REPORT
レポート
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練習試合 慶應義塾大学戦
2014/08/22
「練習試合 対慶應義塾大学戦」
8月20日(水)・サニアパークD(菅平)
○帝京大学 54-7 慶應義塾大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)森川⇒徳永(2)坂手⇒前田(3)深村⇒東恩納(4)飯野⇒山口(5)小瀧⇒町野(6)イラウア⇒服部(7)杉永⇒亀井(8)吉田⇒河口
[BK]
(9)流⇒荒井(10)松田⇒黒木(11)磯田⇒飯山(12)金田⇒金村(13)石垣⇒前原(14)尾崎⇒永野(15)森谷⇒重
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)眞鍋(2)山田(3)吉田(4)西出(5)白子(6)廣川(7)木原(8)森川
[BK]
(9)星(10)石橋(11)服部(12)川原(13)田畑(14)中村(15)下川
【前半】【得点経過】
【10分】帝7-0慶
ラインアウトからモールを形成。ラックになるも、FWで連続攻撃。最後はPR森川が押し込んでトライ。ゴール成功。
【28分】帝14-0慶
キックカウンターからFW、BKで連続攻撃。最後はFLイラウアがディフェンスを振り切ってトライ。ゴール成功。
【36分】帝21-0慶
ラインアウトからFWで前進。ラックからSH流-SO松田-FB森谷と渡り、森谷が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝26-0慶
BKで連続攻撃。WTB飯山が抜け出してトライ。
【5分】帝26-7慶
パスをインターセプトされ、走られ、トライを奪われる。
【7分】帝33-7慶
ラインアウトからモールを形成。そのまま押し切り、HO前田が押さえてトライ。ゴール成功。
【13分】帝40-7慶
FWで前進。ラックからSH荒井-CTB前原と渡り、前原が抜け出してトライ。ゴール成功。
【16分】帝47-7慶
スクラムからBK展開。ラックからSH荒井-FB重と渡り、重が抜け出してトライ。ゴール成功。
【18分】帝54-7慶
連続攻撃からのキックパスをCTB前原が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
《 BRIEF REVIEW 》
菅平合宿での練習試合第二戦の相手は慶應義塾大学。前半は、この合宿で取り組んでいるプレーに果敢にチャレンジするものの、取り組み始めたばかりということもあり、ミスが出てしまう。ただ、攻撃のリズムが掴めない中でも、ゲームそのものは終始支配。FLイラウアが素早い反応でピンチの芽を摘み、FB森谷の好判断のキックで陣地深く攻め込む。得点シーンこそ多くはないが、常に敵陣でプレーを続け、危なげない試合運びを見せ、前半を21-0で折り返す。後半は、前の試合と同様、メンバーをそっくり入れ替えて臨むと、開始直後からトライを量産する。5分にパスをインターセプトされて失点するも、ゲームの流れは変わらない。直後にFWがモールを押し込んで加点すると、BKもCTB前原が2トライをあげるなど活躍。54-7で夏合宿第二戦に勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今、合宿で確認し合っていることを、学生は頭ではだいぶわかってきているのですが、プレーとしての練習が質、量ともに足りないので、今の段階でできることもありますし、できないこともあります。そこは仕方がないので、あまり悲観せずに、今後の練習で改善していってほしいと思っています。この合宿では、『グラウンドの内外を問わず、しっかり頭を使おう』ということを言っています。チームとしても、選手としても、戦うすべとしても、しっかり考えてやっていくということを意識するように指導していますが、もちろん、この合宿だけですべてが完成するわけではないので、このあとにしっかりと積み上げていくことで本物になっていくだろうと思っています。何をどう積み上げていくかというところは、これからの時間を使ってトレーニングしていきますので、ここではみんなで考え方の共有をしておこうということです。普段はなかなかできないようなミーティングもしっかりできていますし、練習よりも学生の意思統一に時間を割いています。頭をクリアにしたので、あとは練習あるのみ。今はそんな状態です。」
■キャプテン・SH流大(4年)
