REPORT
レポート
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関東大学ジュニア選手権・カテゴリー1決勝 明治大学戦
2015/12/05
12月5日(土)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学66-5明治大学●
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《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒大木(2)小川(一)⇒北林(佑)(3)浅堀⇒呉(味)(4)服部(5)
姫野⇒菅原(6)小野(7)申⇒秋山(8)吉田
[BK]
(9)小畑⇒伊藤(10)金村(11)宮崎(12)濱野(13)岡田(14)津岡⇒中村
(15)鎌田⇒石垣
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)齊藤(2)大塚(3)田代(4)尾上(5)小宮(6)近藤(7)安永(8)前田
[BK]
(9)福田(10)忽那(11)渡部(12)松尾(13)渡邊(14)高橋(15)森田
【前半】【得点経過】
【4分】帝5-0明
ラインアウトからモールで押し込む。モールを押し切ってPR堀越がトライ。
【10分】帝12-0明
ラインアウトが乱れるも、CTB濱野がこぼれ球をうまく拾って、そのまま走り切って
トライ。ゴール成功。
【29分】帝19-0明
ペナルティでスクラムを選択。スクラムを押し込み、そのままNo8吉田が押さえてト
ライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【1分】帝26-0明
ラインアウトのこぼれ球をNo8吉田が拾って、そのまま前進してトライ。ゴール成
功。
【6分】帝33-0明
FB宮崎が抜け出し前進。ラックからSH小畑-CTB岡田と渡り、岡田が抜け出してトラ
イ。ゴール成功。
【14分】帝40-0明
FW、BKで前進。ラックからPR堀越が持ち出し、さらにラックからPR呉が持ち出してト
ライ。ゴール成功。
【25分】帝40-5明
ディフェンスラインの裏へキックを蹴られ、トライを奪われる。
【29分】帝47-5明
ラインアウトからモールを押し込み、そのまま押し切ってNo8吉田がトライ。ゴール
成功。
【34分】帝54-5明
ターンオーバーからCTB濱野が前進。ラックからSH伊藤-SO金村と渡り、金村が走り
切ってトライ。ゴール成功。
【37分】帝59-5明
ラックからBK展開。WTB石垣に渡り、石垣が抜け出してトライ。
【41分】帝66-5明
FW、BKで前進。ラックからSH伊藤-SO中村と渡り、中村が抜け出してトライ。ゴール
成功。
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《BRIEF REVIEW》
秩父宮ラグビー場で行われたジュニア選手権決勝。対戦相手は、ジュニアのリーグ戦
では30-24の接戦となった明治大学。立ち上がりから帝京が主導権を握る。4分、相
手のペナルティでゴール前まで進み、ラインアウトからうまくモールを組んで押し込
む。ラインアウトを投げ入れたPR堀越がモールの最後尾につき、インゴールで押さえ
て、幸先よくトライを奪う。その後、気合いがやや空回りしたかミスも出るものの、反
応もはやく、大きなダメージには至らない。10分には、この日のゲームキャプテン
CTB濱野が、ラインアウトのこぼれ球をうまく拾って追加点。さらに、CTB岡田らが力
強く前に出る。攻め込まれても、しっかりとディフェンスしてLO服部らがターンオー
バー。スクラムトライまで飛び出し、前半を19-0で折り返した。後半は帝京の勢い
がより加速する。1分にNo8吉田のトライで突き放すと、その後も加点し続ける。FBに
回った宮崎、途中出場のSO中村、PR呉、WTB石垣らが力強いアタックを見せれば、
ディフェンスでも全員が体を張り続ける。66-5でノーサイド。帝京がジュニア選手
権4連覇を飾った。
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《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日のゲームはみな、一生懸命やっていたと思います。今後も、より高い目標を
