REPORT
レポート
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練習試合 パナソニックワイルドナイツ戦
2015/08/16
8月16日(日)・菅平高原・サニアパークD
○帝京大学35-24パナソニックワイルドナイツ●
《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒徳永⇒浅堀(2)坂手⇒小川(一)⇒澁谷(3)深村⇒垣本(4)服部⇒山
口(5)飯野⇒金(嶺)⇒姫野(6)マクカラン⇒古田⇒岩永(7)亀井⇒上原(8)吉
田⇒小野
[BK]
(9)岩本⇒吉川⇒小畑(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)金田⇒宮崎
(13)森谷⇒金村(14)尾崎⇒矢富⇒津岡(15)重⇒園木
《パナソニックワイルドナイツ》※先発のみ
[FW]
(1)木川(2)設樂(3)川俣(4)三上(5)谷田部(6)飯島(7)ツポウ(8)ヴァ
ル
[BK]
(9)高安(10)笹倉(11)児玉(12)梶(13)百武(14)酒井(15)三輪
【前半】【得点経過】
【21分】帝7-0パ
こぼれ球をWTB尾崎が反応よく拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【34分】帝7-7パ
こぼれ球を拾われ、走られて、トライを奪われる。
【37分】帝14-7パ
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH吉川-SO松田と渡り、松田が抜け出してトライ。
ゴール成功。
【42分】帝21-7パ
スクラムからFW、BKで連続攻撃。ラックからPR深村が持ち出し、手を伸ばしてグラウ
ンディングしてトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝21-12パ
スクラムでのペナルティからクリックリスタートされ、トライを奪われる。
【24分】帝21-19パ
ラインアウトからモールで押し込まれ、トライを奪われる。
【27分】帝28-19パ
ハーフウェイ付近でWTB飯山がこぼれ球を拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴー
ル成功。
【29分】帝28-24パ
BKで展開され、トライを奪われる。
【38分】帝35-28パ
スクラムからFWで連続攻撃。最後はLO姫野が持ち出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合の第1戦は、トップリーグを2年連続で制しているパナソニック
ワイルドナイツとのゲーム。序盤は一進一退。帝京はFW、BKで連続攻撃を見せるが、
相手ディフェンスも堅く、大きなゲインまでには至らない。その後は逆にターンオー
バーからゴール前まで攻め込まれるが、今度は帝京が厳しいディフェンスを見せる。
FB重がナイスタックルを見せれば、WTB竹山、CTB森谷らがこぼれ球にすばやく反応し
てボールを奪う。スコアが動いたのは前半21分。CTB森谷が大きく前進したあと、お
互いボールが手につかない状態から、WTB尾崎がこぼれ球をうまく拾って前進。先制
トライを奪った。その後、同点とされるも、前半終了間際にSO松田、PR深村のトライ
で突き放し、21-7で折り返した。ハーフタイムには岩出監督から「練習ゲームなの
だからチャレンジすることが大事。チャレンジしての失敗ならOK。強気でチャレンジ
していこう」とアドバイスがあった。帝京はできるだけ多くの選手にトップリーグと
の戦いを経験してもらうため、後半15分すぎに大幅にメンバーを入れ替えた。後半24
分にモールでトライを奪われ、スコアを詰められるが、27分にはハーフウェイライン
付近からWTB飯山が独走してトライ。29分に再度スコアを詰められるも、38分にはFW
での連続攻撃からLO姫野がトライを奪い、試合を決めた。35-24でノーサイド。メン
バーを大幅に入れ替えた後半15分以降も、トップリーグ相手に互角以上の戦いを見
せ、夏合宿第1戦を勝利で飾った。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「この合宿では、学習・研修的な部分で考えをしっかり整理し、それを実際にできる
ようにしていこうと取り組んでいます。ミーティングや個人でまず考えて、練習で
