REPORT
レポート
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招待試合・飯田ラグビーフェスティバル 慶應義塾大学戦
2015/06/23
6月21日(日)・飯田市総合運動場
○帝京大学52-22慶應義塾大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒浅堀(2)坂手⇒呉(味)(3)深村⇒服部(4)金(廉)⇒姫野(5)山
口⇒大西(6)飯野(7)亀井(8)吉田⇒岡本
[BK]
(9)荒井⇒吉川⇒福沢(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)園木⇒濱野
(13)石垣⇒矢澤(14)宮崎⇒鎌田(15)重
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)堀切(2)末永(3)出口(4)佐藤(5)松村(6)廣川(7)鈴木(8)岩本
[BK]
(9)中村(10)青井(11)清水(12)染原(13)田畑(14)佐野(15)金澤
【前半】【得点経過】
【3分】帝0-7慶
ペナルティからつながれて、トライを奪われる。
【7分】帝7-7慶
ラインアウトから前進。ラックからSH荒井-SO松田-WTB宮崎とつなぎ、宮崎がトラ
イ。ゴール成功。
【13分】帝12-7慶
ラインアウトからモールを押し込み、HO坂手がトライ。
【28分】帝12-12慶
ラインアウトからモールを押し込まれて、トライを奪われる。
【35分】帝12-17慶
乱れたボールをつながれ、抜け出されて、トライを奪われる。
【38分】帝19-17慶
ラインアウトからFWで連続攻撃。最後はFL飯野が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【7分】帝26-17慶
スクラムから持ち出して前進。ラックになるも、最後はFL飯野が持ち出してトライ。
ゴール成功。
【13分】帝33-17慶
ラインアウトからつないで前進。ラックからSH吉川-FL飯野と渡り、飯野が抜け出し
てトライ。ゴール成功。
【16分】帝40-17慶
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH吉川-LO姫野と渡り、姫野が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
【28分】帝45-17慶
スクラムからBKへ展開。WTB竹山まで回り、竹山が抜け出してトライ。
【34分】帝52-17慶
FW、BKで連続攻撃。最後はFL岡本がトライ。ゴール成功。
【37分】帝52-22慶
ペナルティでのクイックリスタートから走られ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
春シーズンの最後を締めくくるのは、長野県飯田市での慶應義塾大学との試合。朝か
ら激しい雨が降り続く中でのゲームとなった。前半、その雨もあり、ミスが出て、開
始3分に先制点を許してしまう。帝京もすぐに追い付き、逆転するが、ボールが手に
つかないシーンも目立ち、一時は逆転を許してしまう。最後にFL飯野のトライで再逆
転するも、19-17で前半を折り返した。ハーフタイムには岩出監督から「楽をしよう
としていないか。痛いところ、しんどいところに行っているか。ぬるいゲームをやっ
ても成長にはつながらない。きちっとしたゲームをするからこそ、いいところ、悪い
ところがわかるのだ」とアドバイスの声がかかる。その後半は、しっかりと切り替え
て激しさを出す。FW陣の頑張りから、FL飯野の連続トライ(前半から数えると3連続
トライ)で突き放すと、BK陣も奮闘。FB重、WTB宮崎、WTB竹山らが大きくゲインし、
ゴール前へと迫る。また、地元飯田市出身のCTB矢澤、SH福沢が入ると、スタンドか
ら大きな拍手が起こり、選手たちを勇気づける。最後まで激しさを出し続け、春の最
終戦を52-22で勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日は春シーズンの最後のゲームとして、これまでやってきたこと、特に基本的な
部分をしっかり出して、終わった後にきちんと総括できるゲームにしようと言って、
送り出しました。ただ、明日からオフになることもあり、ケガをしたくないという思
いもあったのか、気持ちの面でやや緩みが出てしまったように思います。春シーズ
ン全体としては、一つ一つ積み上がっていることもありますが、まだまだ甘いところ