もって、さらに貪欲に頑張ってくれると思います。この試合はジュニア選手権の決勝
戦でしたが、出ている選手たちにとっては、大学選手権に向けてのスタートの試合と
考えて臨んでいたことと思います。ただ、その意識が強すぎて、力が入りすぎてし
まったところもあったようです。一生懸命やることにプラスして『本気』と『スキル
アップ』を加えられるように期待したいです。ここからさらにどのように一皮も二皮
も剥けていくかが、とても楽しみです。次週からは大学選手権に入りますが、ここか
らは一戦一戦が負けられない『勝負』。一人一人の『本気』が試される試合が続くこ
とになります。今日の試合でジュニア選手権4連覇をさせていただくことができまし
た。連覇というのは毎年、チーム力を落とさずに来られた証でもありますので、
チームとしてとても大事なことを成し遂げることができたと思っています。しかし、
これは私たちが目指す、いくつもある大切な目標のうちの一つであり、これで終わる
わけではありません。この試合をさらに次につなげていくために、さらなる積み上げ
をしていきたいと思います。」
■ゲームキャプテン・CTB濱野大輔(4年・ゲームMVP)
「今日の試合は一人一人がまずは厳しさを出し、痛いところに対して体を張って行こ
うと言って臨みました。また、前の試合で悔しい思いをしたので、ここから本気の
チーム、本気の自分を作っていこうという話をしました。そのためのスタートゲーム
として、今日の試合でどれだけ体を張れるかを意識して戦いました。ミスもあり、
タックルのバインドの甘さ、ブレイクダウンの甘さも見えましたので、そこはチーム
で改善していかなければいけないと思います。明日の練習から、早速、取り組んでい
きます。自分は4年生ですし、学生コーチという立場でもあり、グランドだけでな
く、グラウンド外でのリーダーシップも意識した行動、発言で下級生を引っ張ってい
きたいと思っています。大学選手権は一戦一戦、まったく油断できない試合が続きま
すが、結果を出しつつ成長できるように、目標である大学選手権7連覇、そして日本
選手権での勝利に向けてしっかり戦っていきたいと思います。」
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■スクラムで大きな手応えを感じた・PR浅堀航平(4年)
「今日はFWとしてはセットプレーで圧倒しようと言って臨みました。でも、まだ甘い
ところがあり、受け身になってしまったところもありました。ただ、トータル的に見
ればスクラムを押してターンオーバーできたり、スクラムトライを取れたりしたので
よかったと思います。先週、Aチームが筑波大学さんに敗れたこともあり、ここで
しっかり勝って、もう一度いい流れを作ろうという気持ちで入ったので、そこもよ
かったと思います。チームとしても、この前の敗戦によって、それまで少し緩んでい
た部分が修正されて、引き締まったと思います。大学選手権では一試合でも多くゲー
ムに関わって、少しでもチームに貢献できるように頑張ります。」
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■タックルする姿で後輩たちに思いを伝える・LO服部航介(4年)
「今日はジュニアとしては最後の試合なので、いいプレーをしてAチームに入ってい
こうという意識で挑んだのですが、気持ちは入っていたものの、序盤はその気持ちが
空回りして、自分からのミスが多く出てしまいました。その後、何とか取り戻そうと
思い、必死でタックルに行くようにしました。ゴール前で攻められている場面でター
ンオーバーして前進できたところはよかったです。4年生ということで、タックルな
どで姿を見せて、それを見せることで後輩たちに感じるもの、思いのようなものが伝
わればと思ってプレーしました。今後は練習で一つ一つ積み上げていって、Aチーム
のメンバーに入ってチームに貢献できるように頑張りたいと思います。」
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■終始、落ち着いたプレーでゲームをコントロール・SH小畑健太郎(1年)
「先週、対抗戦で悔しい思いをしましたが、この試合が大学選手権に向けての新しい
スタートになるように、体を張った厳しいプレーをしようと思って臨みました。しか
し、アタック面ではまだパスなどでミスがあったので、そこは修正していきたいで
す。チームの雰囲気は敗戦によって逆にとてもよくなっていると思います。みんなハ