「今、夏合宿で新たなことを取り入れようとしている中で、みんな、まず頭で理解しようとミーティングもたくさんしているのですが、実際にやるというところが、今日はまだできていないというゲームでした。特に前半に関しては、まだ噛み合っていないところがありました。最終的には秋・冬に完成していればいいのかもしれませんが、もっともっとチャレンジの質も上げていかないといけませんし、もっと貪欲になってやっていかないといけないと思っています。この合宿では、プレーに関しても、私生活に関しても、常に頭を使い続けることをテーマにやっています。次の早稲田大学とは春にも厳しい戦いをしていますので、厳しさ、激しさで上回っていけるように頑張りたいと思います。」
■先制トライでチームの士気を高めた・PR森川由起乙(4年)
「今日は自分たちの持っているイメージと実際にやっているプレーがリンクしていないゲームでした。頭ではわかっているのですが、体でわかるレベルまではまだ行っていなくて、そこでミスが増えてしまい、特に前半は、そこでまた考えてしまって体が止まってしまうという悪循環に陥っていたと思います。常に敵陣でプレーすることができましたが、自分たちのテンポでプレーし続けることができませんでした。それでも、フラストレーションがたまる展開の中でも、ゲームをしっかり作れたことは次につながるよかった点だと思います。また、改善すべき点をはっきりさせることができたのも、よかったと思います。次は夏のしめくくりということで、フィジカルのところでもしっかり勝負して、合宿でやってきたことを全部出せるようないいゲームをしたいです。」
■力強いアタックを見せた・FLマルジーン・イラウア(3年)
「今日のゲームは悪くはなかったと思いますが、もっとレベルアップしていかないといけないと思いました。細かいところで修正すべきところが、たくさんありました。そこは今後、改善して、成長につなげていきたいです。今日はいいアタックはありましたが、自分はこの合宿で『ディフェンス』を鍛えようと思ってやってきたにもかかわらず、ディフェンスではあまりいいシーンがありませんでした。次のゲームでは、いいタックルをして、チームに貢献できるように頑張ります。」
■献身的なキックチェースを何度も見せた・WTB飯山竜太(2年)
「今日は、前に詰めるべきではない場面で詰めるディフェンスをしてしまったという自分のミスで、チームの失点につながってしまいました。この判断ミスを直していかないといけないと強く思いました。いいところもありましたが、反省点がよくわかった試合になりました。自分はもともとC、Dチームにいて、春はA、Bチームの高いレベルに合わせるのに精一杯だったのですが、最近はようやく慣れてきて、声を出せるようになったり、視野も広く見渡せるようになったりといった部分で、自身の成長を実感できています。この合宿では、自分は『ディフェンス』をキーワードにして頑張っているのですが、WTBとして1対1でしっかり止められるようにすることを心掛けています。今日のミスも今後のいい反省材料にして、成長したいです。WTBは得点を取り切るポジションなので、しっかり前を見て、ボールを呼び込んでもらって、たくさん得点できるプレーヤーになれるように頑張っていきます。」
■キレのある動きで2トライを奪取・CTB前原巧(4年)
「今日はよかった部分もありましたが、反面、悪かった部分もあったので、どちらも忘れずに次に活かせるように練習に取り組んでいきたいです。具体的には、ボールキャリーのところでゲインラインを切る場面がいくつかあったところはよかったのですが、その後のラックスピードのコントロールやダウンボールといった細かいところを徹底するという部分を直して、次に臨みたいです。アタックでは、FWが前に出てくれたところであいたスペースを見つけて突いていこうと常に考えていたので、それがトライにつながってよかったです。この合宿を通して、チームとしてやるべきこと、自分としてやるべきことを明確にして、自分のプレーの中で全体を見渡していける、チーム全体のリーダーとなっていけるようなプレーヤーになれるように心掛けて取り組んでいます。次は夏のラストゲーム。この合宿でやってきたことを全力で出し切りたいです。また、4年生としてしっかり体を張って戦いたいと思います。」
《 PICK UP PLAYERS 》
地道な努力で持ち前の激しさが開花
WTB 永野光也(4年)
NAGANO MITUYA
1992年11月30日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
名護高校出身
身長175cm/体重82kg
■まずは今日のゲームの感想を聞かせてください。