やってみて、さらに試合でやってみて、そこでの現実的な感触を得ながら、最後には
自然に体が動くように、ポイントを理解しながら体が反応してくれるようにやってい
ますが、まだまだトライ&エラーを繰り返している段階です。いいところも出ていま
すが、甘いところも出ているので、それを学生たち自身がお互いにしっかりとわかっ
ていけるようになってほしいと思っています。「わかる」というのは知っているだけ
ではダメで、きちんと理解して、そして体で反応できるように、まずはいい形で頭の
整理をして、さらに体を使った経験をしてほしいと思います。今日のゲームでは、パ
ナソニックさんが非常に厳しいプレーをしてくださったので、とてもいい形で体感させ
ていただいたと感謝しています。この時期にパナソニックさんとゲームができたこと
で、学生たちはとても貴重な経験をさせていただきました。改めてお礼を申し上げま
す。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「A、Bチームは菅平に来て一週間が経ちましたが、昨日、C、D、Eチームも合流し、
やっとチームが一つになりました。今日のゲームをスタートに、ここからまたチーム
が上がっていければと思っています。今日のゲームの内容としては、反省するところ
もたくさんあったのですが、収穫も多く、喜べるところもたくさんありました。この
合宿では、チーム全体が上がっていけるようにしたいと思っていますし、そのために
は一人一人のしっかりとした意志が必要だと思っています。いい練習をして、いい
ゲームをして、そしていい仲間といい時間を分かち合えるような合宿にして、いい
チームを作っていきたいです。いろいろなことに対応していくために、チームとして
も、学年としても、個人としても、一つ一つ、全員が考えることで成長していけると
思いますし、そうやって全体がレベルアップしていければと思っています。」
■声でもプレーでも激しさを見せた・LO飯野晃司(3年)
「夏合宿の最初のゲームということで、自分自身、気持ちを入れて臨みました。その
気持ちの部分はしっかり入っていたと思うのですが、技術の部分でまだまだ甘いとこ
ろがあったので、そこはこの合宿の中で修正していければと思っています。チームと
しては、まずは一人一人がしっかり理解をすること、しっかりと考えた上で行動する
という部分が、この一週間でチームに浸透してきていると思います。自分としては、
3年生という立場を考えて、自分のことだけではなく、チーム全体を引っ張っ
ていくことを考えなければいけないと思っています。いつも坂手さんに『おんぶに
だっこ』ではいけないので、いつでも先頭に立って引っ張れるようにという意識で
やっています。今日はこれまでやってきたことを出せた部分も多かったので、その完
成度を高めることと、出た課題を次に活かせるようにやっていきたいです。」
■いい反応で先制トライを奪取・WTB尾崎晟也(2年)
「チームとしてこの夏合宿で取り組んできたことを社会人相手にチャレンジしよう、
そして個人的にも自分のプレーについて、しっかりチャレンジしていこうという目標
を立てて、このゲームに臨みました。成功した部分としなかった部分がはっきりと見
えたので、成功した部分はこれからもどんどん伸ばしていって、出た課題については
これからまた修正して、次に向かって行けたらと思います。春シーズンは(U20日本
代表としてチームを離れていたので)チームの試合に一試合も出場できなくて、夏か
らの合流となりましたが、去年のチームの感覚もあり、戻ってすぐにチームにフィッ
トできています。この合宿でチームが完成するわけではないですし、自分も完成する
わけではないですが、この期間にどんどんレベルの高いところまで行けたらと思って
います。」
《PICK UP PLAYERS》
頼れるバイスキャプテンが帰ってきた
CTB 金田瑛司(4年)
KANEDA EIJI
1993年5月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
伏見工業高校出身
身長174cm/体重84kg
■Aチームでの試合はかなり久しぶりだったのではないでしょうか。
「7月の東海大学さんとの練習試合ではBチームで出場しましたが、Aチームの試合は
久しぶりでした。」
■体のコンディションはかなりよくなっているようですね。
「はい。もうケガは大丈夫です。ケガをする以前の状態に順調に戻ってきているの
で、コンディションはとてもいいです。今日は大事を取って前半の終わり頃に交替し