ングリーな状態で練習に取り組んでいます。ですが、今日はオーバーテンションに
なってしまってミスが出たところもあったので、そこは今後に向けて修正していきた
いと思います。」
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■チームキャプテン・坂手淳史(4年)
「今日はジュニア戦の集大成ということで、いい厳しさを見せてくれるだろうと思っ
て見ていました。ディフェンス面ではいい出足、いいブレイクダウンがあり、厳しさ
がよく出ていたと思います。アタックに関しては、少しミスがあったのですが、それ
でもミスしたあとの反応はよかったので、リアクションスピードは改善されていたと
思いますし、気持ちの見えた、いい試合だったと思います。Bチームが厳しさを見せ
てくれたことで、自分たちAチームももっと厳しさを出さなければと思いますし、そ
れによってチームも一つにまとまると思います。このメンバーからAチームに入って
くる選手もいるでしょうし、実際、いいプレーをしていたので、Aチーム、そしてC、
Dチームもさらにレベルアップして、帝京が一つのチームとして強くなっていくため
のいい刺激になると思います。」
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《PICK UP PLAYERS》
強さだけでなく、うまさも見せつけた
WTB 石垣 航平(4年)
ISHIGAKI KOHEI
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1993年6月25日生まれ
教育学部教育文化学科
宮古高校出身
身長183cm/体重104kg
■まずは今日のゲームを振り返ってください。
「先週の敗戦もあり、今日は自分たちの厳しさと激しさを、もう一度、思い出して、
80分間、出し切ろうと言って臨みました。結果としてはみな、一生懸命やったことで
勝利を手にすることができましたが、まだまだブレイクダウンの厳しさやタックルの
激しさで足りない部分もあったので、今後、チームとして大学選手権を戦っていくこ
とに向けて、そういったところを改善していきたいと思います。」
■自身の今日のプレーでの手応えはいかがでしたか。
「アタックでは自分の強さを出せたと思うのですが、ディフェンス面でもっと細かい
部分にこだわっていかないと上のチームでは通用しないと思うので、そこを見直して
取り組んでいきたいです。」
■「上のチーム」という言葉が出ました。ジュニア選手権ではいい結果を得ました
が、当然、Aチームへの意識も強く持っているようですね。
「チームは全員で戦っているのですが、試合に出られるメンバーは限られてきます。
さらに高い意識で喰らいついていかないといけないと思うので、チームの一員とし
て、日々、しっかり努力していきたいです。」
■毎年この時期、「4年力」という言葉が出てくるように、このあたりから4年生の役
割がこれまで以上に大きくなっていくと思いますが、4年生としてのリーダーシップ
についてはどんな意識を持っていますか。
「先週の敗戦後に4年生で話し合いをしました。自分たちが姿で見せていかなければ
いけないということを再確認したので、ゲーム、練習、私生活の態度など、すべての
面で下の学年に自分たちの姿を示せるように、しっかりと、また謙虚にやっていきた
いと思っています。」
■では、今後への意気込みをお願いします。
「来週から大学選手権が始まります。試合に出るメンバーも出ないメンバーも一つに
なって自分たちの強みを出して、一戦一戦、大事に戦っていきたと思います。」
前半20分からの途中出場だったが、特にアタック面で持ち前の体の強さを見せた。後
半37分にはいい角度で走り込み、ラックからのボールをもらって抜け出し、そのまま
トライを奪った。強さだけでなく、うまさも見せつけたシーンだった。4年生として
のリーダーシップへの意識も高い。本人も語るようにディフェンス面にさらに磨きが
かかれば、大学選手権でも大きな戦力になってくることだろう。
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《COLUMN》
――「達成感」と「満足感」――
帝京がジュニア選手権4連覇(4年連続4回目の優勝)を達成しました。
大学選手権7連覇を狙う帝京がジュニア選手権は4年連続4回目の優勝ですから、大学
選手権連覇中も最初の3年間はジュニア選手権で優勝していないということです。そ
