REPORT
レポート
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レポート
関東大学対抗戦A 日本体育大学戦
2015/10/05
10月4日(日)・百草グラウンド
○帝京大学(3勝0敗)92-10日本体育大学(0勝3敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒大木(2)坂手⇒小川(一)(3)深村⇒呉(味)(4)金(廉)⇒藤田
(5)金(嶺)(6)飯野(7)イラウア⇒上原(8)マクカラン
[BK]
(9)田上⇒伊藤(10)松田⇒濱野(11)竹山(12)金田(13)重(14)尾崎(15)
森谷⇒園木
《日本体育大学》※先発のみ
[FW]
(1)上野(2)橋本(3)踊場(4)小笠原(5)伊藤(6)近藤(7)荒川(8)舛添
[BK]
(9)高嶋(10)石澤(11)肥田木(12)石田(13)秋田(14)深見(15)中野
【前半】【得点経過】
【3分】帝7-0日
ラインアウトからモールを押し込み、HO坂手が持ち出してトライ。ゴール成功。
【5分】帝14-0日
FB森谷が前方へキック。FL飯野が拾って前進。LO金(嶺)-WTB尾崎と渡って、トラ
イ。ゴール成功。
【9分】帝21-0日
相手ボールのラインアウトをターンオーバーして連続攻撃。FB森谷が抜け出し、WTB
尾崎にパス。尾崎が走り切ってトライ。ゴール成功。
【15分】帝28-0日
キックカウンターでNo8マクカランが前進。さらにFB森谷が前進し、WTB竹山へパス。
竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
【18分】帝35-0日
ペナルティのクイックリスタートから連続攻撃。最後はNo8マクカランが抜け出して
トライ。ゴール成功。
【25分】帝40-0日
キックカウンターからWTB尾崎が前進し、さらに展開。WTB竹山に渡り、竹山がトラ
イ。
【28分】帝40-3日
PGを決められる。
【32分】帝45-3日
FL飯野が前進。ラックからSH田上-SO松田-CTB金田-WTB尾崎と渡り、尾崎がトラ
イ。
【後半】【得点経過】
【4分】帝52-3日
ラックからのこぼれ球をSO松田が拾って前進。そのまま走り切ってトライ。ゴール成
功。
【6分】帝59-3日
ラックからBKに展開。WTB竹山に渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
【11分】帝66-3日
スクラムからFWで連続攻撃。ラックからPR深村が持ち出してトライ。ゴール成功。
【16分】帝71-3日
フェアキャッチから連続攻撃。WTB竹山が抜け出し、走り切ってトライ。
【23分】帝78-3日
ラインアウトからモールを押し込む。そのまま押し切り、HO小川が押さえてトライ。
ゴール成功。
【33分】帝85-3日
ラインアウトからBKへ展開。FB重が前進し、CTB園木にパス。園木がトライ。ゴール
成功。
【38分】帝85-10日
キックされたボールをインゴールで押さえられ、トライを奪われる。
【46分】帝92-10日
ペナルティのクイックリスタートから連続攻撃。CTB濱野からFB重へとパスが渡り、
重が抜け出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第3戦の相手は日本体育大学。開始直後から帝京が攻め込む。3分にモールから
HO坂手がトライを奪うと、5分にはFW、BK一体となった攻撃でWTB尾崎がトライ。相手
がキックを多用するため、自然とキックカウンターからの攻撃が増えるが、帝京は落
ち着いて対応し、前半を45-3で折り返す。後半も攻め続ける帝京。ミスが出るなど
して押し戻される時間帯もあるが、冷静に対応する。後半20分、PR大木、FL上原、LO
藤田ら対抗戦初出場の選手が入替で入るが、その時間帯にも3トライを奪い、92-10
でノーサイド。帝京が対抗戦3連勝を飾った。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「「今日は、学生たちがどれだけ高い目標を持ち、自分たちに意図的にストレスをかけ、
