REPORT
レポート
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練習試合 早稲田大学戦
2015/08/23
8月23日(日)・菅平高原・サニアパークメイン
○帝京大学52-7早稲田大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)浅堀⇒徳永⇒堀越(2)坂手⇒澁谷(3)深村⇒垣本(4)金(嶺)⇒秋山(5)
飯野⇒姫野(6)服部⇒小野(7)亀井⇒小野⇒吉田(8)マクカラン⇒申
[BK]
(9)小畑⇒吉川(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)金村⇒鎌田(13)
重⇒園木(14)尾崎⇒津岡(15)森谷⇒宮崎
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)佐田(2)貝塚(3)千葉(4)加藤(5)桑野(6)宮里(7)仲元寺(8)佐藤
[BK]
(9)吉岡(10)横山(11)桑山(12)久富(13)盛田(14)勝浦(15)門田
【前半】【得点経過】
【16分】帝7-0早
キックカウンターから前進。ラックからSH小畑-SO松田-CTB金村-WTB竹山と渡り、
竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
【23分】帝12-0早
クイックスローインからBKで前進。ラックになるもFWで前進し、最後はHO坂手が飛び
込んでトライ。
【38分】帝19-0早
相手のペナルティでWTB竹山が逆サイドに大きくキックパス。WTB尾崎がキャッチし、
そのままトライ。ゴール成功。
【41分】帝26-0早
相手のペナルティでクイックリスタート。FWで前進し、ラックからSH小畑-FB森谷-
No8マクカラン-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【8分】帝31-0早
こぼれ球をWTB竹山が前方へキック。さらにキックし、自身で追いついてトライ。
【10分】帝38-0早
ラインアウトをキャッチしたLO金(嶺)からSH小畑へと渡り、小畑が仕掛けて抜け出
し、そのままトライ。ゴール成功。
【13分】帝45-0早
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH小畑-SO松田-CTB金村-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜
け出してトライ。ゴール成功。
【18分】帝52-0早
相手のペナルティでSH小畑がクイックリスタート。CTB重にパスし、重が抜け出して
トライ。ゴール成功。
【32分】帝52-7早
スクラムからFWで攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合第3戦は早稲田大学とのゲーム。この日の菅平高原は濃霧が立ち
込め、時間帯によっては十数メートル先も見えにくいほどの悪コンディションに見舞
われた。朝、小雨が降った影響などもあり、足場も滑る。さらに、前半32分頃から約
10分間、あまりに視界が悪いために試合を中断するなど、集中力を維持するのが難し
いゲームとなった。それでも試合開始とともに、両チームとも気持ちの入った厳しい
攻防を見せる。お互いに攻め込んでは跳ね返すという展開での前半16分、帝京は相手
のキックカウンターから展開し、WTB竹山が抜け出してトライを奪い、均衡を破る。
23分にはHO坂手のトライで追加点をあげるが、その後はゴール前で耐える時間帯とな
る。32分には濃霧のために中断となるが、再開後も耐える時間帯が多くなる。それで
もしっかりとディフェンスして押し返すと、38分、ペナルティでのクイックリスター
トでWTB竹山が逆サイドのWTB尾崎へキックパスしてトライ。前半終了間際にもペナル
ティでのクイックリスタートから前進してトライを奪い、26-0で前半を折り返し
た。後半もお互いに激しさを出す。8分にはこぼれ球に素早く反応したWTB竹山が前方
へキックし、追い付いてトライ。直後、ラインアウトをきれいにキャッチしたLO金
(嶺)からパスを受けたSH小畑が、自ら仕掛けて前進してトライ。その後も足場や視