もあり、学生たちはこれから本物になっていかなければなりません。中身の熟成につ
いては、これからに期待したいと思います。春シーズン、チームは多くの方々の応援
に支えられました。今後とも変わらぬご声援をお願いいたします。最後になりました
が、このたびご招待いただきました飯田市ラグビーフットボール協会、NPO法人南信
州クラブ、南信州新聞社ならびに大会関係者の方々に感謝申し上げます。また、キッ
ズエスコート等でお世話になったラグビースクールのお子さんたち、保護者、指導者
の方々にもお礼を申し上げたいと思います。飯田市でのラグビーの普及、発展の一助
となれたとしたら、たいへんうれしく思います。ありがとうございました。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は激しさを持って、スタートからしっかり行こうと話して臨んだのですが、前
半はその激しさの部分を出すことができませんでした。天候やレフリングなど、自分
たちでコントロールできないことについてあれこれ言っても仕方がないので、自分た
ちの気持ち、プレー、激しさといった、コントロールできる部分にフォーカスするこ
とで、このチームがぶれないことにつながると思っています。この春シーズン、ゲー
ムごとによくなった部分もありますが、気持ちのところで波があったと思うので、そ
こは僕がチームに対して修正していかなければならないところです。プレーについて
は、これからどんどん精度を上げていって、また新しいことにも取り組むかもしれな
いのでもっと伸びていくと思いますが、今日までに出た反省点を加味しながら、次へ
のステップを切っていきたいと思います。」
■安定感を見せるも、さらなる成長を誓う・FB重一生(3年)
「今日は雨の中での試合だったので、しっかりタフに、正確にやっていこうと思って
いたのですが、キック処理などで軽いプレーが出てしまい、そこは修正していきたい
です。ただ、後半はしっかりスペースを見てプレーできていたと思います。ケガから
復帰してから、自分としてはいいプレーも出ていると思うので、そこを継続して出せ
るように、そしてもっといいプレーを出せるようにしていきたいです。今後に向けて
は、もっと余裕をもったプレーをしていきたいですし、またケガをしない体を作って
いきたいです。」
■久しぶりのゲームで激しさを出した・FL服部航介(4年)
「今日は4年生としての初めての試合で、かつチームとしての春シーズン最後の試合
ということで、自分にとっては最初と最後が合わさったような試合でした。チームの
雰囲気を盛り上げるようなプレーをしたいと思って臨みましたが、ケガで休んでいた
分、試合の中でバテてしまって、あまり走れませんでした。出場時間が短かったにも
かかわらず、スタミナの部分で自分のプレーが最後までやり切れなかったという課題
が出てしまいました。スタミナは自分の持ち味のはずなのに、それが出せなかったこ
とが悔しいです。ただ、スタミナが切れるまではいいプレーもあったので、それを継
続できるようにしたいです。課題が見えたので、オフ明けからの練習でしっかりと克
服して、さらにブレイクダウンなどでの力強いプレーをもっと出していきたいです。
思っていたよりも早く復帰できたので、それをプラスに考えて、やっていきたいと思
います。」
■地元の声援を受け、好プレーを披露・CTB矢澤蒼(1年・ゲームMVP)
「今日は地元開催ということで、少しでも多くの人に自分の成長した姿を見ていただ
きたいと思って、試合に臨みました。体を張ったプレーができたと思うので、少しで
もチームに貢献できてよかったです。ただ、最後にディフェンス面でコミュニケー
ションできていないところがあり、抜かれてしまったので、そこは修正していきたい
です。春の締めくくりの試合でしたが、まだまだ課題が出ましたので、夏に向けてさ
らにレベルアップできるように頑張ります。」
《PICK UP PLAYERS》
Aチーム初出場も、地元の人たちの声援で緊張せずにプレーできた
SH福沢遼(3年)
FUKUZAWA RYO
1994年4月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
御所実業高校出身
身長167cm/体重69kg
■今日はどんな気持ちで試合に臨んだのでしょうか。
「地元での試合ということで、自分を指導してくださった方々や両親をはじめとし
て、ここに見に来てくださった方々に、帝京大学で自分が成長した姿を見せようと
思って試合に臨みました。」
■実際に出場しての感想を聞かせてください。
