REPORT
レポート
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練習試合 慶應義塾大学戦
2015/08/19
8月19日(水)・菅平高原・サニアパークメイン
○帝京大学87-0慶應義塾大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒浅堀(2)坂手⇒澁谷(3)垣本⇒深村(4)服部⇒金(嶺)(5)飯野⇒
姫野(6)小野⇒古田(7)亀井⇒上原⇒亀井⇒上原(8)マクカラン⇒吉田
[BK]
(9)小畑⇒吉川(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)金村⇒園木(13)
宮崎⇒重(14)尾崎⇒津岡(15)森谷⇒鎌田
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)堀切(2)佐藤(耀)(3)大塚(4)辻(5)佐藤(大)(6)高家(7)鈴木
(8)徳永
[BK]
(9)南(10)森清(11)清水(12)青井(13)田畑(14)佐野(15)澤根
【前半】【得点経過】
【6分】帝7-0慶
ターンオーバーからBKへ展開。FB森谷が前進し、CTB金村-WTB竹山とつないで、竹山
がトライ。ゴール成功。
【15分】帝14-0慶
ターンオーバーからつなぐ。FB森谷-CTB金村と渡り、金村が前進。さらにWTB竹山へ
とつなぎ、竹山がトライ。ゴール成功。
【22分】帝21-0慶
相手ボールのラインアウトを奪って、つなぐ。LO飯野の前進からNo8マクカラン-WTB
尾崎とつなぎ、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【26分】帝28-0慶
ラインアウトからモールを形成。モールを押し込み、HO坂手が持ち出してトライ。
ゴール成功。
【31分】帝35-0慶
CTB金村が前進。ラックからWTB尾崎が持ち出し、抜け出してトライ。ゴール成功。
【41分】帝40-0慶
相手ボールスクラムをターンオーバーし、SH小畑が大きく前進。つかまるも、さらに
つなぐ。再度ラックになるも、SH小畑-SO松田と渡り、松田が抜け出してトライ。
【後半】【得点経過】
【0分】帝47-0慶
相手のキックボールをCTB重が拾って前進。ラックからBK展開し、最後はFB鎌田が抜
け出してトライ。ゴール成功。
【3分】帝54-0慶
SO中村(良)が前方へゴロキック。WTB飯山が走って追い付いてトライ。ゴール成
功。
【10分】帝61-0慶
ターンオーバーからFW、BKでつなぐ。CTB重が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール
成功。
【14分】帝68-0慶
ターンオーバーからFW、BKで連続攻撃。最後はWTB飯山が抜け出してトライ。ゴール
成功。
【20分】帝75-0慶
相手のキックをキャッチしたWTB津岡がカウンターアタック。そのまま走り切ってト
ライ。ゴール成功。
【32分】帝80-0慶
スクラムからSH吉川-CTB園木と渡り、園木が前進。ラックになるも、No8吉田が持ち
出してそのままトライ。
【41分】帝87-0慶
スクラムから展開。ラックからSH吉川-CTB重-WTB津岡と渡り、津岡が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合第2戦の相手は慶應義塾大学。開始直後からブレイクダウンでの
激しい攻防が続く。試合が動いたのは6分、ラックでのターンオーバーからFB森谷が
前進し、最後はWTB竹山が抜け出して先制すると、試合はその後も帝京ペースで進
む。SH小畑も、激しいプレッシャーの中、ラックからのボールをしっかりとさばいて
いく。ブレイクダウンで激しさを見せる帝京だが、相手も常にボール奪取を狙ってく
る。それでもFB森谷、LO服部、FL小野らFW、BKともにタフな運動量を見せ、前半を40
-0で折り返した。ハーフタイムの岩出監督からのアドバイスは一言、「接点で絡ん
でくる相手をもっと激しい当たりで払いのけよう。」後半はメンバーを入れ替えて臨
んだ帝京がその激しさを見せる。開始早々、CTBに入った重のキックカウンターで
チャンスを作ると、FB鎌田が抜け出して追加点。その後もFL古田、FL上原、WTB飯
山、CTB園木らFW、BKともにしっかりと走り続け、加点する。ディフェンスでも最後