界が悪い中、FW、BKともに豊富な運動量を見せ、52-7で勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今回の合宿は、春シーズンに得たことを分析・反省して、秋に向けて必要なことを選手に提案し、
合宿にできなくてもいいので、まずは頭で理解をして、それをやってみ
て少しずつ高めていくという研修的な合宿だったと思います。すぐに答えが出るとは
期待していませんので、これからシーズンが深まっていくにつれて、実になっていっ
てくれればと思っています。コーチングスタッフからはいろいろな提案をしました
が、それらが彼らのものになるのはこれから先になるでしょう。学生の中にいい落と
し込みができたと思っていますが、これから先、彼らがいい努力をすることによって
自分たちのものにしていってくれれば、楽しみな積み上げができていくと思います。
考えることを求めた分、あれもこれもとならないように、学生のエネルギーを考える
ことに集中して使えるようなバランスを取ったつもりです。学生たちに挑戦的な姿勢
が出てきているので、これからが楽しみです。今日のゲームに関しては、双方ともに
とても気合いの入ったゲームでしたが、残念なことに濃霧という悪天候の中、視界が
ほとんど利かない時間帯も長く、またその濃霧による試合の中断などもあり、お互
い、本来の力を出し切らずに終わってしまったのではないでしょうか。早稲田大学さ
んとの良コンディションでの再戦を楽しみにしております。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は霧もあって、ゲームの中断もあった中、前半はお互いに厳しいプレーが出て
いたと思います。そこはよかったのですが、そこで自分たちの厳しさをさらにもう一
段階上に持っていかなければいけなかったです。あそこでさらに上の厳しさを出し
て、もっと圧倒できるようなチームにしていきたいです。前半、集中力が一点に偏っ
てしまったところがあり、広い視野で見られず、外側で多く抜かれてしまったところ
があったので、もっと広い視野で見るようにしなければと思います。この合宿で取り
組んだ新しいことも、少しずつですが、自分たちのものになってきて、よくなってい
るので、さらに何ができていて何ができていないかをここから見極めて、伸ばしてい
くべき大事な部分を見つけて、伸ばしていきたいと思います。」
■スクラムでの修正力強化を誓う・PR深村亮太(4年)
「今日はスクラムが自分たちの形で組めていなくて、プレッシャーをかけられなかっ
たところが課題として出てしまいました。相馬コーチからのアドバイスもあり、途中
からは修正できたのですが、もっと早く、自分たちで修正しなければいけないと思い
ます。ラインアウトは総じてよかったのですが、フィールドプレーではディフェンス
が遅かったので、もっと速くしていきたいです。この合宿は教わったことも多く、
ハードなトレーニングもありました。特にAチームは理解度も高まっていると思うの
で、その理解度をチーム全体に広げていけるようにしたいです。シーズンに向けて、
まずは自分の得意とするスクラムで押していけるように、またフィールドプレーでは
もっと速いセットアップやアタックでのゲインを意識してやっていきたいです。」
■鋭い仕掛けとパスワークでゲームをコントロール・SH小畑健太郎(1年)
「試合前は自信も余裕もなくて、気持ちの面でいっぱいいっぱいだったのですが、先
輩方が気持ちを高めてくださり、とてもやりやすかったです。そのおかげもあり、い
いプレーも出ましたが、パスの部分がまだまだだったので、そこはもっと練習して磨
いていかなければと思っています。この合宿は、自分にとってとても成長できた合宿
でした。でも、この合宿で終わるのではなく、この先、もっとチームに貢献できるよ
うに努力していきたいです。」
■予想外のプレーでトライを演出・WTB竹山晃暉(1年)
「今日は、春、そしてこの夏合宿でやってきたことを最後の試合で出そうと思って臨
んだのですが、自分としては思い切ったプレーが存分にできたと思います。この経験
をシーズンでも出せるようにやっていきたいです。キックパスのシーン(ペナルティ
キックをクイックで逆サイドに蹴り、トライを演出したシーン)は、(尾崎)晟也さ
