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2014関東大学春季大会 第2戦・大東文化大学戦
2014/04/28
「2014関東大学春季大会 第2戦・対大東文化大学戦」
《帝京大学》
[FW]
【後半】【得点経過】
《 BRIEF REVIEW 》
関東春季大会第2戦は、昨季リーグ戦3位と古豪復活の兆しを見せる大東文化大学との一戦。帝京は日本代表合宿から流キャプテンが戻り、またU20日本代表組が帰国し、チームに合流した。CTBに入った森谷、WTB尾崎、FL亀井らU20代表たちが好プレーを見せ、またLO山口、CTB濱野、途中出場のルーキーPR堀越らも活躍。そして、この日最も気を吐いたのはFLイラウア。ボールを持っての縦突破のみならず、献身的なタックルを何度も見せ、ピンチを未然に防いだ。ゲームは終始、帝京ペース。ミスから攻め込まれることがあっても、攻めのディフェンスでゴールラインを割らせず、67-0で春季大会2連勝を飾った。
1年生ながら、思い切ったプレーを連発。特にボールを持って大きく前進するシーンが何度も見られた。U20日本代表ではFBとして活躍したが、この日はWTB、FBの両方をこなした。スピードもさることながら、相手との間合いをずらして前進するといった「切れ」の部分を得意としている。順調に成長すれば、1年生ながらレギュラーポジションを十分に狙える逸材だ。
《 COLUMN 》
《 NEXT MATCH 》
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
4月27日(日)・百草グラウンド
○帝京大学 67-0 大東文化大学●
《帝京大学》
(1)東恩納⇒堀越(2)前田⇒坂手(3)深村⇒浅堀(4)金(5)山口⇒小野(6)イラウア(7)亀井(8)杉永⇒大西
[BK]
(9)流⇒鎌田(10)朴⇒伊藤(11)磯田(12)森谷(13)濱野(14)尾崎(15)重⇒前原
《大東文化大学》※先発のみ
[FW]
(1)本間(2)柴田(3)江口(4)森下(5)鈴木(6)長谷川(7)篠原(8)テビタ
[BK]
(9)小山(10)菊池(11)岡(12)川向(13)ホセア(14)戸室(15)盛田
【前半】【得点経過】
【前半】【得点経過】
【8分】帝7-0大
ラインアウトからFLイラウアが大きく前進し、ゴール前へ。ラックからPR深村が持ち出してトライ。ゴール成功。。
【11分】帝14-0大
ラインアウトからBKで連続攻撃。ラックからSH流-CTB森谷-FB重と渡り、トライ。ゴール成功。
【28分】帝19-0大
WTB尾崎が大きく前進。ゴール前でつかまってラックになるも、SH流-FLイラウアと渡り、イラウアが前進してトライ。
【後半】【得点経過】
【1分】帝24-0大
キックオフからプレッシャーをかけて、ボールを奪う。SO朴がインゴールへとキックし、走り込んだFB重が押さえてトライ。
【7分】帝31-0大
ゴール前5mスクラムを押し切り、No8杉永が押さえてスクラムトライ。ゴール成功。
【15分】帝36-0大
FLイラウアが大きく前進。ゴール前でつかまってラックになるも、FWでさらに前進。最後はPR東恩納が飛び込んでトライ。
【19分】帝43-0大
ラインアウトからSH流-WTB磯田とパスが渡る。磯田が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【28分】帝50-0大
CTB濱野が前進。つかまってラックになるも、FWで前に出る。最後はHO坂手が飛び込んでトライ。ゴール成功。
【32分】帝57-0大
マイボールスクラムを押し込む。ボールが出るも、再度、FWで攻撃。最後はNo8大西が押さえてトライ。ゴール成功。
【37分】帝62-0大
WTB尾崎が大きく前進。つかまるが、さらにBKで攻撃。最後はWTB磯田が抜け出してトライ。
【40分】帝67-0大
BKの連続攻撃で前進。ラックからSH伊藤-CTB濱野-WTB磯田と渡って、磯田が抜け出してトライ。