まで集中力を切らさず87-0で勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日は得点差は開きましたが、それとは関係なく、もう少し厳しさを出していきた
いゲームだったと思います。取り組んでいることができていたところもあり、できて
いなかったところもありましたが、そこは学生一人一人が皆、きちんと理解している
と思うので、私から何かを言われなくても、今日の経験をさらなる理解のために活か
して成長していってくれると思っています。慶應義塾大学さんは得点差にかかわら
ず、最後まで厳しいプレー、意図のあるきっちりとしたプレーをされるので、夏合宿
での練習試合として、我々にとってもとても有意義なゲームになりました。そうした
慶應義塾大学さんの姿勢、プレーに敬意を表します。また、シーズンでの再戦を楽し
みにしております。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日のゲームはミスの多いゲームになりましたが、自分たちが『簡単に取れるだろ
う』というプレーをしてしまったためだと思います。そこでもっと厳しいプレーをし
ていれば、違った展開になったかなと思っています。ブレイクダウンでスローダウン
させられてしまうシーンが多かったので、そこでの圧力を上げていければ、もっとい
いテンポでアタックできていたはずですが、試合中に修正できなかったところはまだ
まだ足りない部分だと感じました。スクラムは最初、合わないところがあったのです
が、途中からは修正できていいスクラムが組めたので、スクラムの修正力は発揮でき
たのかなと思います。ようやくA、B、C、D、Eと全チーム試合ができているので、み
んな気合いが入っていて、貪欲さも出てきていると思います。もっともっと全体が上
がっていけるように引っ張って行けたらと思っています。この合宿で新しいことにも
取り組んでいますが、それに加えて、今までのこともレベルアップさせて、どんどん
出して行けたらと思っています。」
■自分たちのスクラムに手応え・PR垣本竜哉(2年)
「今日はスタートからの出場でしたが、緊張せずしっかり自分のプレーをしようと
思って臨みました。セットプレーではいつも『勝つためのセットプレー』を心掛けて
いるのですが、今日はできたところと合わずに崩れてしまったところがあったので、
そこは反省です。ただ、自分たちが今までやってきたスクラムを組むというところ
は、ある程度、できたかなと思っています。今後もセットプレーを中心にチームを勝
利の方向に導けるようにしたいです。また、自分の仕事であるブレイクダウンでのプ
レーの精度をもっと上げていきたいと思います。」
■運動量とパンチ力に自信・LO服部航介(4年・ゲームMVP)
「今シーズン、自分はケガからのスタートで、復帰戦が春の慶應大学さんとの試合で
した。そのときは、自分の持ち味があまり出せなかったので、今日はそのときできな
かったことができるようにと思って臨みました。復帰戦に比べると、今日は自分の持
ち味である仕事量、運動量をだいぶ出せたと思います。今、チームが取り組んでいる
戦い方の中では、運動量というものがとても重要になってくるので、そこが出せたの
はよかったです。もともとはFLだったので、LOをやるとき、最初は戸惑いもありまし
たが、FLと同じ運動量でやれば相手よりもFLが一人多くなって有利になるという考え
方でFLと同じようにやっています。これまでは自分はよく『パンチが足りない』と言
われることが多かったのですが、この合宿で当たり負けしない力がついてきた実感が
あります。今後も自分の強みである運動量を活かして、ボールに絡み続けたり、ブレ
イクダウンにたくさん入って、相手の人数を減らす仕事をして、チームに貢献できた
らと思っています。」
■合宿での自身の成長を実感・CTB金村良祐(3年)
「今日はAチームでの先発出場ということで、試合前は少し緊張もありましたが、試
合自体には『楽しもう』という気持ちで臨めましたし、楽しむことができました。前
に出るプレーも出せてよかったのですが、オフロードパスをしてしまうなど、パスミ
スが多かったので、そこは反省点です。細かいところで精度の高いプレーができてい
たら、もっとトライが取れていたと思います。ただ、しっかり前に出ることを意識し
