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2013関東大学対抗戦A・第6戦 明治大学戦
2013/11/18
「2013関東大学対抗戦A・第6戦 対明治大学戦」
《帝京大学》
[FW]
【後半】【得点経過】
《 BRIEF REVIEW 》
対抗戦第6戦の相手は明治大学。前の試合で、試合開始直後の時間帯に失点を重ねてしまったことへの反省から、この日は試合の入りのところからエンジン全開で戦おうと声をかけあった臨んだ。その気持ちの表れから、帝京が前半からいい形で得点を重ねる。FW、BKで2トライずつというバランスのよさも光る。守っても、FW陣はもちろん、コンタクトプレーに自信を付けたFB森谷やWTB松田らの低いタックルが決まる。失点はPGのみで、前半を28-3で折り返す。ハーフタイムでは、前半のことを一旦リセットして、もう一度、最初から戦おうと話した。後半11分にPGで加点するものの、そこからは守りの時間帯となる。2トライを返されるが、明治大学の強力な攻めを全員で組織的に止め続ける。36分にはSH流のキック・ボールにFB森谷が追いつき、トライ。後半は前半とは対照的にややミスも散見する展開となったが、それでも最後は突き放し、36-17で勝利した。
今シーズンは、後半からのインパクト・プレーヤーとしてベンチ・スタートが多かったが、この日は久しぶりに先発出場した。その突進力は実証済み。「入りのところから全開で行きたい」というこの試合のテーマに沿うように、先発での出場となった。最近は「考えるラグビー」を意識し、それによって自身でいいところを伸ばしたり、よくないところを修正したりできるようになり、プレーにも幅が出てきたという。1年時から大きな舞台を経験しているという強みもある。今後の大舞台でのキー・プレーヤーになるかもしれない。
《 COLUMN 》
《 NEXT MATCH 》
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
11月17日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(6勝0敗)36-17明治大学●(3勝3敗)
《帝京大学》
(1)森川(2)坂手(3)東恩納⇒深村(4)小瀧⇒飯野(5)町野⇒竹井(勝)(6)大和田⇒イラウア(7)杉永(8)李
[BK]
(9)流(10)中村(11)磯田(12)野田(13)牧田⇒前原⇒朴(14)松田(15)森谷
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)勝木(2)牛原(3)須藤(4)寺田(5)大椙(6)上田(7)安永(8)圓生
[BK]
(9)山口(10)茂木(11)小澤(12)川田(13)水野(14)齊藤(15)高平
【前半】【得点経過】
【前半】【得点経過】
【8分】帝7-0明
ゴール前5mでのマイボール・ラインアウトからモールを形成。FL大和田が持ち出し、ラックになるも、さらにHO坂手が持ち出して、そのままトライ。ゴール成功。
【11分】帝14-0明
マイボール・ラインアウトからBKで右へと展開。中央付近でラックになると、今度は左へ展開。SH流-FB森谷-CTB牧田-WTB磯田と渡り、磯田が抜け出してトライ。ゴール成功。
【16分】帝14-3明
帝京のペナルティからPGを決められる。
【18分】帝21-3明
相手のペナルティから、SH流がクリック・リスタート。つかまってラックになると、FWで前進。さらにBKでゴール前へ。ここから再度、FW攻撃で攻め、HO坂手がLO小瀧のサポートを後ろから受けながら前進してトライ。ゴール成功。
【32分】帝28-3明
相手のペナルティから、SH流がクイック・リスタート。つかまるが、FWで前進。中央付近のラックで、流から走り込んできたSO中村へとパス。中村が抜け出し、トライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【11分】帝31-3明
相手のノットロールアウェイの反則で得たPGをSO中村が決める。
【14分】帝31-10明
相手ボールのスクラムから展開され、抜け出されて、トライを奪われる。
【31分】帝31-17明