それを乗り越えていけるかというところに注目していました。
点差は開きましたが、課題がたくさん見つかったという意味でとても意味のあるゲームになったと思います。
こうした点差でも大味なゲームにしないためには、自分の気持ちと戦うことが求められます。
自分と戦うこと、自分たちが設定した目標と戦うことがどこまでできるかという部分、
また普段はAチームとしてはほとんど出場していないメンバーとも、
どのようにコミュニケーションして、ゲームの中で一つになっていけるかという部分について、
われわれ指導者も意識して、今後のトレーニングに活かしていきたいと思っています。
頼りになる人がいなくなったときに、自分たちでどうゲームを整えていくか。
そういったことを意識して成長していってくれることを望んでいます。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日はまずチャレンジをしよう、また厳しさを持って、スタートから一つ一つのプ
レーをしっかりとやっていこうと言って、ゲームに臨みました。ミスが多くてテンポ
に乗り切れなかったところがあったり、テンポを上げるべきところで止めてしまった
り、クイックでボールを出したいところでスローになってしまうなど、テンポに乗れ
ないプレーが多く出てしまいました。全員がプレーの正確さ、強さを出してければ、
誰が出ても同じようにチームが動いていけるようになるので、そこはこれからしっか
りやっていきたいです。一人一人がいい判断ができるように、チームとして取り組ん
でいきたいです。同じ相手であっても、秋は春、夏とは違うゲームになってくると思
うので、今後も一戦一戦を大切にして戦っていきたいと思います。」
■緊張をエネルギーに換えて、自らのやるべきことに集中・FL上原充(3年)
「Aチームでの公式戦は初めてで緊張もするかなと思っていましたが、前日からその
緊張をいいマインドにセットして試合に臨みました。点数の開いた状態での途中出場
でしたが、その中でテンポを上げることと、正確なプレーをすることを心掛け、自分
がボールを持ったときにはミスしないように、限られた時間の中で正確なプレーをし
てチームに貢献できるようにと思ってプレーしました。相手のペナルティのときに、
自分でクイックで仕掛けて行けたところは、その意識を出せたのかなと思います。ま
ずは、A・Bチームに居続けて、対抗戦やジュニア選手権に出続けられるように、課題
を克服して頑張りたいと思います。」
■テンポアップと正確さを担って途中出場・SH伊藤玖祥(4年)
「今日は個人としても、チームとしても、課題が残るゲームとなりました。ゲームを
しっかりコントロールする力の未熟さを感じています。自分はSHでもSOでもボール
タッチが多く、チームをコントロールする立場なので、もっとゲームの流れを読ん
で、そこを把握した上で的確な判断、決断をして、リーダーシップを発揮していかな
ければいけないと思いました。これから厳しい試合が続くと思いますが、ゲームの中
で変化したり、相手に対処したり、自分たちのプレーを取り戻したりといったことが
大事になるので、その中で自分はハーフ団としていい判断ができるプレーヤーになっ
ていきたいと思っています。」
《PICK UP PLAYERS》
自らのプレーのみならず、学生コーチとしてチームをまとめる
PR 大木寿之(4年)
OKI TOSHIYUKI
1994年2月9日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
國學院大學栃木高校出身
身長182cm/体重110kg
■Aチームとして初の公式戦、初の対抗戦でしたが、どんな気持ちでゲームに臨んだ
のでしょうか。
「4年間で初の公式戦ということで、いただいたチャンスをしっかりものにしよう、
そしてファーストジャージを着られる重さを感じ、責任を果たそうという思いで試合
に臨みました。」
■実際にプレーした手応えはいかがでしたか。
「通用する部分もありましたが、まだまだ細かい部分、ブレイクダウンやスクラムで
多くの課題が見えたので、そこはきちんと修正していきたいです。」
■前日もCチームの試合で30分間、プレーしましたが、疲れなどはなかったのでしょ