てやった部分については、自分のプレーに手応えを感じました。自分はまずしっかり
前を見て、スペースを見つけて、そこに思い切ってアタックすること、またディフェ
ンスでも前に出て一発で止めるということを意識してやっています。今回の合宿で、
自分でもすごく成長できていると感じていますが、まだまだ足りないので、タック
ル、ブレイクダウンでの痛いプレーをどんどん積極的にやってもっと成長できるよう
に努力したいです。」
■仕事量にフォーカスするも質の部分の精度向上を誓う・FB森谷圭介(4年)
「最近は仕事量にフォーカスしてやっているのですが、仕事の質の部分で軽いプレー
やミスが出てしまったので、そこは反省です。動きの全体的なイメージとしてはよ
かったと思うのですが、細かい部分で自分のミスでターンオーバーされたシーンが
あったので、そこは修正したいと思います。一発で取り切ろうという気持ちが強すぎ
て、フィフティ・フィフティのパスを選択してしまうなど、精度を欠く場面が多くあっ
たので、直していきたいです。この合宿では、Aチームだけではなく、チーム全体が
意思をもって成長しようという空気ができていると思います。今後も個人的にはワー
クレートの部分と細かいスキルをしっかり直し、チームとしてはやるべきことをみん
なで理解して、この合宿中に少しでも多く出していけるようにしたいです。この夏合
宿で終わりではないので、また次につなげていけるようにしっかりやっていきたいで
す。」
《PICK UP PLAYERS》
U20日本代表で学んだことをチームで活かす
PR 堀越康介(2年)
HORIKOSHI KOSUKE
1995年6月2日生まれ
教育学部教育文化学科
桐蔭学園高校出身
身長174cm/体重105kg
■今日のゲームはどんなことを意識して臨んだのでしょうか。
「今日はスクラムなどセットプレーでBKにいいボールを出すことを意識してやりまし
た。また、攻守の切り替えでしっかり前を見て、情報を伝えられるように心掛けまし
た。」
■やってみての感想は?
「スクラムは最初、ちょっと合わないところがありました。毎試合違う相手で、スク
ラムもそれぞれがいろいろな組み方をしてくるのですが、その違う組み方に対しても
しっかりと組めるように経験を積んで、粘り強くいいスクラムを組んでいきたいで
す。」
■この合宿を通じてどんなところが成長できていると感じますか?
「この合宿ではスクラムに重点を置いて取り組んでいます。以前、自分は左肩を前に
出してしまう癖があったのですが、岩出監督から『胸を下げて右肩から出していくよ
うに』とアドバイスをいただいて、それを全体練習の後の個人練習でしっかりやって
いるので、その成果が出てきている実感があります。」
■春はチームを離れてU20日本代表のキャプテンとして頑張りました。そこで得たも
のも大きかったのではないですか?
「キャプテンという役職をいただいたことで、周りに自分の考えを発信できるように
なったと思います。あとは、試合中、しっかり前を見てコミュニケーションする力を
養えたと思います。成長できるいい経験をさせていただいたと感謝しています。」
■今後への意気込みをお願いします。
「次は夏合宿の最終戦ですが、シーズンにつなげていく大切な試合になると思うの
で、今日出た課題をもう一度修正して、ステップアップできるゲームにしたいです。
普段の練習からしっかりやって、もっと成長したいと思います。」
春はU20日本代表のキャプテンとして世界と戦った。その経験が自身を大きく成長さ
せてくれたと振り返る。この日、最初のスクラムでうまく合わずに押される場面があ
り、ペナルティで相手がスクラムを選択するシーンもあったが、その後は冷静に自分
たちのスクラムを組み、ほぼ圧倒し、本人の言う「粘り強くいいスクラム」が組めて
いた。スクラムでの癖も岩出監督からのアドバイスを受け、練習に励んでいることで
克服できつつあるという。その努力はきっとシーズンでも活かされることだろう。
《COLUMN》
――徳は孤ならず 必ず隣あり――
この日は午前中にCチームの試合があり、午後からは会場を変えてA、Bチームの試合
がありました。午前の試合の片づけあり、午後の試合の準備あり、試合に出るメン
バーも大勢という、人手不足の状態でした。
試合に必要なさまざまな荷物はグラウンドの入口までは車で運べますが、そこからは
人の手で運ばなければなりません。
そんな状況の中、Aチームの試合に出場予定の選手の一人が、車とグラウンドとの間