れほど難しく、だからこそ価値のある、他校も口を揃えて「取りたい」と言うタイト
ルの一つがこの「ジュニア選手権」なのです。
Bチームの大会とはいえ、それほど「取りたい」と思うタイトルを取ったのですか
ら、うれしくないはずはありません。しかし、岩出監督はもちろん、選手たちも誰一
人として「満足感」を口にした人はいませんでした。
おそらく心の中での「達成感」はあるはずです。しかし、同時に「ここで満足してい
ては成長はない」と知っているのです。「達成感」は大事ですが、それが「満足感」
になってしまうと成長は止まってしまいます。
岩出監督はこうおっしゃいます。
「ここが、大学選手権に向けた『本気』と『スキルアップ』のための第一歩です。」
さらにこう続けました。
「ここで満足するような、いい思い出になったと思うような選手は最初から出場して
いません。」
さあ、大学選手権がスタートします。今日のメンバーからもおそらく何人も出場することで
しょう。この試合で見せた厳しさ、激しさ、そして同時にそれらを上手にコントロー
ルする冷静さをどこまで出し切れるか。そして、短い大会期間ながら、さらにどこま
で成長できるか。
Bチーム、いやその下のC、D、Eチームもまだまだ成長を止めるわけにはいきません。
Aチームにとっても、下のチームから上がってくる選手たちとの競争心など大きな刺
激になっていくでしょう。「達成感」を胸に、チーム帝京の成長はまだまだ続きま
す。
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《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR/HO 半田晃大(1年)
常翔学園高校出身
身長174cm/体重100kg
「PRとしては体が大きくないのですが、その分、サポートプレーの部分で光る
ということを常に意識しています。これからもっと体を大きくして、セットプレーで
も自信を持てるようにしていきたいと思っています。大学生レベルのスクラムをまだ
組めていないのですが、まずは体を作ることと80分間走り続けられる体力といった
ベースの部分をしっかり身に付けたいと思っています。帝京大学ラグビー部に入って
驚いたのは、上級生が率先していろいろな仕事をしてくださることです。そういっ
た、1年生に余裕を持たせてくださるところが、中学、高校時代はなかったことでし
た。先輩方のサポートのおかげで伸び伸びとラグビーに集中できているので、とても
ありがたいです。今、自分はケガがあってプレーをしていないのですが、まずは早く
ケガを治すこと、そして上のチームに上がって、Aチームで活躍できるように、課題
を見つけて、それを克服する努力をしていきたいと思います。」
FL/No8 坂下尚治郎(1年)
川越東高校出身
身長170cm/体重85kg
「自分のアピールポイントはブレイクダウン、接点での激しさです。ただ、まだ体が
小さいのでウエイトトレーニングに力を入れています。また、試合で走り切る走力が
ついていないので、そこを課題として頑張っています。帝京大学ラグビー部の先輩方
はみな体が大きくてすごいなと感じました。その体を作るために、少しの時間を見つ
けては、日々、トレーニングしているので、そこもすごいと感じています。そういっ
た部分をしっかり学んでいきたいです。早くAチームでプレーできるように、向上心
を忘れずに、まずは体を大きくして、自分の強みをさらに出せるようにして、激しい
プレーを出していきたいと思います。」
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《NEXT MATCH》
第52回全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第1戦
対法政大学(http://www.hoseirugby.com/)
12月13日(日) ケーズデンキスタジアム水戸
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学交流戦2勝0敗(大学選手権2勝2敗)
[法政大学の直近5戦]
10月25日 ●12-59東海大学(関東大学リーグ戦1部)
11月8日 ●16-34流通経済大学(関東大学リーグ戦1部)
11月22日 ●38-41大東文化大学(関東大学リーグ戦1部)
11月29日 ○163-0八戸学院大学(大学選手権ファーストステージ)