うか。
「それは大丈夫です。疲れよりも、Aチームで公式戦に出られる喜びを感じて、出ら
れない選手の分まで体を張ろうと思ってやりました。」
■Aチームでの出場は、どの部分を期待されたと感じていますか。
「自分はPRとしてセットプレー、特にスクラムの部分を期待されたと思っています。
安定はできていたとは思いますが、もっと圧倒できるようにしたかったです。」
■4年生として、リーダーシップの部分ではどんなことを意識しましたか。
「学生コーチも兼任しているのですが、それもあって、自分のことだけではな
く、周りも鼓舞していけるようにと意識しました。」
■その学生コーチとして、普段、心掛けていることはありますか。
「グラウンド内であれば練習中のリーダーシップ、グラウンド外では私生活の部分で
お手本になれるような言動を心掛けています。」
■今後への目標をお願いします。
「シーズンは深まっていきますが、まずはジュニア選手権でチームに貢献できるよう
に、そしてAチームに絡んでいける選手になれるように、同時に学生コーチとして
チームを一つにしていけるように頑張っていきたいです。」
インタビューの最初は自身のプレーに関する話題だったからか、やや硬い表情だった
が、「リーダーシップ」に関する質問をすると一気に表情が緩み、言葉数も増えた。
学生コーチとして普段から周囲に気を配り、チームをまとめようとする言動が身に付
いている証拠だろう。自身のプレーには課題が残ったと話すが、ゴール前のスクラム
を押し込むなど、
安定感を見せた。帝京にとって学生コーチの存在の大きさは計り知れない。今後も
チームを一つにするため、グラウンドの内外で力を発揮してくれるに違いない。
《COLUMN》
――ラグビーのゲームにおける「規律」とは――
ワールカップ2015で日本代表はサモアに勝利し、予選リーグ2勝目をあげました。こ
の試合で目立ったのは、サモアのペナルティの多さと対する日本の少なさでした。サ
モアは同じ時間帯に2名のシンビンを出すなど、ペナルティで自らピンチを広げ、対
する日本は攻守ともに規律を守って戦いました。
ラグビーではペナルティを犯すと一気に形勢が逆転してしまいます。ゴール前に攻め
込んでいてもペナルティ一つでチャンスは潰れますし、自陣でペナルティを犯せば一
気にゴール前まで攻め込まれ、相手ボールでプレーが始まります。
ですから、規律を守ること、つまりペナルティをできる限り犯さないことは勝利への
大きな要因となります。特に競った試合では、一つのペナルティが勝敗を分けること
もしばしばです。
ここはラグビーのおもしろさの一つとも言えるのですが、ペナルティに関して、レフ
リーの「解釈」というものが存在します。ルールが曖昧だという意味ではありませ
ん。目の前で起こったプレーがルールに則ったプレーなのか、ペナルティなのかを判
断するのが難しいケースがあるということです。
例えば、ラックに横から入ってプレーするとペナルティです。ここには明確な基準が
あります。ただし、目の前で起こったプレーで、ラックに参加したプレーヤーがはた
して横から入ったのか、きちんと後ろから入ったのかが微妙なケースもあるわけで
す。プレーヤー本人はきちんと後ろから入ったつもりでも、レフリーが横から入った
と判断したらペナルティを取られます。
そんな曖昧なプレーをしなければいいと思うかもしれませんが、目の前のボールや相
手の攻撃に対して必死でプレーしている最中ですから、「この位置からならOK」と瞬
時に判断し、ほぼ同時にプレーしないと間に合わないことも少なくありません。
さて、当然のことながら、帝京も規律を守ることに関しては、相当に高い意識で臨ん
でいます。ただ、高い意識で臨んでいても、ペナルティは起こります。大事なのは極
力減らすこと、そしてその試合のレフリーの「解釈」の傾向を知って、その基準にす
ばやく合わせることです。
ワールドカップでサモアの選手がレフリーのペナルティの判定に対して、文句を言っ
ているシーンが何度も見られました。サモアの選手たちとレフリーとで、ペナルティ
に関する「解釈」が異なっていたのでしょう。
しかし、レフリーに文句を言ったところで判定が覆ることはありませんし、むしろレ
