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2014関東大学春季大会 第1戦・中央大学戦
2014/04/21
「2014関東大学春季大会 第1戦・対中央大学戦」
《帝京大学》
[FW]
【後半】【得点経過】
《 BRIEF REVIEW 》
いよいよ2014年度のスタートとなる第1戦。その相手は、昨年度リーグ戦2位の中央大学。帝京は流キャプテンはじめ、日本代表、U20日本代表メンバーが不在のため、実質のBチームともいえる経験の浅いメンバー中心のチーム構成で臨んだ。だが、各選手とも緊張もあったはず、序盤から試合の主導権を握ると、最後まで集中力を切らさず圧倒し続けた。FW、BKともに力強いアタック、ディフェンスを見せ、またSO朴は難しい位置からのコンバージョン・キックを次々と成功させるなど、2014年のシーズンは幸先のよい好ゲームで幕を開けた。
昨年度はケガに泣き、公式戦出場のなかった(日本選手権ではリザーブとしてメンバーに入るも、出場機会はなし)重が、ついに初出場の機会を得た。その潜在能力は誰もが認めるところだが、この試合ではコミュニケーションを重視し、チームプレーに徹したという。とはいえ、カウンターアタックなどの仕掛けではその実力の片鱗を見せ、大きく前進するシーンを何度も作った。今後、試合経験を積んでいくことで、チームでのコミュニケーションもさらによくなっていくことだろう。
《 COLUMN 》
記念すべき第一回目は、高校日本代表にも選出されたFW2名です。
《 NEXT MATCH 》
(文/木村俊太)
4月20日(日)・百草グラウンド
○帝京大学 82-7 中央大学●
《帝京大学》
(1)徳永⇒浅堀(2)前田⇒竹井(3)深村⇒東恩納(4)木付⇒小野(5)山口(6)イラウア⇒河口(7)服部(8)杉永
[BK]
(9)荒井⇒伊藤(10)朴(11)磯田(12)前原⇒鎌田(13)濱野(14)宮崎⇒永野(15)重
《中央大学》※先発のみ
[FW]
(1)新井(2)檜山(3)三宮(4)小野(5)井坂(6)山下(7)諏訪(8)佐野
[BK]
(9)長谷川(10)木上(11)高(12)井出(13)白井(14)久住(15)伊藤
【前半】【得点経過】
【前半】【得点経過】
【4分】帝7-0中
ラックからSH荒井-SO朴と渡り、朴が仕掛けて前進。そのまま抜け出してトライ。ゴール成功。
【12分】帝14-0中
No8杉永が前進。ゴール前でつかまってラックになるも、SH荒井-FLイラウアと渡って、イラウアがトライ。ゴール成功。
【24分】帝21-0中
スクラムからBKへ展開。FB重がライン参加し、大外のWTB磯田まで回る。磯田が走り切ってトライ。ゴール成功。
【31分】帝28-0中
FB重のカウンターアタックから、BKへ展開。CTB前原が抜け出し、そのままトライ。ゴール成功
【40分】帝35-0中
ゴール前の相手のペナルティから、No8杉永がクイック・リスタート。そのまま飛び込んでトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【1分】帝42-0中
CTB鎌田が前進し、BK展開。WTB磯田が抜け出して、走り切ってトライ。ゴール成功。
【5分】帝49-0中
ラックからFLイラウア-WTB磯田とパスが渡り、磯田が抜け出してトライ。ゴール成功。
【12分】帝56-0中
ゴール前の相手のペナルティから、PR深村がクイック・リスタート。つかまりかけるが、右手を伸ばしてグラウンディングし、トライ。ゴール成功。
【20分】帝56-7中
相手FBに走られ、トライを奪われる。
【22分】帝63-7中
FL服部が前進。ラックになるも、後ろから走り込んだNo8杉永がSH荒井からパスをもらい、抜け出してトライ。ゴール成功。
【32分】帝70-7中
帝京ボールの5mスクラム。スクラムを押し切ってNo8小野がトライ。ゴール成功。
【34分】帝77-7中
ラインアウトからFWで前進。最後はFL服部が押さえてトライ。ゴール成功。
【39分】帝82-7中
ラックからSH伊藤-SO朴-FB重-WTB磯田とパスが渡り、磯田がトライ。
《 BRIEF REVIEW 》
いよいよ2014年度のスタートとなる第1戦。その相手は、昨年度リーグ戦2位の中央大学。帝京は流キャプテンはじめ、日本代表、U20日本代表メンバーが不在のため、実質のBチームともいえる経験の浅いメンバー中心のチーム構成で臨んだ。だが、各選手とも緊張もあったはず、序盤から試合の主導権を握ると、最後まで集中力を切らさず圧倒し続けた。FW、BKともに力強いアタック、ディフェンスを見せ、またSO朴は難しい位置からのコンバージョン・キックを次々と成功させるなど、2014年のシーズンは幸先のよい好ゲームで幕を開けた。
《 AFTER MATCH SAY 》
■岩出雅之監督