12月5日 ○66-31福岡工業大学(大学選手権ファーストステージ)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学66-5明治大学●
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《帝京大学》
[FW]
(1)堀越⇒大木(2)小川(一)⇒北林(佑)(3)浅堀⇒呉(味)(4)服部(5)
姫野⇒菅原(6)小野(7)申⇒秋山(8)吉田
[BK]
(9)小畑⇒伊藤(10)金村(11)宮崎(12)濱野(13)岡田(14)津岡⇒中村
(15)鎌田⇒石垣
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)齊藤(2)大塚(3)田代(4)尾上(5)小宮(6)近藤(7)安永(8)前田
[BK]
(9)福田(10)忽那(11)渡部(12)松尾(13)渡邊(14)高橋(15)森田
【前半】【得点経過】
【4分】帝5-0明
ラインアウトからモールで押し込む。モールを押し切ってPR堀越がトライ。
【10分】帝12-0明
ラインアウトが乱れるも、CTB濱野がこぼれ球をうまく拾って、そのまま走り切って
トライ。ゴール成功。
【29分】帝19-0明
ペナルティでスクラムを選択。スクラムを押し込み、そのままNo8吉田が押さえてト
ライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【1分】帝26-0明
ラインアウトのこぼれ球をNo8吉田が拾って、そのまま前進してトライ。ゴール成
功。
【6分】帝33-0明
FB宮崎が抜け出し前進。ラックからSH小畑-CTB岡田と渡り、岡田が抜け出してトラ
イ。ゴール成功。
【14分】帝40-0明
FW、BKで前進。ラックからPR堀越が持ち出し、さらにラックからPR呉が持ち出してト
ライ。ゴール成功。
【25分】帝40-5明
ディフェンスラインの裏へキックを蹴られ、トライを奪われる。
【29分】帝47-5明
ラインアウトからモールを押し込み、そのまま押し切ってNo8吉田がトライ。ゴール
成功。
【34分】帝54-5明
ターンオーバーからCTB濱野が前進。ラックからSH伊藤-SO金村と渡り、金村が走り
切ってトライ。ゴール成功。
【37分】帝59-5明
ラックからBK展開。WTB石垣に渡り、石垣が抜け出してトライ。
【41分】帝66-5明
FW、BKで前進。ラックからSH伊藤-SO中村と渡り、中村が抜け出してトライ。ゴール
成功。
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《BRIEF REVIEW》
秩父宮ラグビー場で行われたジュニア選手権決勝。対戦相手は、ジュニアのリーグ戦
では30-24の接戦となった明治大学。立ち上がりから帝京が主導権を握る。4分、相
手のペナルティでゴール前まで進み、ラインアウトからうまくモールを組んで押し込
む。ラインアウトを投げ入れたPR堀越がモールの最後尾につき、インゴールで押さえ
て、幸先よくトライを奪う。その後、気合いがやや空回りしたかミスも出るものの、反
応もはやく、大きなダメージには至らない。10分には、この日のゲームキャプテン
CTB濱野が、ラインアウトのこぼれ球をうまく拾って追加点。さらに、CTB岡田らが力
強く前に出る。攻め込まれても、しっかりとディフェンスしてLO服部らがターンオー
バー。スクラムトライまで飛び出し、前半を19-0で折り返した。後半は帝京の勢い
がより加速する。1分にNo8吉田のトライで突き放すと、その後も加点し続ける。FBに
回った宮崎、途中出場のSO中村、PR呉、WTB石垣らが力強いアタックを見せれば、
ディフェンスでも全員が体を張り続ける。66-5でノーサイド。帝京がジュニア選手
権4連覇を飾った。
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《AFTER MATCH SAY》
■岩出雅之監督
「今日のゲームはみな、一生懸命やっていたと思います。今後も、より高い目標を
もって、さらに貪欲に頑張ってくれると思います。この試合はジュニア選手権の決勝
戦でしたが、出ている選手たちにとっては、大学選手権に向けてのスタートの試合と
考えて臨んでいたことと思います。ただ、その意識が強すぎて、力が入りすぎてし
まったところもあったようです。一生懸命やることにプラスして『本気』と『スキル