相手ボールのスクラムからFWで前に出られ、トライを奪われる。
【36分】帝36-17明
マイボール・ラインアウトをキャッチし、FWで前進。ラックからSH流が仕掛け、インゴールへゴロ・キック。走り込んだFB森谷が押さえてトライ。
《 BRIEF REVIEW 》
対抗戦第6戦の相手は明治大学。前の試合で、試合開始直後の時間帯に失点を重ねてしまったことへの反省から、この日は試合の入りのところからエンジン全開で戦おうと声をかけあった臨んだ。その気持ちの表れから、帝京が前半からいい形で得点を重ねる。FW、BKで2トライずつというバランスのよさも光る。守っても、FW陣はもちろん、コンタクトプレーに自信を付けたFB森谷やWTB松田らの低いタックルが決まる。失点はPGのみで、前半を28-3で折り返す。ハーフタイムでは、前半のことを一旦リセットして、もう一度、最初から戦おうと話した。後半11分にPGで加点するものの、そこからは守りの時間帯となる。2トライを返されるが、明治大学の強力な攻めを全員で組織的に止め続ける。36分にはSH流のキック・ボールにFB森谷が追いつき、トライ。後半は前半とは対照的にややミスも散見する展開となったが、それでも最後は突き放し、36-17で勝利した。
《 AFTER MATCH SAY 》
■岩出雅之監督
「今日は前半はまずまずよかったと思いますが、後半は明治大学さんのよさと、うちの甘さが少し出てしまいました。前後半両方、いい状態で終わりたいところでしたが、そう簡単ではありませんでした。ただ、次に向けてこうした課題が出たことは、学生たちにさらなる緊張感が出て、いい方向に向かっていくのではないかと前向きにとらえています。こうした反省は、私たち指導者がいろいろと言わなくても、学生たちが実感していると思いますし、結果の満足とは別に、自分たちが努力して積み上げてきたものを形にして出すという気持ちに変えていくことで、次につながっていくと思います。なお、今日の勝利で対抗戦の優勝が決まりましたが、昨年は最終戦で敗れて、3校同 率優勝という結果になりました。今年は、最後まで気持ちを引き締めて戦って、次戦終了後にあらためて本当の意味で喜べたらと思っています。最後になりましたが本日も多くの皆様に応援頂きありがとうございました。24日にもジュニア選手権決勝があります(帝京大学百草G)。そちらにも応援に来て頂けますようお願いいたします。そして、明治大学の皆さんには激しい試合をさせて頂きありがとうございました。次 は大学選手権大会で再度対戦させて頂けるのを楽しみにしております。」■キャプテン・中村亮土(4年)
「試合前から、スタートを大事にしようと言っていました。前半の入りはとてもよかったのですが、後半に入り、点差も開くと、そこで自分たちの甘さが出てしまいました。そこで修正できなかったのは、リーダー陣、特に僕の責任でもあるので、次に向かって反省して、改善していきたいと思います。前半が風上で、比較的楽に敵陣に行けたのですが、後半は風下で簡単には敵陣に行けない状況で、自陣でミスをして、釘づけになってしまいました。気持ちの面とプレーの面の両方でロスがあったと思います。これも、自分たちに課題が見つかったと解釈して、前向きにとらえたいと思います。」
■激しさを前面に出して体を張った・PR森川由起乙(3年)
「後半、自分のディフェンスミスからトライを取られて、相手に試合の流れを渡してしまい、勢いづかせてしまったので、個人的には自分の気持ちの甘さ、ゆるさが出てしまったゲームでした。ただ、今後に向けて、気持ちをもう一度、引き締めてもらえ たという意味では収穫だと思っています。スクラムは、自分たちのスクラムが組めたいいスクラムも何本かあったのですが、やや波があったと思います。自分たちのスクラムを組むことよりも、相手を意識してしまって、相手の組み方に付き合ってしまったことで、細かなミスが出たと思います。スクラム1本1本へのこだわりという部分の甘さです。厳しさと丁寧さを持ったままもっとチャレンジしていって、対抗戦の最終戦、さらにはその次のステージに向けて成長していきたいと思います。」
■随所に好判断を見せ、チャンスメイクした・SH流大(3年)