「初めてのAチームでの試合ということで、少し緊張もありましたが、自分が出ると
きに、地元のみなさまが大きな声援をくださり、それで気持ちが楽になりました。ま
た、一緒にプレーしている先輩や同期のみんなが積極的に声をかけてくれて、自分の
緊張を解いてくれたので、すごくやりやすかったです。」
■プレー面での手応えはどうだったでしょうか。
「もう少し、球さばきが速くできたら、Aチームで通用するんじゃないかという手応
えを得られました。これはAチームのゲームに出たからこそなので、今日、得られた
ものは自分にとってとても大きいと思います。また、自分の課題もしっかりわかりま
したので、そこを克服していきたいです。」
■積極的な仕掛けが見られました。
「ありがとうございます。強みであるランプレーにはもっと磨きをかけていきたいで
す。」
■今後への意気込みをお願いします。
「今日は地元ということでメンバーに選んでいただいたと思っていますが、これを機
に上のチームに定着して、公式戦出場を目指してやっていきたいです。」
Aチームでの試合はまったくの初めて。これまでBチームが最高で、多くはCチームで
の出場が続いていた。だが、この試合を見る限り、初出場の硬さもなく伸び伸びとプ
レーし、自ら仕掛けて前進するシーンも見られた。出場時、スタンドからの大きな拍
手と声援があり、それにも助けられたと言う。また、試合後には、ラグビースクール
の子どもたちにまじって、ダンスパフォーマンスを即興で披露し、スタジアムを和ま
せた。本人は「『無茶ぶり』されました」と笑うが、チームのムード・メイキングと
しては抜群だ。プレー面での課題に挙げた「球さばきの速さ」は、Aチームでの試合
を経験できたからこそ得られた課題。スタンダードが1段も2段も上がったはずなの
で、今後はそこへ向かって成長を加速させていくに違いない。
《COLUMN》
――「何か」につながっていく――
この日、長野県飯田市で行われた招待試合には、ラグビースクールの子どもたちが大
勢集まりました。大雨のため、午前中に予定されていた帝京の選手、コーチらによる
ラグビークリニックは残念ながら中止となりましたが、キッズエスコートに参加して
くれたり、スタンドから赤い帝京のフラッグを振ってくれたりと、試合を盛り上げて
くれました。
試合後は一緒に記念撮影をしたりといった交流があり、また、赤いTシャツ、帝京フ
ラッグ、あるいは自前のノートを持って、選手たちにサインをもらおうとやってきま
す。選手たちは、アフターマッチファンクションまでの時間が迫る中でも、サインを
したり、握手をしたり、一緒に写真に納まったりしていました。
選手たちだけではありません。岩出監督も子どもたちに追いかけられ、サインを求め
られました。アフターマッチファンクション会場へと向かうはずの岩出監督は、会場
の入口であいていた机と椅子を見つけると、「よっしゃ、サインするから、みんな並
んで」と言って座り、即席のサイン会が始まりました。
岩出監督はこうおっしゃいました。
「もちろん、多くの方々に帝京大学ラグビー部を好きになっていただけたらうれしい
ですが、何よりもまずは、出会った人たちにきちんとこちらの思いを伝えること。感
謝の気持ちとか。そういったことが、また何かにつながっていくのではないでしょう
か。」
何につながっていくのかは、今の時点ではまったくわかりません。しかし、きっと多
くの人たちに監督、選手たちの気持ちは伝わったことでしょう。
子どもの頃に憧れの選手と会ったことで憧れがさらに強くなり、そのスポーツのプロ
選手を目指す大きなモチベーションになったという話は枚挙にいとまがありません。
野球のメジャーリーグ、トロント・ブルージェイズに所属する川崎宗則選手は、中学
時代に球場でイチロー選手を見てから、「将来はイチロー選手と一緒に野球がした
い」と強く思うようになり、アメリカへと渡った彼を追いかけるようにして自らもメ
ジャーリーグに挑戦したのだそうです。サッカーのジェフユナイテッド市原・千葉に
所属する森本貴幸選手は、子どもの頃、元ブラジル代表のロナウド選手に頭を撫でて
もらったことがあり、それ以来、すっかりロナウド選手のファンになって、プレース
タイルだけでなく、風貌まで似るようになりました。
今日のスクールの子どもたちの中から、将来、帝京大学ラグビー部に進んだり、ある
いは日本代表に……というのは、この段階ではちょっと期待しすぎかもしれません。
しかし、今日のイベントがきっかけになって、これまで以上にラグビーが好きにな
り、これまで以上に一生懸命練習するようになり、そして、ラグビーの楽しさ、すば
