REPORT
レポート
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関東大学春季大会Aグループ・第4戦 早稲田大学戦
2015/06/09
6月7日(日)・早大上井草グラウンド
○帝京大学(4勝0敗)73-12早稲田大学(2勝2敗)●
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《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒浅堀(2)坂手⇒大西(3)深村⇒呉(味)(4)金(廉)⇒姫野(5)飯野(6)イラウア(7)亀井(8)マクカラン⇒吉田
[BK]
(9)荒井⇒吉川(10)松田⇒中村(良)(11)竹山(12)園木⇒矢澤(13)石垣(14)津岡(15)宮崎
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)佐田(2)貝塚(3)千葉(4)河野(5)桑野(6)仲元寺(7)池本(8)佐藤
[BK]
(9)吉岡(10)横山(11)門田(12)高橋(13)盛田(14)本田(15)黒木
【前半】【得点経過】
【8分】帝7-0早
ラインアウトからモールを形成。そのまま押し切り、LO金がトライ。ゴール成功。
【16分】帝14-0早
ペナルティでスクラムを選択。No8マクカランが持ち出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝21-0早
ラインアウトからSH荒井が仕掛けて前進。WTB津岡にパスし、津岡が抜け出してトライ。ゴール成功。
【29分】帝21-5早
スクラムからつながれて、トライを奪われる。
【31分】帝28-5早
キックオフのボールを支配し、連続攻撃。ラックからSH荒井-FLイラウアと渡り、イラウアがトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝33-5早
FB宮崎が前進。さらにFWでつなぐ。FLイラウアが前進し、ラックになるもNo8マクカランが持ち出してトライ。
【7分】帝33-12早
ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる。
【13分】帝40-12早
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH吉川が仕掛けて前進。CTB石垣へとパスし、石垣が抜け出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝45-12
乱れたボールをNo8マクカランがうまくキャッチして前進。FB宮崎へとパスし、
宮崎がさらに前進。最後はWTB竹山へとパスが渡り、竹山がトライ。
【29分】帝52-12早
ペナルティからクイックリスタート。FW、BKでつないで、ラックからLO飯野-FL亀井
と渡り、亀井がトライ。ゴール成功。
【32分】帝59-12早
FW、BKで連続攻撃。CTB石垣からWTB竹山へと渡り、竹山が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【36分】帝66-12早
ターンオーバーから前進。SH吉川からWTB竹山へと渡り、竹山が自陣から走り切ってトライ。ゴール成功。
【40分】帝73-12早
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH吉川-FB宮崎-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
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《BRIEF REVIEW》
春季大会第4戦の相手は早稲田大学。序盤は帝京ペースで進む。ゲームを支配し、前
半20分までに3トライをあげ、差を広げる。ところが、このあとペナルティから攻め
込まれ、ゴール前で耐える時間帯となり、29分、1トライを献上してしまう。その直
後、すぐに取り返すが、ミスなどもあり、再度ゴール前で耐える展開に。
だが、ここは全員で守り切り、前半を28-5で折り返した。
ハーフタイム、岩出監督からは「『厳しく』いくとはただ無理なことをすることではない。
まずは、基本的なプレーをきちんとやることが大事。
そして、ゲーム状況や時間帯にあった判断、選択をして、しっかりやりきること」とアドバイスがあった。
後半は、各選手が無理なプレーではなく丁寧なプレーを心掛け、同時に激しさも見せる。No8マクカラン
は後半2分にトライをあげると、20分にはお互い手につかず、乱れたボールを
うまくキャッチして前進。接点でも献身的なプレーを見せた。FL亀井はピンチの場面
でも、接点に体を入れてターンオーバー。この日も激しさを出した。また、スクラム
