REPORT
レポート
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関東大学春季大会Aグループ 明治大学戦
2017/06/04
6月4日(日)・月寒屋外競技場(月寒ラグビー場)
○帝京大学(勝ち点18)40-26明治大学(勝ち点9)●
《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒岡本(2)堀越⇒岩永(3)當眞⇒淺岡(4)久保(5)金(廉)⇒藤田(6)
古田(7)安田⇒野沢(8)吉田
[BK]
(9)小畑⇒土永(10)奥村⇒北村(11)竹山(12)マクカラン(ニ)(13)本郷⇒
矢富(14)木村(15)尾﨑
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)齋藤(2)武井(3)祝原(4)小宮(5)舟橋(6)前田(7)井上(8)坂
[BK]
(9)福田(10)堀米(11)山村(12)鶴田(13)山﨑(14)渡部(15)山沢
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0明
WTB木村がパス・インターセプト。そのまま自陣から走り切ってトライ。ゴール成
功。
【6分】帝7-7明
ラインアウトからつながれてトライを奪われる。
【15分】帝14-7明
ラインアウトからFW、BKで連続攻撃。HO堀越が前進。ラックからSH小畑-SO奥村-
CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランが抜け出してトライ。ゴール成功。
【26分】帝21-7明
ラインアウトからFWでつないで前進。ラックからSH小畑-HO堀越-LO金(廉)と渡
り、金が抜け出してトライ。ゴール成功。
【34分】帝26-7明
こぼれ球をWTB竹山がうまく拾って前進。自陣からそのまま走り切ってトライ。
【後半】【得点経過】
【7分】帝26-14明
スクラムでの反則でペナルティトライを奪われる。
【18分】帝33-14明
ラインアウトからモールを押し込む。HO堀越が持ち出してトライ。ゴール成功。
【22分】帝33-21明
ブレイクダウンでターンオーバーされ、連続で攻められ、トライを奪われる。
【31分】帝33-26明
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【39分】帝40-26明
ラインアウトからモールを押し込む。HO堀越-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
北海道・札幌の地で行われた春季大会、対明治大学戦。前日から冷たい雨が断続的に降り、この日の気温は10度。寒さ、そして雨でぬかるんだ状況での対戦となった。先制したのは帝京。相手の攻撃を受け、攻め込まれるも、WTB木村が絶妙なタイミングで間合いを詰め、相手のパスをインターセプト。そのまま自陣から走り切ってトライを奪う。6分に追いつかれるも、そこからは帝京がいい流れを作っていく。HO堀越の前進を起点に2つのトライを奪う。攻め込まれる場面もあるが、34分には相手ボールがこぼれたところを、WTB竹山がうまく拾って前進。追いすがる相手ディフェンスを振り切ってトライを奪い、前半を26-7で折り返した。ハーフタイムで岩出監督から「後半はもう一度、0対0のつもりで戦おう」そして、「体を当てていく『芯のプレー』をしっかりやろう」と声がかかる。しかし、前半のいい流れのイメージで安心してしまったか、その「芯のプレー」で後手を踏んでしまう。相手の猛攻を受けるが、それでも要所はしっかりとしめ、攻撃面でもラインアウト・モールを起点に2トライを挙げ、40-26で帝京が勝利し、春季大会の勝ち点を18とした。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は前半、風下の中でいい戦いができたのですが、その分、後半に少し安心したところが出てしまったように思います。まだまだ基本的なプレーの精度が甘い部分がありますので、今年のテーマの一つである『楽しむ』ということを実践していくためにも、日々、もっと自分に厳しく取り組んでいってほしいと思います。また、今日は明治大学さんのいいところを我々が出させてしまった部分もありました。明治大学さんの成長ぶりに負けないように、我々もしっかりと成長していかなければと思っています。明治大学さんとは夏合宿の菅平、そして対抗戦、さらには大学選手権でも戦うことになるだろうと思いますが、皆様にその間の成長ぶりをお見せできるようなゲームをしていきたいと思っています。最後になりましたが、明治大学の選手、スタッフ、関係者の皆様、ご招待いただきました北海道ラグビーフットボール協会の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。」