らしさを周りの友達に話すようになれば……。
そのこと自体は、ほんの小さな何かかもしれません。しかし、それはやがて、けっし
て小さくはない何かにつながっていくに違いありません。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
HO前田 賢吾(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長176cm/体重92kg
「自分のアピールポイントはセットプレーの安定とボールキャリーの部分です。た
だ、体があまり大きくないので、今はウエイトトレーニングを頑張って、まずは体を
大きくすることに取り組んでいます。早く100kgを超えたいと思って頑張っていま
す。帝京大学ラグビー部はとてもスタンダードが高くて、私生活でもラグビー面でも
先輩たちがしっかりとした姿を見せてくれるので、1年生の自分たちもその姿を見
て、行動していきたいと思えるようになります。この春シーズンはケガもあって試合
に出られなかったので、早く治して、夏・秋にはプレーでチームに貢献したいで
す。」
FB・No8鶴崎 新(1年)
関西創価高校出身
身長182cm/体重90kg
「足がそれほど速くない分、体を張って前に出るところが持ち味なので、その
部分でアピールできるように、しっかりゲインして突破することを意識してプレーし
ています。また、FBとしてはキックも重要なので、キックがもっとうまく蹴れるよう
にすることと、当たり負けしないようにという点を意識して、練習に取り組んでいま
す。帝京大学ラグビー部は練習でも私生活でも意識が高く、また先輩後輩がとても仲
がいいと感じます。さらに、社会に出たときに生きていくための力を養える環境があ
り、自分の力になっているという実感があります。今後は、やはりAチームで出場す
ることが目標なので、Aチームの役に立てるように、自分の持ち味を活かせるよう
に、日々、努力していきたいと思います。」
《NEXT MATCH》
練習試合
対サントリー・サンゴリアス戦
(http://www.suntory.co.jp/culture-sports/sungoliath/)
7月11日(土) サントリー府中スポーツセンター
15時半キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学52-22慶應義塾大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒浅堀(2)坂手⇒呉(味)(3)深村⇒服部(4)金(廉)⇒姫野(5)山
口⇒大西(6)飯野(7)亀井(8)吉田⇒岡本
[BK]
(9)荒井⇒吉川⇒福沢(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)園木⇒濱野
(13)石垣⇒矢澤(14)宮崎⇒鎌田(15)重
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)堀切(2)末永(3)出口(4)佐藤(5)松村(6)廣川(7)鈴木(8)岩本
[BK]
(9)中村(10)青井(11)清水(12)染原(13)田畑(14)佐野(15)金澤
【前半】【得点経過】
【3分】帝0-7慶
ペナルティからつながれて、トライを奪われる。
【7分】帝7-7慶
ラインアウトから前進。ラックからSH荒井-SO松田-WTB宮崎とつなぎ、宮崎がトラ
イ。ゴール成功。
【13分】帝12-7慶
ラインアウトからモールを押し込み、HO坂手がトライ。
【28分】帝12-12慶
ラインアウトからモールを押し込まれて、トライを奪われる。
【35分】帝12-17慶
乱れたボールをつながれ、抜け出されて、トライを奪われる。
【38分】帝19-17慶
ラインアウトからFWで連続攻撃。最後はFL飯野が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【7分】帝26-17慶
スクラムから持ち出して前進。ラックになるも、最後はFL飯野が持ち出してトライ。
ゴール成功。
【13分】帝33-17慶
ラインアウトからつないで前進。ラックからSH吉川-FL飯野と渡り、飯野が抜け出し
てトライ。ゴール成功。
【16分】帝40-17慶
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH吉川-LO姫野と渡り、姫野が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
【28分】帝45-17慶