フリーに「あのチームは判定に文句を言うような、よくないチームだ。改善する気が
ないようだから、きっとまた同じペナルティを繰り返すだろう」という印象、先入観
すら与えかねません。
また、サモアの選手たちは、判定に対して常にイライラしていて、ストレスを抱えな
がらプレーしているように見えました。そんな精神状態でいいプレーができるとはと
ても思えません。
この日の試合前、岩出監督はペナルティに関して、選手たちにこんなアドバイスをさ
れていました。
「レフリーと解釈が異なるのは仕方がない。こちらでコントロールできることではな
いし、それに対して抗議したり、文句を言ったりしても、レフリーの心証も害するだ
ろうし、自分たちのメンタルも崩してしまう。大事なのは、レフリーとコミュニケー
ションしていくこと。レフリーときちんとコミュニケーションして、ペナルティをな
くしていこう。」
この試合、帝京のペナルティは相手の数の半分でした。先ほども述べたとおり、競っ
た試合になればなるほど、一つのペナルティが大きな意味を持ってきます。ラグビー
の試合における「規律」とは、ペナルティを「しないこと」というよりは「繰り返さ
ないこと」と考えた方がいいのかもしれません(もちろん、ペナルティをしないに越
したことはありませんが、してしまったペナルティを繰り返さないことはさらに大事
になってきます)。
一人一人が常に規律に対する意識を高めておくことで、競った試合でもペナルティを
しない「癖」がついていくことでしょう。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
FL/No8 卞 相悠(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長177cm/体重91kg
「強みはアタックです。ゲインを切る力と簡単には倒れないところをさらに磨
いてアピールしていきたいと思っています。反面、ディフェンスが課題で、タックル
やブレイクダウンの部分がまだまだなので、そこに力を入れて練習しています。帝京
大学ラグビー部はFW、BKに限らずコミュニケーションを取り合って、全員が一丸と
なって一つのチームとして戦っているという印象が強いです。入る前は上下関係が厳
しくて、1年生はいろいろな仕事をすることになるのだろうと思っていたのですが、
そんなことはなく、掃除や食事係などもすべて上級生の方々がやってくださるので、
自分たち1年生は練習に集中できる環境を作っていただけています。今はC・Dチーム
でプレーしていますが、1年生のうちからA・Bチームで活躍したいので、もっとディ
フェンスを強化して、運動量もただ走るだけではなく、やるべきことを考えた上での
運動量を増やしていきたいです。」
SH 田島 大(1年)
大分雄城台高校出身
身長165cm/体重70kg
「体が小さいのですが、その分、相手を一発で倒す低いタックルを強みとして
います。課題はアタックのテンポの部分だと思っていますが、FWのコントロール、周
囲を落ち着いて見る視野、気持ちに余裕を持ってプレーすることなどを大切にしてい
ます。SHは同学年にもレベルの高い選手が多いのですが、その中で自分も負けないよ
うに、今は見倣ってリスペクトして、自分は目の前のことを一つ一つやっていって、
土台作りをしっかり積み重ねていきたいと思っています。自分は体がチーム一小さいので、
まずは体作りを頑張っていきたいです。
また、Aチームの試合などから学ぶことも多いので、しっかり吸収し
ていきたいです。」
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第4戦
対慶應義塾大学戦(https://www.kurfc.com/)
10月18日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦8勝8敗1分(大学選手権5勝0敗)
[慶應義塾大学の直近5戦]
8月15日 ●17-32専修大学(夏期練習試合)
8月19日 ●0-87帝京大学(夏期練習試合)
9月5日 ●45-56同志社大学(定期戦)
9月13日 ○33-23筑波大学(関東大学対抗戦A)
