李⇒河口
[BK]
⑨荒井⇒塚本 ⑩朴⇒山崎 ⑪磯田 ⑫野田 ⑬権⇒前原 ⑭久田 ⑮竹田
 
《流通経済大学》※先発のみ
[FW]
①高森 ②阿部 ③山根 ④榎木 ⑤フシマロヒ ⑥今野 ⑦今井 ⑧加藤
[BK]
⑨木村(友) ⑩櫻場 ⑪リリダム ⑫木村(海) ⑬八文字 ⑭廣瀬 ⑮
屋宜
 
【前半】【得点経過】
【5分】帝7-0流
ペナルティからクイック・リスタートでBKへと展開。CTB野田が相手ディフェンスをかわして、そのままトライ。
ゴール成功。
 
【8分】帝14-0流
FWでつないで前進。最後はFLイラウアがトライ。ゴール成功。
 
【11分】帝21-0流
相手ボールをラックでターンオーバーし、BKへ展開。WTB磯田へ渡り、相手ディフェンスを振り切ってトライ。
ゴール成功。
 
【17分】帝21-7流
パスをインターセプトされ、そのまま走られてトライを奪われる。
 
【27分】帝28-7流
スクラムから、No8李-SH荒井-CTB野田と渡り、野田が突破。ゴール前でつかまるも、FLイラウアにつないでトライ。
ゴール成功。
 
【33分】帝33-7流
BKへ展開し、WTB磯田が抜け出してトライ。
 

 

 【後半】【得点経過】
【7分】帝40-7流
ペナルティからSH塚本がクイック・リスタート。そのまま飛び込んでトライ。ゴール成功。
 
【10分】帝47-7流
BK展開でWTB磯田へ渡り、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
 
【13分】帝52-7流
FLイラウアが大きくゲイン。つかまってボールがこぼれるも、WTB久田が拾って前進。
タックルされながらも、粘って前進してトライ。
 
【18分】帝52-12流
帝京がノックオンしたボールを拾われ、つながれてトライを奪われる。
 
【27分】帝52-17流
ラインアウトから相手の個人技で持っていかれて、トライを奪われる。
 
【29分】帝59-17流
BKでつないで、CTB野田が抜け出してトライ。ゴール成功。
 
【31分】帝64-17流
自陣からBKで丁寧につないで、最後はCTB前原が走り切ってトライ。
 
【36分】帝69-17流
ペナルティからFK杉永がクイック・リスタート。そのまま飛び込んでトライ。
 
【40分】帝76-17流
ラックでターンオーバーしてBKへ。WTB磯田に渡り、走り切ってトライ。ゴール成功。
 
 

《  BRIEF REVIEW  》

今期初ゲームを得点差以上の内容で帝京が圧勝した。FW、BK全員が常に前に出て勝負し、できる限り倒れずにボールをつなごうという意識も高かった。森川、前田、東恩納らFW第一列がフィールドプレーで走り続け、飯野、町野らLO陣は激しい当たりを披露。BK陣では力強さを増したCTB野田の突破、ス ピードに加え、ギアチェンジによる加速もうまくなったWTB磯田らの活躍が目立った。また、細かな修正点も見え、実りも多いゲームとなった。
 

 
《  AFTER MATCH SAY  》
 
■岩出雅之監督
「2013年度の新チームとしての最初のゲームとしてはまずまずの好ゲームができたのではないでしょうか。まだ手をつけていない練習も多いので、焦らず、 焦らせず取り組み、チームとして必要な多くの柱をこれから少しずつ積み上げて、成長していきたいと思います。今日の試合で学生たちには、倒れずに立ってプ レーすること、その中で自分たちの強さを出し切れることを意識させアドバイスしました。できたところとできなかったところがありましたが、選手たちのイ メージが少しずつ変化してきているのは感じました。また、今シーズンは、日本選手権での打倒トップリーグという目標を掲げていますが、それによって、多くの学生たちの意識がプレーだけでなく変わっていると 実感しています。みんな、新チームをどうやって去年のチームよりも高めていくかを考えて練習に取り組み、またそうした意識で日々の生活全般を過ごしている ように思います。みなさまにはゲームでのプレー同様、こうした学生たちの意識の高まりにも注目していただきたいと思います。本年度も帝京大学ラグビー部へのご支援、ご声援をよろしくお願いいたします。」
 