「前半、それほど点差がなかったので、後半から出たメンバーはまずタックルでいい流れを作って、ディフェンスからリズムをよくしていこうと話して、試合に臨みました。アタックに関しては、FWを行かせすぎたり、オプションの選択がうまくできていない場面も多かったです。いい攻め方をしているところもあったのですが、まだ練習中のものもあるので、ミスも多く出てしまいました。でも、次戦、またシーズンに向けて修正していけるように、今日の反省をいい方向にもっていけるように、明日からまた練習していきたいです。」
■この合宿を通しての手応えはどうですか。
「合宿で新しく取り組んでいることもあるのですが、チームとしても、個人としても、それが少しずつ身についてきている実感はあります。」
■この合宿では「頭を使うこと」を意識しているという声をよく聞きます。
「はい。ディフェンスにしても、自分たちのアタックのオプションにしても、常に相手がどこにいるのか、どこがあいているのかを見て、頭を使って判断していくことを意識して取り組んでいます。」
■最近はCTBをやることが多かったと思いますが、今日はWTBでの出場でした。複数のポジションをこなすことについては、どう考えてプレーしていますか。
「今年はCTBをやることが多かったのですが、もともとWTBですし、両方できるように取り組んでいるので、まったく問題ありません。」
■まだ夏合宿は続きますが、今後への意気込みをお願いします。
「残り一試合、早稲田大戦に向けて、今日と前回の反省をしっかりやって、次の試合で自分たちのやってきたことを発揮できるように頑張りたいです。」
去年まではAチームでの経験はそれほど多くなかったが、地道な努力で成長を続けてきた。4年生としての自覚も高まり、チームへの指示出しなども積極的になってきている。この日も、後半開始直後に、岩出監督から直接指示を受け、それをチーム全体に伝達する役割を担った。もともと持っている激しさの部分をさらにプレーで表現していくことで、今後、さらに大きな戦力となってくれるはずだ。
《 COLUMN 》
――「さなぎ」から「成虫」へと羽化するとき――
この試合、相手の果敢に前に出るディフェンスや厳しく絡んでくるブレイクダウンなどもありましたが、特に前半は、それ以上に、自分たちのミスでチャンスを逃してしまうシーンがありました。
プレーをしている選手たちにも、うまくいかないストレスが溜まっていたようですし、見ている人の中にも「もっとトライを量産すると思った」人も少なくなかったようです。
もちろん、ミスに対して謙虚になることは大事ですが、岩出監督は「悲観も心配もしてない」と言います。
「やるべきことは、頭ではかなりわかってきています。ただ、練習がまだ足りないので、プレーとしてはできていない状態です」ともおっしゃいました。
この合宿では、グラウンドの内外で頭を使うことをテーマの一つとしていますが、新しいプレーに取り組む際も、まずはしっかりと頭で理解した上で練習するようにしています。
ただし、夏合宿という限られた期間ですから、理解と練習の両方を十分行う時間はありません。まずは頭で理解することに重点を置き、体で覚える練習は、今後、時間をかけて取り組んでいくことになります。
ところで、1年ほど前のこのコラムで「『分かる』と『解かる』の違いについて」書いたことがありました。
簡単に確認しておくと、「分かる」はとりあえず意味ややり方が頭でわかっている状態、「解かる」は「分かった」上ですらすらと実践できる状態です。
この試合を見る限り、現在のところ「分かる」の状態までは行っているが、「解かる」の状態にまではまだ行っていないということになります。
ただし、「分かる」にもいくつかの段階があります。「なんとなく分かる」とか「だいたいわかる」といった理解の浅い段階から、「よく分かる」とか「完全に分かる」といった理解の深まった段階までいろいろです。
頭で理解する「分かる」の状態から、体で覚えてできるようになる「解かる」の状態に移行するには、当然、理解の深い「よく分かる」という状態になっておく必要があります。
この合宿では、「解かる」に移行する手前の、「理解の深い『分かる』」のところまでは来ているようです。
あとは反復練習を重ねて、体に「解からせる」のみ。今はまだ「さなぎ」の状態かもしれませんが、もうすぐ「成虫へと羽化する」=「『解かる』の状態へと移行する」ときが来ます。
そのときは、突然、羽化したかのように見えるかもしれません。しかし、実はそれは、時間をかけて一つ一つの積み上げてきた結果なのです。
《 NEXT MATCH 》
練習試合 対早稲田大学戦
8月24日(日) サニアパーク(菅平)
13時キックオフ