「今日は、前半から100%の力を出し切ろうと言っていて、そこはよかったのですが、後半に入って自分たちのミスやペナルティがあり、また気持ちの緩みも多少あって、それによって自分たちのペースに持ち込めなかったことは反省です。気持ちの部分でやや受けに回ってしまい、甘さが出てしまいました。体力的な疲労をしていたわけではないので、心の隙というか、80分間通して、自分たちのやるべきことをやり切るためのメンタルを改善していかないといけないと思いました。前半に出ていたアグレッシブさが後半にも出ていれば、もっといい試合になったはずです。前半の40分は、今後も続けていくべき内容でしたので、そこは自信を持っていいと思いますが、後半はスコア的にも劣勢でしたので、そのギャップをうめていかないといけません。対抗戦は次が最後。大学選手権にいい形でつながるように、自分たちのラグビーをもう一回見直して、内容のある試合にしたいと思います。」
■ハイパントキャッチやCTBクラッシュで勝利に貢献した・CTB牧田旦(4年)
「今週は、ディフェンス面を中心にやってきて、前半はそれがうまく機能していたと思います。後半は、少し機能しないところがありました。そこはもう一回、修正すべきところです。後半の入りからもう一度行こうと話していたのですが、どこかにメンタルな甘さが出てしまい、また明治大学さんの前に出てくる圧力に、受けに回ってしまったのかなと思います。今日、自分の課題でもあるディフェンスの甘さが出た場面があったので、次は、帝京の強みと言えるディフェンスの部分で自分も貢献できるように頑張りたいと思います。」
《 PICK UP PLAYERS 》
激しさを期待されて久しぶりに先発復帰
FL 大和田立(4年)
Owada Tatsuru
1992年1月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
身長177cm/体重95kg
美幌高校出身
■今季、初先発でしたが、どんな気持ちで試合に臨んだのでしょうか。
「自分の持ち味である激しさ、元気のよさを生かして、チームに勢いをつけられるようにと心掛けて臨みました。」
■実際にプレーしてみて、どうでしたか。
「接点のところでは通用する場面も多かったのですが、タックルなどで抜かれてしまうシーンがあったので、次のゲームに向けて、いいところは伸ばし、よくなかったところは修正できるようにしたいです。」
■途中出場と先発とでは、違いは大きいのでしょうか。
「やるべきことは一緒なのですが、先発は自分をアピールできる時間が長いので、よりいっそう気持ちが入ります。」
■今シーズンはリザーブからの途中出場が多いのですが、逆にリザーブのときの気持ちの作り方はどのようにしていたのでしょうか。
「やはり、やるからにはスタートから出たいという気持ちはありましたが、リザーブでのスタートでも、ファーストジャージを着られるという喜びを噛みしめてやるようにしていました。また、自分はなぜリザーブなのかと考えて、それは後半にインパクトを与えるためにリザーブにいるんだという自分の役割を理解してやっていました。もちろん、それでも、先発で出られるのが一番という気持ちはあります。」
■今日のゲームに関して、納得度はどのくらいでしょうか。
「うーん……30%ぐらいでしょうか。」
■残りの70%はどのあたりでしょうか。
「タックルミスをしたところだったり、ペナルティを取られてしまったりといった、細かい部分の修正点があったところです。これらを一つ一つ修正して、成長していきたいです。」
■今、一番心掛けていることは何でしょうか。
「まずは目の前のプレーに集中すること。集中することで、自分のいいプレー、よくないプレーがわかります。そして、考えてプレーすること。仮によくないプレーが出てしまったときでも、集中していれば、なぜよくないプレーが出てたのか、どうすれば修正できるのかを考えることができます。いいプレーができたときも、その要因を考えることで、次もさらにいいプレーができるようになると思っています。」
■今後へ向けて意気込みを聞かせてください。
「まずは、また先発で出られるように、日々成長するために、目の前のことに全力でチャレンジし続けていきたいです。」
《 COLUMN 》
――帝京のBKラインは光り輝く万華鏡――
帝京のBKラインは、何が出てくるかわからない宝箱のようで、箱を開けるたびにわくわくさせてくれます。試合によって、あるいは一試合の中でも、いろいろなバリエーションが飛び出し、次はどんなことをしてくれるのだろうと思うだけで、見ていて心が躍ります。
