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第35回関東大学ジュニア選手権・カテゴリー1・決勝 明治大学戦
2013/11/25
「第35回関東大学ジュニア選手権・カテゴリー1・決勝 対明治大学戦」
《帝京大学》
[FW]
【後半】【得点経過】
《 BRIEF REVIEW 》
Bチーム同士の大会「ジュニア選手権」。昨年度の初優勝に続き連覇を狙う帝京ジュニアの決勝戦の相手は明治大学。前週、対抗戦でもAチームが対戦している相手だ。試合前、岩出監督からは「とにかくディフェンスから。気持ちのいいタックルをどんどん決めていこう」と檄が飛ぶ。その言葉どおり、前半の入りの時間帯から、体を張ったいいタックルがバチバチと決まる。PR竹井(勝)、LO飯野、FLイラウア、FL亀井、No8河口らFW陣のタックルが冴える。特にこの日のゲームキャプテン竹井(勝)が好タックルを連発し、相手の出足を止める。それに応えるようにBK陣もいい動きを見せる。攻めても、FW、BKをバランスよく使いながら前進し、ゴール前はFWにこだわって加点していくといういい形で攻め続ける。後半、失点はあるものの、おおむねゲームを支配し、41-10でジュニア選手権2連覇を果たした。なお、このあと行われたCチームのゲームは、先制して追いつかれる展開ながら、最後は突き放して、38-24で勝利を収めた。
特に後半、相手が勢い付きそうな場面で、好タックルを連発。1年生とは思えないほど、のびのびとプレーしていた。もともとタックルのよさは折り紙つきだが、大学に入って、走る意識が身に付き、攻守にわたって急成長中だ。得意のタックルの精度がさらに高まり、運動量が増え、アタック力がつくといった成長を順調に遂げていけば、Aチームで活躍するシーンが見られるのも、そう遠くないのではないかと思える成長株だ。
《 COLUMN 》
《 NEXT MATCH 》
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
11月24日(日)・百草グラウンド
○帝京大学41-10明治大学●
《帝京大学》
(1)竹井(勝)⇒徳永(2)竹井(勇)⇒前田(3)浅堀⇒高田(4)飯野⇒今村(5)金(6)イラウア⇒平野(7)亀井(8)河口
[BK]
(9)荒井⇒村瀬(10)朴(11)宮崎(12)大橋(13)松下⇒黒木(14)木崎⇒山崎(15)川久保
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)植木(2)中村(3)塚原(4)東(5)吉田(6)平井(7)桶谷(8)朴
[BK]
(9)田川(10)幸重(11)紀伊(12)佐藤(13)西橋(14)成田(15)松浦
【前半】【得点経過】
【前半】【得点経過】
【6分】帝7-0明
ゴール前5mでのマイボール・ラインアウトからモールを形成。モールを押し込み、FLイラウアが押さえてトライ。ゴール成功。
【14分】帝12-0明
ゴール前5mでのマイボール・ラインアウトからモールを形成。モールを押し込み、No8河口がトライ。
【18分】帝17-0明
相手のペナルティからSH荒井がクイック・リスタート。そのまま抜け出してトライ。
【35分】帝22-0明
ラックからSH村瀬-SO朴-CTB大橋-CTB松下と渡り、松下がトライ。
【39分】帝29-0明
SO朴の好タッチキックでゴール前へ。マイボール・ラインアウトからモールを形成。押し込んでNo8河口が飛び込み、トライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【7分】帝29-5明
帝京のペナルティから相手にクイック・リスタートされ、トライを奪われる。
【23分】帝34-5明
マイボール・ラインアウトからモールを形成。押し込んで、FLイラウアが押さえてトライ。
【31分】帝34-10明
こぼれ球を拾われて、そのまま走り切られてトライを奪われる。
【36分】帝41-10明
マイボール・ラインアウトからモールを形成。押し込んで、LO金が押さえてトライ。ゴール成功。
《 BRIEF REVIEW 》