「2014年度の新チームでの公式戦が始まりました。この時期ですから、戦術的なことはまだまだで、とにかくベーシックなことがしっかりとできるかどうかというところに力点を置いて臨みました。学生に話したのは『集中』『ファイティング・スピリット』『コミュニケーション』の3つです。『集中』していないと『ファイティング・スピリット』は空回りしてしまいますし、『コミュニケーション』も円滑にできませんから、これらはバラバラではなくお互いに関連し合う事柄です。ゲームを見る限り、できていた選手もいましたし、できていない選手もいました。あるいは、同じ選手でも場面によって、できているときとできていないときがあったと思います。また、今は『学生自身が自ら考えること』を大事にしています。まるっきり放任という意味ではありませんが、あまりこちらから答えやヒントを与えずに、学生自身が考えて行動できるようにと思っています。『考える』という行為には、深く考える『質』の部分と、たくさん考える『量』の部分がありますが、現時点では『量』、つまりたくさん考えることに力を入れています。たくさん考えることによって、考えることへの拒否反応が薄らぎ、深く考えるための準備ができるようになると思っています。本年度も皆様のご期待に応えるべく、学生たち、そして私たち指導者一同、努力を積み重ねてまいります。どうか変わらぬご支援、ご声援をお願いいたします。」■ゲームキャプテン・WTB磯田泰成(4年)
「春シーズンのファーストゲームということで、ミスやうまくいかない部分もあるだろうという仮説を立てて臨みました。試合前、みんなには『まずは自分たちができることをしっかりやっていこう』という話をしました。ゲーム自体はその目標どおり、自分たちがやるべきことをやれたと思うのですが、それでもまだまだ足りない部分も多いので、しっかり改善していかなければいけないと思っています。自分としては、ボールキャリーのところでミスしてしまったり、ボールがほしいところでもらい切れなかったりと、足りないところが見つかったゲームになりました。春シーズンが始まったばかりですが、今後はもっともっとチームが成長していけるように、リーダーとしての自覚をもって、チームに貢献していきたいと思います。」
■公式戦を経験し、さらなる飛躍を誓った・LO山口健太(2年)
「公式戦初出場ということで、試合前は『ミスしちゃいけない』というプレッシャーがあったのですが、先輩たちに『ミスしてもいいから、思い切り行け』と言っていただき、自分としては気持ちよくプレーすることができました。また、80分間フル出場するという経験も初めてでとても疲れました。先輩たちはこういうことを公式戦でいつも普通にやっているのかと思うと、そのすごさを改めて感じましたし、自分としてもとてもいい経験になりました。自分は身長がそれほど高くない分、体重を増やそうと思い、今は体づくりに力を入れています。U20に行っている同期たちやケガをしている先輩たちなど、強いLOが戻ってきても、簡単にポジションを譲らないで対等に競っていけるように頑張ります。」
■80分間走り続け、ボールに絡み続けた・FL服部航介(3年)
「今季のファーストゲームとしては、いいスタートだったと思います。自分の強みは運動量なのですが、そこを出せたのがよかったです。何度もボールをもらって、前に出ることができました。ただ、ウエイトが軽いのでパワープレー、特にブレイクダウンでのプレーがまだまだ足りないと思いました。今後は今日以上の運動量を発揮して、それプラス、力強いプレーができるようにしていきたいと思います。」
《 PICK UP PLAYERS 》
公式戦初出場ながら落ち着いたプレーでチームに貢献
FB 重 一生(2年)
SHIGE ISSEI
1994年12月5日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
身長170cm/82kg
常翔学園高校出身
■公式戦初出場でしたが、振り返って感想を聞かせてください。
「今日は自分に『コミュニケーション』という課題を課して試合に臨みました。これまでは一人でプレーしてしまうことが多かったのですが、きちんと連携して、みんなでラグビーをやろうということをテーマにしてプレーしました。やれたところとできなかったところがありましたが、いいところ、悪いところの両方が見えたので、春の最初のゲームとしてはいいゲームになったと思います。」
■去年一年間、ケガで試合に出られなかったことへの思いも強かったのではないでしょうか。
「たしかに、試合に出られなかったフラストレーションはあったと思いますが、それを試合で出してしまうとチームに迷惑がかかると思ったので、チームプレーに徹することを考えてプレーしました。」
■全体としては納得のいくプレーが多かったのでしょうか。
「はい。そうですね(笑)。」
■ポジションはFBが中心となりそうですか。
「はい。今はSHの練習はあまりやっていません。」
■今日はディフェンス面での手ごたえはどうでしたか。
「ディフェンスはバック3でのコミュニケーションを絶やさないことを意識してやっていたのですが、相手が抜けてきたときの対応がうまくできずに、トライを許してしまったところは反省点だと思います。」
■重選手からBK陣に声を掛けているシーンが何度もありましたが、コミュニケーションを意識したというのはそのあたりなのでしょうか。
