REPORT
レポート
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第52回全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第2戦 関西大学戦
2015/12/20
12月20日(日)・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場
○帝京大学(勝点15)87-22関西大学(勝点0)●
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《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒堀越(2)坂手⇒大木(3)深村⇒垣本(4)飯野⇒姫野(5)金(嶺)
(6)イラウア(7)亀井(8)マクカラン⇒小野
[BK]
(9)小畑⇒荒井(10)金田(11)矢富(12)森谷⇒濱野(13)石垣(14)尾崎
(15)重⇒松田
《関西大学》※先発のみ
[FW]
(1)藤井(2)倉屋(3)後藤(4)大庭(5)辨天(6)中野(7)杉岡(8)高木
[BK]
(9)松浦(10)北田(11)原(12)松本(13)三谷(14)吉田(15)竹中
【前半】【得点経過】
【1分】帝7-0関
スクラムでペナルティをもらい、No8マクカランがクイックリスタート。SH小畑-CTB
森谷-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【7分】帝14-0関
相手のキックをキャッチし、連続攻撃。ラックからSH小畑-SO金田と渡る。金田から
FLイラウアへのパスが、相手のアーリータックルでこぼれるも、HO坂手がうまく拾っ
て前進。そのままトライ。ゴール成功。
【11分】帝21-0関
相手ボールのスクラムでプレッシャーをかけ、さらにラックでターンオーバー。ラッ
クからLO金がボールアウトし、後ろから走り込んだFLイラウアへパス。イラウアが抜
け出してトライ。ゴール成功。
【14分】帝26-0関
ペナルティからFLイラウアがタップキックで前進。ラックになるもSH小畑から、走り
込んだHO坂手がもらって抜け出し、トライ。
【18分】帝26-3関
PGを決められる。
【22分】帝31-3関
スクラムから、No8マクカラン-SH小畑-SO金田-WTB尾崎-WTB矢富-FB重と渡り、
重が抜け出しトライ。
【33分】帝38-3関
WTB尾崎がパス・インターセプト。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【37分】帝45-3関
ラインアウトからモールを形成。押し切ってHO坂手がトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【0分】帝52-3関
キックオフから連続攻撃。ラックからSH小畑-HO坂手-FLイラウア-CTB石垣と渡
り、石垣が前進。さらにイラウアへと戻し、イラウアが抜け出してSH小畑へパス。小
畑が押さえてトライ。ゴール成功。
【3分】帝52-10関
パスをインターセプトされ、トライを奪われる。
【6分】帝59-10関
相手ボールのラインアウトをキャッチし、連続攻撃。WTB矢富、WTB尾崎が前進。尾崎
からSH小畑-SO金田と渡る。パスが乱れるも、CTB森谷がうまく拾ってそのままトラ
イ。ゴール成功。
【10分】帝66-10関
ラインアウトからモールを形成。押し切ってHO坂手がトライ。ゴール成功。
【22分】帝73-10関
ペナルティからSH小畑がクイックリスタート。LO飯野-No8マクカラン-WTB尾崎と渡
り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【27分】帝80-10関
ラインアウトからモールを形成。HO坂手が持ち出したラックから、SH小畑-SO金田-
WTB矢富と渡り、矢富が前進。さらにCTB石垣が大きく前進。ラックになるも、SH小畑
が持ち出し、抜け出してトライ。ゴール成功。
【33分】帝80-15関
パスをインターセプトされてトライを奪われる。
【37分】帝80-22関
ゴール前でのペナルティから前に出られ、トライを奪われる。
【41分】帝87-22関
ターンオーバーから連続攻撃。ラックからSH荒井-SO松田-CTB金田と渡り、金田が
前進。さらにNo8小野-CTB石垣と渡り、石垣が抜け出して、走り切ってトライ。ゴー