9月27日 ○66-12日本体育大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太、写真/川本聖哉)
○帝京大学(3勝0敗)92-10日本体育大学(0勝3敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒大木(2)坂手⇒小川(一)(3)深村⇒呉(味)(4)金(廉)⇒藤田
(5)金(嶺)(6)飯野(7)イラウア⇒上原(8)マクカラン
[BK]
(9)田上⇒伊藤(10)松田⇒濱野(11)竹山(12)金田(13)重(14)尾崎(15)
森谷⇒園木
《日本体育大学》※先発のみ
[FW]
(1)上野(2)橋本(3)踊場(4)小笠原(5)伊藤(6)近藤(7)荒川(8)舛添
[BK]
(9)高嶋(10)石澤(11)肥田木(12)石田(13)秋田(14)深見(15)中野
【前半】【得点経過】
【3分】帝7-0日
ラインアウトからモールを押し込み、HO坂手が持ち出してトライ。ゴール成功。
【5分】帝14-0日
FB森谷が前方へキック。FL飯野が拾って前進。LO金(嶺)-WTB尾崎と渡って、トラ
イ。ゴール成功。
【9分】帝21-0日
相手ボールのラインアウトをターンオーバーして連続攻撃。FB森谷が抜け出し、WTB
尾崎にパス。尾崎が走り切ってトライ。ゴール成功。
【15分】帝28-0日
キックカウンターでNo8マクカランが前進。さらにFB森谷が前進し、WTB竹山へパス。
竹山が抜け出してトライ。ゴール成功。
【18分】帝35-0日
ペナルティのクイックリスタートから連続攻撃。最後はNo8マクカランが抜け出して
トライ。ゴール成功。
【25分】帝40-0日
キックカウンターからWTB尾崎が前進し、さらに展開。WTB竹山に渡り、竹山がトラ
イ。
【28分】帝40-3日
PGを決められる。
【32分】帝45-3日
FL飯野が前進。ラックからSH田上-SO松田-CTB金田-WTB尾崎と渡り、尾崎がトラ
イ。
【後半】【得点経過】
【4分】帝52-3日
ラックからのこぼれ球をSO松田が拾って前進。そのまま走り切ってトライ。ゴール成
功。
【6分】帝59-3日
ラックからBKに展開。WTB竹山に渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
【11分】帝66-3日
スクラムからFWで連続攻撃。ラックからPR深村が持ち出してトライ。ゴール成功。
【16分】帝71-3日
フェアキャッチから連続攻撃。WTB竹山が抜け出し、走り切ってトライ。
【23分】帝78-3日
ラインアウトからモールを押し込む。そのまま押し切り、HO小川が押さえてトライ。
ゴール成功。
【33分】帝85-3日
ラインアウトからBKへ展開。FB重が前進し、CTB園木にパス。園木がトライ。ゴール
成功。
【38分】帝85-10日
キックされたボールをインゴールで押さえられ、トライを奪われる。
【46分】帝92-10日
ペナルティのクイックリスタートから連続攻撃。CTB濱野からFB重へとパスが渡り、
重が抜け出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第3戦の相手は日本体育大学。開始直後から帝京が攻め込む。3分にモールから
HO坂手がトライを奪うと、5分にはFW、BK一体となった攻撃でWTB尾崎がトライ。相手
がキックを多用するため、自然とキックカウンターからの攻撃が増えるが、帝京は落
ち着いて対応し、前半を45-3で折り返す。後半も攻め続ける帝京。ミスが出るなど
して押し戻される時間帯もあるが、冷静に対応する。後半20分、PR大木、FL上原、LO
藤田ら対抗戦初出場の選手が入替で入るが、その時間帯にも3トライを奪い、92-10
でノーサイド。帝京が対抗戦3連勝を飾った。
《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「「今日は、学生たちがどれだけ高い目標を持ち、自分たちに意図的にストレスをかけ、
それを乗り越えていけるかというところに注目していました。
点差は開きましたが、課題がたくさん見つかったという意味でとても意味のあるゲームになったと思います。