これは、ほとんどの選手が複数のポジションを同じように高いレベルでプレーできることによるものだと思います。
例えば、キャプテンの中村はSOもCTBもできます。森谷はSH以外のすべてのポジションを経験していますし、松田はWTB、FB、さらにはSOができます。FLイラウアは、状況に応じて随時、BKラインに入って、CTBのような役割でアタックしています。
これはそのまま、チームの幅の広さ、奥行きの深さにつながっています。誰がどこからどんな攻撃を仕掛けてくるのか、BKだけを見てもわくわくするのに、これにFWまで入ってきて、わくわく感はさらに増幅されていきます。
今日のゲームで言えば、前半11分のトライはラックから、SH流-FB森谷-CTB牧田-WTB磯田とパスがつながってのトライでした。FB森谷がまるでSOのような役割で入ってきています。フェイズを重ねていましたから、人が入れ替わるのは当然ですが、それがすぐにできること、そして見ている人に「こういう形でもトライが取れるのが今年のチームなんだ」 と思わせてくれることは、見るものとしてはうれしい限りです。
また、SH流からCTB牧田へと直接パスが渡る形が何度かありました。そして、牧田がいわゆるCTBクラッシュ。SHから直接パスを受けますが、SOとしての役割というよりも、やはりCTBとして相手ディフェンスとぶつかる役割を果たしていました。
このあたりについて牧田は「自分のよさとして『思い切りのよさ』があるので、僕が最初にヒットして前に出ることで、次のアタックの展開も楽になると思い、あれもアタックの形の一つとしてやっています」と述べています。
イラウアにBKのアタックラインへの参加について聞いても「いつでも、それが僕の仕事だと思っています」と答えています。FWでありながら、状況に応じてBKとして機能する。それが自分の役割だというわけです。
帝京のアタックはまさに変幻自在。先ほど「宝箱」と表現しましたが、中身は一緒でも中を覗くたびに模様が変わる、美しく輝く「万華鏡」のほうが近いかもしれません。
相手との関係性があるため、一度見た形が次も見られるとは限りません。万華鏡のように一度きりかもしれません。だからこそ、「今度はどんな攻撃を見せてくれるのだろう」と見ている人をわくわくさせてくれるわけです。
もちろん、基本の形がしっかりしているからこそ、いろいろなバリエーションが出せるとも言えます。SH-SO-CTB-(FB-)WTBという基本形に誰が入ってきても高いレベルのパフォーマンスができるので、さまざまなバリエーションも生きてくるのです。
さあ、次戦はいよいよ対抗戦の最終戦です。
次は私たちにどんな攻撃パターンを見せてくれるのでしょうか。
力強い上に、見る者に常に進化を感じさせてくれる2013帝京ラグビー。わくわくしながら、今後もスタンドで観戦しましょう。
力強い上に、見る者に常に進化を感じさせてくれる2013帝京ラグビー。わくわくしながら、今後もスタンドで観戦しましょう。
関東大学対抗戦A・第7戦
対慶應義塾大学(http://www.kurfc.com/)
12月1日(日)秩父宮ラグビー場
12時キックオフ
12時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学関東大学対抗戦6勝8敗1分(大学選手権3勝0敗)
[慶應義塾大学の直近5戦]
9月15日○20-12筑波大学(関東大学対抗戦)
9月29日●56-12日本体育大学(関東大学対抗戦)
10月13日●18-24青山学院大学(関東大学対抗戦)
10月20日○62-14成蹊大学(関東大学対抗戦)
11月 3日○24-18明治大学(関東大学対抗戦)
9月15日○20-12筑波大学(関東大学対抗戦)
9月29日●56-12日本体育大学(関東大学対抗戦)
10月13日●18-24青山学院大学(関東大学対抗戦)
10月20日○62-14成蹊大学(関東大学対抗戦)
11月 3日○24-18明治大学(関東大学対抗戦)
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
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