REPORT
レポート
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関東大学対抗戦A 立教大学戦
2015/09/27
9月27日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(2勝0敗)110-7立教大学(0勝3敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒呉(味)(2)坂手⇒渋谷(3)垣本⇒浅堀(4)秋山⇒姫野(5)金
(嶺)⇒山口(6)飯野(7)マクカラン(8)吉田
[BK]
(9)田上⇒伊藤(10)松田(11)竹山⇒飯山(12)金田⇒園木(13)重(14)尾崎
(15)森谷
《立教大学》※先発のみ
[FW]
(1)玉川(2)山中(3)三木(4)佐藤(5)高橋(6)吉田(祐)(7)久保(8)増
田
[BK]
(9)濱須(10)御苑(11)青木(12)岡田(13)福澤(14)山田(15)鈴木
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0立
ラインアウトからモールを形成。横に移動し、中央付近までモールを動かす。そこか
ら押し込み、SH田上がゴールポストに巻かれたクッション部分にボールタッチし、ト
ライ。ゴール成功。
【9分】帝14-0立
相手のノックオンしたボールをターンオーバー。SH田上-CTB金田と渡り、金田が前
進。CTB重にパスし、重が抜け出してトライ。ゴール成功。
【11分】帝19-0立
LO秋山が自陣から抜け出し、大きく前進。ラックから、SH田上-SO松田-CTB重-WTB
尾崎と渡り、尾崎がトライ。
【14分】帝26-0立
相手ボールスクラムを押し込む。こぼれ球をSH田上が拾って、スクラムの後ろから逆
サイドへ走り込み、抜け出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝33-0立
FB森谷がキックカウンターで前進。さらに、PR堀越が前進し、FLマクカラン-LO秋山
-WTB尾崎と渡り、尾崎がトライ。ゴール成功。
【23分】帝40-0立
キックオフからWTB尾崎が前進。ラックから、SH田上-LO金-HO坂手と渡り、坂手が
トライ。ゴール成功。
【28分】帝47-0立
ラインアウトからモールを押し込む。ゴール前で絡まれるも、最後はPR堀越が押し込
んでトライ。ゴール成功。
【34分】帝54-0立
ラインアウトでボールがこぼれるも、CTB金田が拾って前進。ラックからPR堀越が持
ち出してトライ。ゴール成功。
【38分】帝61-0立
ターンオーバーから、WTB尾崎が前進。CTB重-WTB竹山と渡り、竹山が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【4分】帝68-0立
FB森谷が前方へゴロキック。WTB竹山が拾って、ディフェンスを掻い潜ってトライ。
ゴール成功。
【6分】帝75-0立
キックオフからの攻撃。LO姫野が自陣からそのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【10分】帝82-0立
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH田上-FB森谷と渡り、森谷が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
【19分】帝89-0立
ラックからSH田上-SO松田-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜け出し、走り切ってトライ。
ゴール成功。
【25分】帝96-0立
ターンオーバーから攻撃。SH伊藤-SO松田と渡り、松田が仕掛けて前進。そのまま走
り切ってトライ。ゴール成功。
【29分】帝96-7立
スクラムからつながれ、走られてトライを奪われる。
【37分】帝103-7立
スクラムから連続攻撃。外に展開し、FLマクカラン-WTB飯山と渡り、飯山がトラ
イ。ゴール成功。
【39分】帝110-7立
キックオフから展開。FB森谷からパスを受けたFLマクカランが抜け出してトライ。
ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第2戦の相手は立教大学。帝京は前の試合から中4日という過密スケジュールな
がら、まったく疲れなど見せない。前の試合で80分間フルに戦った選手も少なくない
が、開始直後から激しいプレーや大きく展開して走るプレーを見せる。2分にはモー
ルを押し込んで先制トライを奪うと、その後もFW、BKで攻め続ける。対抗戦初先発し