《 BRIEF REVIEW 》
関東春季大会第2戦は、昨季リーグ戦3位と古豪復活の兆しを見せる大東文化大学との一戦。帝京は日本代表合宿から流キャプテンが戻り、またU20日本代表組が帰国し、チームに合流した。CTBに入った森谷、WTB尾崎、FL亀井らU20代表たちが好プレーを見せ、またLO山口、CTB濱野、途中出場のルーキーPR堀越らも活躍。そして、この日最も気を吐いたのはFLイラウア。ボールを持っての縦突破のみならず、献身的なタックルを何度も見せ、ピンチを未然に防いだ。ゲームは終始、帝京ペース。ミスから攻め込まれることがあっても、攻めのディフェンスでゴールラインを割らせず、67-0で春季大会2連勝を飾った。
《 AFTER MATCH SAY 》
■岩出雅之監督
「今日は春の2戦目ということで、基本的なこと、特に一つ一つの場面に集中することを学んでほしいと思って、送り出しました。できていたところもたくさんありましたが、ふと下を向いてしまったり、集中していれば防げる反則をしてしまうなど、まだまだ足りないところも見えました。しかし、チーム全体の空気は非常によく、選手たちは着実に成長を遂げてくれています。今シーズンも『打倒トップリーグ』という目標に向かって、日々、努力を重ねています。昨シーズン、この目標は私たち指導者によって『与えられた』目標だったのですが、今は学生たちにとって『自分たちの目標』になってきているようです。ただ、そうなっているのはAチーム、Bチームといった上位チームの学生が中心です。今後はC、D、Eといった下位チームのメンバーにどこまで共有していけるか。すぐには難しいかもしれませんが、少しずつ時を経ながら浸透していってくれたらと思っています。」■キャプテン・SH流大(4年)
「チームは春2戦目、僕自身は今シーズンの初ゲームでしたが、この春に取り組んでいることをしっかりやり切ろうという話をみんなにして臨みました。チームの戦術的なことはまだこの時期なのでうまくいかないこともありますが、ベーシックな部分、タックル、ブレイクダウン、ボールキャリーといったところをみんなで意識してやりました。その中で、痛いプレー、しんどいプレーを全員でやろうという話をしたのですが、前半はあまり体も動いていなくて、相手の激しいファイトもあって、スコアも伸びませんでした。ただ、後半は我慢強く積み重ねていけて、いい形も多く作れたので、トータルとしてはいい反省のできる好ゲームだったと思います。チームに久しぶりに戻ってきましたが、チームのみんなはとても向上心が高いですし、みんなの強いやる気を感じました。着実に積み上げていくことで、どんどんいいチームになっていくと思います。」
■ラインアウトの核となって活躍・LO金嶺志(2年)
「U20から帰ってきて最初の試合で、ひたむきに、前向きにやっていこうと思っていたのですが、簡単なミスを多くしてしまいました。後半は修正していこうと思ったのですが、後半もささいなミスをしてしまったので、次はしっかり修正して臨みたいです。U20では、体の強い外国人相手に戦ってきましたが、強い相手に対しては低いプレーで対抗するという部分を体で学ぶことができました。メンタル的にも大きい相手に対する恐怖感がなくなったと思います。もっともっと成長して、チームに貢献できるプレーヤーになりたいです。」
■豊富な運動量で勝利に貢献・FL亀井亮依(2年)
「今日はディフェンス、FW第3列の役割としてのボールへのからみ、ブレイクダウンの判断、ボールゲットのチャンスをしっかり見極めて、しっかり走ることなどを意識して臨みました。自分としては、状況判断、『ここ』というところでボールゲットする力をもっと磨いていかないといけないと実感しました。U20ではフィジカルの強い外国人相手に戦って、その中で日本人の特徴としての低いプレーを意識してやったのですが、通用する部分も多くあって、ブレイクダウンの状況判断も遠征に行く前に比べて成長できているという実感があります。今日も、チームとして、ブレイクダウンでしっかりファイトすることを意識してやったのですが、特に後半はかなりできていたと思います。今シーズンは自分としては勝負の年だと思っているので、FW第3列としてもっとタックルして、立って、どんどん走って、しっかりチームに貢献できるプレーヤーになりたいと思います。」