スクラムからBKへ展開。WTB竹山まで回り、竹山が抜け出してトライ。
【34分】帝52-17慶
FW、BKで連続攻撃。最後はFL岡本がトライ。ゴール成功。
【37分】帝52-22慶
ペナルティでのクイックリスタートから走られ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
春シーズンの最後を締めくくるのは、長野県飯田市での慶應義塾大学との試合。朝か
ら激しい雨が降り続く中でのゲームとなった。前半、その雨もあり、ミスが出て、開
始3分に先制点を許してしまう。帝京もすぐに追い付き、逆転するが、ボールが手に
つかないシーンも目立ち、一時は逆転を許してしまう。最後にFL飯野のトライで再逆
転するも、19-17で前半を折り返した。ハーフタイムには岩出監督から「楽をしよう
としていないか。痛いところ、しんどいところに行っているか。ぬるいゲームをやっ
ても成長にはつながらない。きちっとしたゲームをするからこそ、いいところ、悪い
ところがわかるのだ」とアドバイスの声がかかる。その後半は、しっかりと切り替え
て激しさを出す。FW陣の頑張りから、FL飯野の連続トライ(前半から数えると3連続
トライ)で突き放すと、BK陣も奮闘。FB重、WTB宮崎、WTB竹山らが大きくゲインし、
ゴール前へと迫る。また、地元飯田市出身のCTB矢澤、SH福沢が入ると、スタンドか
ら大きな拍手が起こり、選手たちを勇気づける。最後まで激しさを出し続け、春の最
終戦を52-22で勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日は春シーズンの最後のゲームとして、これまでやってきたこと、特に基本的な
部分をしっかり出して、終わった後にきちんと総括できるゲームにしようと言って、
送り出しました。ただ、明日からオフになることもあり、ケガをしたくないという思
いもあったのか、気持ちの面でやや緩みが出てしまったように思います。春シーズ
ン全体としては、一つ一つ積み上がっていることもありますが、まだまだ甘いところ
もあり、学生たちはこれから本物になっていかなければなりません。中身の熟成につ
いては、これからに期待したいと思います。春シーズン、チームは多くの方々の応援
に支えられました。今後とも変わらぬご声援をお願いいたします。最後になりました
が、このたびご招待いただきました飯田市ラグビーフットボール協会、NPO法人南信
州クラブ、南信州新聞社ならびに大会関係者の方々に感謝申し上げます。また、キッ
ズエスコート等でお世話になったラグビースクールのお子さんたち、保護者、指導者
の方々にもお礼を申し上げたいと思います。飯田市でのラグビーの普及、発展の一助
となれたとしたら、たいへんうれしく思います。ありがとうございました。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は激しさを持って、スタートからしっかり行こうと話して臨んだのですが、前
半はその激しさの部分を出すことができませんでした。天候やレフリングなど、自分
たちでコントロールできないことについてあれこれ言っても仕方がないので、自分た
ちの気持ち、プレー、激しさといった、コントロールできる部分にフォーカスするこ
とで、このチームがぶれないことにつながると思っています。この春シーズン、ゲー
ムごとによくなった部分もありますが、気持ちのところで波があったと思うので、そ
こは僕がチームに対して修正していかなければならないところです。プレーについて
は、これからどんどん精度を上げていって、また新しいことにも取り組むかもしれな
いのでもっと伸びていくと思いますが、今日までに出た反省点を加味しながら、次へ
のステップを切っていきたいと思います。」
■安定感を見せるも、さらなる成長を誓う・FB重一生(3年)
「今日は雨の中での試合だったので、しっかりタフに、正確にやっていこうと思って
いたのですが、キック処理などで軽いプレーが出てしまい、そこは修正していきたい
です。ただ、後半はしっかりスペースを見てプレーできていたと思います。ケガから
復帰してから、自分としてはいいプレーも出ていると思うので、そこを継続して出せ
るように、そしてもっといいプレーを出せるようにしていきたいです。今後に向けて
は、もっと余裕をもったプレーをしていきたいですし、またケガをしない体を作って
いきたいです。」
■久しぶりのゲームで激しさを出した・FL服部航介(4年)
「今日は4年生としての初めての試合で、かつチームとしての春シーズン最後の試合