たPR堀越、SH田上がそれぞれ2トライ、WTB尾崎も2トライを決め、前半を61-0で折り
返した。後半も帝京が攻め続ける。4分にはWTB竹山が走ってトライを奪うと、直後に
途中出場のLO姫野が自陣から一気に走り切ってトライ。さらには、中4日の2試合とも
フル出場のSO松田が何度も仕掛けを見せて、長い距離を走り切る。110-7でノーサイ
ド。2試合連続100点ゲームでの発進となった。ただ、相手も最後の最後まで激しい
タックルを続け、得点差がありながらも、局面局面では非常に引き締まった内容の
ゲームとなった。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「対抗戦序盤の2試合は100点ゲームになりましたが、今日のゲームで大事にしたこと
は、一人一人のストラクチャーの確認の部分でした。そこはいいイメージを持ち合わ
せることにつながったのではないでしょうか。また、より細かなディテールの部分を
高めて、厳しく、正確な動きができるように、自分自身を、そしてチームを仕上げて
いこうという気持ちを持ってプレーしてくれることを期待しました。ここ2試合、あ
るいはその前のイギリス遠征から、いいものが積み上がってきましたが、これは大き
な目標に向かっていくいいスタートになったと思っています。ここから涼しくなって
いくにつれ、さらに引き締まった部分が出てくることを期待したいです。今日のゲー
ムでの立教大学さんは、得点差にかかわらず、80分間最後まで果敢なプレーで戦って
来られました。そうした姿勢に敬意を表したいと思いますし、また、感謝申し上げた
いと思います。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日はゲーム前から、『しっかりと前を見て判断しよう。そして、140人を超える
部員の代表としての23人が、その責任をもってゲームに臨もう』という話をしまし
た。戦う相手は立教大学さんでしたが、同時に自分たちとも戦うのだということ、そ
して目標に向かう道筋の一つとして、このゲームをしっかりと戦っていこうという意
識でゲームに臨みました。ゲームの中身としましては、いいプレーも多く出たのです
が、サポートの仕方が浅くなってしまうなど、ミスが多く出てしまったところがあり
ました。相手のディフェンスにはまってしまったのだと思います。そこはしっかりと
修正して、次のゲームに進んでいきたいと思います。立教大学さんは、点差が開いて
も気持ちが切れることなく、最後までいい粘り、いいディフェンスをされていまし
た。そこは大いにリスペクトすべき点だと思います。ただ、そういった相手に対し
て、自分たちがそこをさらに超えていけるような、相手の気持ちを切れさせるような
プレーを前半から出していけなかったのかなとも思います。後半、トライを取り急い
でしまった時間帯もあり、そこでノックオンなどのミスが多く出てしまいました。前
回課題として出たペナルティはそれほど多くなかったのですが、ハンドリングエラー
で乗り切れないところがあったので、今後、改善していきたいです。来週は土曜日に
明治大学さんとのジュニア選手権のゲームとC、Dチームの練習試合、日曜日には対抗
戦のゲームがあり、ケガ人を除く、チーム全員が試合に臨むことになります。全員で
ゲームに向かっていける一週間で、チームとしてさらに成長できるチャンスなので、
この一週間、集中して、いい練習をして、全員でゲームに臨みたいと思います。」
■好タックルを見せるも、さらなる成長を誓う・PR垣本竜哉(2年)
「対抗戦初先発でしたが、あまり意識し過ぎず、でもチャレンジはしっかりしようと
思って試合に臨みました。緊張はそれほどせず、思い切ってやろうという気持ちで臨
めました。ただ、課題が多く出てしまったと感じてします。3番としてセットプレー
を安定させたかったのですが、ラインアウトでいくつかミスがありました。また、仕
事量をもっと増やしていきたかったです。タックルももっと低く入らないといけない
ですし、そのあとの『越えるか、ボールに絡んでいくか』の判断もミスがあったの
で、これからの練習を通してレベルアップしていきたいです。自分のプレースタイル
として、スクラムから作っていくというところがあるので、スクラムでチームをいい
方向にもっていきたいというのは、常に考えています。次に向けてラインアウトな
ど、今日出たミスを修正して、仕事量の部分でもっとアグレッシブにチャレンジして
いけるように、いい準備をして臨みたいと思います。」
■初先発ながら落ち着いたプレーで持ち味を発揮・SH田上稔(1年)
「今日は初先発ということで、たくさん考えることもあったのですが、まずは自分の
特徴である、しっかり周りを活かすプレーをしていこうと思いました。監督やコーチ
の方々からも、『しっかり自分の特徴を活かすように』と言われていたので、そこを