ル成功。
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《BRIEF REVIEW》
大学選手権セカンドステージ第2戦は、関西Aリーグ4位、大学選手権47年ぶりの出場
の関西大学。前半1分、スクラムでペナルティをもらうと、No8マクカランがすばやく
仕掛けて前進。全員がこれに反応し、WTB尾崎へとつながり先制トライを奪う。その
後もFW、BKともに走り続ける。前の試合で課題として出たブレイクダウン周辺での激
しさも、この試合ではかなり改善され、いいテンポでボールを動かす。終始、帝京
ペースで進み、前半を45-3で折り返した。後半もいきなりのノーホイッスルトライ
で追加点を奪い、帝京ペースが続く。相手ディフェンスの速い出足に前進を阻まれる
シーンもあるが、しっかりとボールをつないでいく。ディフェンスでも、ブレイクダ
ウンでのFL亀井らの激しい絡みなどでボールを奪う。セットプレーも安定。相手ボー
ルにプレッシャーをかけ、ボールを奪うシーンも増える。2本のパス・インターセプ
トなどでの失点はあったものの、87-22で勝利。勝点6を加え、総勝点を15とした。
なお、他会場での試合の結果、プールAの他校は次戦に勝利しても総勝点15を超える
ことができないため、セカンドステージ1戦を残し、帝京のファイナルステージ準決
勝進出が決まった。
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《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日のテーマは『ワークハード』。80分間、しっかりと働き続けようと言って、送
り出しました。また、関西大学さんはとてもまじめな、最後まで気持ちを抜かない
チームだと分析していましたので、我々もそれに負けないようにと言って、試合に臨
みました。実際、戦ってみて、関西大学さんはやはり最後まで真摯な姿勢で戦ってこ
られる、すばらしいチームでした。我々のプレーとしては、特にブレイクダウン周辺
のプレーでよかったところも多かったのですが、満足せずに、次に向けてしっかりい
いチャレンジをしてくれると思っています。今日は、チームのエフィカシー、有能感、肯定感
のようなものを少しずつ高めていける、そういうゲームになったのではないでしょう
か。大学選手権セカンドステージはトーナメントではありませんが、負けたらファイ
ナルステージ進出が非常に難しくなるという意味においては、トーナメントと同じ気
持ちで戦う必要があります。その気持ちが『ワークハード』につながり、選手たちの
厳しさを引き出すいい要素になっていると思います。次はセカンドステージ最後の
ゲームですが、今日の反省点を活かしたゲームになるようにしたいと思います。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は、総じて自分たちがゲームをコントロールできていたと思いますが、ただ、
アタック時のブレイクダウン周辺でのミス、ノックオンなどですが、それが目立った
ので、しっかりと前を見ること、そしてハンドリングスキル、キャッチスキルをもう
一度、見直していきたいと思います。ディフェンスでは、ラインブレイクされる場面
が多くありましたが、その修正点もしっかり見えてきていますし、ディフェンスで前
を見ることを中心にこれから修正して、アタック、ディフェンスともにレベルを上げ
て、次の中央大学さんとの試合に臨みたいと思います。」
■ブレイクダウンでファイトできた・LO金嶺志(3年)
「今日は自分の持ち味である激しさを出していこうと思って、試合に臨みました。し
かし、前半、少し受け身になってしまう部分があったり、コミュニケーションの部分
で課題が出たので、次に向けてしっかり修正したいです。ブレイクダウンでハード
ワークできるようにするというのが、今日のポイントの一つでしたが、ブレイクダウ
ンでしっかりファイトすることができたところは、よかったと思います。ただ、ライ
ンアウトでは自分がサインを出すところでミスがあったりと、精度がやや低くなって
しまったので、次戦以降に向けてしっかり修正していきたいと思います。」
■後半、ボールタッチの回数が増えてからは持ち味が出せた・WTB矢富洋則(2年)
「今日は、ランとパスの判断の部分等課題も出た試合になりまし
た。WTBだとボールに触る機会も少なくなるので、自分のスキル不足からいろいろ難しかったです。後半、