■短時間ながら、その素質の片鱗を見せつけた・PR堀越康介(1年)
「とにかく、目の前のプレー一つ一つに100%集中しようと決めて臨みました。スクラムはまだまだでしたが、それ以外は自分の持っているものを出し切れたかなと思います。U20では大きくて速い外国人相手でしたが、その中でも体力や低いプレーといった部分が通用し、優勝できました。今日も低いプレーととにかく動き続けることを意識してやりました。今日は出場時間が短かったのですが、1年時からレギュラー を目指して頑張っていきます。」
《 PICK UP PLAYERS 》
のびのびとした思い切ったプレーを披露した
WTB 尾崎 晟也(1年)
OZAKI SEIYA
医療技術学部スポーツ医療学科
身長174cm/81kg
伏見工業高校出身
■1年生で公式戦初出場となりましたが、今日のゲームの感想を聞かせてください。
「今日は帝京大学に来て初めてAチームで試合に出させてもらったということもあり、まだまだラグビーを理解していないところもあったのですが、先輩方にフォローしていただきながら、自分としては思い切ったプレーをすることができました。」
■ボールを持って前に出るプレーが何度も見られました。
「ボールをもらったら思い切って行こうという気持ちで臨んだので、そこはできてよかったと思います。」
■U20で学んだことで、今日生かせたことはありましたか。
「向こうでは自分より大きい相手とやって、まともに当たるとこっちは小さいので、コンタクトのところで少しずつずらすとか、低いプレーを意識したりしました。そういうところは、今日、出せたと思います。」
■大東文化大さんも体の大きな選手が多かったですね。
「そうですね。今日に関しては、U20から帰ってきたばかりということもあって、体の大きな相手を気にするということはなかったですね。」
■自身の強みはどんなところでしょうか。
「前に出るときに力だけじゃなく、切れの部分、半歩ずらしてかわしていくという部分を得意としています。」
■では、今後への意気込みを聞かせてください。
「一年生からでもしっかりレギュラーを狙って、試合に出て、勝利に貢献できるように頑張ります。」
《 COLUMN 》
――U20日本代表という勲章をどう生かすか――
U20代表は「IRBジュニアワールドラグビートロフィー(JWRT)」で優勝し、来年度の「IRBジュニアワールドチャンピオンシップ(JWC)」(U20最上位のカテゴリー)への昇格を決めました。
代表へは、帝京大学ラグビー部からも7人(堀越康介、金嶺志、亀井亮依、松田力也、森谷圭介、岡田優輝、尾崎晟也)が選ばれ、活躍しました。遠征でケガをした選手を除き、みな、この日のゲーム(Bチームを含む)に出場し、それぞれがはつらつとしたプレーを見せてくれました。
試合後、何人かの選手にU20日本代表について話を聞いたところ、共通して出てきたのは「自分たちより大きな外国人選手に対する恐怖心が払拭できた」「大きな相手に対して低いプレー、速いプレー、ずらすプレーなどが通用することがわかった」ということでした。大きな相手に対して、精神的にも技術的にもコンプレックスを払拭できたようです。
優勝という結果と、体の大きな外国人と戦う際の自信という、大きな収穫を得て帰ってきてくれたので、今度はそこで学んだことをチームの中でいかに共有し、グラウンドでいかに発揮するかということになります。今後の彼らの活躍、そして彼らに刺激を受ける他のメンバーたちの活躍が楽しみです。
と、ここまで書くと「いいこと」ばかりのように思えますが、実はどうも必ずしもいいことばかりとは言えないようです。
森谷選手はこう語ってくれました。