も安定。総じてコントロールできていた。BK陣も奮闘する。WTB竹山が後半だけで4ト
ライをあげたが、そのうちの3トライは残り10分に奪っている。全員、最後まで集中
力を切らさず、73-12で勝利した。
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《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日はしっかりしたこと、きちんとしたことをやり続ける厳しさをゲームの中で身に付けていくことがテーマでした。特に、点差があまり開いておらず、お互い厳しいプレーが出るタイトな時間帯に雑なプレーをしてしまうと、相手にチャンスが行ってしまうので、しっかりと丁寧なプレー、正確な選択ができることを期待して送り出しました。今日の失点はいずれも、このタイトな時間帯に正確な選択ができなかったところから生まれたと思いますが、一度うまくいかなかったからといって悲観することもないですし、うまくいったからといって喜ぶことでもありません。こうした意識をもってやり切ろうとする経験を得られたことに意味があると思います。その意識をもって、今後もプレーし続けてくれることを期待しています。今日は最終的にはスコアは離れましたが、早稲田大学さんの粘り強さをあらためて感じさせてもらったゲームになりました。その気持ちのしぶとさは、我々も吸収していかなければいけないところだと思います。
今日の勝利にもけっして油断せず、夏の再戦に向けて、また努力していきたいと思います。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は、厳しさをもったプレーをしようと言って臨んだのですが、特に前半、厳し
さをもったプレッシャー、そして正確さの部分が少し欠けていたところがあり、いい
テンポでアタックすることができなかったり、ディフェンスで食い込まれてしまうと
ころがありました。厳しさと正確さを兼ね備えたプレーをしなければならないのに、
それができていなかったことが原因です。ただ、後半にその厳しさと正確さについ
て、もう一度、確認して、いいプレッシャーをかけることができたことで、最後は点
差が開いたのだと思います。相手もいいディフェンス、いいアタックをしてくるチー
ムなので、それに対して逃げないで、痛いところにどんどんプレーしに行ったところ
はよかったと思います。次戦以降も、厳しさと正確さを兼ね合わせたプレーを心掛け
てやっていきたいと思います。」
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■体の強さを見せ、トライも奪取・CTB石垣航平(4年)
「厳しさをもって80分間、自分たちのラグビーを出していこうと言って臨みま
した。自分としてもそうした気持ちで挑んだのですが、ディフェンスのコミュニケー
ションの部分で課題が出てしまいました。そこを修正して、次につなげていきたいで
す。ただ、アタックでは粘り強く、自分の持ち味を出せていたと思うので、そこは自
信をもって、これからももっと精度を上げながらやっていきたいです。今、アタック
面での仕掛けや、ディフェンス面での内側とのコミュニケーション等に取り組んでい
ますが、自分は特にディフェンス面での内側とのコミュニケーションと1対1の力強さ
が課題なので、そこをもっと向上させていきたいと思っています。」
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■短い時間ながらAチームでの貴重な経験を得た・HO大西将史(3年)
「まだまだセットプレーの安定ができていないなど、Aチームとしての厳しさを感じ
た試合になりました。今までどおりのセットプレーができなかったので、もう一度、
ベーシックなところからやっていかなければと思いました。ただ、通用する部分も
あったので、そこは自分の強みとして、チームに貢献できるようにしていきたいと思
います。」
■課題を見つけるもスクラムには手応え・PR呉味和昌(3年)
「後半からの出場でしたが、まずは自分が体を張ってチームを元気づけようと思って
挑みました。さらには課題であるスクラムを頑張ろうと思って臨みました。チームを
勢いづけるという部分でアグレッシブさが足らず、自分から勢いづけることができな
かったのは反省点です。ただ、スクラムはある程度、手応えを得られたと思っ
ています。フィールドプレーでは、ボールキャリアとして立ってプレーするところは
よかったのですが、そのあとのダウンボールが雑になってしまいました。ここは次に
向けて修正しなければいけないところです。次の試合では、自分の体の大きさを活か
して、前に出るプレーをしたいと思います。」
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《PICK UP PLAYERS》