メンバーチェンジがあって、自分がFBに回った時間帯ではボールをもらう回数も増え
て、自分の持ち味を出せたので、そこはよかったです。今日の試合でチャンスをいた
だけたことは、自分にとってすごく大きな経験になったので、今日出た反省点をしっ
かり修正して、練習からもっと自分に何が足りないのかを明確にして、厳しくやって
いきたいです。そして、今後の大学選手権の試合にもメンバーに選ばれるように、そ
してチームに貢献できるように頑張って行きたいと思います。」
■地元での試合を楽しむことができた・CTB森谷圭介(4年)
「今日は、今週やってきたことをまず出そうということを全員で意識して臨みまし
た。エリアごとにやりたいことがいろいろあったのですが、できたところとできな
かったところがありました。ただ、いいチャレンジはできたと思います。久しぶりに
CTBで出場したのですが、FBよりもコンタクトが増えたので、とても楽しんでできま
した。また、地元埼玉での試合ということで、友達や知人もたくさん見に来てくれ
て、その部分でも楽しむことができました。地元でも試合自体はいつもと変わらない
のですが、気持ちの中で『頑張ろう』というのはありました。今日は、激しくできた
ところ、できなかったところの両方があったと思うので、その精度を上げて、全員が
精度高くやれるように、練習からしっかりやっていきたいと思います。」
■チームが元気になれるようなプレーをしたい・PR堀越康介(2年)
「後半からの出場でしたが、セットプレーを安定させよう、ブレイクダウンとタック
ルで体を張っていこう、そして、自分が入ることでチームが元気になれるプレーをし
ようと思って臨みました。セットプレーはよかったと思いますが、後半ラスト10分あ
たりから、相手をペースに乗せてしまいました。すべて自分たちのディフェンスでの
ミスからなので、もっとコミュニケーションを取って、自分ももっとタックルに行け
るようにしていきたいです。今はリザーブとしての役割なので、そこでいいプレーを
して、チームに勢いをつけられるようなプレーを、今後もしていきたいと思いま
す。」
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《PICK UP PLAYERS》
試合に出られないメンバーの分まで頑張りたい
LO 姫野和樹(3年)
HIMENO KAZUKI
1994年7月27日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
春日丘高校出身
身長187cm/体重112kg
■まずは、今日のゲームを振り返って、感想を聞かせてください。
「後半から出てチームに勢いを与えられるプレーをしたいと思っていたのです
が、点数を取られてしまったというのは課題だと思いますし、これからの試合につな
げていくためには、もっともっとディフェンスを改善していかなければいけないと思
いました。」
■後半からインパクトプレーヤーとして出場するケースが多いですが、どのような意
識で臨んでいるのでしょうか。
「役割としては、後半から出て、そこでインパクトのあるプレーをして、チー
ムにもっともっと勢いを与えられる存在になることだと思っていますが、その存在と
いうものを確かにしていくために、もっと頑張らないといけないと思っています。」
■反省の弁が出ていますが、今日は、大きく前進するプレーなどいいプレーもありま
した。
「いいところもあったとは思いますが、自分としてはまだまだ納得していないところ
が多かったです。今日に関しては、自分としては納得していないですね。」
■1年生のときにケガもあって、1年間、治療・リハビリに励みました。そのときの思
いのようなものもプレーに表れているように思えます。
「ケガで出られないという経験をしていて、サポートしてくれているメンバーの助け
であったり、また彼らの試合に出られない悔しさもわかるので、彼らの分までやって
いかなければという自覚はあります。」
■今後、こんなところを強化していきたいというものはありますか。
「一つ一つのプレーの精度をもっと上げていきたいです。後半から出場して、プレー
時間が短い中で、自分がミスをしてしまうとチームに勢いを与えることができないの
で、プレーの正確さ、そして質を上げていって、チームに貢献したいと思って
います。自分の役割は自分の中では明確なので、その役割をしっかり全うしたいで
す。」
■では、あらためて、次戦以降の大学選手権への意気込みをお願いします。