■ゲームキャプテン・No8李聖彰(4年)
「今日は最初のゲームとしては、なかなかいいスタートが切れたのではないかと思います。細かいミスはあったのですが、大きな方向性としてはゲームの中での イメージもかなりできてきていると思います。トップリーグにも通用するチームになるために、力強いアタックと倒れずにボールをつなぐということを特に意識 して取り組んでいますが、今日はFW、BKともに力強く前に出ていたように思います。これからもっともっと精度を上げていかなければなりませんが、個人個 人に高い意識が湧いているので、どんどんよくなっていくと思います。今後は、強いランニングをするためのポジショニングであったり、ゲインしてもブレイク ダウンの精度が悪くてテンポよくボールが出ないといった細かな部分での修正を積み重ねることで、さらにチームとして成長していけると思っています。」
 
■1年生とは思えない思い切りのいいプレーを披露・LO飯野晃司(1年・ゲームMVP)
「今日は初めての試合で、はじめのうちはちょっと硬さもあったのですが、すぐに『楽しい』という気持ちの方が大きくなりました。先輩方にもフォローしてい ただき、自分の持ち味である『元気さ』を出せましたし、プレーの面でもキックオフボールの処理などしっかりできたと思います。自分は常に『ポジティブ』に 物事を考えることを大切にしていて、『いつも元気で明るく』を心掛けてやっています。先輩方はみな、とても高いモチベーションでラグビーに取り組んでいる ので、自分もそれに負けないように、ただついていくだけでなく、一緒にプレーしていることを意識してやるようにしています。帝京大学ラグビー部はラグビー のプレーだけでなく、私生活の面でもとてもしっかりしていますし、何事も自分たちの頭で考えることを重視しているので、自分の将来に役立つことを学べてい るという実感があります。今後はしっかりと体づくりをして、接点で負けないように前に出るような自分らしいプレーをしていきたいと思います。」
 
■攻守にわたり、体をはったプレーを見せた・WTB久田侑典(2年)
「Aチームの試合は初めてでしたし、対面が外国人選手だったこともあり、最初は正直、怖さもありましたが、自分のやれることだけはしっかりとやろうと思っ て臨みました。よかったところもありましたが、タックルをはずされたり、当たっても通用しなかったところもあったりと、課題がいくつも見つかったゲームで した。もっとウエイトトレーニングを頑張って、体づくりをしていきたいです。トライを取った場面は、マルジーン(イラウア)がビッグゲインしたあとのこぼ れ球をキャッチしてのものでしたが、タックルされたあともしっかり立って前に出ることができました。ただ、もっとはやくサポートに走っていれば、さらにいい形でパスをもらえたは ずなので、その点は反省しています。自分はボールを持ったら激しく、1歩でも1㎝でも前に出ること、ディフェンスでは絶対に相手を倒し切ること、そして何 事にも一生懸命取り組むことを常に意識してやっています。今日はスタミナ面の課題も出たと思うので、体を大きくしながら、スタミナを強化していきたいで す。また、もっとラグビーという競技を勉強して、常に適切な判断ができるプレーヤーになりたいと思っています。」
 

《  PICK UP PLAYERS  》
 
得意のセットプレーに加え、フィールドプレーでの成長も見せた
PR 東恩納寛太(3年)

HIGASHIONNA KANTA
1992年11月26日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
名護高校出身
身長179㎝/体重108㎏
 
■今日はどんな意識でゲームに臨んだのでしょうか。
「公式戦初のAチームでしたが、思い切りプレーすること、自分の強みであるスクラムを安定させること、そして帝京大学が今年やっていこうとするラグビーを意識して臨みました。
 
■今年、帝京大学がやっていこうとするラグビーとは、どんなラグビーなのでしょうか。
「いろいろありますが、例えばPRでも例外ではなく、全員がパスをつなげるチームを目指しているので、今日はそこを意識してやりました。」
 
■その部分での手応えはどうだったのでしょうか。
「できたところもありましたが、できなかった部分も多かったので、修正点を改善して、常にAチームで出られるように頑張りたいです。」
 
■修正点とは例えばどんなところでしょうか。
「コンタクトフィットネスをもっと上げることや、ディフェンス、ブレイクダウンでもっと圧力を掛けられるようにしたいです。監督、コーチからはよく『しんどいときこそ成長できるのだから、そこで逃げてはいけない』と言われているのですが、まだまだ70分、80分を戦うスタミナが足りないと感じています。それでも、しんどいところで逃げないプレーヤーになります。」
 
■PRも走って、パスをつないでということで走る量も多くなるので、よりいっそうのスタミナが必要になっていきそうです。
「そこは成長できるポイントなので、セットプレーもフィールドプレーもしっかりできるように頑張りたいです。」
 