を何度も往復しながら荷物を運んでいました。PR浅堀でした。通常、試合前の選手た
ちは試合に集中する必要があるので、(自分の荷物は別として)チームのための荷物
運びなどはやりません。しかし、浅堀は何度も往復して、チームの荷物を運んでいま
した。
それを見た福田コーチが声を掛けます。
「浅堀。ありがとう」
また、試合終了後は大急ぎでの片づけになりました。帰り際、芝生の端の方にテーピ
ングをはがしたようなゴミと飲みかけのペットボトルが落ちていたので、拾って捨て
ようとすると、その瞬間、声が掛かりました。
「あ、すみません。ゴミはこちらにください」
CTB園木でした。園木もこの日はAチームの試合に出ていた選手です。
ゴミはこちらで捨てることができますし、そのつもりだったのですが、すぐにゴミそ
のものを預かってくれました。そして、そんなやりとりを見た他の学生からは「最後
にもう一度、ゴミが落ちていないか、確認しよう」との声が出ました。
もちろん、ゴミを出さないのが一番いいのでしょうが、ちぎれたテーピングが風で飛
んでしまうことはありますし、飲みかけのペットボトルがバッグから落ちたことに気
付かずにバッグを背負ってしまうこともあるでしょう。
人手が足りないときに荷物を運ぶとか、自分たちのゴミを自分たちで捨てるなんて当
たり前のことだと思うかもしれません。ただ、その当たり前のことを当たり前にでき
るかどうかは別の話です。岩出監督はよく「(大学卒業後に最初に赴任した)公園の
管理人時代にゴミ拾いが苦にならないどころか、拾う癖がついてしまった」とおっ
しゃいますが、誰でも簡単にできることではありません。
論語の言葉に「徳は孤ならず 必ず隣あり」という言葉があります。「徳のある人
(よい行いをする人)はけっして孤立することはなく、必ず隣によき理解者や助力者
が現れる」といった意味です(ちなみに、有隣堂書店という本屋さんがありますが、
その名前はこの言葉が由来だそうです)。
よい行いをすれば、必ずよき理解者、助力者が現れる。いつも見る、帝京の魅力の一端を、
この日の菅平でも見ることができました。
《NEXT MATCH》
夏期練習試合
対早稲田大学戦(http://www.wasedarugby.com/)
8月23日(日) 菅平高原・サニアパーク
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学87-0慶應義塾大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒浅堀(2)坂手⇒澁谷(3)垣本⇒深村(4)服部⇒金(嶺)(5)飯野⇒
姫野(6)小野⇒古田(7)亀井⇒上原⇒亀井⇒上原(8)マクカラン⇒吉田
[BK]
(9)小畑⇒吉川(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)金村⇒園木(13)
宮崎⇒重(14)尾崎⇒津岡(15)森谷⇒鎌田
《慶應義塾大学》※先発のみ
[FW]
(1)堀切(2)佐藤(耀)(3)大塚(4)辻(5)佐藤(大)(6)高家(7)鈴木
(8)徳永
[BK]
(9)南(10)森清(11)清水(12)青井(13)田畑(14)佐野(15)澤根
【前半】【得点経過】
【6分】帝7-0慶
ターンオーバーからBKへ展開。FB森谷が前進し、CTB金村-WTB竹山とつないで、竹山
がトライ。ゴール成功。
【15分】帝14-0慶
ターンオーバーからつなぐ。FB森谷-CTB金村と渡り、金村が前進。さらにWTB竹山へ
とつなぎ、竹山がトライ。ゴール成功。
【22分】帝21-0慶
相手ボールのラインアウトを奪って、つなぐ。LO飯野の前進からNo8マクカラン-WTB
尾崎とつなぎ、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【26分】帝28-0慶
ラインアウトからモールを形成。モールを押し込み、HO坂手が持ち出してトライ。
ゴール成功。
【31分】帝35-0慶
CTB金村が前進。ラックからWTB尾崎が持ち出し、抜け出してトライ。ゴール成功。
【41分】帝40-0慶
相手ボールスクラムをターンオーバーし、SH小畑が大きく前進。つかまるも、さらに
つなぐ。再度ラックになるも、SH小畑-SO松田と渡り、松田が抜け出してトライ。
【後半】【得点経過】
【0分】帝47-0慶
相手のキックボールをCTB重が拾って前進。ラックからBK展開し、最後はFB鎌田が抜