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
8月20日(水)・サニアパークD(菅平)
○帝京大学 54-7 慶應義塾大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)森川⇒徳永(2)坂手⇒前田(3)深村⇒東恩納(4)飯野⇒山口(5)小瀧⇒町野(6)イラウア⇒服部(7)杉永⇒亀井(8)吉田⇒河口
[BK]
(9)流⇒荒井(10)松田⇒黒木(11)磯田⇒飯山(12)金田⇒金村(13)石垣⇒前原(14)尾崎⇒永野(15)森谷⇒重
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)眞鍋(2)山田(3)吉田(4)西出(5)白子(6)廣川(7)木原(8)森川
[BK]
(9)星(10)石橋(11)服部(12)川原(13)田畑(14)中村(15)下川
【前半】【得点経過】
【10分】帝7-0慶
ラインアウトからモールを形成。ラックになるも、FWで連続攻撃。最後はPR森川が押し込んでトライ。ゴール成功。
【28分】帝14-0慶
キックカウンターからFW、BKで連続攻撃。最後はFLイラウアがディフェンスを振り切ってトライ。ゴール成功。
【36分】帝21-0慶
ラインアウトからFWで前進。ラックからSH流-SO松田-FB森谷と渡り、森谷が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝26-0慶
BKで連続攻撃。WTB飯山が抜け出してトライ。
【5分】帝26-7慶
パスをインターセプトされ、走られ、トライを奪われる。
【7分】帝33-7慶
ラインアウトからモールを形成。そのまま押し切り、HO前田が押さえてトライ。ゴール成功。
【13分】帝40-7慶
FWで前進。ラックからSH荒井-CTB前原と渡り、前原が抜け出してトライ。ゴール成功。
【16分】帝47-7慶
スクラムからBK展開。ラックからSH荒井-FB重と渡り、重が抜け出してトライ。ゴール成功。
【18分】帝54-7慶
連続攻撃からのキックパスをCTB前原が拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
《 BRIEF REVIEW 》
菅平合宿での練習試合第二戦の相手は慶應義塾大学。前半は、この合宿で取り組んでいるプレーに果敢にチャレンジするものの、取り組み始めたばかりということもあり、ミスが出てしまう。ただ、攻撃のリズムが掴めない中でも、ゲームそのものは終始支配。FLイラウアが素早い反応でピンチの芽を摘み、FB森谷の好判断のキックで陣地深く攻め込む。得点シーンこそ多くはないが、常に敵陣でプレーを続け、危なげない試合運びを見せ、前半を21-0で折り返す。後半は、前の試合と同様、メンバーをそっくり入れ替えて臨むと、開始直後からトライを量産する。5分にパスをインターセプトされて失点するも、ゲームの流れは変わらない。直後にFWがモールを押し込んで加点すると、BKもCTB前原が2トライをあげるなど活躍。54-7で夏合宿第二戦に勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今、合宿で確認し合っていることを、学生は頭ではだいぶわかってきているのですが、プレーとしての練習が質、量ともに足りないので、今の段階でできることもありますし、できないこともあります。そこは仕方がないので、あまり悲観せずに、今後の練習で改善していってほしいと思っています。この合宿では、『グラウンドの内外を問わず、しっかり頭を使おう』ということを言っています。チームとしても、選手としても、戦うすべとしても、しっかり考えてやっていくということを意識するように指導していますが、もちろん、この合宿だけですべてが完成するわけではないので、このあとにしっかりと積み上げていくことで本物になっていくだろうと思っています。何をどう積み上げていくかというところは、これからの時間を使ってトレーニングしていきますので、ここではみんなで考え方の共有をしておこうということです。普段はなかなかできないようなミーティングもしっかりできていますし、練習よりも学生の意思統一に時間を割いています。頭をクリアにしたので、あとは練習あるのみ。今はそんな状態です。」
■キャプテン・SH流大(4年)