アップ』を加えられるように期待したいです。ここからさらにどのように一皮も二皮
も剥けていくかが、とても楽しみです。次週からは大学選手権に入りますが、ここか
らは一戦一戦が負けられない『勝負』。一人一人の『本気』が試される試合が続くこ
とになります。今日の試合でジュニア選手権4連覇をさせていただくことができまし
た。連覇というのは毎年、チーム力を落とさずに来られた証でもありますので、
チームとしてとても大事なことを成し遂げることができたと思っています。しかし、
これは私たちが目指す、いくつもある大切な目標のうちの一つであり、これで終わる
わけではありません。この試合をさらに次につなげていくために、さらなる積み上げ
をしていきたいと思います。」
■ゲームキャプテン・CTB濱野大輔(4年・ゲームMVP)
「今日の試合は一人一人がまずは厳しさを出し、痛いところに対して体を張って行こ
うと言って臨みました。また、前の試合で悔しい思いをしたので、ここから本気の
チーム、本気の自分を作っていこうという話をしました。そのためのスタートゲーム
として、今日の試合でどれだけ体を張れるかを意識して戦いました。ミスもあり、
タックルのバインドの甘さ、ブレイクダウンの甘さも見えましたので、そこはチーム
で改善していかなければいけないと思います。明日の練習から、早速、取り組んでい
きます。自分は4年生ですし、学生コーチという立場でもあり、グランドだけでな
く、グラウンド外でのリーダーシップも意識した行動、発言で下級生を引っ張ってい
きたいと思っています。大学選手権は一戦一戦、まったく油断できない試合が続きま
すが、結果を出しつつ成長できるように、目標である大学選手権7連覇、そして日本
選手権での勝利に向けてしっかり戦っていきたいと思います。」
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■スクラムで大きな手応えを感じた・PR浅堀航平(4年)
「今日はFWとしてはセットプレーで圧倒しようと言って臨みました。でも、まだ甘い
ところがあり、受け身になってしまったところもありました。ただ、トータル的に見
ればスクラムを押してターンオーバーできたり、スクラムトライを取れたりしたので
よかったと思います。先週、Aチームが筑波大学さんに敗れたこともあり、ここで
しっかり勝って、もう一度いい流れを作ろうという気持ちで入ったので、そこもよ
かったと思います。チームとしても、この前の敗戦によって、それまで少し緩んでい
た部分が修正されて、引き締まったと思います。大学選手権では一試合でも多くゲー
ムに関わって、少しでもチームに貢献できるように頑張ります。」
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■タックルする姿で後輩たちに思いを伝える・LO服部航介(4年)
「今日はジュニアとしては最後の試合なので、いいプレーをしてAチームに入ってい
こうという意識で挑んだのですが、気持ちは入っていたものの、序盤はその気持ちが
空回りして、自分からのミスが多く出てしまいました。その後、何とか取り戻そうと
思い、必死でタックルに行くようにしました。ゴール前で攻められている場面でター
ンオーバーして前進できたところはよかったです。4年生ということで、タックルな
どで姿を見せて、それを見せることで後輩たちに感じるもの、思いのようなものが伝
わればと思ってプレーしました。今後は練習で一つ一つ積み上げていって、Aチーム
のメンバーに入ってチームに貢献できるように頑張りたいと思います。」
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■終始、落ち着いたプレーでゲームをコントロール・SH小畑健太郎(1年)
「先週、対抗戦で悔しい思いをしましたが、この試合が大学選手権に向けての新しい
スタートになるように、体を張った厳しいプレーをしようと思って臨みました。しか
し、アタック面ではまだパスなどでミスがあったので、そこは修正していきたいで
す。チームの雰囲気は敗戦によって逆にとてもよくなっていると思います。みんなハ
ングリーな状態で練習に取り組んでいます。ですが、今日はオーバーテンションに
なってしまってミスが出たところもあったので、そこは今後に向けて修正していきた
いと思います。」
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■チームキャプテン・坂手淳史(4年)