んのポジショニングが見えたので、思い切ってキックしました。相手が『やってこな
いだろう』と思うプレーをするのも自分の持ち味の一つだと思っていますし、チーム
としての強みとかカラーにもなっていけるのではと思っていますので、これからも心
掛けたいです。ただ、うまくいかなかったところもあったので、しっかりビデオを見
直して、修正していきたいです。軽いプレーをせず、タックルを一本一本集中してで
きるようにして、そしてそれを継続していけるようにしたいと思います。この合宿で
取り組んだ走力の部分をシーズンでも活かせるように頑張ります。」
《PICK UP PLAYERS》
ゲーム理解度の面で手応えをつかむ
LO 金嶺志(3年)
KIM RYONG JI
1994年8月26日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
東京朝鮮高級学校出身
身長191cm/体重101kg
■久しぶりのゲームだったと思いますが、ゲームを振り返って感想をお願いします。
「ケガで長い間、試合に出ていなかったので、ゲームの感覚やフィジカルでのスタミナ面で
課題が残りました。次に向かってしっかり修正していきたいです。」
■ハーフタイムに岩出監督からラインアウトの修正のための練習をアドバイスされて
いたようですね。
「(ラインアウトでキャッチしたあと、SHへのパスが乱れたプレーがについて)自分
の得意なはずのプレーでミスが出てしまったので、修正するために感覚を戻す練習に
ついてアドバイスしていただきました。後半は修正できたと思います。」
■ケガの方はもう大丈夫ですか。
「腰のケガだったのですが、もうすっかり回復しています。あとは感覚を戻して、コ
ンディションを上げていくことだと思っています。」
■リハビリ中はどんなことを考えて取り組んでいたのでしょうか。
「練習ができない分、ゲームの理解度を高めたり、フィジカル面での鍛錬をするな
ど、違う面でしっかりやっていこうと意識してやりました。」
■この合宿を振り返って、どのような合宿だったでしょうか。
「いろいろ新しいことがあったのですが、ゲーム理解度を深めることを意識して取り
組みました。あとはコンディションの面で、ケガを再発させないように気をつけまし
た。成長できたいい合宿だったと思います。」
■今後へ向けての意気込みをお願いします。
「シーズンに向けてしっかりコンディションを上げていきたいです。まだ課題も多い
のですが、シーズンに入ったらしっかりとチームの核になれるように頑張ります。」
腰のケガからの復帰戦。久々ながらラインアウトキャッチの安定感は抜群だ。ブレイ
クダウンでの激しさも魅力。この試合、パスでのミスは出たが、ゲーム感覚が戻る今
後は改善されていくはずだ。リハビリ中はフィジカルトレーニングとゲーム理解度に
力を入れたと語る。ゲーム理解を実践で確認し、飛躍のシーズンにしたい。
《COLUMN》
――研修的合宿――
今年の夏合宿は昨年同様、「考える」ことが多い合宿になったようです。岩出監督は
今回の合宿を「研修的な合宿」と表現しています。
「研修」とは、例えば企業における新人研修のようなものをイメージするとわかりや
すいでしょう。それまで社会人経験のなかった学生に社会人としての基本、あるいは
会社の仕事の基本部分を短期間で教え込むのが新人研修です。たくさんのことを一気
に教わるケースが多いので、研修を受ける新人たちにとってはかなりの負担でしょう
が、そこで身に付くものは一生の財産となります。
今、「身に付く」と表現しましたが、実際にはこの研修期間にすべてが身に付くわけ
ではありません。いや、むしろほとんど身に付かないで研修を終えるはずです。例え
ば、研修で社会人としての基本を学んだからといって、いきなり先輩たちと同じよう
な振る舞いができるわけではありませんし、営業の基本を学んだからといって、いき
なりトップ営業マンと同じような営業ができるはずがありません。
これらは研修で学んだことをしっかりと頭に叩き込んだ上で、実際に会社の仕事をす
る中で経験とともに少しずつ身に付いていくものです。ただし、研修で学ばずに仕事
での経験だけから学んでしまうと基本が身に付きませんから、自己流になったり、う
わべだけになったり、迷ったときの拠り所がなくなったりしてしまいます。
まず、研修で学んで知識を身につけ、経験によって実践力に換え、やがて当たり前の