「今、夏合宿で新たなことを取り入れようとしている中で、みんな、まず頭で理解しようとミーティングもたくさんしているのですが、実際にやるというところが、今日はまだできていないというゲームでした。特に前半に関しては、まだ噛み合っていないところがありました。最終的には秋・冬に完成していればいいのかもしれませんが、もっともっとチャレンジの質も上げていかないといけませんし、もっと貪欲になってやっていかないといけないと思っています。この合宿では、プレーに関しても、私生活に関しても、常に頭を使い続けることをテーマにやっています。次の早稲田大学とは春にも厳しい戦いをしていますので、厳しさ、激しさで上回っていけるように頑張りたいと思います。」
■先制トライでチームの士気を高めた・PR森川由起乙(4年)
「今日は自分たちの持っているイメージと実際にやっているプレーがリンクしていないゲームでした。頭ではわかっているのですが、体でわかるレベルまではまだ行っていなくて、そこでミスが増えてしまい、特に前半は、そこでまた考えてしまって体が止まってしまうという悪循環に陥っていたと思います。常に敵陣でプレーすることができましたが、自分たちのテンポでプレーし続けることができませんでした。それでも、フラストレーションがたまる展開の中でも、ゲームをしっかり作れたことは次につながるよかった点だと思います。また、改善すべき点をはっきりさせることができたのも、よかったと思います。次は夏のしめくくりということで、フィジカルのところでもしっかり勝負して、合宿でやってきたことを全部出せるようないいゲームをしたいです。」
■力強いアタックを見せた・FLマルジーン・イラウア(3年)
「今日のゲームは悪くはなかったと思いますが、もっとレベルアップしていかないといけないと思いました。細かいところで修正すべきところが、たくさんありました。そこは今後、改善して、成長につなげていきたいです。今日はいいアタックはありましたが、自分はこの合宿で『ディフェンス』を鍛えようと思ってやってきたにもかかわらず、ディフェンスではあまりいいシーンがありませんでした。次のゲームでは、いいタックルをして、チームに貢献できるように頑張ります。」
■献身的なキックチェースを何度も見せた・WTB飯山竜太(2年)
「今日は、前に詰めるべきではない場面で詰めるディフェンスをしてしまったという自分のミスで、チームの失点につながってしまいました。この判断ミスを直していかないといけないと強く思いました。いいところもありましたが、反省点がよくわかった試合になりました。自分はもともとC、Dチームにいて、春はA、Bチームの高いレベルに合わせるのに精一杯だったのですが、最近はようやく慣れてきて、声を出せるようになったり、視野も広く見渡せるようになったりといった部分で、自身の成長を実感できています。この合宿では、自分は『ディフェンス』をキーワードにして頑張っているのですが、WTBとして1対1でしっかり止められるようにすることを心掛けています。今日のミスも今後のいい反省材料にして、成長したいです。WTBは得点を取り切るポジションなので、しっかり前を見て、ボールを呼び込んでもらって、たくさん得点できるプレーヤーになれるように頑張っていきます。」
■キレのある動きで2トライを奪取・CTB前原巧(4年)
「今日はよかった部分もありましたが、反面、悪かった部分もあったので、どちらも忘れずに次に活かせるように練習に取り組んでいきたいです。具体的には、ボールキャリーのところでゲインラインを切る場面がいくつかあったところはよかったのですが、その後のラックスピードのコントロールやダウンボールといった細かいところを徹底するという部分を直して、次に臨みたいです。アタックでは、FWが前に出てくれたところであいたスペースを見つけて突いていこうと常に考えていたので、それがトライにつながってよかったです。この合宿を通して、チームとしてやるべきこと、自分としてやるべきことを明確にして、自分のプレーの中で全体を見渡していける、チーム全体のリーダーとなっていけるようなプレーヤーになれるように心掛けて取り組んでいます。次は夏のラストゲーム。この合宿でやってきたことを全力で出し切りたいです。また、4年生としてしっかり体を張って戦いたいと思います。」
《 PICK UP PLAYERS 》
地道な努力で持ち前の激しさが開花
WTB 永野光也(4年)
NAGANO MITUYA
1992年11月30日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
名護高校出身
身長175cm/体重82kg
■まずは今日のゲームの感想を聞かせてください。