「セカンドステージはあと一試合ですが、その試合を大事に戦って、勝利して、セミ
ファイナル、ファイナルに向けて、自分もチームも、もう一段、成長できるような
ゲームにするために、練習からしっかりやっていきたいと思います。」
強い体を活かして、後半からのインパクトプレーヤーとしての役割が定着しつつあ
る。疲れがピークに達しつつある味方には元気を与え、同様に疲れがピークに達しつ
つある相手チームには、気持ちの面でもスコアの面でも、壊滅的なダメージを与え
る。そんな自身の役割を十分に理解しており、それを全うしようと努力している。ま
た、1年生のとき、ケガの治療・リハビリに専念した経験から、サポートメンバーた
ちの大切さ、彼らの試合に出られない悔しさも理解できる。この先、姫野のパワフル
な破壊力が、さらにチームに勢いを与えてくれることだろう。
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《COLUMN》
――スクラムの進化――
この試合、帝京はマイボールスクラムでは総じて安定させることができ、相手ボール
のスクラムではプレッシャーをかけ、ボールを奪うシーンも見られました。
相手の関西大学もスクラムではかなりの自信を持っているチームです。ダイレクト
フッキングですばやくボールを出すなど、しっかりとした対策をされてきたようです
し、共同記者会見ではキャプテンから「スクラムではある程度の手応えを感じまし
た」といったコメントも聞かれました。
そうした中でも帝京FW陣はスクラムでプレシャーをかけ、スクラムを自分たちでコン
トロールし続けることができました。帝京FW陣のスクラムへの自信は日に日に大きく
なっているようです。
試合前に、相馬朋和コーチとお話をさせていただくことができました。
「スクラム、強くなっていますよ。彼らも自信がついているでしょう。実際、スクラ
ムでのペナルティが減っているはずですよ。しっかり組めている証拠です。」
PR堀越にスクラムについて聞いてみると、「僕自身はスクラムでのペナルティが多い
方なので……」と苦笑いを見せながら、こう語ってくれました。
「相馬さんのアドバイスが、僕が目指したいスクラムの方向性と合致しているので、
理解しやすいですし、効果も高いです。とてもありがたいです。」
ワールドカップでの日本代表の躍進も、スクラムの強化なしにはあり得なかったで
しょう。
そして、帝京のスクラムもさらに進化していきます。相手やレフェリーの解釈の問題
もあり、ペナルティをゼロにするというのは現実的には難しいかもしれません。しか
し、スクラムでのペナルティの多寡は、スクラムの進化の度合いを測る一つの尺度に
なるかもしれません。
そんな見方でスクラムを見てみると、ファンとしても新たな楽しみ方を発見できそう
です。
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《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR 長谷川寛太(1年)
長崎北陽台高校出身
身長179cm/体重104kg
「フィールドプレーでは相手に負けないように、自分の対面に少しでも勝てる
ように、体では絶対に負けないようにと思ってやっています。課題はスクラムで、ス
クラムが強くならないと上にチームを狙えないと思うので、スクラムにこだわって自
分を強化していきたいと思っています。まだ下のチームにいますが、下のチームでス
クラムを地道に頑張って、早く上のチームに上がりたいと思っています。帝京大学ラ
グビー部は、僕たちが大学生活やラグビーに専念できるように、スタッフさんや大学の方々がさ
まざまなところでサポートしてくださっています。すごくありがたいと感じていま
す。今は、体作り、体力作りに励んでいますが、少しでも上のチームに絡んでいける
ように、さらに頑張っていきます。」
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《NEXT MATCH》
全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第3戦
対中央大学戦(http://curfc.jp/)
12月27日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:大学選手権での対戦はなし
[中央大学の直近5戦]
11月1日 ○26-12専修大学(関東大学リーグ戦1部)
11月7日 ○38-14拓殖大学(関東大学リーグ戦1部)