Aチーム初出場ながら得意のキックで魅せた
SO 中村良真(3年)
NAKAMURA RYOMA
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1994年11月27日生まれ
教育学部教育文化学科
八戸西高校出身
身長171cm/74kg
■今日の試合、どんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「先週のゲームはメンバー入りしながら出場機会がなく、今日がAチーム初出場となり
ました。出るからには、自分の持っているものをすべて出し切れるように、メンタル
面でも体の面でもいい準備をして臨んだつもりです。」
■実際にプレーしてみての感想を聞かせてください。
「大きくリードしている場面でいい形でバトンをもらったので、伸び伸びとやれたは
ずなのですが、公式戦は初めてということもあり、緊張で頭の中がいっぱいいっぱい
になりかけたところもありました。それで視野が狭くなってしまったのですが、これ
をいい経験にして、さらにレベルアップしていきたいと思います。」
■自身のプレー自体はどうでしたか。
「短い時間でしたが、自分の精一杯のプレーができたかなと思います」。
■角度のある難しいゴールキックもすべて決めました。
「ありがとうございます。ゴールキックに限らず、キックは自分の得意とするプレー
なのですが、とにかくゴールキックだけはしっかり入れようと思って蹴りました。」
■プレー中はどんなことを意識していましたか。
「ディフェンス面でしっかり連携をとって、きついところや痛いところで粘り強くプ
レーしようと言っていたので、とにかくそのディフェンスのところは思い切り行こう
と思っていました。」
■そのディフェンスでの手ごたえはいかがでしたか。
「タックルする機会は1回だけでしたが、思い切り体を当てて、痛いところから逃げな
いように行けたと思います。」
■今後への意気込みをお願いします。
「まず、公式戦に出ても頭がいっぱいいっぱいにならないようにすること、その上で
SOとしてゲームメイクするために、練習で公式戦をイメージしながらやっていきたい
です。あとはディフェンスのところで負けないように、フィジカル面を強化すること、
そしてしっかりとコミュニケーションレベルを高めて、連携してディフェンスができ
るように、まずは練習から自分にプレッシャーをかけて、成長できるように頑張りた
いです。今日、いい経験ができたことで、次からはだいぶリラックスしたプレーがで
きると思うので、頑張ります。」
先週の名古屋遠征のメンバーにも選ばれていたが、出場はこの日が初めて。
入替で入る際には緊張感がにじみ出ていたようで、岩出監督やスタッフからも「リラ
ックス!」の声がかかる。しかし、グラウンドに立てばそんな様子は見せず、タッチ
ライン際からのゴールキックを次々と決めた。本人は頭の中がいっぱいいっぱいにな
ってしまったと反省するが、それでも「次からは大丈夫」と自信を見せた。「練習か
ら自分にプレッシャーをかける」と述べるなど、自分への厳しさも覗かせる。経験値
の高まりとともに、さらなる成長が期待できそうだ。
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《COLUMN》
――緊張をエネルギーに換える――
この春シーズンは、何人かのケガやU20日本代表戦への招集、あるいはここ数週間は
4年生の教育実習などもあり、これまで公式戦の出場機会があまりなかった選手も多
く出場しています。もちろん、毎年メンバーが入れ替わる大学のチームですから、
春シーズンに経験の浅い選手が多いのは当然と言えば当然なのですが、やはり初めて
とか慣れない環境というのは多くの人にとって、「緊張」とか「力み」が生じやすくなります。
岩出監督も「慣れない環境に『力みすぎる』選手が何人かいますね。
そろそろ慣れてほしい選手もいますが」と語ります。
もともとそんな心配をする必要がない選手もいれば、まるっきり初めてで仕方がない選手も
いますが、「なかなか場慣れできず、硬さが取れない選手もいる」(岩出監督)ようです。
選手に話を聞いても、特に初出場の選手はほぼ例外なく「緊張してしまった」と答えます。
なかなか場慣れできない選手も含め、こうした選手たちには「緊張するな」と言う方が
無理な話で、問題はその緊張をどのようにしていい方向に持っていくかということになります。
さて、最近のテニスブームからか、元テニスプレーヤー松岡修造さんのポジティブ思考が話題になっています。
ポジティブなセリフが書かれた日めくりカレンダーがなんと50万部も売れているそうです。
世の中にいかにポジティブ思考が求められているか、そしていかにポジティブ思考が難しいかを物語っているようです。
その松岡さんの本が手元にあったので、パラパラとめくってみたところ、本当にポジティブな言葉がたくさん載っていました。