「今日はジュニア戦の集大成ということで、いい厳しさを見せてくれるだろうと思っ
て見ていました。ディフェンス面ではいい出足、いいブレイクダウンがあり、厳しさ
がよく出ていたと思います。アタックに関しては、少しミスがあったのですが、それ
でもミスしたあとの反応はよかったので、リアクションスピードは改善されていたと
思いますし、気持ちの見えた、いい試合だったと思います。Bチームが厳しさを見せ
てくれたことで、自分たちAチームももっと厳しさを出さなければと思いますし、そ
れによってチームも一つにまとまると思います。このメンバーからAチームに入って
くる選手もいるでしょうし、実際、いいプレーをしていたので、Aチーム、そしてC、
Dチームもさらにレベルアップして、帝京が一つのチームとして強くなっていくため
のいい刺激になると思います。」
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《PICK UP PLAYERS》
強さだけでなく、うまさも見せつけた
WTB 石垣 航平(4年)
ISHIGAKI KOHEI
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1993年6月25日生まれ
教育学部教育文化学科
宮古高校出身
身長183cm/体重104kg
■まずは今日のゲームを振り返ってください。
「先週の敗戦もあり、今日は自分たちの厳しさと激しさを、もう一度、思い出して、
80分間、出し切ろうと言って臨みました。結果としてはみな、一生懸命やったことで
勝利を手にすることができましたが、まだまだブレイクダウンの厳しさやタックルの
激しさで足りない部分もあったので、今後、チームとして大学選手権を戦っていくこ
とに向けて、そういったところを改善していきたいと思います。」
■自身の今日のプレーでの手応えはいかがでしたか。
「アタックでは自分の強さを出せたと思うのですが、ディフェンス面でもっと細かい
部分にこだわっていかないと上のチームでは通用しないと思うので、そこを見直して
取り組んでいきたいです。」
■「上のチーム」という言葉が出ました。ジュニア選手権ではいい結果を得ました
が、当然、Aチームへの意識も強く持っているようですね。
「チームは全員で戦っているのですが、試合に出られるメンバーは限られてきます。
さらに高い意識で喰らいついていかないといけないと思うので、チームの一員とし
て、日々、しっかり努力していきたいです。」
■毎年この時期、「4年力」という言葉が出てくるように、このあたりから4年生の役
割がこれまで以上に大きくなっていくと思いますが、4年生としてのリーダーシップ
についてはどんな意識を持っていますか。
「先週の敗戦後に4年生で話し合いをしました。自分たちが姿で見せていかなければ
いけないということを再確認したので、ゲーム、練習、私生活の態度など、すべての
面で下の学年に自分たちの姿を示せるように、しっかりと、また謙虚にやっていきた
いと思っています。」
■では、今後への意気込みをお願いします。
「来週から大学選手権が始まります。試合に出るメンバーも出ないメンバーも一つに
なって自分たちの強みを出して、一戦一戦、大事に戦っていきたと思います。」
前半20分からの途中出場だったが、特にアタック面で持ち前の体の強さを見せた。後
半37分にはいい角度で走り込み、ラックからのボールをもらって抜け出し、そのまま
トライを奪った。強さだけでなく、うまさも見せつけたシーンだった。4年生として
のリーダーシップへの意識も高い。本人も語るようにディフェンス面にさらに磨きが
かかれば、大学選手権でも大きな戦力になってくることだろう。
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《COLUMN》
――「達成感」と「満足感」――
帝京がジュニア選手権4連覇(4年連続4回目の優勝)を達成しました。
大学選手権7連覇を狙う帝京がジュニア選手権は4年連続4回目の優勝ですから、大学
選手権連覇中も最初の3年間はジュニア選手権で優勝していないということです。そ
れほど難しく、だからこそ価値のある、他校も口を揃えて「取りたい」と言うタイト
ルの一つがこの「ジュニア選手権」なのです。
Bチームの大会とはいえ、それほど「取りたい」と思うタイトルを取ったのですか
ら、うれしくないはずはありません。しかし、岩出監督はもちろん、選手たちも誰一