11月22日 ○67-3山梨学院大学(関東大学リーグ戦1部)
12月13日 ○24-12関西大学(大学選手権セカンドステージ)
12月20日 ●28-36法政大学(大学選手権セカンドステージ)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(勝点15)87-22関西大学(勝点0)●
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《帝京大学》
[FW]
(1)徳永⇒堀越(2)坂手⇒大木(3)深村⇒垣本(4)飯野⇒姫野(5)金(嶺)
(6)イラウア(7)亀井(8)マクカラン⇒小野
[BK]
(9)小畑⇒荒井(10)金田(11)矢富(12)森谷⇒濱野(13)石垣(14)尾崎
(15)重⇒松田
《関西大学》※先発のみ
[FW]
(1)藤井(2)倉屋(3)後藤(4)大庭(5)辨天(6)中野(7)杉岡(8)高木
[BK]
(9)松浦(10)北田(11)原(12)松本(13)三谷(14)吉田(15)竹中
【前半】【得点経過】
【1分】帝7-0関
スクラムでペナルティをもらい、No8マクカランがクイックリスタート。SH小畑-CTB
森谷-WTB尾崎と渡り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【7分】帝14-0関
相手のキックをキャッチし、連続攻撃。ラックからSH小畑-SO金田と渡る。金田から
FLイラウアへのパスが、相手のアーリータックルでこぼれるも、HO坂手がうまく拾っ
て前進。そのままトライ。ゴール成功。
【11分】帝21-0関
相手ボールのスクラムでプレッシャーをかけ、さらにラックでターンオーバー。ラッ
クからLO金がボールアウトし、後ろから走り込んだFLイラウアへパス。イラウアが抜
け出してトライ。ゴール成功。
【14分】帝26-0関
ペナルティからFLイラウアがタップキックで前進。ラックになるもSH小畑から、走り
込んだHO坂手がもらって抜け出し、トライ。
【18分】帝26-3関
PGを決められる。
【22分】帝31-3関
スクラムから、No8マクカラン-SH小畑-SO金田-WTB尾崎-WTB矢富-FB重と渡り、
重が抜け出しトライ。
【33分】帝38-3関
WTB尾崎がパス・インターセプト。そのまま走り切ってトライ。ゴール成功。
【37分】帝45-3関
ラインアウトからモールを形成。押し切ってHO坂手がトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【0分】帝52-3関
キックオフから連続攻撃。ラックからSH小畑-HO坂手-FLイラウア-CTB石垣と渡
り、石垣が前進。さらにイラウアへと戻し、イラウアが抜け出してSH小畑へパス。小
畑が押さえてトライ。ゴール成功。
【3分】帝52-10関
パスをインターセプトされ、トライを奪われる。
【6分】帝59-10関
相手ボールのラインアウトをキャッチし、連続攻撃。WTB矢富、WTB尾崎が前進。尾崎
からSH小畑-SO金田と渡る。パスが乱れるも、CTB森谷がうまく拾ってそのままトラ
イ。ゴール成功。
【10分】帝66-10関
ラインアウトからモールを形成。押し切ってHO坂手がトライ。ゴール成功。
【22分】帝73-10関
ペナルティからSH小畑がクイックリスタート。LO飯野-No8マクカラン-WTB尾崎と渡
り、尾崎が抜け出してトライ。ゴール成功。
【27分】帝80-10関
ラインアウトからモールを形成。HO坂手が持ち出したラックから、SH小畑-SO金田-
WTB矢富と渡り、矢富が前進。さらにCTB石垣が大きく前進。ラックになるも、SH小畑
が持ち出し、抜け出してトライ。ゴール成功。
【33分】帝80-15関
パスをインターセプトされてトライを奪われる。
【37分】帝80-22関
ゴール前でのペナルティから前に出られ、トライを奪われる。
【41分】帝87-22関
ターンオーバーから連続攻撃。ラックからSH荒井-SO松田-CTB金田と渡り、金田が
前進。さらにNo8小野-CTB石垣と渡り、石垣が抜け出して、走り切ってトライ。ゴー
ル成功。
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《BRIEF REVIEW》
大学選手権セカンドステージ第2戦は、関西Aリーグ4位、大学選手権47年ぶりの出場
の関西大学。前半1分、スクラムでペナルティをもらうと、No8マクカランがすばやく