意識して試合に臨みました。自分からの起点でFWが前に出る攻撃ができたプレーも
あったのですが、後半になって、フィットネスが落ちてきたところで、正確な
プレーができない場面があったので、きついときにもっと頭をクリアにして、周りの
コールをよく聞いて、さらに周りを活かせるように、きついときにこそリード
していけるようなプレーヤーになっていきたいと思います」
■対抗戦初出場ながら、後半、激しいプレーを見せた・HO渋谷拓希(3年)
「対抗戦は初出場でしたが、持ち味である激しいタックルと前に出るボール
キャリーを意識して臨みました。スタミナの部分で、いいプレーを持続できなかった
ので、そこが課題として出ました。もっと長い時間、厳しいタックルを続けて、もっ
と激しくボールキャリーができるようにしたいです。次に向けては、今日出た課題を
修正して、自分の持ち味であるFWに勢いをつけられる激しいボールキャリーの部分を
レベルアップさせて、次戦もメンバーに選ばれるように努力していきたいと思いま
す。」
《PICK UP PLAYERS》
いい角度でパスをもらい、ビッグゲインでトライを演出
LO 秋山 大地(1年)
AKIYAMA DAICHI
1996年11月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
つるぎ高校出身
身長191cm/体重100kg
■対抗戦初出場でしたが、どのような気持ちで試合に臨んだのでしょうか。
「最初はすごく緊張したのですが、とにかくできること、しっかり体を当て
て、チームに勢いをもたらそうと思って、臨みました。緊張もしたのですが、坂手さ
んはじめ、周りの先輩方が『思い切ってやればいい』といったアドバイスをたくさん
くださったので、そのおかげで緊張感も取れて、伸び伸びプレーできたと思いま
す。」
■実際にプレーしてみた手応えはどうでしたか。
「まだポイントからの近場のアタックなどで前進できていないので、そこで力強さを
出していかないとLOとしてもっと上のレベルには行けないと感じました。」
■前半、いいボールのもらい方をして大きくゲインするシーンがありました。
「ありがとうございます。でも、あれはたまたまです(笑)。」
■今、取り組んでいる課題はどのようなものでしょうか。
「LOとしては体が細くて、筋力がまだまだ弱いので、体作り、筋力強化に取り組んで
います。」
■ご自身の一番のアピールポイントはどこでしょうか。
「今日はあまり出せなかったのですが、タックルの部分でしっかりアピールしていき
たいと、いつも意識しています。」
■イギリス遠征で学んだこと、何かつかんだものはありましたか。
「外国人プレーヤーはスピードもあり、ステップの幅も広いのですが、そういう相手
にもしっかりタックルできるようしなければいけないことを体で学びました。」
■今後への目標を聞かせてください。
「目標としては、Aチームでレギュラー争いに食い込んで、大きな舞台で活躍して、
チームに貢献できるようにしっかり頑張っていきたいと思っています。」
大きな体ながら、常に低いタックルを意識してプレーしているという。最初は対抗戦
初出場で緊張したと語るが、すぐに伸び伸びとプレーし、前半11分、いい角度で後ろ
から走り込み、パスをもらって大きく前進するシーンが見られた。このプレーを起点
にトライに繋がっており、前半からチームを勢いづける大きなプレーとなった。本人
も語るように、まだまだ体は細いが、今後、力強さを身に付け、さらには経験値を高
めていくことで大きな戦力になることだろう。1年生ゆえ、伸びしろも十分。これか
らの成長が楽しみだ。
《COLUMN》
――心理学とラグビー――
ワールドカップ2015での日本代表の活躍で、大会前には予想もできなかったほど、日
本国内でラグビー熱が盛り上がっています。新聞やインターネットニュースだけでな
く、テレビのニュースなどでも多く取り上げられ、その注目度はますます高まってい
ます。
選手たちだけでなく、彼らを支援するスタッフも注目されているようです。南アフリ
カ戦後、女性が抱く赤ちゃんに選手たちが次々とタッチをして通り過ぎていく映像が
テレビのニュースなどでも流れ、その後、新聞などでも取り上げられました。
この女性は、日本代表の荒木香織メンタルコーチ。アメリカの大学院でスポーツ心理
学を学び、現在は兵庫県立大学の准教授を務めておられます。「日本代表躍進の陰の
立役者」とも報じられ、リーチマイケル主将も「香織先生の仕事がよく、チームのメ
ンタルが安定した」と語るように、選手たちから絶大な信頼を得ているようです。
荒木さんが注目されていることで、スポーツ、特にラグビーで「メンタル」がいかに
重要かが、改めて再認識されています。