ようにごく自然にできるようになっていきます。
つまり、この合宿で学んで身につけた知識を、今後のゲームで実践力に換え、やがて
当たり前のようにごく自然にできるようにしていく、その流れの第一歩だったわけで
す。その意味で、とても充実した合宿となったようです。
岩出監督に「勉強にたとえると、授業で習っただけでは身に付かないので、
計算ドリルなどを頑張ってやって、それによって身に付いていくといったイメージで
しょうか」と尋ねてみたところ、「そうですね。ドリルの前にまず授業できちんと理
解しておかないといけないので、そこをこの合宿でしっかりやったということです」
との答えでした。
もちろん、140人を超える大所帯ですから、理解の速い部員もいればまだ理解途中の
部員もいるでしょう。PR深村は「まずはAチームの理解度が高いので、そこから全
チームに浸透していくように、教えてあげたい」と言います。部内での理解度の浸透
も今後の大きな成長要因の一つになってくるでしょう。
さらに、おそらく毎年この授業やドリルの難易度は上がっていくことでしょう。4年
生は卒業しますが、3年生以下は今年の理解の上に新たなものが積み上げられていき
ます。それを新しく入った1年生とも共有するというサイクルを繰り返すことで、研
修の内容自体も自然にレベルアップしていくことになります。
まさに、成長の好循環が回り始めたと言えそうです。
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第1戦
対青山学院大学戦(http://www.aogaku-rugby.com/)
9月22日(火・祝) 秩父宮ラグビー場
15時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦24勝8敗1分け(全国大学選手権での対戦はなし)
[青山学院大学の直近5戦]
6月7日 ●41-94山梨学院大学(関東春季大会)
6月14日 ●19-130大東文化大学(関東春季大会)
7月5日 ○59-7成蹊大学(練習試合)
8月19日 ●34-47東洋大学(夏期練習試合)
8月22日 ●26-84摂南大学(夏期練習試合)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学52-7早稲田大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)浅堀⇒徳永⇒堀越(2)坂手⇒澁谷(3)深村⇒垣本(4)金(嶺)⇒秋山(5)
飯野⇒姫野(6)服部⇒小野(7)亀井⇒小野⇒吉田(8)マクカラン⇒申
[BK]
(9)小畑⇒吉川(10)松田⇒中村(良)(11)竹山⇒飯山(12)金村⇒鎌田(13)
重⇒園木(14)尾崎⇒津岡(15)森谷⇒宮崎
《早稲田大学》※先発のみ
[FW]
(1)佐田(2)貝塚(3)千葉(4)加藤(5)桑野(6)宮里(7)仲元寺(8)佐藤
[BK]
(9)吉岡(10)横山(11)桑山(12)久富(13)盛田(14)勝浦(15)門田
【前半】【得点経過】
【16分】帝7-0早
キックカウンターから前進。ラックからSH小畑-SO松田-CTB金村-WTB竹山と渡り、
竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
【23分】帝12-0早
クイックスローインからBKで前進。ラックになるもFWで前進し、最後はHO坂手が飛び
込んでトライ。
【38分】帝19-0早
相手のペナルティでWTB竹山が逆サイドに大きくキックパス。WTB尾崎がキャッチし、
そのままトライ。ゴール成功。
【41分】帝26-0早
相手のペナルティでクイックリスタート。FWで前進し、ラックからSH小畑-FB森谷-
No8マクカラン-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【8分】帝31-0早
こぼれ球をWTB竹山が前方へキック。さらにキックし、自身で追いついてトライ。
【10分】帝38-0早
ラインアウトをキャッチしたLO金(嶺)からSH小畑へと渡り、小畑が仕掛けて抜け出
し、そのままトライ。ゴール成功。
【13分】帝45-0早