仕掛けて前進。全員がこれに反応し、WTB尾崎へとつながり先制トライを奪う。その
後もFW、BKともに走り続ける。前の試合で課題として出たブレイクダウン周辺での激
しさも、この試合ではかなり改善され、いいテンポでボールを動かす。終始、帝京
ペースで進み、前半を45-3で折り返した。後半もいきなりのノーホイッスルトライ
で追加点を奪い、帝京ペースが続く。相手ディフェンスの速い出足に前進を阻まれる
シーンもあるが、しっかりとボールをつないでいく。ディフェンスでも、ブレイクダ
ウンでのFL亀井らの激しい絡みなどでボールを奪う。セットプレーも安定。相手ボー
ルにプレッシャーをかけ、ボールを奪うシーンも増える。2本のパス・インターセプ
トなどでの失点はあったものの、87-22で勝利。勝点6を加え、総勝点を15とした。
なお、他会場での試合の結果、プールAの他校は次戦に勝利しても総勝点15を超える
ことができないため、セカンドステージ1戦を残し、帝京のファイナルステージ準決
勝進出が決まった。
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《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日のテーマは『ワークハード』。80分間、しっかりと働き続けようと言って、送
り出しました。また、関西大学さんはとてもまじめな、最後まで気持ちを抜かない
チームだと分析していましたので、我々もそれに負けないようにと言って、試合に臨
みました。実際、戦ってみて、関西大学さんはやはり最後まで真摯な姿勢で戦ってこ
られる、すばらしいチームでした。我々のプレーとしては、特にブレイクダウン周辺
のプレーでよかったところも多かったのですが、満足せずに、次に向けてしっかりい
いチャレンジをしてくれると思っています。今日は、チームのエフィカシー、有能感、肯定感
のようなものを少しずつ高めていける、そういうゲームになったのではないでしょう
か。大学選手権セカンドステージはトーナメントではありませんが、負けたらファイ
ナルステージ進出が非常に難しくなるという意味においては、トーナメントと同じ気
持ちで戦う必要があります。その気持ちが『ワークハード』につながり、選手たちの
厳しさを引き出すいい要素になっていると思います。次はセカンドステージ最後の
ゲームですが、今日の反省点を活かしたゲームになるようにしたいと思います。」
■キャプテン・HO坂手淳史(4年)
「今日は、総じて自分たちがゲームをコントロールできていたと思いますが、ただ、
アタック時のブレイクダウン周辺でのミス、ノックオンなどですが、それが目立った
ので、しっかりと前を見ること、そしてハンドリングスキル、キャッチスキルをもう
一度、見直していきたいと思います。ディフェンスでは、ラインブレイクされる場面
が多くありましたが、その修正点もしっかり見えてきていますし、ディフェンスで前
を見ることを中心にこれから修正して、アタック、ディフェンスともにレベルを上げ
て、次の中央大学さんとの試合に臨みたいと思います。」
■ブレイクダウンでファイトできた・LO金嶺志(3年)
「今日は自分の持ち味である激しさを出していこうと思って、試合に臨みました。し
かし、前半、少し受け身になってしまう部分があったり、コミュニケーションの部分
で課題が出たので、次に向けてしっかり修正したいです。ブレイクダウンでハード
ワークできるようにするというのが、今日のポイントの一つでしたが、ブレイクダウ
ンでしっかりファイトすることができたところは、よかったと思います。ただ、ライ
ンアウトでは自分がサインを出すところでミスがあったりと、精度がやや低くなって
しまったので、次戦以降に向けてしっかり修正していきたいと思います。」
■後半、ボールタッチの回数が増えてからは持ち味が出せた・WTB矢富洋則(2年)
「今日は、ランとパスの判断の部分等課題も出た試合になりまし
た。WTBだとボールに触る機会も少なくなるので、自分のスキル不足からいろいろ難しかったです。後半、
メンバーチェンジがあって、自分がFBに回った時間帯ではボールをもらう回数も増え
て、自分の持ち味を出せたので、そこはよかったです。今日の試合でチャンスをいた
だけたことは、自分にとってすごく大きな経験になったので、今日出た反省点をしっ
かり修正して、練習からもっと自分に何が足りないのかを明確にして、厳しくやって
いきたいです。そして、今後の大学選手権の試合にもメンバーに選ばれるように、そ