Bチーム同士の大会「ジュニア選手権」。昨年度の初優勝に続き連覇を狙う帝京ジュニアの決勝戦の相手は明治大学。前週、対抗戦でもAチームが対戦している相手だ。試合前、岩出監督からは「とにかくディフェンスから。気持ちのいいタックルをどんどん決めていこう」と檄が飛ぶ。その言葉どおり、前半の入りの時間帯から、体を張ったいいタックルがバチバチと決まる。PR竹井(勝)、LO飯野、FLイラウア、FL亀井、No8河口らFW陣のタックルが冴える。特にこの日のゲームキャプテン竹井(勝)が好タックルを連発し、相手の出足を止める。それに応えるようにBK陣もいい動きを見せる。攻めても、FW、BKをバランスよく使いながら前進し、ゴール前はFWにこだわって加点していくといういい形で攻め続ける。後半、失点はあるものの、おおむねゲームを支配し、41-10でジュニア選手権2連覇を果たした。なお、このあと行われたCチームのゲームは、先制して追いつかれる展開ながら、最後は突き放して、38-24で勝利を収めた。
《 AFTER MATCH SAY 》
■岩出雅之監督
「今日は、たいへんいいゲームでジュニア選手権大会を連覇することができました。ジュニア選手権は学生が充実感、達成感を持てる大切な大会ですし、その大会でとてもいい経験ができたと思います。このジュニア選手権という大会があることによって、選手層の厚みという部分に取り組むことができています。数多くの公式戦を経験することによって、いい意味での緊張感を体験でき、選手にとっても私たち指導者にとっても、たいへんやりがいのある大会です。また、大会自体の価値も年々高まっているのではないかと思っています。今日、出場した選手たちはここを登竜門として、これからどんどん上へ上がって行ってくれると思っています。実際、過去、このジュニア選手権出場を経て、Aチームで活躍するようになった選手がたくさんいます。今日も若いメンバーが多かったので、今後の成長、 活躍に期待したいと思います。もちろん、4年生もまだまだこれから成長してくれるでしょう。毎年、この時期に大きく伸びるのも4年生です。今年の4年生もきっとさらに伸びてくれることと思います。Bチームで「ジュニア」としてではなく、心技体ともにさらに上を意識して取り組んでいる選手は、Aチームに入ってもすぐに活躍してくれます。今年もそんな4年生が出てくるのが楽しみです。最後になりましたが、多くの方々に応援していただき、ありがとうございました。ジュニアのゲームはこれで終了ですが、チームとしてはまだまだこれから大事なゲームが続きますので、今後もよりいっそうのご声援をよろしくお願いします。」■ゲームキャプテン・PR竹井勝彦(4年)
「今日は前半から締まったゲームをしようということで、スタートから、自分たちが今までやってきたことを一つ一つ、集中してやり切ろうということをゲームキャプテンとしてみんなに伝えて臨みました。こういう結果になってとてもうれしいです。明治大学さんは体も大きく、プレッシャーもきつかったのですが、一人一人が今までやってきたことをきっちりとやり切れたことで、そのプレッシャーをはねのけることができたと思っています。このジュニア選手権では優勝という結果を得ることができましたが、ここで終わりではなく、今後へとつなげていかなければいけないので、このゲームを経て、一人一人がさらに成長した姿を見せられるように、今日の23人がそれぞれ次のAチームの慶應戦、そして大学選手権で活躍できるように頑張っていきます。」
■80分間フル出場で最後まで好プレーを見せた・No8河口駿(3年)
「ジュニア戦ではこれまでリザーブからが多く、途中出場のインパクトプレーヤーとしてプレーしていたのですが、今日は先発として80分間戦うことを意識して臨みました。体力的な不安はありましたが、『この試合で終わりではなく、この決勝戦をスタートとしてこれからにつなげていく』という意識で不安を払拭してプレーしました。具体的なプレーの面では、ブレイクダウンでボールに絡みに行ったり、プレッシャーをかけたりすることができたところがよかったです。明治大学さんのプレッシャーは強かったのですが、プレー中にもしっかり分析して、どこの寄りが遅く、どこが速いかを見極めて接点に入ったりしていました。今日の試合と同じ気持ち、同じ雰囲気、同じテンションをもって日々の練習でしっかり努力していくことで、それが成果となって、周囲の信頼を得られるようになると思うので、そのことを忘れずに頑張りたいと思います。」
■ジュニア選手権初出場、貴重な経験で自信をつかんだ・CTB松下修二(2年)
「今日はチームとしても、自分としてもいい緊張感を持った、いい雰囲気で臨めました。個人的には、自分のできることをしっかりやり切ろうと思い、タックルやブレイクダウンでの一つ一つの細かいプレーなどを意識してやりました。前半はFWに助けてもらった部分があって、BKとしてはとてもいい集中力で戦うことができました。後 半、そのまま行けたところもあったのですが、もう少し畳みかけられるところもあったかなと思っています。初めてのジュニア戦で自分の得意なディフェンスを出して行けたらと思っていたのですが、思ったようにできなかったところがあり、そこは反省です。ただ、緊張した中でも周囲としっかりコミュニケーションできたところはよかったですし、自信になりました。今後は自分のいいところを伸ばしつつ、日々の練習で一つ一つ積み重ねをしていきたいです。今日のこの大きな経験をよい方向に持っていって、日々の練習に生かしていきたいと思います。」