FW、BKで連続攻撃。ラックからSH小畑-SO松田-CTB金村-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜
け出してトライ。ゴール成功。
【18分】帝52-0早
相手のペナルティでSH小畑がクイックリスタート。CTB重にパスし、重が抜け出して
トライ。ゴール成功。
【32分】帝52-7早
スクラムからFWで攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合第3戦は早稲田大学とのゲーム。この日の菅平高原は濃霧が立ち
込め、時間帯によっては十数メートル先も見えにくいほどの悪コンディションに見舞
われた。朝、小雨が降った影響などもあり、足場も滑る。さらに、前半32分頃から約
10分間、あまりに視界が悪いために試合を中断するなど、集中力を維持するのが難し
いゲームとなった。それでも試合開始とともに、両チームとも気持ちの入った厳しい
攻防を見せる。お互いに攻め込んでは跳ね返すという展開での前半16分、帝京は相手
のキックカウンターから展開し、WTB竹山が抜け出してトライを奪い、均衡を破る。
23分にはHO坂手のトライで追加点をあげるが、その後はゴール前で耐える時間帯とな
る。32分には濃霧のために中断となるが、再開後も耐える時間帯が多くなる。それで
もしっかりとディフェンスして押し返すと、38分、ペナルティでのクイックリスター
トでWTB竹山が逆サイドのWTB尾崎へキックパスしてトライ。前半終了間際にもペナル
ティでのクイックリスタートから前進してトライを奪い、26-0で前半を折り返し
た。後半もお互いに激しさを出す。8分にはこぼれ球に素早く反応したWTB竹山が前方
へキックし、追い付いてトライ。直後、ラインアウトをきれいにキャッチしたLO金
(嶺)からパスを受けたSH小畑が、自ら仕掛けて前進してトライ。その後も足場や視
界が悪い中、FW、BKともに豊富な運動量を見せ、52-7で勝利した。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今回の合宿は、春シーズンに得たことを分析・反省して、秋に向けて必要なことを選手に提案し、
合宿にできなくてもいいので、まずは頭で理解をして、それをやってみ
て少しずつ高めていくという研修的な合宿だったと思います。すぐに答えが出るとは
期待していませんので、これからシーズンが深まっていくにつれて、実になっていっ
てくれればと思っています。コーチングスタッフからはいろいろな提案をしました
が、それらが彼らのものになるのはこれから先になるでしょう。学生の中にいい落と
し込みができたと思っていますが、これから先、彼らがいい努力をすることによって
自分たちのものにしていってくれれば、楽しみな積み上げができていくと思います。
考えることを求めた分、あれもこれもとならないように、学生のエネルギーを考える
ことに集中して使えるようなバランスを取ったつもりです。学生たちに挑戦的な姿勢
が出てきているので、これからが楽しみです。今日のゲームに関しては、双方ともに
とても気合いの入ったゲームでしたが、残念なことに濃霧という悪天候の中、視界が
ほとんど利かない時間帯も長く、またその濃霧による試合の中断などもあり、お互
い、本来の力を出し切らずに終わってしまったのではないでしょうか。早稲田大学さ
んとの良コンディションでの再戦を楽しみにしております。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は霧もあって、ゲームの中断もあった中、前半はお互いに厳しいプレーが出て
いたと思います。そこはよかったのですが、そこで自分たちの厳しさをさらにもう一
段階上に持っていかなければいけなかったです。あそこでさらに上の厳しさを出し
て、もっと圧倒できるようなチームにしていきたいです。前半、集中力が一点に偏っ
てしまったところがあり、広い視野で見られず、外側で多く抜かれてしまったところ
があったので、もっと広い視野で見るようにしなければと思います。この合宿で取り
組んだ新しいことも、少しずつですが、自分たちのものになってきて、よくなってい
るので、さらに何ができていて何ができていないかをここから見極めて、伸ばしてい
くべき大事な部分を見つけて、伸ばしていきたいと思います。」
■スクラムでの修正力強化を誓う・PR深村亮太(4年)