ましたが、全然心配することはなかったです。」
■プレーをしての手応えはいかがでしたか。
「やってみてから、もう少しチャレンジできたのではという、すごくもったいなかっ
たという気持ちがあります。こんなふうに社会人の方と練習試合をさせていただける
というのはとても貴重な機会なので、もっとこの経験を大きく活かせるような、ダイ
ナミックなゲームにできればよかったと反省しています。」
■春シーズンに出られなかったという思いもぶつけるようなゲームだったのではない
でしょうか。
「外から見ていて課題も見えましたし、逆に一人一人のいいプレーもずっと見てきた
ので、自分はそれを活かせるようなプレーをしようと心掛けて臨みました。なので、
もっとチャレンジングにプレーすべきだったという思いが強いです。」
■この合宿でのチームの状況はいかがですか。
「この合宿に入って、BKで大きく勝負しようと練習に取り組んでいます。すごく手応
えを感じていて、いいものになってきています。今日はそれを出し切れなかったのが
反省点です。次の試合では、もっとチャレンジできるように頑張りたいです。」
昨年度からのケガで長期にわたり戦線を離脱していたが、7月の東海大学との練習試
合で復帰。この日は、Aチームの先発メンバーに名を連ねた。大事を取って、前半終
了直前にベンチに下がったが、本人いわく「全然、心配することはなかった」とのこ
と。治療、リハビリ中も常にチームに同行し、用具の運搬やゲームの準備、さらには
ウォーター係として走り回るなど、チームのために欠かせない仕事を引き受けてき
た。そうして、チームの良い点や課題も多く見てきたことで、復帰後、自身がやるべ
きプレーも見えてきたと言う。頼もしいバイスキャプテンが帰ってきたことで、チー
ムはよりいっそう活性化されていきそうだ。
《COLUMN》
――成長のらせん階段――
菅平での夏合宿第1戦はトップリーグ・パナソニックワイルドナイツとの戦いでし
た。結果は35-24での勝利。しかし、勝利という結果やスコア以上に、トップリー
ガーとの真剣勝負から得た体感こそが、この日の最大の収穫でした。
今年も帝京の夏合宿は、「頭を使う」日々だと言います。ただし、これまでの積み上
げもあるので、よりいっそうレベルアップした形での「頭の使い方」になっていま
す。
頭を使うのはチーム力向上(個人の力も含めて)のための一つのステップにすぎませ
ん。頭を使って考えて、考えを整理したら、次にはそれをプレーで出せるように練習
します。練習で出せないものは試合でも出せませんから、まずは練習で確実に出せる
ように、繰り返し、体に覚えさせます。
練習で出せるようになったら、次に試合で出せるようにするわけですが、試合は相手
がいるものですから、練習どおりに簡単には出させてくれません。このとき、なぜ出
させてもらえなかったのかを体は感じていますが、頭ではまだよくわかっていませ
ん。なので、試合後、なぜ試合で出せなかったのかを頭で整理し、その理由を突き止
めたら、それを克服するための練習に励みます。
そして、練習で克服できたら、試合でもできるかどうか、やってみます。できればOK
ですが、できなければもう一度その理由を考え、突き止めて、克服するための練習に
取り組み、再度、試合で試します。
以前も書きましたが、これはビジネスにおける「PDCAサイクル」とよく似ています。
「PDCAサイクル」とは「Plan(計画)」-「Do(実行)」-「Check(評価)」-
「Action(改善)」という4つのことを繰り返すことで、業務を継続的によくしてい
くシステムのことです。4つのサイクルを回しながら、業務を改善し、ビジネスを成
長させていくシステムなので、回りながら上に上っていくという意味で「らせん階
段」にたとえられます。
ラグビーの場合、ある意味でビジネスよりも複雑です。練習での「PDCAサイクル」と試合で
の「PDCAサイクル」があり、これらは互いに連動し合っています。しかも、考えてか
ら「Do」したのでは、試合ではたいてい間に合いません。自然と体が反応してくれる
ように、反復練習を重ねる必要があるのです。
夏合宿は練習も試合も多くできる分、このサイクルが普段よりも速くなります。岩出
監督は「まだまだトライ&エラーを繰り返している段階」と語りますが、チームは成
長のらせん階段を一歩ずつ、着実に上り続けています。
《NEXT MATCH》
夏期練習試合
対慶應義塾大学戦(http://www.kurfc.com/)
8月19日(水) 菅平高原・サニアパーク