「メンタル」「スポーツ心理学」と言えば、帝京にはその分野の権威がおられます。
もちろん、大学でも「スポーツ心理学」を教えておられる岩出雅之監督です。
学生に話を聞くと、必ずと言っていいほど「メンタル」「マインドセッティング」あ
るいは「目標設定」「ポジティブに考える」など、心理学的な考え方に基づいた発言
が出てきます。岩出監督だけでなく、一緒に指導をされているコーチ、スタッフの
方々、またすでに指導を受けている上級生たちも、こうした考えを学生たちに植えつ
ける役割を果たしているに違いありません。
入部してほんの半年ほどの1年生たちにも、こうした心理学的な考え方がかなり浸透
しているようです。
LO藤田達成は「NEW FACE」のインタビューで「上のチームに上がれるように頑張りま
す」と語ったあとに「目標には期限があった方がいいと思うけど、いつごろまでに上
のチームに上がろうか」と聞き返してみると、苦笑いを浮かべながらこう答えてくれ
ました。
「岩出監督にも、いつも同じことをアドバイスいただいているんです。『いつまでに
上がってくるんだ』と。」
SH田上稔はこんな話をしてくれました。
「自分は緊張しやすい性格で、緊張しすぎると周りが見えなくなってしまうんです。
なので、この半年間は、気持ちをしっかり作って試合に臨むことを、プレー以上に意
識してやってきました。今後も、そこをさらに成熟させていきたいです。」
LO秋山大地は、イギリス遠征についてこんな話をしてくれました。
「プレー以外の部分で、イギリスの文化にいろいろと触れることができましたが、そ
こは、自分自身の意識の持ち方、考え方次第で吸収できるかどうかが決まるので、自
分自身の意識、考え方が大事だと学びました。」
1年生にも、すでにこれほどまでに「目標設定」「気持ち」「意識」「考え方」と
いったことが浸透しています。上級生であれば、さらにその成熟度が高まっているに
違いありません。
帝京の躍進にはたくさんの要因が複雑に絡み合っていますが、その中の一端
にはこうした「心理学」が作用しているに違いありません。そして、この部分はおそ
らく、ワールドカップでの日本代表の活躍とも無縁ではありません。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR 新谷海斗(1年)
柏日体高校出身
身長177cm/体重114kg
「強みはスクラムです。上のチームでも通用するスクラムを組めるように、ま
た、フィールドプレーでも目立つプレーをしたいと思っています。そのためには、
もっと体を大きくしなければならないので、ウエイトトレーニングに力を入れて取り
組んでいます。全体練習の後の個人練習の時間をどれだけ有意義に使えるかを意識し
て今、スクラムのために多くの時間を割いています。この個人練習の時間は
とても大事だと思っています。帝京大学ラグビー部に入る前は、上下関係が厳しい部
なのかなと思っていたのですが、入ってみると、みんな仲がよく、上級生が下級生の
サポートをしてくださるので、練習に集中できる環境があると思います。自分は今、
Bチームにいるのですが、ジュニア選手権の試合に出て、勝利に貢献できるように頑
張りたいと思います。」
WTB 鬼木秀一(1年)
名古屋高校出身
身長172cm/体重78kg
「強みはボールをもらったときのボールキャリーで、ステップが得意なので、
その部分でアピールしたいと思っています。今は、まだ体が小さいのでウエイトト
レーニング励んでいるのと、スピード系のアジリティトレーニングで細かい動きの強
化に取り組んでいます。帝京大学ラグビー部は、練習の質がすばらしいです。一つ一
つの練習の意味を選手一人一人が考えて妥協せずにやるというところ、一人一人の意
識の高さが入部前に思っていた以上にすごくて、驚きました。例えば、ウエイトト
レーニングでも、みな妥協することなく、きついことを貪欲にやり続けています。今
後に向けては、まずはしっかり体を作って、ケガをせず、一つでも上のチームで活躍
できるように頑張ります。」
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第3戦
対日本体育大学戦(http://nittairfc.d2.r-cms.jp/)
10月4日(日) 百草グラウンド
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦18勝18敗(大学選手権での対戦はなし)
[日本体育大学の直近5戦]
6月5日 ●12-15クリーンファイターズ(練習試合)
6月14日 ●22-38立教大学(関東大学春季大会C)
6月19日 ●5-64関東学院大学(練習試合)
9月13日 ●10-57青山学院大学(関東大学対抗戦A)