その中に、こんなセリフがありました。「緊張してきた。よっしゃあー!」解説文にはこうあります。
「緊張するのは、自分自身が本気になっている証拠です。僕自身、テレビ番組や講演会など人前で話すときは、
今でもかなり緊張してしまいます。手が氷のように冷たくなり、心臓の鼓動が聞こえるときもあります。
(中略)なんとなく中途半端だったら、緊張しないはずです。
それだけ自分が本気になっている証ですから、『緊張してきた、どうしよう』と不安を覚えてはいけません。
逆に『緊張してきた。よっしゃあー!』というぐらい、自分を応援したり、喜んじゃいましょう。
(中略)自分の本気を真っ直ぐぶつけるぐらいの気持ちで目の前のことに取り組んでください。
そういうシーンを乗り越えると人は強くなります。思わず逃げ出したくなるような緊張感がなくなったら、
成長するモチベーションもなくなってしまいます。」
ウィンブルドンのセンターコートなど、数々の大舞台を踏んできた松岡さんほどの人でも、
人前に出るときには緊張すると言います。でも、緊張するのは本気だからなので、むしろ
その本気を大事にして真っ直ぐぶつけていくことで成長できると説いています。
そもそも、松岡さん自身がポジティブな性格だから、そんなふうに考えることができるのではないかとも思ったのですが、
最近、テレビでご本人が語った話によると、自身は「“ド”が付くくらいネガティブ」な性格で、
かつては喜怒哀楽も出せなかったのだそうです。
だからこそ、あえて無理にでもポジティブになろうとして、今のようなポジティブ思考ができるようになったと言います。
岩出監督が以前、ある講演でおっしゃっていましたが、人は無理にでも笑顔を作ることで、明るい気持ちになれるそうです。
人間の脳は騙されやすく、無理に笑顔を作ったり、無理にポジティブ思考をしたとしても、
「無理に」の部分は理解せず、「笑顔」「ポジティブ」の部分だけを理解するのだそうです。
だから、つらいとき、苦しい時でも無理に笑顔を作ることで、脳は「楽しいんだ」と勘違いしてくれて、
気持ちもそれに引きずられて明るくなっていきます。
だとすれば、緊張した時に「緊張してきた。よっしゃあー!」と言えば、やはり脳が勘違いをしてくれて、
緊張をエネルギーに換えることができるのではないでしょうか。緊張も成長の糧。
そして、自分が本気になっている証拠。緊張や力みをエネルギーに変換するカギは、このあたりにあるのかもしれません。
岩出監督の言う「そろそろ場慣れしてほしい選手」には、ぜひ「緊張してきた。よっしゃあー!」で頑張ってほしいものです。
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《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
CTB大内空(1年)
佐野日本大学高校出身
身長177cm/体重80kg
「アピールポイントは、アタック時のスペースへの走り込みです。
チャンスを見つけてそこへ走り込めるところが強みだと思っています。
課題としては、周りをうまく使えるプレーヤーになりたいと思っているので、
そこを強化したいと思っています。帝京大学ラグビー部は、
もともと入学前からすばらしい環境だと聞いてはいましたが、
実際は自分の想像をはるかに超えた環境のよさでした。
先輩方はいろいろやさしく教えてくださいますし、すべてのことが勉強になります。
今後はまず上のチームに上がること、そしてチームを勝利に導けるような、
しっかり活躍できる選手になりたいです。」
FL大澤大和(1年)
黒沢尻北高校出身
身長170cm/体重87kg
「自分は体があまり大きくないのですが、逆にそれを活かしたプレー、
接点でのからみや、サポートプレーで少しでもゲインするという部分で
アピールしていきたいと思っています。今はケガがあり、リハビリ中なのですが、
その期間、上半身を強化していて、小さいなりの力強さ、
小ささを活かした速くて力強いプレーができるように鍛えています。
帝京大学ラグビー部には、ラグビーだけではなく人間としても成長できる、
自分が全然知らなかったことにも気付ける、そういう環境があります。
この恵まれた環境で4年間過ごすことで、自分も大きく成長できるのではないかと思っています。
まずは、このケガをしっかり治して、一つ一つ丁寧に積み重ねていって、
最終的には赤いファーストジャージを着て、
プレーの面でもチームの力になれるように頑張りたいと思います。」
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《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A・第5戦対明治大学戦(http://www.meijirugby.jp/)
6月14日(日) 静岡県草薙総合運動場球技場