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学35-24パナソニックワイルドナイツ●
《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒徳永⇒浅堀(2)坂手⇒小川(一)⇒澁谷(3)深村⇒垣本(4)服部⇒山
口(5)飯野⇒金(嶺)⇒姫野(6)マクカラン⇒古田⇒岩永(7)亀井⇒上原(8)吉
田⇒小野
[BK]
(9)岩本⇒吉川⇒小畑(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)金田⇒宮崎
(13)森谷⇒金村(14)尾崎⇒矢富⇒津岡(15)重⇒園木
《パナソニックワイルドナイツ》※先発のみ
[FW]
(1)木川(2)設樂(3)川俣(4)三上(5)谷田部(6)飯島(7)ツポウ(8)ヴァ
ル
[BK]
(9)高安(10)笹倉(11)児玉(12)梶(13)百武(14)酒井(15)三輪
【前半】【得点経過】
【21分】帝7-0パ
こぼれ球をWTB尾崎が反応よく拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【34分】帝7-7パ
こぼれ球を拾われ、走られて、トライを奪われる。
【37分】帝14-7パ
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH吉川-SO松田と渡り、松田が抜け出してトライ。
ゴール成功。
【42分】帝21-7パ
スクラムからFW、BKで連続攻撃。ラックからPR深村が持ち出し、手を伸ばしてグラウ
ンディングしてトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【2分】帝21-12パ
スクラムでのペナルティからクリックリスタートされ、トライを奪われる。
【24分】帝21-19パ
ラインアウトからモールで押し込まれ、トライを奪われる。
【27分】帝28-19パ
ハーフウェイ付近でWTB飯山がこぼれ球を拾って、そのまま走り切ってトライ。ゴー
ル成功。
【29分】帝28-24パ
BKで展開され、トライを奪われる。
【38分】帝35-28パ
スクラムからFWで連続攻撃。最後はLO姫野が持ち出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合の第1戦は、トップリーグを2年連続で制しているパナソニック
ワイルドナイツとのゲーム。序盤は一進一退。帝京はFW、BKで連続攻撃を見せるが、
相手ディフェンスも堅く、大きなゲインまでには至らない。その後は逆にターンオー
バーからゴール前まで攻め込まれるが、今度は帝京が厳しいディフェンスを見せる。
FB重がナイスタックルを見せれば、WTB竹山、CTB森谷らがこぼれ球にすばやく反応し
てボールを奪う。スコアが動いたのは前半21分。CTB森谷が大きく前進したあと、お
互いボールが手につかない状態から、WTB尾崎がこぼれ球をうまく拾って前進。先制
トライを奪った。その後、同点とされるも、前半終了間際にSO松田、PR深村のトライ
で突き放し、21-7で折り返した。ハーフタイムには岩出監督から「練習ゲームなの
だからチャレンジすることが大事。チャレンジしての失敗ならOK。強気でチャレンジ
していこう」とアドバイスがあった。帝京はできるだけ多くの選手にトップリーグと
の戦いを経験してもらうため、後半15分すぎに大幅にメンバーを入れ替えた。後半24
分にモールでトライを奪われ、スコアを詰められるが、27分にはハーフウェイライン
付近からWTB飯山が独走してトライ。29分に再度スコアを詰められるも、38分にはFW
での連続攻撃からLO姫野がトライを奪い、試合を決めた。35-24でノーサイド。メン
バーを大幅に入れ替えた後半15分以降も、トップリーグ相手に互角以上の戦いを見
せ、夏合宿第1戦を勝利で飾った。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「この合宿では、学習・研修的な部分で考えをしっかり整理し、それを実際にできる
ようにしていこうと取り組んでいます。ミーティングや個人でまず考えて、練習で
やってみて、さらに試合でやってみて、そこでの現実的な感触を得ながら、最後には
自然に体が動くように、ポイントを理解しながら体が反応してくれるようにやってい
ますが、まだまだトライ&エラーを繰り返している段階です。いいところも出ていま