ということで、自分にとっては最初と最後が合わさったような試合でした。チームの
雰囲気を盛り上げるようなプレーをしたいと思って臨みましたが、ケガで休んでいた
分、試合の中でバテてしまって、あまり走れませんでした。出場時間が短かったにも
かかわらず、スタミナの部分で自分のプレーが最後までやり切れなかったという課題
が出てしまいました。スタミナは自分の持ち味のはずなのに、それが出せなかったこ
とが悔しいです。ただ、スタミナが切れるまではいいプレーもあったので、それを継
続できるようにしたいです。課題が見えたので、オフ明けからの練習でしっかりと克
服して、さらにブレイクダウンなどでの力強いプレーをもっと出していきたいです。
思っていたよりも早く復帰できたので、それをプラスに考えて、やっていきたいと思
います。」
■地元の声援を受け、好プレーを披露・CTB矢澤蒼(1年・ゲームMVP)
「今日は地元開催ということで、少しでも多くの人に自分の成長した姿を見ていただ
きたいと思って、試合に臨みました。体を張ったプレーができたと思うので、少しで
もチームに貢献できてよかったです。ただ、最後にディフェンス面でコミュニケー
ションできていないところがあり、抜かれてしまったので、そこは修正していきたい
です。春の締めくくりの試合でしたが、まだまだ課題が出ましたので、夏に向けてさ
らにレベルアップできるように頑張ります。」
《PICK UP PLAYERS》
Aチーム初出場も、地元の人たちの声援で緊張せずにプレーできた
SH福沢遼(3年)
FUKUZAWA RYO
1994年4月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
御所実業高校出身
身長167cm/体重69kg
■今日はどんな気持ちで試合に臨んだのでしょうか。
「地元での試合ということで、自分を指導してくださった方々や両親をはじめとし
て、ここに見に来てくださった方々に、帝京大学で自分が成長した姿を見せようと
思って試合に臨みました。」
■実際に出場しての感想を聞かせてください。
「初めてのAチームでの試合ということで、少し緊張もありましたが、自分が出ると
きに、地元のみなさまが大きな声援をくださり、それで気持ちが楽になりました。ま
た、一緒にプレーしている先輩や同期のみんなが積極的に声をかけてくれて、自分の
緊張を解いてくれたので、すごくやりやすかったです。」
■プレー面での手応えはどうだったでしょうか。
「もう少し、球さばきが速くできたら、Aチームで通用するんじゃないかという手応
えを得られました。これはAチームのゲームに出たからこそなので、今日、得られた
ものは自分にとってとても大きいと思います。また、自分の課題もしっかりわかりま
したので、そこを克服していきたいです。」
■積極的な仕掛けが見られました。
「ありがとうございます。強みであるランプレーにはもっと磨きをかけていきたいで
す。」
■今後への意気込みをお願いします。
「今日は地元ということでメンバーに選んでいただいたと思っていますが、これを機
に上のチームに定着して、公式戦出場を目指してやっていきたいです。」
Aチームでの試合はまったくの初めて。これまでBチームが最高で、多くはCチームで
の出場が続いていた。だが、この試合を見る限り、初出場の硬さもなく伸び伸びとプ
レーし、自ら仕掛けて前進するシーンも見られた。出場時、スタンドからの大きな拍
手と声援があり、それにも助けられたと言う。また、試合後には、ラグビースクール
の子どもたちにまじって、ダンスパフォーマンスを即興で披露し、スタジアムを和ま
せた。本人は「『無茶ぶり』されました」と笑うが、チームのムード・メイキングと
しては抜群だ。プレー面での課題に挙げた「球さばきの速さ」は、Aチームでの試合
を経験できたからこそ得られた課題。スタンダードが1段も2段も上がったはずなの
で、今後はそこへ向かって成長を加速させていくに違いない。
《COLUMN》
――「何か」につながっていく――
この日、長野県飯田市で行われた招待試合には、ラグビースクールの子どもたちが大
勢集まりました。大雨のため、午前中に予定されていた帝京の選手、コーチらによる
ラグビークリニックは残念ながら中止となりましたが、キッズエスコートに参加して
くれたり、スタンドから赤い帝京のフラッグを振ってくれたりと、試合を盛り上げて
くれました。
試合後は一緒に記念撮影をしたりといった交流があり、また、赤いTシャツ、帝京フ
ラッグ、あるいは自前のノートを持って、選手たちにサインをもらおうとやってきま
