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レポート
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春季オープン戦・第6戦 東海大学
2011/06/12
東海に惜敗も、経験値・収穫を得る!
6月12日(日)・ニッパツ三ツ沢球技場●帝京大学A 14ー19 東海大学A○
《帝京》
1 前田恵→猿渡、2 泉→前田恵、3 西村→出渕、4今村→小瀧、5 マニング、6 李→斉藤、7 松永浩、8 大和田、9 滑川、10 中村亮→南藤、11 伊藤拓→柳、12 南橋、⑬ 森田、14 菅谷、15 竹田→小野
《東海》※先発のみ
1 阿部、2 崩、3 内田、4 真田、5 三上、6 谷、7 石上、⑧ 安井、9 町田、10 佐藤、11 天坂、12 中島、13 百武、14 小原、15 宮田
春季オープン戦第6戦の相手は、一昨年度、昨年度大学選手権で死闘を繰り広げてきた東海大。帝京としては、春の残り3番勝負でさらなる経験値を上積みしたい。そして前節・明治戦で抽出した課題を修正し、きっちり自分たちのペースで試合を進めていきたいところだ。
キックオフ直前、東海大のアップを目にしながら、この試合のキーとなりそうなポイントは次の3点が浮かんできた。
(1)FW戦…経験値を積んでいる段階の帝京FWが、LO三上、NO8安井ら大型ランナーを揃える東海FWといかにブレイクダウンで渡り合うか。
(2)BK戦…シンプルなランを見せる相手BKに対し、DFでどこまで対応できるか。
(3)+α…U20日本代表組が戻ったことで、いかにチームに刺激を与えまたコミュニケーションを円滑にはかっていけるか。
先に試合経過を簡潔にまとめておく。
【前半戦】
アップテンポな戦いでやや帝京が優位に試合を進めるが、双方トライを取り切るに至らず、スコアレスで前半を折り返し。(帝京0-0東海)
【ハーフタイムの岩出監督からは次のような指示】
後半は攻め込んだ後のオプション選択をより的確に⇒DFをさらに固め、敵陣に入って勝負⇒「こういう厳しい試合を経験させてもらっているんだから、自分たちの潜在能力をさらに引き出すようなゲームを、していこう」。
要約すると以上のような指示の下、いよいよ勝負の後半戦へ突入。
【後半戦】
いきなり2分、帝京は攻め込んだ後のこぼれ球を拾われ先制トライを献上。4分にはカウンターから。そして、28分にはインターセプトからの計3トライを許し19失点。
一方攻めては、33分に相手ゴール前スクラムを押し込んでプッシュオーバートライ。さらに終了直前には、自陣からのBK展開で相手DFを切り裂き、最後はWTB伊藤がインゴールに飛び込んで14得点。
結局14対19でノーサイドのホイッスルを聞くこととなった。
勝負のアヤ、そして春のチームの成果を示した場面は3箇所あったような気がする。
■まず帝京にとって悔やまれるのは次の二つのシーン。
一つ目は9分。帝京はFWのエンジンも徐々にかかり始める中で、ハーフウェイ付近スクラムからBKへ展開。SO中村が絶妙な間合いからCTB森田へパスアウト。森田は一気に相手DFを置き去りにすると、ラストパスをWTB伊藤に放つも、惜しくもスコアを刻むには到らず。
二つ目は後半の15分。帝京はおよそ10分近く、東海をゴール前に釘付けにし、スクラムではプレッシャーを、またCTB南橋、森田、PR西村、LO今村らは波状攻撃で攻め込むも、トライに結びつかず攻撃の芽を摘み取られてしまった。
■残り一つはチームにとって、自信となったノーサイド間際のトライ。
帝京は後半40分、BKが自陣深くから攻め上がるときれいなストレートランから相手DFを切り、最後はWTB伊藤のトライを引き出した。この得点は、この春に取り組んできた攻撃スタイルが、一つのカタチとなったことを実証するものであった。
それでは、冒頭に掲げたキーポイントについては果たしてどうだったのか…。
(1)のブレイクダウンはほぼ互角といってよかったのではないだろうか。特に前半35分過ぎには、自陣ゴール目前に釘付けにされながらも、低く突き刺さるDFで対抗。最終的にはおよそ10分近くゴールラインを守り切った粘り強さは、必ずや今後に生きてくるに違いない。
(2)のBKのDFについては、相手BKの攻撃選択のほとんどがSOからのパントであったため判断材料に欠けたが、それでもFB竹田の冷静なキック処理や後半20分過ぎに見せた南橋のプッシュアップDFなどは見せ場を作り、形で奪われたトライはなかった。
(3)の新戦力に関しては、U20組(FL李、NO8大和田、SO中村亮)は、合宿などでチームを留守にする時間の多かった中で特に大和田などは、チームの駒として十分な働きを見せた。またこの日CTBでプレーした森田が試合後「今日のように例えばSOに中村亮が入ることで、BKの布陣も変わり攻撃に幅ができそう」と話していたように、戦術的理解度がさらに進めば、今後に向けて楽しみが一つ増えたといえよう。
いずれにしろ、チームとして春の最後のブラッシュアップの部分は、次節・サントリー戦、そして最終戦の法政戦に持ち越された形となったが、それでも個々の収穫はたくさんあった。