「はい。そういう部分は特に意識してやりました。」
■今、普段の練習で課題として取り組んでいることはありますか。
「主にステップ練習を毎日欠かさずやっています。」
■同期がU20で活躍し、すばらしい結果を出しました。それについてはどんな思いがありますか。
「僕が去年達成できなかったことを同期が達成してくれたことはとても喜ばしい反面、やっぱりそこへ行けなかった悔しさがあるので、その悔しさを糧にして次のステップへ上がっていきたいと思います。」
■最後に、今後への意気込みを聞かせてください。
「今のところ先発で出場できていますが、今後も帝京大学のAチームという自覚をもった行動、プレーをしていきたいと思います。」
《 COLUMN 》
――自らの頭で考える力を養う――
2014年度の公式戦が早くも始まりました。帝京大学は幸先のいいスタートを切りましたが、「打倒トップリーグ」を目標とするチームは、目先の結果に一喜一憂することなく、自分たちの基準で成長を遂げてくれることでしょう。
さて、新たな年度が始まったばかりのこの時期に一番力を入れていることは何かと岩出監督に伺ったところ、「自分で考える癖をつけること」という答えが返ってきました。今は自分の頭でしっかり考える習慣を身に付ける時期だということでした。
帝京大学ラグビー部は「大人に指示されたことをやる」のではなく、「自分の頭でしっかり考えて行動する」ことを大切にしています。学年が進むにつれて、それができる度合いも増えていくのですが、若い学年、特に1年生にとっては戸惑うことも多いかもしれません。
ラグビーという競技は、準備したプレーのとおりにすべてがうまくいくことの方が稀で、フェイズが重なるにつれて状況が変わり、しかもその状況の変化を瞬時に読み取って、次の行動につなげていかなければなりません。それができる人が「うまい人」であり、それが高いレベルでできる人が多いほど「強いチーム」になるのです。
日本の教育は「先生の言うことを聞きなさい」と教える傾向が強いようです。もちろん、先生の言うことを聞くのは大事なのですが、あまり行き過ぎると「先生の言うことだけ聞いていればいい」「先生の言わないことはやらなくていい」ということにもなりかねません。
小学校から高校まで、そうした教育に染められてしまった学生たちにとっては簡単には変えられないかもしれませんが、とにかくたくさん考える癖をつけることによって、少しずつでもできるようになっていくはずです。
近年、社会に出たばかりの若い人に「指示待ち族」が多いなどと言われたことがありました。上司の指示がないと自分で動けないので、何もしないで指示を待っているというのです。こういった「指示待ち族」では社会に出て苦労するのは目に見えていますし、企業などでは「仕事のできない人」というレッテルを貼られかねません。
自分の頭で考える癖がついている人は、指示を待つなどということはありません。次に何をすべきかを状況から判断して、自ら行動を起こします。あるいは「この件はこうしたらいいと思いますが、いかがでしょうか」と自ら上司の判断を仰ぎにいきます。
「自分の頭で考える」ことはラグビー選手として成長できることはもちろん、社会に出たときに「社会人として生きていく力」として必ず役に立つものです。
「先生の言うことを聞きなさい」から「自分で考えて行動しなさい」に変わるのには、自身の努力とある程度の時間が必要になることでしょう。たいへんだ、難しいと感じる学生もいるかもしれません。しかし、近い将来、ラグビーだけでなくさまざまな意味で成長できることを、岩出監督そして帝京ラグビー部は教えてくれています。
《 THE NEW FACE 》
今年度より、ニューフェースたちの声を順次紹介していきます。記念すべき第一回目は、高校日本代表にも選出されたFW2名です。
FL 古田 凌(1年)
京都成章高校出身
身長183cm/95kg
「自分はディフェンス、特に前に突き刺さるタックルが得意です。アタックの部分では1mでも2mでも前に出るプレーができるように心掛けて、日々の練習に取り組んでいます。帝京大学に入りたいと思ったのは、強いチームで自分を成長させたいと思ったからです。先輩方から教えていただくこともたくさんあると思いますが、まずは自分自身で、プレーの面でも生活面でも成長できるようにしっかり頑張っていきたいです。」HO 北林 佑介(1年)
東海大仰星高校出身
身長172cm/104kg
「セールスポイントは1対1の強さです。ただ、高校時代は通用した1対1の強さも、大学生相手ではなかなか通用しなくなると思うので、体づくり、特に上半身を強化したいと思っています。帝京大学を選んだのは、大学日本一になりたいと思ったからです。先輩方もとてもやさしいですし、あらゆる面でとてもいい環境でラグビーをやらせていただいています。1年時からファーストジャージを着られるように頑張ります。」関東大学春季大会
第2戦・大東文化大学
4月27日(日)・百草グラウンド
13時キックオフ
13時キックオフ
(文/木村俊太)
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