■昨年度はU-20日本代表にも選ばれ、世界の強豪とも戦いましたが、その経験はどんなところに生きていますか。
「大きな相手にも負けずに低くプレーすることで十分勝てることを学びました。また、どんなにきつくても、しっかりと走り続ける大切さを改めて学ぶことができました。これらはきっと、打倒トップリーグという部分にも通じるものがあるように思います。」
 
■今後への意気込みを聞かせてください。
「Aチームでやり続けるためにも、自分の課題でもある『しんどいときに逃げない』というところを強く意識してやっていきますので、応援よろしくお願いします。」
 
強みであるスクラムに加え、フィールドプレーでの成長も著しい。昨年度、U-20日本代表として世界の強豪と戦った経験は、そのプレーに確実に生かされている。PRであっても、80分間走り切れるスタミナを身につけるべく努力しており、今後の成長が楽しみな一人だ。
 
 
《  COLUMN  》
 
―自分の頭で考えることと目的地をはっきりさせること―
 
昨年度ラスト、岩出監督は「トップリーグ4強にも勝つためのチーム作りを春からしていきます」と公言されました。これによって現在までのところ、チーム内のモチベーションはアップし、多くの学生たちがこれまで以上に積極的に練習に取り組んでいるようです。
 
 「『大風呂敷を広げた』なんて言う人もいますが、まずは風呂敷を広げないことには何も包めませんからね
 
 岩出監督はそう言って笑いますが、実際、この風呂敷がチームに与える効果は小さくありません。
 
もう一つ、これは以前からすでにやられていたことですが、今年度も、練習中でも大事なテーマが見えると全員で集合して選手間で話し合いをする光景が見られ ます。監督やコーチからの受け身の指示ではなく、各自が自分の頭で考えて、納得した上で行動することをチームとして目指しているからです。
 
さらに、これも例年どおりかもしれませんが、一人一人が自分自身のテーマをもって取り組むことを強調しています。自分はどうなりたいのか、そのためには何をすべきなのかを自分の頭で考えるということです。
一人一人が自分の頭で考えること、そして目標をリアルに明確化すること。ここは、今年もチームの大きなテーマとなりそうです。特に1年生はこうした考え方に初めて触れる人も少なくないので、常に言い続けることが大切だと岩出監督はおっしゃいます。
 
目的地をしっかりと決めておかないと、何か障害物があってそれを避けるために方向を変えたとき、進むべき道がわからなくなってしまう。でも、目的地を定 めておけば必ず元の道に戻れる。ラグビーでも同じ。漠然とやっていると何かあったとき、進む方向を見失ってしまう。常に自分はどこを目指しているのかを考 えてプレーしなさい。
 
そして、「これはラグビーに関してだけでなく、社会に出たときに必要不可欠な要素でもある。」と強調されていました。
 
さて、チームとして「打倒トップリーグ4強」という目標を掲げましたが、この目標が実際に機能するためには、各自がこの目標を自分の本当の目的地としてリアルに認識する必要があります。「打倒トップリーグ4強」という目標は、今のチームにとって相当リアルなはずです。これは部員のコメントを拾ってみた上での印象ですので、大方間違ってないはずです。
 
チームの大多数が「打倒トップリーグ4強」をリアルな目標として感じているということはすごいことです。数年前に同じ目標を掲げたとして、はたしてどのくらいの人がリアルな目標と感じることができたでしょうか。今ほど多くはなかったことでしょう。
 
次のステップとしては、このチームの目標を、個人の目標にしっかりと落とし込むことが大切です。
 
「よし、やってやろう。そのグラウンドに立っているのは俺だ」とリアリティを感じるほど本気で思えるかどうか。下級生なら「いきなりは厳しくても俺は2年計画でやってやる」と思ってもいいでしょうが、とにかく目標達成している自分をリアルに思い浮かべられるかどうか。実は、チームとしての目標達成の成否の分かれ道もこのあたりにこそあるのではないかと思っています。
 
この日の流通経済大戦では、ルーキーの飯野選手やセンター野田選手といった新戦力も頭角を現し始めました。
新たな選手の台頭とともに、シーズンを通したインタビューの中で、チームの成長の息吹を随時確認していけたらと思っています。2013シーズンも楽しみです。
 

 
《  NEXT MATCH  》

関東大学春季大会 第2戦・対筑波大学戦
5月12日(日)百草グラウンド
13時キックオフ
 
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

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