すが、甘いところも出ているので、それを学生たち自身がお互いにしっかりとわかっ
ていけるようになってほしいと思っています。「わかる」というのは知っているだけ
ではダメで、きちんと理解して、そして体で反応できるように、まずはいい形で頭の
整理をして、さらに体を使った経験をしてほしいと思います。今日のゲームでは、パ
ナソニックさんが非常に厳しいプレーをしてくださったので、とてもいい形で体感させ
ていただいたと感謝しています。この時期にパナソニックさんとゲームができたこと
で、学生たちはとても貴重な経験をさせていただきました。改めてお礼を申し上げま
す。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「A、Bチームは菅平に来て一週間が経ちましたが、昨日、C、D、Eチームも合流し、
やっとチームが一つになりました。今日のゲームをスタートに、ここからまたチーム
が上がっていければと思っています。今日のゲームの内容としては、反省するところ
もたくさんあったのですが、収穫も多く、喜べるところもたくさんありました。この
合宿では、チーム全体が上がっていけるようにしたいと思っていますし、そのために
は一人一人のしっかりとした意志が必要だと思っています。いい練習をして、いい
ゲームをして、そしていい仲間といい時間を分かち合えるような合宿にして、いい
チームを作っていきたいです。いろいろなことに対応していくために、チームとして
も、学年としても、個人としても、一つ一つ、全員が考えることで成長していけると
思いますし、そうやって全体がレベルアップしていければと思っています。」
■声でもプレーでも激しさを見せた・LO飯野晃司(3年)
「夏合宿の最初のゲームということで、自分自身、気持ちを入れて臨みました。その
気持ちの部分はしっかり入っていたと思うのですが、技術の部分でまだまだ甘いとこ
ろがあったので、そこはこの合宿の中で修正していければと思っています。チームと
しては、まずは一人一人がしっかり理解をすること、しっかりと考えた上で行動する
という部分が、この一週間でチームに浸透してきていると思います。自分としては、
3年生という立場を考えて、自分のことだけではなく、チーム全体を引っ張っ
ていくことを考えなければいけないと思っています。いつも坂手さんに『おんぶに
だっこ』ではいけないので、いつでも先頭に立って引っ張れるようにという意識で
やっています。今日はこれまでやってきたことを出せた部分も多かったので、その完
成度を高めることと、出た課題を次に活かせるようにやっていきたいです。」
■いい反応で先制トライを奪取・WTB尾崎晟也(2年)
「チームとしてこの夏合宿で取り組んできたことを社会人相手にチャレンジしよう、
そして個人的にも自分のプレーについて、しっかりチャレンジしていこうという目標
を立てて、このゲームに臨みました。成功した部分としなかった部分がはっきりと見
えたので、成功した部分はこれからもどんどん伸ばしていって、出た課題については
これからまた修正して、次に向かって行けたらと思います。春シーズンは(U20日本
代表としてチームを離れていたので)チームの試合に一試合も出場できなくて、夏か
らの合流となりましたが、去年のチームの感覚もあり、戻ってすぐにチームにフィッ
トできています。この合宿でチームが完成するわけではないですし、自分も完成する
わけではないですが、この期間にどんどんレベルの高いところまで行けたらと思って
います。」
《PICK UP PLAYERS》
頼れるバイスキャプテンが帰ってきた
CTB 金田瑛司(4年)
KANEDA EIJI
1993年5月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
伏見工業高校出身
身長174cm/体重84kg
■Aチームでの試合はかなり久しぶりだったのではないでしょうか。
「7月の東海大学さんとの練習試合ではBチームで出場しましたが、Aチームの試合は
久しぶりでした。」
■体のコンディションはかなりよくなっているようですね。
「はい。もうケガは大丈夫です。ケガをする以前の状態に順調に戻ってきているの
で、コンディションはとてもいいです。今日は大事を取って前半の終わり頃に交替し
ましたが、全然心配することはなかったです。」
■プレーをしての手応えはいかがでしたか。
「やってみてから、もう少しチャレンジできたのではという、すごくもったいなかっ
たという気持ちがあります。こんなふうに社会人の方と練習試合をさせていただける