14時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(4勝0敗)73-12早稲田大学(2勝2敗)●
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《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒浅堀(2)坂手⇒大西(3)深村⇒呉(味)(4)金(廉)⇒姫野(5)飯野(6)イラウア(7)亀井(8)マクカラン⇒吉田
[BK]
(9)荒井⇒吉川(10)松田⇒中村(良)(11)竹山(12)園木⇒矢澤(13)石垣(14)津岡(15)宮崎
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)佐田(2)貝塚(3)千葉(4)河野(5)桑野(6)仲元寺(7)池本(8)佐藤
[BK]
(9)吉岡(10)横山(11)門田(12)高橋(13)盛田(14)本田(15)黒木
【前半】【得点経過】
【8分】帝7-0早
ラインアウトからモールを形成。そのまま押し切り、LO金がトライ。ゴール成功。
【16分】帝14-0早
ペナルティでスクラムを選択。No8マクカランが持ち出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝21-0早
ラインアウトからSH荒井が仕掛けて前進。WTB津岡にパスし、津岡が抜け出してトライ。ゴール成功。
【29分】帝21-5早
スクラムからつながれて、トライを奪われる。
【31分】帝28-5早
キックオフのボールを支配し、連続攻撃。ラックからSH荒井-FLイラウアと渡り、イラウアがトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝33-5早
FB宮崎が前進。さらにFWでつなぐ。FLイラウアが前進し、ラックになるもNo8マクカランが持ち出してトライ。
【7分】帝33-12早
ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる。
【13分】帝40-12早
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH吉川が仕掛けて前進。CTB石垣へとパスし、石垣が抜け出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝45-12
乱れたボールをNo8マクカランがうまくキャッチして前進。FB宮崎へとパスし、
宮崎がさらに前進。最後はWTB竹山へとパスが渡り、竹山がトライ。
【29分】帝52-12早
ペナルティからクイックリスタート。FW、BKでつないで、ラックからLO飯野-FL亀井
と渡り、亀井がトライ。ゴール成功。
【32分】帝59-12早
FW、BKで連続攻撃。CTB石垣からWTB竹山へと渡り、竹山が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【36分】帝66-12早
ターンオーバーから前進。SH吉川からWTB竹山へと渡り、竹山が自陣から走り切ってトライ。ゴール成功。
【40分】帝73-12早
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH吉川-FB宮崎-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
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《BRIEF REVIEW》
春季大会第4戦の相手は早稲田大学。序盤は帝京ペースで進む。ゲームを支配し、前
半20分までに3トライをあげ、差を広げる。ところが、このあとペナルティから攻め
込まれ、ゴール前で耐える時間帯となり、29分、1トライを献上してしまう。その直
後、すぐに取り返すが、ミスなどもあり、再度ゴール前で耐える展開に。
だが、ここは全員で守り切り、前半を28-5で折り返した。
ハーフタイム、岩出監督からは「『厳しく』いくとはただ無理なことをすることではない。
まずは、基本的なプレーをきちんとやることが大事。
そして、ゲーム状況や時間帯にあった判断、選択をして、しっかりやりきること」とアドバイスがあった。
後半は、各選手が無理なプレーではなく丁寧なプレーを心掛け、同時に激しさも見せる。No8マクカラン
は後半2分にトライをあげると、20分にはお互い手につかず、乱れたボールを
うまくキャッチして前進。接点でも献身的なプレーを見せた。FL亀井はピンチの場面
でも、接点に体を入れてターンオーバー。この日も激しさを出した。また、スクラム
も安定。総じてコントロールできていた。BK陣も奮闘する。WTB竹山が後半だけで4ト
ライをあげたが、そのうちの3トライは残り10分に奪っている。全員、最後まで集中