け出してトライ。ゴール成功。
【3分】帝54-0慶
SO中村(良)が前方へゴロキック。WTB飯山が走って追い付いてトライ。ゴール成
功。
【10分】帝61-0慶
ターンオーバーからFW、BKでつなぐ。CTB重が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール
成功。
【14分】帝68-0慶
ターンオーバーからFW、BKで連続攻撃。最後はWTB飯山が抜け出してトライ。ゴール
成功。
【20分】帝75-0慶
相手のキックをキャッチしたWTB津岡がカウンターアタック。そのまま走り切ってト
ライ。ゴール成功。
【32分】帝80-0慶
スクラムからSH吉川-CTB園木と渡り、園木が前進。ラックになるも、No8吉田が持ち
出してそのままトライ。
【41分】帝87-0慶
スクラムから展開。ラックからSH吉川-CTB重-WTB津岡と渡り、津岡が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合第2戦の相手は慶應義塾大学。開始直後からブレイクダウンでの
激しい攻防が続く。試合が動いたのは6分、ラックでのターンオーバーからFB森谷が
前進し、最後はWTB竹山が抜け出して先制すると、試合はその後も帝京ペースで進
む。SH小畑も、激しいプレッシャーの中、ラックからのボールをしっかりとさばいて
いく。ブレイクダウンで激しさを見せる帝京だが、相手も常にボール奪取を狙ってく
る。それでもFB森谷、LO服部、FL小野らFW、BKともにタフな運動量を見せ、前半を40
-0で折り返した。ハーフタイムの岩出監督からのアドバイスは一言、「接点で絡ん
でくる相手をもっと激しい当たりで払いのけよう。」後半はメンバーを入れ替えて臨
んだ帝京がその激しさを見せる。開始早々、CTBに入った重のキックカウンターで
チャンスを作ると、FB鎌田が抜け出して追加点。その後もFL古田、FL上原、WTB飯
山、CTB園木らFW、BKともにしっかりと走り続け、加点する。ディフェンスでも最後
まで集中力を切らさず87-0で勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日は得点差は開きましたが、それとは関係なく、もう少し厳しさを出していきた
いゲームだったと思います。取り組んでいることができていたところもあり、できて
いなかったところもありましたが、そこは学生一人一人が皆、きちんと理解している
と思うので、私から何かを言われなくても、今日の経験をさらなる理解のために活か
して成長していってくれると思っています。慶應義塾大学さんは得点差にかかわら
ず、最後まで厳しいプレー、意図のあるきっちりとしたプレーをされるので、夏合宿
での練習試合として、我々にとってもとても有意義なゲームになりました。そうした
慶應義塾大学さんの姿勢、プレーに敬意を表します。また、シーズンでの再戦を楽し
みにしております。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日のゲームはミスの多いゲームになりましたが、自分たちが『簡単に取れるだろ
う』というプレーをしてしまったためだと思います。そこでもっと厳しいプレーをし
ていれば、違った展開になったかなと思っています。ブレイクダウンでスローダウン
させられてしまうシーンが多かったので、そこでの圧力を上げていければ、もっとい
いテンポでアタックできていたはずですが、試合中に修正できなかったところはまだ
まだ足りない部分だと感じました。スクラムは最初、合わないところがあったのです
が、途中からは修正できていいスクラムが組めたので、スクラムの修正力は発揮でき
たのかなと思います。ようやくA、B、C、D、Eと全チーム試合ができているので、み
んな気合いが入っていて、貪欲さも出てきていると思います。もっともっと全体が上
がっていけるように引っ張って行けたらと思っています。この合宿で新しいことにも
取り組んでいますが、それに加えて、今までのこともレベルアップさせて、どんどん
出して行けたらと思っています。」
■自分たちのスクラムに手応え・PR垣本竜哉(2年)
「今日はスタートからの出場でしたが、緊張せずしっかり自分のプレーをしようと
思って臨みました。セットプレーではいつも『勝つためのセットプレー』を心掛けて