というのはとても貴重な機会なので、もっとこの経験を大きく活かせるような、ダイ
ナミックなゲームにできればよかったと反省しています。」
■春シーズンに出られなかったという思いもぶつけるようなゲームだったのではない
でしょうか。
「外から見ていて課題も見えましたし、逆に一人一人のいいプレーもずっと見てきた
ので、自分はそれを活かせるようなプレーをしようと心掛けて臨みました。なので、
もっとチャレンジングにプレーすべきだったという思いが強いです。」
■この合宿でのチームの状況はいかがですか。
「この合宿に入って、BKで大きく勝負しようと練習に取り組んでいます。すごく手応
えを感じていて、いいものになってきています。今日はそれを出し切れなかったのが
反省点です。次の試合では、もっとチャレンジできるように頑張りたいです。」
昨年度からのケガで長期にわたり戦線を離脱していたが、7月の東海大学との練習試
合で復帰。この日は、Aチームの先発メンバーに名を連ねた。大事を取って、前半終
了直前にベンチに下がったが、本人いわく「全然、心配することはなかった」とのこ
と。治療、リハビリ中も常にチームに同行し、用具の運搬やゲームの準備、さらには
ウォーター係として走り回るなど、チームのために欠かせない仕事を引き受けてき
た。そうして、チームの良い点や課題も多く見てきたことで、復帰後、自身がやるべ
きプレーも見えてきたと言う。頼もしいバイスキャプテンが帰ってきたことで、チー
ムはよりいっそう活性化されていきそうだ。
《COLUMN》
――成長のらせん階段――
菅平での夏合宿第1戦はトップリーグ・パナソニックワイルドナイツとの戦いでし
た。結果は35-24での勝利。しかし、勝利という結果やスコア以上に、トップリー
ガーとの真剣勝負から得た体感こそが、この日の最大の収穫でした。
今年も帝京の夏合宿は、「頭を使う」日々だと言います。ただし、これまでの積み上
げもあるので、よりいっそうレベルアップした形での「頭の使い方」になっていま
す。
頭を使うのはチーム力向上(個人の力も含めて)のための一つのステップにすぎませ
ん。頭を使って考えて、考えを整理したら、次にはそれをプレーで出せるように練習
します。練習で出せないものは試合でも出せませんから、まずは練習で確実に出せる
ように、繰り返し、体に覚えさせます。
練習で出せるようになったら、次に試合で出せるようにするわけですが、試合は相手
がいるものですから、練習どおりに簡単には出させてくれません。このとき、なぜ出
させてもらえなかったのかを体は感じていますが、頭ではまだよくわかっていませ
ん。なので、試合後、なぜ試合で出せなかったのかを頭で整理し、その理由を突き止
めたら、それを克服するための練習に励みます。
そして、練習で克服できたら、試合でもできるかどうか、やってみます。できればOK
ですが、できなければもう一度その理由を考え、突き止めて、克服するための練習に
取り組み、再度、試合で試します。
以前も書きましたが、これはビジネスにおける「PDCAサイクル」とよく似ています。
「PDCAサイクル」とは「Plan(計画)」-「Do(実行)」-「Check(評価)」-
「Action(改善)」という4つのことを繰り返すことで、業務を継続的によくしてい
くシステムのことです。4つのサイクルを回しながら、業務を改善し、ビジネスを成
長させていくシステムなので、回りながら上に上っていくという意味で「らせん階
段」にたとえられます。
ラグビーの場合、ある意味でビジネスよりも複雑です。練習での「PDCAサイクル」と試合で
の「PDCAサイクル」があり、これらは互いに連動し合っています。しかも、考えてか
ら「Do」したのでは、試合ではたいてい間に合いません。自然と体が反応してくれる
ように、反復練習を重ねる必要があるのです。
夏合宿は練習も試合も多くできる分、このサイクルが普段よりも速くなります。岩出
監督は「まだまだトライ&エラーを繰り返している段階」と語りますが、チームは成
長のらせん階段を一歩ずつ、着実に上り続けています。
《NEXT MATCH》
夏期練習試合
対慶應義塾大学戦(http://www.kurfc.com/)
8月19日(水) 菅平高原・サニアパーク
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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