力を切らさず、73-12で勝利した。
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《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日はしっかりしたこと、きちんとしたことをやり続ける厳しさをゲームの中で身に付けていくことがテーマでした。特に、点差があまり開いておらず、お互い厳しいプレーが出るタイトな時間帯に雑なプレーをしてしまうと、相手にチャンスが行ってしまうので、しっかりと丁寧なプレー、正確な選択ができることを期待して送り出しました。今日の失点はいずれも、このタイトな時間帯に正確な選択ができなかったところから生まれたと思いますが、一度うまくいかなかったからといって悲観することもないですし、うまくいったからといって喜ぶことでもありません。こうした意識をもってやり切ろうとする経験を得られたことに意味があると思います。その意識をもって、今後もプレーし続けてくれることを期待しています。今日は最終的にはスコアは離れましたが、早稲田大学さんの粘り強さをあらためて感じさせてもらったゲームになりました。その気持ちのしぶとさは、我々も吸収していかなければいけないところだと思います。
今日の勝利にもけっして油断せず、夏の再戦に向けて、また努力していきたいと思います。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は、厳しさをもったプレーをしようと言って臨んだのですが、特に前半、厳し
さをもったプレッシャー、そして正確さの部分が少し欠けていたところがあり、いい
テンポでアタックすることができなかったり、ディフェンスで食い込まれてしまうと
ころがありました。厳しさと正確さを兼ね備えたプレーをしなければならないのに、
それができていなかったことが原因です。ただ、後半にその厳しさと正確さについ
て、もう一度、確認して、いいプレッシャーをかけることができたことで、最後は点
差が開いたのだと思います。相手もいいディフェンス、いいアタックをしてくるチー
ムなので、それに対して逃げないで、痛いところにどんどんプレーしに行ったところ
はよかったと思います。次戦以降も、厳しさと正確さを兼ね合わせたプレーを心掛け
てやっていきたいと思います。」
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■体の強さを見せ、トライも奪取・CTB石垣航平(4年)
「厳しさをもって80分間、自分たちのラグビーを出していこうと言って臨みま
した。自分としてもそうした気持ちで挑んだのですが、ディフェンスのコミュニケー
ションの部分で課題が出てしまいました。そこを修正して、次につなげていきたいで
す。ただ、アタックでは粘り強く、自分の持ち味を出せていたと思うので、そこは自
信をもって、これからももっと精度を上げながらやっていきたいです。今、アタック
面での仕掛けや、ディフェンス面での内側とのコミュニケーション等に取り組んでい
ますが、自分は特にディフェンス面での内側とのコミュニケーションと1対1の力強さ
が課題なので、そこをもっと向上させていきたいと思っています。」
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■短い時間ながらAチームでの貴重な経験を得た・HO大西将史(3年)
「まだまだセットプレーの安定ができていないなど、Aチームとしての厳しさを感じ
た試合になりました。今までどおりのセットプレーができなかったので、もう一度、
ベーシックなところからやっていかなければと思いました。ただ、通用する部分も
あったので、そこは自分の強みとして、チームに貢献できるようにしていきたいと思
います。」
■課題を見つけるもスクラムには手応え・PR呉味和昌(3年)
「後半からの出場でしたが、まずは自分が体を張ってチームを元気づけようと思って
挑みました。さらには課題であるスクラムを頑張ろうと思って臨みました。チームを
勢いづけるという部分でアグレッシブさが足らず、自分から勢いづけることができな
かったのは反省点です。ただ、スクラムはある程度、手応えを得られたと思っ
ています。フィールドプレーでは、ボールキャリアとして立ってプレーするところは
よかったのですが、そのあとのダウンボールが雑になってしまいました。ここは次に
向けて修正しなければいけないところです。次の試合では、自分の体の大きさを活か
して、前に出るプレーをしたいと思います。」
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《PICK UP PLAYERS》
Aチーム初出場ながら得意のキックで魅せた
SO 中村良真(3年)
NAKAMURA RYOMA