「今日はスクラムが自分たちの形で組めていなくて、プレッシャーをかけられなかっ
たところが課題として出てしまいました。相馬コーチからのアドバイスもあり、途中
からは修正できたのですが、もっと早く、自分たちで修正しなければいけないと思い
ます。ラインアウトは総じてよかったのですが、フィールドプレーではディフェンス
が遅かったので、もっと速くしていきたいです。この合宿は教わったことも多く、
ハードなトレーニングもありました。特にAチームは理解度も高まっていると思うの
で、その理解度をチーム全体に広げていけるようにしたいです。シーズンに向けて、
まずは自分の得意とするスクラムで押していけるように、またフィールドプレーでは
もっと速いセットアップやアタックでのゲインを意識してやっていきたいです。」
■鋭い仕掛けとパスワークでゲームをコントロール・SH小畑健太郎(1年)
「試合前は自信も余裕もなくて、気持ちの面でいっぱいいっぱいだったのですが、先
輩方が気持ちを高めてくださり、とてもやりやすかったです。そのおかげもあり、い
いプレーも出ましたが、パスの部分がまだまだだったので、そこはもっと練習して磨
いていかなければと思っています。この合宿は、自分にとってとても成長できた合宿
でした。でも、この合宿で終わるのではなく、この先、もっとチームに貢献できるよ
うに努力していきたいです。」
■予想外のプレーでトライを演出・WTB竹山晃暉(1年)
「今日は、春、そしてこの夏合宿でやってきたことを最後の試合で出そうと思って臨
んだのですが、自分としては思い切ったプレーが存分にできたと思います。この経験
をシーズンでも出せるようにやっていきたいです。キックパスのシーン(ペナルティ
キックをクイックで逆サイドに蹴り、トライを演出したシーン)は、(尾崎)晟也さ
んのポジショニングが見えたので、思い切ってキックしました。相手が『やってこな
いだろう』と思うプレーをするのも自分の持ち味の一つだと思っていますし、チーム
としての強みとかカラーにもなっていけるのではと思っていますので、これからも心
掛けたいです。ただ、うまくいかなかったところもあったので、しっかりビデオを見
直して、修正していきたいです。軽いプレーをせず、タックルを一本一本集中してで
きるようにして、そしてそれを継続していけるようにしたいと思います。この合宿で
取り組んだ走力の部分をシーズンでも活かせるように頑張ります。」
《PICK UP PLAYERS》
ゲーム理解度の面で手応えをつかむ
LO 金嶺志(3年)
KIM RYONG JI
1994年8月26日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
東京朝鮮高級学校出身
身長191cm/体重101kg
■久しぶりのゲームだったと思いますが、ゲームを振り返って感想をお願いします。
「ケガで長い間、試合に出ていなかったので、ゲームの感覚やフィジカルでのスタミナ面で
課題が残りました。次に向かってしっかり修正していきたいです。」
■ハーフタイムに岩出監督からラインアウトの修正のための練習をアドバイスされて
いたようですね。
「(ラインアウトでキャッチしたあと、SHへのパスが乱れたプレーがについて)自分
の得意なはずのプレーでミスが出てしまったので、修正するために感覚を戻す練習に
ついてアドバイスしていただきました。後半は修正できたと思います。」
■ケガの方はもう大丈夫ですか。
「腰のケガだったのですが、もうすっかり回復しています。あとは感覚を戻して、コ
ンディションを上げていくことだと思っています。」
■リハビリ中はどんなことを考えて取り組んでいたのでしょうか。
「練習ができない分、ゲームの理解度を高めたり、フィジカル面での鍛錬をするな
ど、違う面でしっかりやっていこうと意識してやりました。」
■この合宿を振り返って、どのような合宿だったでしょうか。
「いろいろ新しいことがあったのですが、ゲーム理解度を深めることを意識して取り
組みました。あとはコンディションの面で、ケガを再発させないように気をつけまし
た。成長できたいい合宿だったと思います。」
■今後へ向けての意気込みをお願いします。
「シーズンに向けてしっかりコンディションを上げていきたいです。まだ課題も多い