いるのですが、今日はできたところと合わずに崩れてしまったところがあったので、
そこは反省です。ただ、自分たちが今までやってきたスクラムを組むというところ
は、ある程度、できたかなと思っています。今後もセットプレーを中心にチームを勝
利の方向に導けるようにしたいです。また、自分の仕事であるブレイクダウンでのプ
レーの精度をもっと上げていきたいと思います。」
■運動量とパンチ力に自信・LO服部航介(4年・ゲームMVP)
「今シーズン、自分はケガからのスタートで、復帰戦が春の慶應大学さんとの試合で
した。そのときは、自分の持ち味があまり出せなかったので、今日はそのときできな
かったことができるようにと思って臨みました。復帰戦に比べると、今日は自分の持
ち味である仕事量、運動量をだいぶ出せたと思います。今、チームが取り組んでいる
戦い方の中では、運動量というものがとても重要になってくるので、そこが出せたの
はよかったです。もともとはFLだったので、LOをやるとき、最初は戸惑いもありまし
たが、FLと同じ運動量でやれば相手よりもFLが一人多くなって有利になるという考え
方でFLと同じようにやっています。これまでは自分はよく『パンチが足りない』と言
われることが多かったのですが、この合宿で当たり負けしない力がついてきた実感が
あります。今後も自分の強みである運動量を活かして、ボールに絡み続けたり、ブレ
イクダウンにたくさん入って、相手の人数を減らす仕事をして、チームに貢献できた
らと思っています。」
■合宿での自身の成長を実感・CTB金村良祐(3年)
「今日はAチームでの先発出場ということで、試合前は少し緊張もありましたが、試
合自体には『楽しもう』という気持ちで臨めましたし、楽しむことができました。前
に出るプレーも出せてよかったのですが、オフロードパスをしてしまうなど、パスミ
スが多かったので、そこは反省点です。細かいところで精度の高いプレーができてい
たら、もっとトライが取れていたと思います。ただ、しっかり前に出ることを意識し
てやった部分については、自分のプレーに手応えを感じました。自分はまずしっかり
前を見て、スペースを見つけて、そこに思い切ってアタックすること、またディフェ
ンスでも前に出て一発で止めるということを意識してやっています。今回の合宿で、
自分でもすごく成長できていると感じていますが、まだまだ足りないので、タック
ル、ブレイクダウンでの痛いプレーをどんどん積極的にやってもっと成長できるよう
に努力したいです。」
■仕事量にフォーカスするも質の部分の精度向上を誓う・FB森谷圭介(4年)
「最近は仕事量にフォーカスしてやっているのですが、仕事の質の部分で軽いプレー
やミスが出てしまったので、そこは反省です。動きの全体的なイメージとしてはよ
かったと思うのですが、細かい部分で自分のミスでターンオーバーされたシーンが
あったので、そこは修正したいと思います。一発で取り切ろうという気持ちが強すぎ
て、フィフティ・フィフティのパスを選択してしまうなど、精度を欠く場面が多くあっ
たので、直していきたいです。この合宿では、Aチームだけではなく、チーム全体が
意思をもって成長しようという空気ができていると思います。今後も個人的にはワー
クレートの部分と細かいスキルをしっかり直し、チームとしてはやるべきことをみん
なで理解して、この合宿中に少しでも多く出していけるようにしたいです。この夏合
宿で終わりではないので、また次につなげていけるようにしっかりやっていきたいで
す。」
《PICK UP PLAYERS》
U20日本代表で学んだことをチームで活かす
PR 堀越康介(2年)
HORIKOSHI KOSUKE
1995年6月2日生まれ
教育学部教育文化学科
桐蔭学園高校出身
身長174cm/体重105kg
■今日のゲームはどんなことを意識して臨んだのでしょうか。
「今日はスクラムなどセットプレーでBKにいいボールを出すことを意識してやりまし
た。また、攻守の切り替えでしっかり前を見て、情報を伝えられるように心掛けまし
た。」
■やってみての感想は?
「スクラムは最初、ちょっと合わないところがありました。毎試合違う相手で、スク
ラムもそれぞれがいろいろな組み方をしてくるのですが、その違う組み方に対しても
しっかりと組めるように経験を積んで、粘り強くいいスクラムを組んでいきたいで
す。」
■この合宿を通じてどんなところが成長できていると感じますか?