■途中出場ながら、体を張ってチームを鼓舞した・LO今村哲央(4年)
「今日は先発のメンバーがどんどん勢いを作ってくれて、自分が途中から入ったときもその勢いを滞らせず、プレーでさらに勢いをつけたいと思って入りました。メンバーに若い学年が多かったので、プレーでも、声出しやコミュニケーションの部分でも、しっかり自分たち4年生が引っ張っていこうと思っていました。また、先週のAチームの明治大学戦ではペナルティでチャンスやピンチが広がり、スコアに直結していたので、ペナルティをしないように意識しました。自分はまずセットプレーの安定の部分を伸ばしていくことと、タックルの精度を高めるという部分でもっともっと成長して、Aチームに入って貢献できるように頑張りたいです。」
■チームキャプテン・中村亮土(4年)
「今日は、ゲーム全体を通して、みんな献身的なタックルをし続けてくれました。やはり、Aチームに近い選手のいるチームだなと改めて感じました。ラインブレイクされる場面はありましたが、タックルをはずされて一発で持っていかれるようなシーンはほとんどありませんでしたから、そういう意味でも締まったゲームだったと思います。ジュニア選手権はBチームのモチベーションも上がりますし、Aチームとしても『やらなければ』という気持ちにさせてくれます。また、選手間でも同じポジションの選手がいいプレーをすればAチームの選手に危機感が生まれるなど、チームにとてもよい刺激を与えてくれる大会です。Bチームの反省がそのままAチームにも生かせるという点でもいい大会だと思います。今日はBチームのみんなには『ありがとう』と言いたいです。こうして結果を残してくれたこと、また結果とは別に、みんなが体を張って頑張ってくれたことは、Aチームにとってもとてもいい刺激になり、使命感もさらに出てきました。みんな、本当にありがとう!」
《 PICK UP PLAYERS 》
タックル力に加え、走る意識が備わり急成長中
FL 亀井亮依
Kamei Ryoi
1994年10月18日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科1年
身長177cm/94kg
常翔啓光学園高校出身
■今日のゲームにはどんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「ジュニア選手権決勝戦ということで、Bチームとしては最後の試合となりましたが、チームとしては、対抗戦の最終戦に向けていい形でつながるように、僕自身はタックルから行こうと思って臨みました。」
■そのタックルがよく決まっていました。
「ありがとうございます。今日は、特に後半、いつもよく声を出している、同じ1年生の飯野がアウトしたので、僕がタックルで引っ張っていこうと思って、思い切りやりました。」
自身の強みはやはり「タックル」ですか。
「はい、そうです。まずはディフェンスから。タックルでどんどん前に出ようと思ってやっています。」
■Aチームで活躍するためには、どこを伸ばして、どんな課題を克服していこうと思っていますか。
「まずはタックルの正確さです。まだまだタックルミスが多いので。FW第三列として、前に出るタックルを100%決めていきたいです。それにプラスして、ボールキャリーの部分でもっと数を増やして、走れるFWとしてどんどん前に出ていきたいと思います。」
■「走る」という部分は、帝京大学のFWとしては高いレベルが要求されるところですね。
「はい。春の段階での話ですが、いろいろな方から『ランの仕事量がまだまだ足りない』とアドバイスされました。日頃の練習からどんどん走って、仕事量を増やすように心掛けています。」
■帝京に入って、高校時代とどんなところが大きく変わりましたか。
「高校時代は『タックルだけしっかりやっていればいい』という単純な考えがあったように思います。大学に入って、第三列はアタック、ディフェンスともにFWで一番走らないといけないポジションだと改めて気付かされ、考え方が大きく変わりました。もっと勉強していかなければと思っています。」
■今後への意気込みを聞かせてください。