9月27日 ●12-66慶應義塾大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太、上記写真提供/帝京スポーツ新聞部)
○帝京大学(2勝0敗)110-7立教大学(0勝3敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒呉(味)(2)坂手⇒渋谷(3)垣本⇒浅堀(4)秋山⇒姫野(5)金
(嶺)⇒山口(6)飯野(7)マクカラン(8)吉田
[BK]
(9)田上⇒伊藤(10)松田(11)竹山⇒飯山(12)金田⇒園木(13)重(14)尾崎
(15)森谷
《立教大学》※先発のみ
[FW]
(1)玉川(2)山中(3)三木(4)佐藤(5)高橋(6)吉田(祐)(7)久保(8)増
田
[BK]
(9)濱須(10)御苑(11)青木(12)岡田(13)福澤(14)山田(15)鈴木
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0立
ラインアウトからモールを形成。横に移動し、中央付近までモールを動かす。そこか
ら押し込み、SH田上がゴールポストに巻かれたクッション部分にボールタッチし、ト
ライ。ゴール成功。
【9分】帝14-0立
相手のノックオンしたボールをターンオーバー。SH田上-CTB金田と渡り、金田が前
進。CTB重にパスし、重が抜け出してトライ。ゴール成功。
【11分】帝19-0立
LO秋山が自陣から抜け出し、大きく前進。ラックから、SH田上-SO松田-CTB重-WTB
尾崎と渡り、尾崎がトライ。
【14分】帝26-0立
相手ボールスクラムを押し込む。こぼれ球をSH田上が拾って、スクラムの後ろから逆
サイドへ走り込み、抜け出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝33-0立
FB森谷がキックカウンターで前進。さらに、PR堀越が前進し、FLマクカラン-LO秋山
-WTB尾崎と渡り、尾崎がトライ。ゴール成功。
【23分】帝40-0立
キックオフからWTB尾崎が前進。ラックから、SH田上-LO金-HO坂手と渡り、坂手が
トライ。ゴール成功。
【28分】帝47-0立
ラインアウトからモールを押し込む。ゴール前で絡まれるも、最後はPR堀越が押し込
んでトライ。ゴール成功。
【34分】帝54-0立
ラインアウトでボールがこぼれるも、CTB金田が拾って前進。ラックからPR堀越が持
ち出してトライ。ゴール成功。
【38分】帝61-0立
ターンオーバーから、WTB尾崎が前進。CTB重-WTB竹山と渡り、竹山が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【4分】帝68-0立
FB森谷が前方へゴロキック。WTB竹山が拾って、ディフェンスを掻い潜ってトライ。
ゴール成功。
【6分】帝75-0立
キックオフからの攻撃。LO姫野が自陣からそのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【10分】帝82-0立
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH田上-FB森谷と渡り、森谷が抜け出してト
ライ。ゴール成功。
【19分】帝89-0立
ラックからSH田上-SO松田-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜け出し、走り切ってトライ。
ゴール成功。
【25分】帝96-0立
ターンオーバーから攻撃。SH伊藤-SO松田と渡り、松田が仕掛けて前進。そのまま走
り切ってトライ。ゴール成功。
【29分】帝96-7立
スクラムからつながれ、走られてトライを奪われる。
【37分】帝103-7立
スクラムから連続攻撃。外に展開し、FLマクカラン-WTB飯山と渡り、飯山がトラ
イ。ゴール成功。
【39分】帝110-7立
キックオフから展開。FB森谷からパスを受けたFLマクカランが抜け出してトライ。
ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第2戦の相手は立教大学。帝京は前の試合から中4日という過密スケジュールな
がら、まったく疲れなど見せない。前の試合で80分間フルに戦った選手も少なくない
が、開始直後から激しいプレーや大きく展開して走るプレーを見せる。2分にはモー
ルを押し込んで先制トライを奪うと、その後もFW、BKで攻め続ける。対抗戦初先発し
たPR堀越、SH田上がそれぞれ2トライ、WTB尾崎も2トライを決め、前半を61-0で折り
返した。後半も帝京が攻め続ける。4分にはWTB竹山が走ってトライを奪うと、直後に
途中出場のLO姫野が自陣から一気に走り切ってトライ。さらには、中4日の2試合とも