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1994年11月27日生まれ
教育学部教育文化学科
八戸西高校出身
身長171cm/74kg
■今日の試合、どんな気持ちで臨んだのでしょうか。
「先週のゲームはメンバー入りしながら出場機会がなく、今日がAチーム初出場となり
ました。出るからには、自分の持っているものをすべて出し切れるように、メンタル
面でも体の面でもいい準備をして臨んだつもりです。」
■実際にプレーしてみての感想を聞かせてください。
「大きくリードしている場面でいい形でバトンをもらったので、伸び伸びとやれたは
ずなのですが、公式戦は初めてということもあり、緊張で頭の中がいっぱいいっぱい
になりかけたところもありました。それで視野が狭くなってしまったのですが、これ
をいい経験にして、さらにレベルアップしていきたいと思います。」
■自身のプレー自体はどうでしたか。
「短い時間でしたが、自分の精一杯のプレーができたかなと思います」。
■角度のある難しいゴールキックもすべて決めました。
「ありがとうございます。ゴールキックに限らず、キックは自分の得意とするプレー
なのですが、とにかくゴールキックだけはしっかり入れようと思って蹴りました。」
■プレー中はどんなことを意識していましたか。
「ディフェンス面でしっかり連携をとって、きついところや痛いところで粘り強くプ
レーしようと言っていたので、とにかくそのディフェンスのところは思い切り行こう
と思っていました。」
■そのディフェンスでの手ごたえはいかがでしたか。
「タックルする機会は1回だけでしたが、思い切り体を当てて、痛いところから逃げな
いように行けたと思います。」
■今後への意気込みをお願いします。
「まず、公式戦に出ても頭がいっぱいいっぱいにならないようにすること、その上で
SOとしてゲームメイクするために、練習で公式戦をイメージしながらやっていきたい
です。あとはディフェンスのところで負けないように、フィジカル面を強化すること、
そしてしっかりとコミュニケーションレベルを高めて、連携してディフェンスができ
るように、まずは練習から自分にプレッシャーをかけて、成長できるように頑張りた
いです。今日、いい経験ができたことで、次からはだいぶリラックスしたプレーがで
きると思うので、頑張ります。」
先週の名古屋遠征のメンバーにも選ばれていたが、出場はこの日が初めて。
入替で入る際には緊張感がにじみ出ていたようで、岩出監督やスタッフからも「リラ
ックス!」の声がかかる。しかし、グラウンドに立てばそんな様子は見せず、タッチ
ライン際からのゴールキックを次々と決めた。本人は頭の中がいっぱいいっぱいにな
ってしまったと反省するが、それでも「次からは大丈夫」と自信を見せた。「練習か
ら自分にプレッシャーをかける」と述べるなど、自分への厳しさも覗かせる。経験値
の高まりとともに、さらなる成長が期待できそうだ。
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《COLUMN》
――緊張をエネルギーに換える――
この春シーズンは、何人かのケガやU20日本代表戦への招集、あるいはここ数週間は
4年生の教育実習などもあり、これまで公式戦の出場機会があまりなかった選手も多
く出場しています。もちろん、毎年メンバーが入れ替わる大学のチームですから、
春シーズンに経験の浅い選手が多いのは当然と言えば当然なのですが、やはり初めて
とか慣れない環境というのは多くの人にとって、「緊張」とか「力み」が生じやすくなります。
岩出監督も「慣れない環境に『力みすぎる』選手が何人かいますね。
そろそろ慣れてほしい選手もいますが」と語ります。
もともとそんな心配をする必要がない選手もいれば、まるっきり初めてで仕方がない選手も
いますが、「なかなか場慣れできず、硬さが取れない選手もいる」(岩出監督)ようです。
選手に話を聞いても、特に初出場の選手はほぼ例外なく「緊張してしまった」と答えます。
なかなか場慣れできない選手も含め、こうした選手たちには「緊張するな」と言う方が
無理な話で、問題はその緊張をどのようにしていい方向に持っていくかということになります。
さて、最近のテニスブームからか、元テニスプレーヤー松岡修造さんのポジティブ思考が話題になっています。
ポジティブなセリフが書かれた日めくりカレンダーがなんと50万部も売れているそうです。
世の中にいかにポジティブ思考が求められているか、そしていかにポジティブ思考が難しいかを物語っているようです。
その松岡さんの本が手元にあったので、パラパラとめくってみたところ、本当にポジティブな言葉がたくさん載っていました。
その中に、こんなセリフがありました。「緊張してきた。よっしゃあー!」解説文にはこうあります。
「緊張するのは、自分自身が本気になっている証拠です。僕自身、テレビ番組や講演会など人前で話すときは、