こうした点差でも大味なゲームにしないためには、自分の気持ちと戦うことが求められます。
自分と戦うこと、自分たちが設定した目標と戦うことがどこまでできるかという部分、
また普段はAチームとしてはほとんど出場していないメンバーとも、
どのようにコミュニケーションして、ゲームの中で一つになっていけるかという部分について、
われわれ指導者も意識して、今後のトレーニングに活かしていきたいと思っています。
頼りになる人がいなくなったときに、自分たちでどうゲームを整えていくか。
そういったことを意識して成長していってくれることを望んでいます。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日はまずチャレンジをしよう、また厳しさを持って、スタートから一つ一つのプ
レーをしっかりとやっていこうと言って、ゲームに臨みました。ミスが多くてテンポ
に乗り切れなかったところがあったり、テンポを上げるべきところで止めてしまった
り、クイックでボールを出したいところでスローになってしまうなど、テンポに乗れ
ないプレーが多く出てしまいました。全員がプレーの正確さ、強さを出してければ、
誰が出ても同じようにチームが動いていけるようになるので、そこはこれからしっか
りやっていきたいです。一人一人がいい判断ができるように、チームとして取り組ん
でいきたいです。同じ相手であっても、秋は春、夏とは違うゲームになってくると思
うので、今後も一戦一戦を大切にして戦っていきたいと思います。」
■緊張をエネルギーに換えて、自らのやるべきことに集中・FL上原充(3年)
「Aチームでの公式戦は初めてで緊張もするかなと思っていましたが、前日からその
緊張をいいマインドにセットして試合に臨みました。点数の開いた状態での途中出場
でしたが、その中でテンポを上げることと、正確なプレーをすることを心掛け、自分
がボールを持ったときにはミスしないように、限られた時間の中で正確なプレーをし
てチームに貢献できるようにと思ってプレーしました。相手のペナルティのときに、
自分でクイックで仕掛けて行けたところは、その意識を出せたのかなと思います。ま
ずは、A・Bチームに居続けて、対抗戦やジュニア選手権に出続けられるように、課題
を克服して頑張りたいと思います。」
■テンポアップと正確さを担って途中出場・SH伊藤玖祥(4年)
「今日は個人としても、チームとしても、課題が残るゲームとなりました。ゲームを
しっかりコントロールする力の未熟さを感じています。自分はSHでもSOでもボール
タッチが多く、チームをコントロールする立場なので、もっとゲームの流れを読ん
で、そこを把握した上で的確な判断、決断をして、リーダーシップを発揮していかな
ければいけないと思いました。これから厳しい試合が続くと思いますが、ゲームの中
で変化したり、相手に対処したり、自分たちのプレーを取り戻したりといったことが
大事になるので、その中で自分はハーフ団としていい判断ができるプレーヤーになっ
ていきたいと思っています。」
《PICK UP PLAYERS》
自らのプレーのみならず、学生コーチとしてチームをまとめる
PR 大木寿之(4年)
OKI TOSHIYUKI
1994年2月9日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
國學院大學栃木高校出身
身長182cm/体重110kg
■Aチームとして初の公式戦、初の対抗戦でしたが、どんな気持ちでゲームに臨んだ
のでしょうか。
「4年間で初の公式戦ということで、いただいたチャンスをしっかりものにしよう、
そしてファーストジャージを着られる重さを感じ、責任を果たそうという思いで試合
に臨みました。」
■実際にプレーした手応えはいかがでしたか。
「通用する部分もありましたが、まだまだ細かい部分、ブレイクダウンやスクラムで
多くの課題が見えたので、そこはきちんと修正していきたいです。」
■前日もCチームの試合で30分間、プレーしましたが、疲れなどはなかったのでしょ
うか。
「それは大丈夫です。疲れよりも、Aチームで公式戦に出られる喜びを感じて、出ら
れない選手の分まで体を張ろうと思ってやりました。」