フル出場のSO松田が何度も仕掛けを見せて、長い距離を走り切る。110-7でノーサイ
ド。2試合連続100点ゲームでの発進となった。ただ、相手も最後の最後まで激しい
タックルを続け、得点差がありながらも、局面局面では非常に引き締まった内容の
ゲームとなった。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「対抗戦序盤の2試合は100点ゲームになりましたが、今日のゲームで大事にしたこと
は、一人一人のストラクチャーの確認の部分でした。そこはいいイメージを持ち合わ
せることにつながったのではないでしょうか。また、より細かなディテールの部分を
高めて、厳しく、正確な動きができるように、自分自身を、そしてチームを仕上げて
いこうという気持ちを持ってプレーしてくれることを期待しました。ここ2試合、あ
るいはその前のイギリス遠征から、いいものが積み上がってきましたが、これは大き
な目標に向かっていくいいスタートになったと思っています。ここから涼しくなって
いくにつれ、さらに引き締まった部分が出てくることを期待したいです。今日のゲー
ムでの立教大学さんは、得点差にかかわらず、80分間最後まで果敢なプレーで戦って
来られました。そうした姿勢に敬意を表したいと思いますし、また、感謝申し上げた
いと思います。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日はゲーム前から、『しっかりと前を見て判断しよう。そして、140人を超える
部員の代表としての23人が、その責任をもってゲームに臨もう』という話をしまし
た。戦う相手は立教大学さんでしたが、同時に自分たちとも戦うのだということ、そ
して目標に向かう道筋の一つとして、このゲームをしっかりと戦っていこうという意
識でゲームに臨みました。ゲームの中身としましては、いいプレーも多く出たのです
が、サポートの仕方が浅くなってしまうなど、ミスが多く出てしまったところがあり
ました。相手のディフェンスにはまってしまったのだと思います。そこはしっかりと
修正して、次のゲームに進んでいきたいと思います。立教大学さんは、点差が開いて
も気持ちが切れることなく、最後までいい粘り、いいディフェンスをされていまし
た。そこは大いにリスペクトすべき点だと思います。ただ、そういった相手に対し
て、自分たちがそこをさらに超えていけるような、相手の気持ちを切れさせるような
プレーを前半から出していけなかったのかなとも思います。後半、トライを取り急い
でしまった時間帯もあり、そこでノックオンなどのミスが多く出てしまいました。前
回課題として出たペナルティはそれほど多くなかったのですが、ハンドリングエラー
で乗り切れないところがあったので、今後、改善していきたいです。来週は土曜日に
明治大学さんとのジュニア選手権のゲームとC、Dチームの練習試合、日曜日には対抗
戦のゲームがあり、ケガ人を除く、チーム全員が試合に臨むことになります。全員で
ゲームに向かっていける一週間で、チームとしてさらに成長できるチャンスなので、
この一週間、集中して、いい練習をして、全員でゲームに臨みたいと思います。」
■好タックルを見せるも、さらなる成長を誓う・PR垣本竜哉(2年)
「対抗戦初先発でしたが、あまり意識し過ぎず、でもチャレンジはしっかりしようと
思って試合に臨みました。緊張はそれほどせず、思い切ってやろうという気持ちで臨
めました。ただ、課題が多く出てしまったと感じてします。3番としてセットプレー
を安定させたかったのですが、ラインアウトでいくつかミスがありました。また、仕
事量をもっと増やしていきたかったです。タックルももっと低く入らないといけない
ですし、そのあとの『越えるか、ボールに絡んでいくか』の判断もミスがあったの
で、これからの練習を通してレベルアップしていきたいです。自分のプレースタイル
として、スクラムから作っていくというところがあるので、スクラムでチームをいい
方向にもっていきたいというのは、常に考えています。次に向けてラインアウトな
ど、今日出たミスを修正して、仕事量の部分でもっとアグレッシブにチャレンジして
いけるように、いい準備をして臨みたいと思います。」
■初先発ながら落ち着いたプレーで持ち味を発揮・SH田上稔(1年)
「今日は初先発ということで、たくさん考えることもあったのですが、まずは自分の
特徴である、しっかり周りを活かすプレーをしていこうと思いました。監督やコーチ
の方々からも、『しっかり自分の特徴を活かすように』と言われていたので、そこを
意識して試合に臨みました。自分からの起点でFWが前に出る攻撃ができたプレーも
あったのですが、後半になって、フィットネスが落ちてきたところで、正確な
プレーができない場面があったので、きついときにもっと頭をクリアにして、周りの