今でもかなり緊張してしまいます。手が氷のように冷たくなり、心臓の鼓動が聞こえるときもあります。
(中略)なんとなく中途半端だったら、緊張しないはずです。
それだけ自分が本気になっている証ですから、『緊張してきた、どうしよう』と不安を覚えてはいけません。
逆に『緊張してきた。よっしゃあー!』というぐらい、自分を応援したり、喜んじゃいましょう。
(中略)自分の本気を真っ直ぐぶつけるぐらいの気持ちで目の前のことに取り組んでください。
そういうシーンを乗り越えると人は強くなります。思わず逃げ出したくなるような緊張感がなくなったら、
成長するモチベーションもなくなってしまいます。」
ウィンブルドンのセンターコートなど、数々の大舞台を踏んできた松岡さんほどの人でも、
人前に出るときには緊張すると言います。でも、緊張するのは本気だからなので、むしろ
その本気を大事にして真っ直ぐぶつけていくことで成長できると説いています。
そもそも、松岡さん自身がポジティブな性格だから、そんなふうに考えることができるのではないかとも思ったのですが、
最近、テレビでご本人が語った話によると、自身は「“ド”が付くくらいネガティブ」な性格で、
かつては喜怒哀楽も出せなかったのだそうです。
だからこそ、あえて無理にでもポジティブになろうとして、今のようなポジティブ思考ができるようになったと言います。
岩出監督が以前、ある講演でおっしゃっていましたが、人は無理にでも笑顔を作ることで、明るい気持ちになれるそうです。
人間の脳は騙されやすく、無理に笑顔を作ったり、無理にポジティブ思考をしたとしても、
「無理に」の部分は理解せず、「笑顔」「ポジティブ」の部分だけを理解するのだそうです。
だから、つらいとき、苦しい時でも無理に笑顔を作ることで、脳は「楽しいんだ」と勘違いしてくれて、
気持ちもそれに引きずられて明るくなっていきます。
だとすれば、緊張した時に「緊張してきた。よっしゃあー!」と言えば、やはり脳が勘違いをしてくれて、
緊張をエネルギーに換えることができるのではないでしょうか。緊張も成長の糧。
そして、自分が本気になっている証拠。緊張や力みをエネルギーに変換するカギは、このあたりにあるのかもしれません。
岩出監督の言う「そろそろ場慣れしてほしい選手」には、ぜひ「緊張してきた。よっしゃあー!」で頑張ってほしいものです。
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《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
CTB大内空(1年)
佐野日本大学高校出身
身長177cm/体重80kg
「アピールポイントは、アタック時のスペースへの走り込みです。
チャンスを見つけてそこへ走り込めるところが強みだと思っています。
課題としては、周りをうまく使えるプレーヤーになりたいと思っているので、
そこを強化したいと思っています。帝京大学ラグビー部は、
もともと入学前からすばらしい環境だと聞いてはいましたが、
実際は自分の想像をはるかに超えた環境のよさでした。
先輩方はいろいろやさしく教えてくださいますし、すべてのことが勉強になります。
今後はまず上のチームに上がること、そしてチームを勝利に導けるような、
しっかり活躍できる選手になりたいです。」
FL大澤大和(1年)
黒沢尻北高校出身
身長170cm/体重87kg
「自分は体があまり大きくないのですが、逆にそれを活かしたプレー、
接点でのからみや、サポートプレーで少しでもゲインするという部分で
アピールしていきたいと思っています。今はケガがあり、リハビリ中なのですが、
その期間、上半身を強化していて、小さいなりの力強さ、
小ささを活かした速くて力強いプレーができるように鍛えています。
帝京大学ラグビー部には、ラグビーだけではなく人間としても成長できる、
自分が全然知らなかったことにも気付ける、そういう環境があります。
この恵まれた環境で4年間過ごすことで、自分も大きく成長できるのではないかと思っています。
まずは、このケガをしっかり治して、一つ一つ丁寧に積み重ねていって、
最終的には赤いファーストジャージを着て、
プレーの面でもチームの力になれるように頑張りたいと思います。」
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《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A・第5戦対明治大学戦(http://www.meijirugby.jp/)
6月14日(日) 静岡県草薙総合運動場球技場
14時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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