■Aチームでの出場は、どの部分を期待されたと感じていますか。
「自分はPRとしてセットプレー、特にスクラムの部分を期待されたと思っています。
安定はできていたとは思いますが、もっと圧倒できるようにしたかったです。」
■4年生として、リーダーシップの部分ではどんなことを意識しましたか。
「学生コーチも兼任しているのですが、それもあって、自分のことだけではな
く、周りも鼓舞していけるようにと意識しました。」
■その学生コーチとして、普段、心掛けていることはありますか。
「グラウンド内であれば練習中のリーダーシップ、グラウンド外では私生活の部分で
お手本になれるような言動を心掛けています。」
■今後への目標をお願いします。
「シーズンは深まっていきますが、まずはジュニア選手権でチームに貢献できるよう
に、そしてAチームに絡んでいける選手になれるように、同時に学生コーチとして
チームを一つにしていけるように頑張っていきたいです。」
インタビューの最初は自身のプレーに関する話題だったからか、やや硬い表情だった
が、「リーダーシップ」に関する質問をすると一気に表情が緩み、言葉数も増えた。
学生コーチとして普段から周囲に気を配り、チームをまとめようとする言動が身に付
いている証拠だろう。自身のプレーには課題が残ったと話すが、ゴール前のスクラム
を押し込むなど、
安定感を見せた。帝京にとって学生コーチの存在の大きさは計り知れない。今後も
チームを一つにするため、グラウンドの内外で力を発揮してくれるに違いない。
《COLUMN》
――ラグビーのゲームにおける「規律」とは――
ワールカップ2015で日本代表はサモアに勝利し、予選リーグ2勝目をあげました。こ
の試合で目立ったのは、サモアのペナルティの多さと対する日本の少なさでした。サ
モアは同じ時間帯に2名のシンビンを出すなど、ペナルティで自らピンチを広げ、対
する日本は攻守ともに規律を守って戦いました。
ラグビーではペナルティを犯すと一気に形勢が逆転してしまいます。ゴール前に攻め
込んでいてもペナルティ一つでチャンスは潰れますし、自陣でペナルティを犯せば一
気にゴール前まで攻め込まれ、相手ボールでプレーが始まります。
ですから、規律を守ること、つまりペナルティをできる限り犯さないことは勝利への
大きな要因となります。特に競った試合では、一つのペナルティが勝敗を分けること
もしばしばです。
ここはラグビーのおもしろさの一つとも言えるのですが、ペナルティに関して、レフ
リーの「解釈」というものが存在します。ルールが曖昧だという意味ではありませ
ん。目の前で起こったプレーがルールに則ったプレーなのか、ペナルティなのかを判
断するのが難しいケースがあるということです。
例えば、ラックに横から入ってプレーするとペナルティです。ここには明確な基準が
あります。ただし、目の前で起こったプレーで、ラックに参加したプレーヤーがはた
して横から入ったのか、きちんと後ろから入ったのかが微妙なケースもあるわけで
す。プレーヤー本人はきちんと後ろから入ったつもりでも、レフリーが横から入った
と判断したらペナルティを取られます。
そんな曖昧なプレーをしなければいいと思うかもしれませんが、目の前のボールや相
手の攻撃に対して必死でプレーしている最中ですから、「この位置からならOK」と瞬
時に判断し、ほぼ同時にプレーしないと間に合わないことも少なくありません。
さて、当然のことながら、帝京も規律を守ることに関しては、相当に高い意識で臨ん
でいます。ただ、高い意識で臨んでいても、ペナルティは起こります。大事なのは極
力減らすこと、そしてその試合のレフリーの「解釈」の傾向を知って、その基準にす
ばやく合わせることです。
ワールドカップでサモアの選手がレフリーのペナルティの判定に対して、文句を言っ
ているシーンが何度も見られました。サモアの選手たちとレフリーとで、ペナルティ
に関する「解釈」が異なっていたのでしょう。
しかし、レフリーに文句を言ったところで判定が覆ることはありませんし、むしろレ
フリーに「あのチームは判定に文句を言うような、よくないチームだ。改善する気が
ないようだから、きっとまた同じペナルティを繰り返すだろう」という印象、先入観
すら与えかねません。