してチームに貢献できるように頑張って行きたいと思います。」
■地元での試合を楽しむことができた・CTB森谷圭介(4年)
「今日は、今週やってきたことをまず出そうということを全員で意識して臨みまし
た。エリアごとにやりたいことがいろいろあったのですが、できたところとできな
かったところがありました。ただ、いいチャレンジはできたと思います。久しぶりに
CTBで出場したのですが、FBよりもコンタクトが増えたので、とても楽しんでできま
した。また、地元埼玉での試合ということで、友達や知人もたくさん見に来てくれ
て、その部分でも楽しむことができました。地元でも試合自体はいつもと変わらない
のですが、気持ちの中で『頑張ろう』というのはありました。今日は、激しくできた
ところ、できなかったところの両方があったと思うので、その精度を上げて、全員が
精度高くやれるように、練習からしっかりやっていきたいと思います。」
■チームが元気になれるようなプレーをしたい・PR堀越康介(2年)
「後半からの出場でしたが、セットプレーを安定させよう、ブレイクダウンとタック
ルで体を張っていこう、そして、自分が入ることでチームが元気になれるプレーをし
ようと思って臨みました。セットプレーはよかったと思いますが、後半ラスト10分あ
たりから、相手をペースに乗せてしまいました。すべて自分たちのディフェンスでの
ミスからなので、もっとコミュニケーションを取って、自分ももっとタックルに行け
るようにしていきたいです。今はリザーブとしての役割なので、そこでいいプレーを
して、チームに勢いをつけられるようなプレーを、今後もしていきたいと思いま
す。」
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《PICK UP PLAYERS》
試合に出られないメンバーの分まで頑張りたい
LO 姫野和樹(3年)
HIMENO KAZUKI
1994年7月27日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
春日丘高校出身
身長187cm/体重112kg
■まずは、今日のゲームを振り返って、感想を聞かせてください。
「後半から出てチームに勢いを与えられるプレーをしたいと思っていたのです
が、点数を取られてしまったというのは課題だと思いますし、これからの試合につな
げていくためには、もっともっとディフェンスを改善していかなければいけないと思
いました。」
■後半からインパクトプレーヤーとして出場するケースが多いですが、どのような意
識で臨んでいるのでしょうか。
「役割としては、後半から出て、そこでインパクトのあるプレーをして、チー
ムにもっともっと勢いを与えられる存在になることだと思っていますが、その存在と
いうものを確かにしていくために、もっと頑張らないといけないと思っています。」
■反省の弁が出ていますが、今日は、大きく前進するプレーなどいいプレーもありま
した。
「いいところもあったとは思いますが、自分としてはまだまだ納得していないところ
が多かったです。今日に関しては、自分としては納得していないですね。」
■1年生のときにケガもあって、1年間、治療・リハビリに励みました。そのときの思
いのようなものもプレーに表れているように思えます。
「ケガで出られないという経験をしていて、サポートしてくれているメンバーの助け
であったり、また彼らの試合に出られない悔しさもわかるので、彼らの分までやって
いかなければという自覚はあります。」
■今後、こんなところを強化していきたいというものはありますか。
「一つ一つのプレーの精度をもっと上げていきたいです。後半から出場して、プレー
時間が短い中で、自分がミスをしてしまうとチームに勢いを与えることができないの
で、プレーの正確さ、そして質を上げていって、チームに貢献したいと思って
います。自分の役割は自分の中では明確なので、その役割をしっかり全うしたいで
す。」
■では、あらためて、次戦以降の大学選手権への意気込みをお願いします。
「セカンドステージはあと一試合ですが、その試合を大事に戦って、勝利して、セミ
ファイナル、ファイナルに向けて、自分もチームも、もう一段、成長できるような
ゲームにするために、練習からしっかりやっていきたいと思います。」
強い体を活かして、後半からのインパクトプレーヤーとしての役割が定着しつつあ
る。疲れがピークに達しつつある味方には元気を与え、同様に疲れがピークに達しつ