「前半、それほど点差がなかったので、後半から出たメンバーはまずタックルでいい流れを作って、ディフェンスからリズムをよくしていこうと話して、試合に臨みました。アタックに関しては、FWを行かせすぎたり、オプションの選択がうまくできていない場面も多かったです。いい攻め方をしているところもあったのですが、まだ練習中のものもあるので、ミスも多く出てしまいました。でも、次戦、またシーズンに向けて修正していけるように、今日の反省をいい方向にもっていけるように、明日からまた練習していきたいです。」
■この合宿を通しての手応えはどうですか。
「合宿で新しく取り組んでいることもあるのですが、チームとしても、個人としても、それが少しずつ身についてきている実感はあります。」
■この合宿では「頭を使うこと」を意識しているという声をよく聞きます。
「はい。ディフェンスにしても、自分たちのアタックのオプションにしても、常に相手がどこにいるのか、どこがあいているのかを見て、頭を使って判断していくことを意識して取り組んでいます。」
■最近はCTBをやることが多かったと思いますが、今日はWTBでの出場でした。複数のポジションをこなすことについては、どう考えてプレーしていますか。
「今年はCTBをやることが多かったのですが、もともとWTBですし、両方できるように取り組んでいるので、まったく問題ありません。」
■まだ夏合宿は続きますが、今後への意気込みをお願いします。
「残り一試合、早稲田大戦に向けて、今日と前回の反省をしっかりやって、次の試合で自分たちのやってきたことを発揮できるように頑張りたいです。」
去年まではAチームでの経験はそれほど多くなかったが、地道な努力で成長を続けてきた。4年生としての自覚も高まり、チームへの指示出しなども積極的になってきている。この日も、後半開始直後に、岩出監督から直接指示を受け、それをチーム全体に伝達する役割を担った。もともと持っている激しさの部分をさらにプレーで表現していくことで、今後、さらに大きな戦力となってくれるはずだ。
《 COLUMN 》
――「さなぎ」から「成虫」へと羽化するとき――
この試合、相手の果敢に前に出るディフェンスや厳しく絡んでくるブレイクダウンなどもありましたが、特に前半は、それ以上に、自分たちのミスでチャンスを逃してしまうシーンがありました。
プレーをしている選手たちにも、うまくいかないストレスが溜まっていたようですし、見ている人の中にも「もっとトライを量産すると思った」人も少なくなかったようです。
もちろん、ミスに対して謙虚になることは大事ですが、岩出監督は「悲観も心配もしてない」と言います。
「やるべきことは、頭ではかなりわかってきています。ただ、練習がまだ足りないので、プレーとしてはできていない状態です」ともおっしゃいました。
この合宿では、グラウンドの内外で頭を使うことをテーマの一つとしていますが、新しいプレーに取り組む際も、まずはしっかりと頭で理解した上で練習するようにしています。
ただし、夏合宿という限られた期間ですから、理解と練習の両方を十分行う時間はありません。まずは頭で理解することに重点を置き、体で覚える練習は、今後、時間をかけて取り組んでいくことになります。
ところで、1年ほど前のこのコラムで「『分かる』と『解かる』の違いについて」書いたことがありました。
簡単に確認しておくと、「分かる」はとりあえず意味ややり方が頭でわかっている状態、「解かる」は「分かった」上ですらすらと実践できる状態です。
この試合を見る限り、現在のところ「分かる」の状態までは行っているが、「解かる」の状態にまではまだ行っていないということになります。
ただし、「分かる」にもいくつかの段階があります。「なんとなく分かる」とか「だいたいわかる」といった理解の浅い段階から、「よく分かる」とか「完全に分かる」といった理解の深まった段階までいろいろです。
頭で理解する「分かる」の状態から、体で覚えてできるようになる「解かる」の状態に移行するには、当然、理解の深い「よく分かる」という状態になっておく必要があります。
この合宿では、「解かる」に移行する手前の、「理解の深い『分かる』」のところまでは来ているようです。
あとは反復練習を重ねて、体に「解からせる」のみ。今はまだ「さなぎ」の状態かもしれませんが、もうすぐ「成虫へと羽化する」=「『解かる』の状態へと移行する」ときが来ます。
そのときは、突然、羽化したかのように見えるかもしれません。しかし、実はそれは、時間をかけて一つ一つの積み上げてきた結果なのです。
《 NEXT MATCH 》
練習試合 対早稲田大学戦
8月24日(日) サニアパーク(菅平)
13時キックオフ
(文/木村俊太、写真/志賀由佳)
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