ここ数試合コンビを形成する今村・マニングの両LOは二人で少なくとも3回のラインアウトゲットを見せる一方で、DFに奔走する姿が目に付いた。HO泉もDFで奮闘。また後半CTBで出場した南藤は攻撃でリズムを作り、さらにはこちらも交代出場のWTB柳は、前日のBチーム戦での活躍に続き積極的なプレーを披露。
初のAマッチ出場となったFL松永は試合後、「もっと自分らしく、ひたむきにしつこくプレーをしたかった」と、あっという間の80分を回想したが、それでも端から見れば十分な働きに見て取れた。
改めていうまでもなく、今はあくまでもチームとして、個人として種を蒔いている時期である。水をやり新芽が出る夏の時期に向け、春の残りの2戦でラストスパートに突入していくこととなる。豊潤な秋冬を迎えるべく、今は地ならしを行い収穫に備える、そんな時節である。そういう意味でも、この試合から得たものは、決して少なくない。
《試合後のインタビュー》
□岩出雅之監督
「本日も遠路、たくさんの方々にご観戦いただきありがとうございました。今日のゲームは、これまでの練習ゲームと同じく、まだまだ力不足の部分や課題を明確に確認できた一方で、この時期の中ではまずまずの試合ができたのではないかと思います。
今取り組んでいるボールを動かすスタイルについては、ただ単に大きくボールを展開するだけではなく、局面によっては落ち着いて攻める部分なども織り交ぜて、うまくミックスさせながら、自分たちのものにしていく段階に入ってきています。
個々で見ると特にFWは経験を積んでいる段階でもありますので、まだまだ力強さに欠ける部分もありますが、少しずつFWが前に出て行けるようになれば、BKもグッと前に押し出していけるようになるかと思います。
いずれにしても目指すレベルは高いところに置いていますが、現在は自分たちの強みの種類を増やす時期でもあります。オプションや引き出しを増やしながら、春の残り2試合でさらにチーム力と個々の力の上積みをしていきたいと考えています。これからも応援よろしくお願いいたします」
《PICK UP PLAYERS》
NO8大和田 立(2年)OWADA TATSURU
1992年1月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
美幌高校出身
身長178cm/体重96㎏/血液型AB型
■U20世界大会から帰国してすぐのAチーム先発でしたが、今日の試合はチームとしてどんなテーマで臨んだのでしょうか。
「FWはとにかくキックオフから自分たちの強みをどんどん出していこうと、話していました」
■実際に80分を振り返っていかがでしたか。
「最初にラインアウトが取れなかったことや、強みのモールでペースを握り切れなかった部分、あと集中力がやや欠けた点などは反省です」
■チームに合流してそんなに時間も経っていませんが、戻ってきてみてFWに変化はありましたか。
「FWはみんなすごく走れるようになっていたので、そこはびっくりしました。あとはやはり先輩方は特に頼もしく感じました」
■昨シーズンは1年生ながらリザーブ入り。そして今季はFWの切り込み役としても期待されていますね。
「ゲームの中での判断力など、まだまだ課題はたくさんありますが、今は試合で使っていただいているのですごく充実しています」
■得意としているプレーはどんなプレーですか。
「もっとレベルアップしなければいけないのですが、アタックの力強さは磨いていきたいです」
■今後の練習で重点的に取り組むべきテーマはどんなことでしょうか。
「判断力や気の利いたプレー、あとはもっともっと走ってDFもしつこくいきたいです」
■最後に今後の抱負を聞かせてください。
「U20の遠征では試合が中心でしたので少し体重も落ちてしまったので(現在96kg)、もっとパワーをつけて、チームの戦力になって貢献していきたいと思います」
お芋の名産地としても知られる美幌でスクスクと育った、文字通りの天然素材・大和田。普段はとても気さくで礼儀正しい好青年といった印象だが、一たびトレードマークの白いキャップを身に着けると、縦横無尽に相手DFを切り裂く姿は圧巻だ。昨シーズン、慶應との練習試合で、腰の強いアタックから奪い取ったトライは強烈なインパクトを残した。「タックルもまずまず行けるので、あとは懐の深いプレーを身につけてほしい」。岩出監督の期待も背負った“北の天然素材”から目が離せない。
《NEXT MATCH PREVIEW》
【6月18日(土)VSサントリー・サンゴリアス サントリー府中グラウンド 12時キックオフ予定】春季オープン戦第7戦は、昨年度の日本選手権覇者・サントリーとの対戦。2010年度、国内チャンピオンチームへの挑戦となる。春のオープン戦もサントリー戦、法政戦を残すのみ。ケガ人なども出てきておりメンバー編成も苦しいが、夏に向けさらなる階段を上るためにも、大切な一戦となる。
(文/中島聖司・写真/志賀由佳)
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