つある相手チームには、気持ちの面でもスコアの面でも、壊滅的なダメージを与え
る。そんな自身の役割を十分に理解しており、それを全うしようと努力している。ま
た、1年生のとき、ケガの治療・リハビリに専念した経験から、サポートメンバーた
ちの大切さ、彼らの試合に出られない悔しさも理解できる。この先、姫野のパワフル
な破壊力が、さらにチームに勢いを与えてくれることだろう。
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《COLUMN》
――スクラムの進化――
この試合、帝京はマイボールスクラムでは総じて安定させることができ、相手ボール
のスクラムではプレッシャーをかけ、ボールを奪うシーンも見られました。
相手の関西大学もスクラムではかなりの自信を持っているチームです。ダイレクト
フッキングですばやくボールを出すなど、しっかりとした対策をされてきたようです
し、共同記者会見ではキャプテンから「スクラムではある程度の手応えを感じまし
た」といったコメントも聞かれました。
そうした中でも帝京FW陣はスクラムでプレシャーをかけ、スクラムを自分たちでコン
トロールし続けることができました。帝京FW陣のスクラムへの自信は日に日に大きく
なっているようです。
試合前に、相馬朋和コーチとお話をさせていただくことができました。
「スクラム、強くなっていますよ。彼らも自信がついているでしょう。実際、スクラ
ムでのペナルティが減っているはずですよ。しっかり組めている証拠です。」
PR堀越にスクラムについて聞いてみると、「僕自身はスクラムでのペナルティが多い
方なので……」と苦笑いを見せながら、こう語ってくれました。
「相馬さんのアドバイスが、僕が目指したいスクラムの方向性と合致しているので、
理解しやすいですし、効果も高いです。とてもありがたいです。」
ワールドカップでの日本代表の躍進も、スクラムの強化なしにはあり得なかったで
しょう。
そして、帝京のスクラムもさらに進化していきます。相手やレフェリーの解釈の問題
もあり、ペナルティをゼロにするというのは現実的には難しいかもしれません。しか
し、スクラムでのペナルティの多寡は、スクラムの進化の度合いを測る一つの尺度に
なるかもしれません。
そんな見方でスクラムを見てみると、ファンとしても新たな楽しみ方を発見できそう
です。
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《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR 長谷川寛太(1年)
長崎北陽台高校出身
身長179cm/体重104kg
「フィールドプレーでは相手に負けないように、自分の対面に少しでも勝てる
ように、体では絶対に負けないようにと思ってやっています。課題はスクラムで、ス
クラムが強くならないと上にチームを狙えないと思うので、スクラムにこだわって自
分を強化していきたいと思っています。まだ下のチームにいますが、下のチームでス
クラムを地道に頑張って、早く上のチームに上がりたいと思っています。帝京大学ラ
グビー部は、僕たちが大学生活やラグビーに専念できるように、スタッフさんや大学の方々がさ
まざまなところでサポートしてくださっています。すごくありがたいと感じていま
す。今は、体作り、体力作りに励んでいますが、少しでも上のチームに絡んでいける
ように、さらに頑張っていきます。」
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《NEXT MATCH》
全国大学ラグビー選手権大会・セカンドステージ第3戦
対中央大学戦(http://curfc.jp/)
12月27日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:大学選手権での対戦はなし
[中央大学の直近5戦]
11月1日 ○26-12専修大学(関東大学リーグ戦1部)
11月7日 ○38-14拓殖大学(関東大学リーグ戦1部)
11月22日 ○67-3山梨学院大学(関東大学リーグ戦1部)
12月13日 ○24-12関西大学(大学選手権セカンドステージ)
12月20日 ●28-36法政大学(大学選手権セカンドステージ)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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