また、サモアの選手たちは、判定に対して常にイライラしていて、ストレスを抱えな
がらプレーしているように見えました。そんな精神状態でいいプレーができるとはと
ても思えません。
この日の試合前、岩出監督はペナルティに関して、選手たちにこんなアドバイスをさ
れていました。
「レフリーと解釈が異なるのは仕方がない。こちらでコントロールできることではな
いし、それに対して抗議したり、文句を言ったりしても、レフリーの心証も害するだ
ろうし、自分たちのメンタルも崩してしまう。大事なのは、レフリーとコミュニケー
ションしていくこと。レフリーときちんとコミュニケーションして、ペナルティをな
くしていこう。」
この試合、帝京のペナルティは相手の数の半分でした。先ほども述べたとおり、競っ
た試合になればなるほど、一つのペナルティが大きな意味を持ってきます。ラグビー
の試合における「規律」とは、ペナルティを「しないこと」というよりは「繰り返さ
ないこと」と考えた方がいいのかもしれません(もちろん、ペナルティをしないに越
したことはありませんが、してしまったペナルティを繰り返さないことはさらに大事
になってきます)。
一人一人が常に規律に対する意識を高めておくことで、競った試合でもペナルティを
しない「癖」がついていくことでしょう。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
FL/No8 卞 相悠(1年)
東京朝鮮高級学校出身
身長177cm/体重91kg
「強みはアタックです。ゲインを切る力と簡単には倒れないところをさらに磨
いてアピールしていきたいと思っています。反面、ディフェンスが課題で、タックル
やブレイクダウンの部分がまだまだなので、そこに力を入れて練習しています。帝京
大学ラグビー部はFW、BKに限らずコミュニケーションを取り合って、全員が一丸と
なって一つのチームとして戦っているという印象が強いです。入る前は上下関係が厳
しくて、1年生はいろいろな仕事をすることになるのだろうと思っていたのですが、
そんなことはなく、掃除や食事係などもすべて上級生の方々がやってくださるので、
自分たち1年生は練習に集中できる環境を作っていただけています。今はC・Dチーム
でプレーしていますが、1年生のうちからA・Bチームで活躍したいので、もっとディ
フェンスを強化して、運動量もただ走るだけではなく、やるべきことを考えた上での
運動量を増やしていきたいです。」
SH 田島 大(1年)
大分雄城台高校出身
身長165cm/体重70kg
「体が小さいのですが、その分、相手を一発で倒す低いタックルを強みとして
います。課題はアタックのテンポの部分だと思っていますが、FWのコントロール、周
囲を落ち着いて見る視野、気持ちに余裕を持ってプレーすることなどを大切にしてい
ます。SHは同学年にもレベルの高い選手が多いのですが、その中で自分も負けないよ
うに、今は見倣ってリスペクトして、自分は目の前のことを一つ一つやっていって、
土台作りをしっかり積み重ねていきたいと思っています。自分は体がチーム一小さいので、
まずは体作りを頑張っていきたいです。
また、Aチームの試合などから学ぶことも多いので、しっかり吸収し
ていきたいです。」
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A・第4戦
対慶應義塾大学戦(https://www.kurfc.com/)
10月18日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦8勝8敗1分(大学選手権5勝0敗)
[慶應義塾大学の直近5戦]
8月15日 ●17-32専修大学(夏期練習試合)
8月19日 ●0-87帝京大学(夏期練習試合)
9月5日 ●45-56同志社大学(定期戦)
9月13日 ○33-23筑波大学(関東大学対抗戦A)
9月27日 ○66-12日本体育大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太、写真/川本聖哉)
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