「実は体が小さくなってしまいました。試合中心の遠征だったので、日頃やっているようなトレーニングができなかったんです。これから、ウエイト・トレーニングなどをしっかりやって、みんなに追い付かなければなりません。」
短期間に4試合するというハードスケジュールのため、日頃やっているようなトレーニングができず、筋肉が落ちてしまったというのです。
また、U20のキャプテンとしてチームを引っ張った松田選手は、ケガを押して出場することになったため、ケガをやや悪化させて帰ってきました。
自身の体作りを後回しにして、あるいはケガのリスクを背負って(万全な状態でないにもかかわらず試合出場を余儀なくされて)までして得たU20日本代表の座、そしてJWRT優勝という勲章。これが有意義なものとして自身のラグビー人生に生かせるかどうかは、各自の今後の頑張り次第ということになりそうです。
そして、もう一つ、知っておいてほしいことがあります。それは、「代表に選ばれなかった者」の中には「U20日本代表」という存在を、選ばれた 者以上のパワーに変えて日々の練習、リハビリに取り組んでいる人がいるということです。
重選手はこう語ってくれました。
「選ばれなかった悔しさをエネルギーに変えて、もっともっと高い次元へと成長していきたい。」
あるいは、代表チームからは招集要請があったものの、ケガで泣く泣く参加できなかった選手もいます。今は治療とリハビリに必死で取り組んでいることでしょう。ケガが治ったら、きっと「代表に選ばれた者」よりもはるかに大きなエネルギーで練習に励むに違いありません。
選ばれた選手も、選ばれなかった選手も、そのことをいかに未来の自分の糧とできるか。選ばれた選手はその勲章を過去の古ぼけたものにするか、よりいっそう輝かせられるか。選ばれなかった選手は、それ以上にもっと輝く勲章を手に入れることができるか。
ファンのみなさんにも、そんな視点で選手たちの成長を、長い目で見守ってあげていただきたいと思います。
《 THE NEW FACE 》
ニューフェースたちの声を紹介します。WTB 津岡 翔太郎(1年)
佐賀工業高校出身
身長180cm/体重81㎏
「1対1で確実に抜き切るところと、スピードには自信があります。今は、体作りを必死に頑張っています。帝京大学へは、いろいろな方がサポートしてくださるラグビー環境にひかれたのと、食事の面でこれほど徹底している大学は他にはないと思い、進むことに決めました。実際に入ってみると、自分の思っていた以上にサポート環境が充実していて、とてもすばらしいと思いました。まずは一人の人間として少しでも成長していって、グラウンドでは自分の持ち味であるスピードと、一対一で確実に抜き切る力を伸ばしていって、チームに貢献できるように成長していきたいです。」
SH 千葉 啓寛(1年)
黒沢尻北高校出身
身長168cm/73㎏
「サイドアタックへの仕掛けとすばやい球出しが自分のアピールポイントですが、大学ではもっと磨いていきたいと思っています。今、力を入れているのはパス練習です。先輩にお付き合いいただいて、全体練習後にパスの練習をさせてもらっています。帝京大学は大学日本一のチームなので、自分がそこでやっていけるかという不安もありましたが、そこは覚悟を決めて、しっかり頑張ろうと思いました。また、岩出監督から『帝京大学は人間性の向上という部分に力を入れていて、社会に出てからも通用する人間になれるように指導しています』というお話を伺い、ラグビーだけでなく、人間性も鍛えていただける大学だと思い、進学を決めました。実際、学ぶことがたくさんあり、成長できている自分を実感しています。まずは、上のチームに上がれるように頑張って、しっかり練習していきます。」
関東大学春季大会
第3戦・流通経済大学
5月11日(日)・ニッパツ三ツ沢球技場
14時キックオフ
14時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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