す。選手たちは、アフターマッチファンクションまでの時間が迫る中でも、サインを
したり、握手をしたり、一緒に写真に納まったりしていました。
選手たちだけではありません。岩出監督も子どもたちに追いかけられ、サインを求め
られました。アフターマッチファンクション会場へと向かうはずの岩出監督は、会場
の入口であいていた机と椅子を見つけると、「よっしゃ、サインするから、みんな並
んで」と言って座り、即席のサイン会が始まりました。
岩出監督はこうおっしゃいました。
「もちろん、多くの方々に帝京大学ラグビー部を好きになっていただけたらうれしい
ですが、何よりもまずは、出会った人たちにきちんとこちらの思いを伝えること。感
謝の気持ちとか。そういったことが、また何かにつながっていくのではないでしょう
か。」
何につながっていくのかは、今の時点ではまったくわかりません。しかし、きっと多
くの人たちに監督、選手たちの気持ちは伝わったことでしょう。
子どもの頃に憧れの選手と会ったことで憧れがさらに強くなり、そのスポーツのプロ
選手を目指す大きなモチベーションになったという話は枚挙にいとまがありません。
野球のメジャーリーグ、トロント・ブルージェイズに所属する川崎宗則選手は、中学
時代に球場でイチロー選手を見てから、「将来はイチロー選手と一緒に野球がした
い」と強く思うようになり、アメリカへと渡った彼を追いかけるようにして自らもメ
ジャーリーグに挑戦したのだそうです。サッカーのジェフユナイテッド市原・千葉に
所属する森本貴幸選手は、子どもの頃、元ブラジル代表のロナウド選手に頭を撫でて
もらったことがあり、それ以来、すっかりロナウド選手のファンになって、プレース
タイルだけでなく、風貌まで似るようになりました。
今日のスクールの子どもたちの中から、将来、帝京大学ラグビー部に進んだり、ある
いは日本代表に……というのは、この段階ではちょっと期待しすぎかもしれません。
しかし、今日のイベントがきっかけになって、これまで以上にラグビーが好きにな
り、これまで以上に一生懸命練習するようになり、そして、ラグビーの楽しさ、すば
らしさを周りの友達に話すようになれば……。
そのこと自体は、ほんの小さな何かかもしれません。しかし、それはやがて、けっし
て小さくはない何かにつながっていくに違いありません。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
HO前田 賢吾(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長176cm/体重92kg
「自分のアピールポイントはセットプレーの安定とボールキャリーの部分です。た
だ、体があまり大きくないので、今はウエイトトレーニングを頑張って、まずは体を
大きくすることに取り組んでいます。早く100kgを超えたいと思って頑張っていま
す。帝京大学ラグビー部はとてもスタンダードが高くて、私生活でもラグビー面でも
先輩たちがしっかりとした姿を見せてくれるので、1年生の自分たちもその姿を見
て、行動していきたいと思えるようになります。この春シーズンはケガもあって試合
に出られなかったので、早く治して、夏・秋にはプレーでチームに貢献したいで
す。」
FB・No8鶴崎 新(1年)
関西創価高校出身
身長182cm/体重90kg
「足がそれほど速くない分、体を張って前に出るところが持ち味なので、その
部分でアピールできるように、しっかりゲインして突破することを意識してプレーし
ています。また、FBとしてはキックも重要なので、キックがもっとうまく蹴れるよう
にすることと、当たり負けしないようにという点を意識して、練習に取り組んでいま
す。帝京大学ラグビー部は練習でも私生活でも意識が高く、また先輩後輩がとても仲
がいいと感じます。さらに、社会に出たときに生きていくための力を養える環境があ
り、自分の力になっているという実感があります。今後は、やはりAチームで出場す
ることが目標なので、Aチームの役に立てるように、自分の持ち味を活かせるよう
に、日々、努力していきたいと思います。」
《NEXT MATCH》
練習試合
対サントリー・サンゴリアス戦
(http://www.suntory.co.jp/culture-sports/sungoliath/)
7月11日(土) サントリー府中スポーツセンター
15時半キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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