のですが、シーズンに入ったらしっかりとチームの核になれるように頑張ります。」
腰のケガからの復帰戦。久々ながらラインアウトキャッチの安定感は抜群だ。ブレイ
クダウンでの激しさも魅力。この試合、パスでのミスは出たが、ゲーム感覚が戻る今
後は改善されていくはずだ。リハビリ中はフィジカルトレーニングとゲーム理解度に
力を入れたと語る。ゲーム理解を実践で確認し、飛躍のシーズンにしたい。
《COLUMN》
――研修的合宿――
今年の夏合宿は昨年同様、「考える」ことが多い合宿になったようです。岩出監督は
今回の合宿を「研修的な合宿」と表現しています。
「研修」とは、例えば企業における新人研修のようなものをイメージするとわかりや
すいでしょう。それまで社会人経験のなかった学生に社会人としての基本、あるいは
会社の仕事の基本部分を短期間で教え込むのが新人研修です。たくさんのことを一気
に教わるケースが多いので、研修を受ける新人たちにとってはかなりの負担でしょう
が、そこで身に付くものは一生の財産となります。
今、「身に付く」と表現しましたが、実際にはこの研修期間にすべてが身に付くわけ
ではありません。いや、むしろほとんど身に付かないで研修を終えるはずです。例え
ば、研修で社会人としての基本を学んだからといって、いきなり先輩たちと同じよう
な振る舞いができるわけではありませんし、営業の基本を学んだからといって、いき
なりトップ営業マンと同じような営業ができるはずがありません。
これらは研修で学んだことをしっかりと頭に叩き込んだ上で、実際に会社の仕事をす
る中で経験とともに少しずつ身に付いていくものです。ただし、研修で学ばずに仕事
での経験だけから学んでしまうと基本が身に付きませんから、自己流になったり、う
わべだけになったり、迷ったときの拠り所がなくなったりしてしまいます。
まず、研修で学んで知識を身につけ、経験によって実践力に換え、やがて当たり前の
ようにごく自然にできるようになっていきます。
つまり、この合宿で学んで身につけた知識を、今後のゲームで実践力に換え、やがて
当たり前のようにごく自然にできるようにしていく、その流れの第一歩だったわけで
す。その意味で、とても充実した合宿となったようです。
岩出監督に「勉強にたとえると、授業で習っただけでは身に付かないので、
計算ドリルなどを頑張ってやって、それによって身に付いていくといったイメージで
しょうか」と尋ねてみたところ、「そうですね。ドリルの前にまず授業できちんと理
解しておかないといけないので、そこをこの合宿でしっかりやったということです」
との答えでした。
もちろん、140人を超える大所帯ですから、理解の速い部員もいればまだ理解途中の
部員もいるでしょう。PR深村は「まずはAチームの理解度が高いので、そこから全
チームに浸透していくように、教えてあげたい」と言います。部内での理解度の浸透
も今後の大きな成長要因の一つになってくるでしょう。
さらに、おそらく毎年この授業やドリルの難易度は上がっていくことでしょう。4年
生は卒業しますが、3年生以下は今年の理解の上に新たなものが積み上げられていき
ます。それを新しく入った1年生とも共有するというサイクルを繰り返すことで、研
修の内容自体も自然にレベルアップしていくことになります。
まさに、成長の好循環が回り始めたと言えそうです。
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第1戦
対青山学院大学戦(http://www.aogaku-rugby.com/)
9月22日(火・祝) 秩父宮ラグビー場
15時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦24勝8敗1分け(全国大学選手権での対戦はなし)
[青山学院大学の直近5戦]
6月7日 ●41-94山梨学院大学(関東春季大会)
6月14日 ●19-130大東文化大学(関東春季大会)
7月5日 ○59-7成蹊大学(練習試合)
8月19日 ●34-47東洋大学(夏期練習試合)
8月22日 ●26-84摂南大学(夏期練習試合)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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