「自分のポジションにはAチームに大和田さんや杉永さん、さらには今日一緒に戦ったマルジーン(イラウア)さんといった、うまくて強いプレーヤーがいるのですが、自分のいいプレーは何か、足りないプレーは何かを考えて、日々の練習に取り組んで、自分にしかできないプレーをみつけて、それをどんどん出していきたいと思っています。」
《 COLUMN 》
――ますます高まるジュニア選手権の意義――
ジュニア選手権は昨年に引き続き、帝京が優勝。大会2連覇を果たしました。「層の厚さ」を大切に考えている岩出監督は、この大会をとても重要視しています(もちろん、層の厚さという点でC、D、Eも重要視しています)。
さて、今回のジュニア選手権は「第35回」、つまり30年以上も続いている伝統ある大会です。「そんなに伝統ある大会なのか」と驚かれたかたもいるかもしれませんが、驚きついでにもう一つ「トリビア」を紹介しましょう。
34年前の1979年、第1回関東大学ジュニア選手権が開催されました。この第1回大会の優勝校は日本体育大学。このときの日本体育大学のキャプテンは、当時4年生だった岩出雅之現監督でした。
キャプテンであり、Aチームの中心選手でもあった岩出監督は、もちろんこのゲームには出ていません。この日の中村亮土キャプテンと同様、Bチームの活躍をグラウンドの外で見守っていたと言います。
「相手は法政大学でした。第1回大会ということもあり、とてもうれしかったことを今でも覚えていますよ。」
ジュニア選手権の意義を第1回から感じ取り、34年という歳月とともにその精神を受け継いできたことを思うと、この大会の重み、そして優勝の価値というものを改めて感じることができます。
さて、このジュニア選手権大会には、また別の重み、価値があります。それは「大会が終わってもチームは終わらない」ということです。ここでの活躍次第では、大学選手権等でAチームとして出場できる、そして活躍できる可能性が広がるわけです。
さらに見逃せないのが、中村キャプテンが語っていた「Aチームへの刺激」です。「Bチームが体を張って頑張っている姿を見せられると、Aチームにも責任感が生まれますし、うかうかしていたらポジションを取られるという危機感も生まれます。また、Bチームの課題がそのままAチームの修正点になることもありますから、そういう 意味でもとても有意義な大会です。」
これらは選手個人のモチベーションとしても、層の厚さというチームメリットとしても、とても大きな意味があります。
もし仮に、このジュニア選手権を「主力選手の調整の場」ぐらいに捉えてしまっているチームがあったとしたら、「選手個人のモチベーション」も「層の厚さというチームメリット」も得ることができません。それはひいては、Aチームのチーム力にも響いてきます。このことがわかっているからこそ、帝京はジュニア選手権をとても重要視しているのです。
もちろん、学校によっては人数をたくさん集めることができないという事情もあるかもしれません。それでも、少数精鋭で頑張っている学校も少なくありません。大会に取り組む姿勢次第で、大会から得られるメリットにも差が出てくるはずです。
34年も続いている大会ですから、各チームとも大きな意義を感じて取り組んでいると思いますが、今後はさらにその意義が増していくのではないかと思われます。そして、その意義の大きさに気付いたチームが、Aチームの大きな大会でも好成績を残していくことになるに違いありません。
関東大学対抗戦A・第7戦
対慶應義塾大学(http://www.kurfc.com/)
12月1日(日)秩父宮ラグビー場
12時キックオフ
12時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学関東大学対抗戦6勝8敗1分(大学選手権3勝0敗)
[慶應義塾大学の直近5戦]
9月15日○20-12筑波大学(関東大学対抗戦)
9月29日●56-12日本体育大学(関東大学対抗戦)
10月13日●18-24青山学院大学(関東大学対抗戦)
10月20日○62-14成蹊大学(関東大学対抗戦)
11月 3日○24-18明治大学(関東大学対抗戦)
9月15日○20-12筑波大学(関東大学対抗戦)
9月29日●56-12日本体育大学(関東大学対抗戦)
10月13日●18-24青山学院大学(関東大学対抗戦)
10月20日○62-14成蹊大学(関東大学対抗戦)
11月 3日○24-18明治大学(関東大学対抗戦)
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
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