人として「満足感」を口にした人はいませんでした。
おそらく心の中での「達成感」はあるはずです。しかし、同時に「ここで満足してい
ては成長はない」と知っているのです。「達成感」は大事ですが、それが「満足感」
になってしまうと成長は止まってしまいます。
岩出監督はこうおっしゃいます。
「ここが、大学選手権に向けた『本気』と『スキルアップ』のための第一歩です。」
さらにこう続けました。
「ここで満足するような、いい思い出になったと思うような選手は最初から出場して
いません。」
さあ、大学選手権がスタートします。今日のメンバーからもおそらく何人も出場することで
しょう。この試合で見せた厳しさ、激しさ、そして同時にそれらを上手にコントロー
ルする冷静さをどこまで出し切れるか。そして、短い大会期間ながら、さらにどこま
で成長できるか。
Bチーム、いやその下のC、D、Eチームもまだまだ成長を止めるわけにはいきません。
Aチームにとっても、下のチームから上がってくる選手たちとの競争心など大きな刺
激になっていくでしょう。「達成感」を胸に、チーム帝京の成長はまだまだ続きま
す。
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《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR/HO 半田晃大(1年)
常翔学園高校出身
身長174cm/体重100kg
「PRとしては体が大きくないのですが、その分、サポートプレーの部分で光る
ということを常に意識しています。これからもっと体を大きくして、セットプレーで
も自信を持てるようにしていきたいと思っています。大学生レベルのスクラムをまだ
組めていないのですが、まずは体を作ることと80分間走り続けられる体力といった
ベースの部分をしっかり身に付けたいと思っています。帝京大学ラグビー部に入って
驚いたのは、上級生が率先していろいろな仕事をしてくださることです。そういっ
た、1年生に余裕を持たせてくださるところが、中学、高校時代はなかったことでし
た。先輩方のサポートのおかげで伸び伸びとラグビーに集中できているので、とても
ありがたいです。今、自分はケガがあってプレーをしていないのですが、まずは早く
ケガを治すこと、そして上のチームに上がって、Aチームで活躍できるように、課題
を見つけて、それを克服する努力をしていきたいと思います。」
FL/No8 坂下尚治郎(1年)
川越東高校出身
身長170cm/体重85kg
「自分のアピールポイントはブレイクダウン、接点での激しさです。ただ、まだ体が
小さいのでウエイトトレーニングに力を入れています。また、試合で走り切る走力が
ついていないので、そこを課題として頑張っています。帝京大学ラグビー部の先輩方
はみな体が大きくてすごいなと感じました。その体を作るために、少しの時間を見つ
けては、日々、トレーニングしているので、そこもすごいと感じています。そういっ
た部分をしっかり学んでいきたいです。早くAチームでプレーできるように、向上心
を忘れずに、まずは体を大きくして、自分の強みをさらに出せるようにして、激しい
プレーを出していきたいと思います。」
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《NEXT MATCH》
第52回全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第1戦
対法政大学(http://www.hoseirugby.com/)
12月13日(日) ケーズデンキスタジアム水戸
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学交流戦2勝0敗(大学選手権2勝2敗)
[法政大学の直近5戦]
10月25日 ●12-59東海大学(関東大学リーグ戦1部)
11月8日 ●16-34流通経済大学(関東大学リーグ戦1部)
11月22日 ●38-41大東文化大学(関東大学リーグ戦1部)
11月29日 ○163-0八戸学院大学(大学選手権ファーストステージ)
12月5日 ○66-31福岡工業大学(大学選手権ファーストステージ)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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