コールをよく聞いて、さらに周りを活かせるように、きついときにこそリード
していけるようなプレーヤーになっていきたいと思います」
■対抗戦初出場ながら、後半、激しいプレーを見せた・HO渋谷拓希(3年)
「対抗戦は初出場でしたが、持ち味である激しいタックルと前に出るボール
キャリーを意識して臨みました。スタミナの部分で、いいプレーを持続できなかった
ので、そこが課題として出ました。もっと長い時間、厳しいタックルを続けて、もっ
と激しくボールキャリーができるようにしたいです。次に向けては、今日出た課題を
修正して、自分の持ち味であるFWに勢いをつけられる激しいボールキャリーの部分を
レベルアップさせて、次戦もメンバーに選ばれるように努力していきたいと思いま
す。」
《PICK UP PLAYERS》
いい角度でパスをもらい、ビッグゲインでトライを演出
LO 秋山 大地(1年)
AKIYAMA DAICHI
1996年11月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
つるぎ高校出身
身長191cm/体重100kg
■対抗戦初出場でしたが、どのような気持ちで試合に臨んだのでしょうか。
「最初はすごく緊張したのですが、とにかくできること、しっかり体を当て
て、チームに勢いをもたらそうと思って、臨みました。緊張もしたのですが、坂手さ
んはじめ、周りの先輩方が『思い切ってやればいい』といったアドバイスをたくさん
くださったので、そのおかげで緊張感も取れて、伸び伸びプレーできたと思いま
す。」
■実際にプレーしてみた手応えはどうでしたか。
「まだポイントからの近場のアタックなどで前進できていないので、そこで力強さを
出していかないとLOとしてもっと上のレベルには行けないと感じました。」
■前半、いいボールのもらい方をして大きくゲインするシーンがありました。
「ありがとうございます。でも、あれはたまたまです(笑)。」
■今、取り組んでいる課題はどのようなものでしょうか。
「LOとしては体が細くて、筋力がまだまだ弱いので、体作り、筋力強化に取り組んで
います。」
■ご自身の一番のアピールポイントはどこでしょうか。
「今日はあまり出せなかったのですが、タックルの部分でしっかりアピールしていき
たいと、いつも意識しています。」
■イギリス遠征で学んだこと、何かつかんだものはありましたか。
「外国人プレーヤーはスピードもあり、ステップの幅も広いのですが、そういう相手
にもしっかりタックルできるようしなければいけないことを体で学びました。」
■今後への目標を聞かせてください。
「目標としては、Aチームでレギュラー争いに食い込んで、大きな舞台で活躍して、
チームに貢献できるようにしっかり頑張っていきたいと思っています。」
大きな体ながら、常に低いタックルを意識してプレーしているという。最初は対抗戦
初出場で緊張したと語るが、すぐに伸び伸びとプレーし、前半11分、いい角度で後ろ
から走り込み、パスをもらって大きく前進するシーンが見られた。このプレーを起点
にトライに繋がっており、前半からチームを勢いづける大きなプレーとなった。本人
も語るように、まだまだ体は細いが、今後、力強さを身に付け、さらには経験値を高
めていくことで大きな戦力になることだろう。1年生ゆえ、伸びしろも十分。これか
らの成長が楽しみだ。
《COLUMN》
――心理学とラグビー――
ワールドカップ2015での日本代表の活躍で、大会前には予想もできなかったほど、日
本国内でラグビー熱が盛り上がっています。新聞やインターネットニュースだけでな
く、テレビのニュースなどでも多く取り上げられ、その注目度はますます高まってい
ます。
選手たちだけでなく、彼らを支援するスタッフも注目されているようです。南アフリ
カ戦後、女性が抱く赤ちゃんに選手たちが次々とタッチをして通り過ぎていく映像が
テレビのニュースなどでも流れ、その後、新聞などでも取り上げられました。
この女性は、日本代表の荒木香織メンタルコーチ。アメリカの大学院でスポーツ心理
学を学び、現在は兵庫県立大学の准教授を務めておられます。「日本代表躍進の陰の
立役者」とも報じられ、リーチマイケル主将も「香織先生の仕事がよく、チームのメ
ンタルが安定した」と語るように、選手たちから絶大な信頼を得ているようです。
荒木さんが注目されていることで、スポーツ、特にラグビーで「メンタル」がいかに
重要かが、改めて再認識されています。
「メンタル」「スポーツ心理学」と言えば、帝京にはその分野の権威がおられます。
もちろん、大学でも「スポーツ心理学」を教えておられる岩出雅之監督です。
学生に話を聞くと、必ずと言っていいほど「メンタル」「マインドセッティング」あ