「この合宿ではスクラムに重点を置いて取り組んでいます。以前、自分は左肩を前に
出してしまう癖があったのですが、岩出監督から『胸を下げて右肩から出していくよ
うに』とアドバイスをいただいて、それを全体練習の後の個人練習でしっかりやって
いるので、その成果が出てきている実感があります。」
■春はチームを離れてU20日本代表のキャプテンとして頑張りました。そこで得たも
のも大きかったのではないですか?
「キャプテンという役職をいただいたことで、周りに自分の考えを発信できるように
なったと思います。あとは、試合中、しっかり前を見てコミュニケーションする力を
養えたと思います。成長できるいい経験をさせていただいたと感謝しています。」
■今後への意気込みをお願いします。
「次は夏合宿の最終戦ですが、シーズンにつなげていく大切な試合になると思うの
で、今日出た課題をもう一度修正して、ステップアップできるゲームにしたいです。
普段の練習からしっかりやって、もっと成長したいと思います。」
春はU20日本代表のキャプテンとして世界と戦った。その経験が自身を大きく成長さ
せてくれたと振り返る。この日、最初のスクラムでうまく合わずに押される場面があ
り、ペナルティで相手がスクラムを選択するシーンもあったが、その後は冷静に自分
たちのスクラムを組み、ほぼ圧倒し、本人の言う「粘り強くいいスクラム」が組めて
いた。スクラムでの癖も岩出監督からのアドバイスを受け、練習に励んでいることで
克服できつつあるという。その努力はきっとシーズンでも活かされることだろう。
《COLUMN》
――徳は孤ならず 必ず隣あり――
この日は午前中にCチームの試合があり、午後からは会場を変えてA、Bチームの試合
がありました。午前の試合の片づけあり、午後の試合の準備あり、試合に出るメン
バーも大勢という、人手不足の状態でした。
試合に必要なさまざまな荷物はグラウンドの入口までは車で運べますが、そこからは
人の手で運ばなければなりません。
そんな状況の中、Aチームの試合に出場予定の選手の一人が、車とグラウンドとの間
を何度も往復しながら荷物を運んでいました。PR浅堀でした。通常、試合前の選手た
ちは試合に集中する必要があるので、(自分の荷物は別として)チームのための荷物
運びなどはやりません。しかし、浅堀は何度も往復して、チームの荷物を運んでいま
した。
それを見た福田コーチが声を掛けます。
「浅堀。ありがとう」
また、試合終了後は大急ぎでの片づけになりました。帰り際、芝生の端の方にテーピ
ングをはがしたようなゴミと飲みかけのペットボトルが落ちていたので、拾って捨て
ようとすると、その瞬間、声が掛かりました。
「あ、すみません。ゴミはこちらにください」
CTB園木でした。園木もこの日はAチームの試合に出ていた選手です。
ゴミはこちらで捨てることができますし、そのつもりだったのですが、すぐにゴミそ
のものを預かってくれました。そして、そんなやりとりを見た他の学生からは「最後
にもう一度、ゴミが落ちていないか、確認しよう」との声が出ました。
もちろん、ゴミを出さないのが一番いいのでしょうが、ちぎれたテーピングが風で飛
んでしまうことはありますし、飲みかけのペットボトルがバッグから落ちたことに気
付かずにバッグを背負ってしまうこともあるでしょう。
人手が足りないときに荷物を運ぶとか、自分たちのゴミを自分たちで捨てるなんて当
たり前のことだと思うかもしれません。ただ、その当たり前のことを当たり前にでき
るかどうかは別の話です。岩出監督はよく「(大学卒業後に最初に赴任した)公園の
管理人時代にゴミ拾いが苦にならないどころか、拾う癖がついてしまった」とおっ
しゃいますが、誰でも簡単にできることではありません。
論語の言葉に「徳は孤ならず 必ず隣あり」という言葉があります。「徳のある人
(よい行いをする人)はけっして孤立することはなく、必ず隣によき理解者や助力者
が現れる」といった意味です(ちなみに、有隣堂書店という本屋さんがありますが、
その名前はこの言葉が由来だそうです)。
よい行いをすれば、必ずよき理解者、助力者が現れる。いつも見る、帝京の魅力の一端を、
この日の菅平でも見ることができました。
《NEXT MATCH》
夏期練習試合
対早稲田大学戦(http://www.wasedarugby.com/)
8月23日(日) 菅平高原・サニアパーク
13時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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