るいは「目標設定」「ポジティブに考える」など、心理学的な考え方に基づいた発言
が出てきます。岩出監督だけでなく、一緒に指導をされているコーチ、スタッフの
方々、またすでに指導を受けている上級生たちも、こうした考えを学生たちに植えつ
ける役割を果たしているに違いありません。
入部してほんの半年ほどの1年生たちにも、こうした心理学的な考え方がかなり浸透
しているようです。
LO藤田達成は「NEW FACE」のインタビューで「上のチームに上がれるように頑張りま
す」と語ったあとに「目標には期限があった方がいいと思うけど、いつごろまでに上
のチームに上がろうか」と聞き返してみると、苦笑いを浮かべながらこう答えてくれ
ました。
「岩出監督にも、いつも同じことをアドバイスいただいているんです。『いつまでに
上がってくるんだ』と。」
SH田上稔はこんな話をしてくれました。
「自分は緊張しやすい性格で、緊張しすぎると周りが見えなくなってしまうんです。
なので、この半年間は、気持ちをしっかり作って試合に臨むことを、プレー以上に意
識してやってきました。今後も、そこをさらに成熟させていきたいです。」
LO秋山大地は、イギリス遠征についてこんな話をしてくれました。
「プレー以外の部分で、イギリスの文化にいろいろと触れることができましたが、そ
こは、自分自身の意識の持ち方、考え方次第で吸収できるかどうかが決まるので、自
分自身の意識、考え方が大事だと学びました。」
1年生にも、すでにこれほどまでに「目標設定」「気持ち」「意識」「考え方」と
いったことが浸透しています。上級生であれば、さらにその成熟度が高まっているに
違いありません。
帝京の躍進にはたくさんの要因が複雑に絡み合っていますが、その中の一端
にはこうした「心理学」が作用しているに違いありません。そして、この部分はおそ
らく、ワールドカップでの日本代表の活躍とも無縁ではありません。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR 新谷海斗(1年)
柏日体高校出身
身長177cm/体重114kg
「強みはスクラムです。上のチームでも通用するスクラムを組めるように、ま
た、フィールドプレーでも目立つプレーをしたいと思っています。そのためには、
もっと体を大きくしなければならないので、ウエイトトレーニングに力を入れて取り
組んでいます。全体練習の後の個人練習の時間をどれだけ有意義に使えるかを意識し
て今、スクラムのために多くの時間を割いています。この個人練習の時間は
とても大事だと思っています。帝京大学ラグビー部に入る前は、上下関係が厳しい部
なのかなと思っていたのですが、入ってみると、みんな仲がよく、上級生が下級生の
サポートをしてくださるので、練習に集中できる環境があると思います。自分は今、
Bチームにいるのですが、ジュニア選手権の試合に出て、勝利に貢献できるように頑
張りたいと思います。」
WTB 鬼木秀一(1年)
名古屋高校出身
身長172cm/体重78kg
「強みはボールをもらったときのボールキャリーで、ステップが得意なので、
その部分でアピールしたいと思っています。今は、まだ体が小さいのでウエイトト
レーニング励んでいるのと、スピード系のアジリティトレーニングで細かい動きの強
化に取り組んでいます。帝京大学ラグビー部は、練習の質がすばらしいです。一つ一
つの練習の意味を選手一人一人が考えて妥協せずにやるというところ、一人一人の意
識の高さが入部前に思っていた以上にすごくて、驚きました。例えば、ウエイトト
レーニングでも、みな妥協することなく、きついことを貪欲にやり続けています。今
後に向けては、まずはしっかり体を作って、ケガをせず、一つでも上のチームで活躍
できるように頑張ります。」
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第3戦
対日本体育大学戦(http://nittairfc.d2.r-cms.jp/)
10月4日(日) 百草グラウンド
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦18勝18敗(大学選手権での対戦はなし)
[日本体育大学の直近5戦]
6月5日 ●12-15クリーンファイターズ(練習試合)
6月14日 ●22-38立教大学(関東大学春季大会C)
6月19日 ●5-64関東学院大学(練習試合)
9月13日 ●10-57青山学院大学(関東大学対抗戦A)
9月27日 ●12-66慶應義塾大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太、上記写真提供/帝京スポーツ新聞部)
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