■キャプテン・HO堀越康介(4年)
「今日の試合、ボールキャリアの体の使い方、モールでの攻め、FW近辺の動き、BKの連携など、いいところもすごくあったのですが、いつも『芯のプレー』と言っている1対1のタックルやブレイクダウンでの戦いで、明治大学さんのプレッシャーがかかったときに自分たちのラグビーができなくなってしまったところがありました。そこが今日出た課題だと思います。タックルでは当たりには行っているのですが、バインドなど細かいスキル、ブレイクダウンではかたくヒットして相手をはがし切るといった基礎的なスキルでできていないところがあり、そこは反省点です。スクラムに関しては、明治大学さんは今年、とてもスクラムに力を入れておられ、個人的には大学の中では一、二を争う強さだと思っているのですが、その強い相手に対してしっかりと組むことができたことで、足りない部分と通用する部分が明確になったので、成長させていただいたとポジティブに捉えています。実際、毎試合ごとにスクラムは成長していると思うので、そこは自信をもって、これからも取り組んでいきたいと思います。次戦は早稲田大学さんとの戦いですが、まずは『芯のプレー』、体を当てるプレーをしっかりとやっていきたいです。もっとエリアを取って敵陣でプレーしたいので、BKと連携したFWの動きを練習の中で確認していきます。去年は、スクラムで早稲田大学さんにやられていたイメージがあるので、なんとかリベンジしたいという気持ちも大きいです。FWが一丸となって押せるように、練習に励みたいと思います。」
■ラインアウトの安定で存在感を示した・LO藤田達成(3年)
「今日はディフェンス、特にタックルをしっかりやるという目標をもって臨んだのですが、ポジショニングが悪く、相手にゲインを許してしまった場面があり、もっと練習していかないといけないと感じました。ただ、ラインアウトでは概ねクリーンなキャッチができて、そこからいいモールも組めたので、そこはよかったと思います。もっと体を大きく、強くして、コンタクトで当たり負けしない体を作っていきたいです。」
■短い出場時間ながら大学のレベルを実感・SH土永雷(1年)
「大学に入って初めての試合だったので、入ったときにはまずは大学のレベルに慣れること、自分ができることをしっかりやり切ること、そしてさらに自分の得意な球さばきやパスを出していこうと思って臨みました。緊張はほとんどなかったです。むしろ楽しみの方が大きくて、試合が始まってベンチで見ているときには『早く出たいなあ』という気持ちでいました。出場時間は短かったのですが、大学レベルのコンタクトをSHとして感じることができましたし、改善すべき点もいくつも見えました。今日の経験は次に試合に出たときに、また活きてくると思います。今日感じた以上のテンポ、スピードでやっていけるように、もっともっと練習していきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
力強い新星タックラー登場
FL 野沢 涼介(2年)
NOZAWA RYOSUKE
1997年11月26日
医療技術学部スポーツ医療学科
仙台育英学園高校
身長180cm/体重92kg
■まずは今日のゲーム、どんな意識で臨んだのでしょうか。
「今日、初めてAチームの試合のメンバーに選ばれ、まずは自分のできることは何かを考えて、自分の強みであるディフェンス、そしてボールキャリーの部分では全力で前に進んで行くことを意識してやりました。」
■初めてのAチームで緊張もあったかと思いますが、メンタルの部分はどうコントロールして臨んだのでしょうか。
「もちろん緊張もありましたが、パニックにならないように自分のやるべきことは何かを頭の中で整理して臨んだので、いいマインドで入れたと思います。」
■入ってすぐにいいタックルを決めて、試合後、岩出監督からも高評価をいただきました。やはりタックルは意識して入ったのでしょうか。
「はい。やはり、自分の強みを前面に出したかったので、タックルに入る局面を一つ一つ大切にして、目の前のプレーに集中しようと思ってやりました。」
■今年のFWはスクラム強化を意識していると思いますが、8人でかたまりで押すという点では第三列としてスクラムはどんな手応えだったでしょうか。
「押され気味だったのは、個人個人の役割の部分でまだうまくかたまることができていなかったのだと思います。自分が入った時も、その自分の役割を意識して組むようにしました。」
■今後への意気込みをお願いします。
「自分の強みを活かせるように、日々の練習でもっともっと伸ばしていきたいと思います。」
後半22分過ぎからの出場。入るなり、いきなり好タックルと力強いボールキャリーを見せ、存在感をアピールした。試合後、岩出監督からも「やるじゃないか」と高い評価を得た。いわゆる「芯のプレー」をしっかりと体現したことで、チーム全体を引き締める効果もあった。FLとしてタックルとボールキャリーの力強さにフォーカスするという、自分の役割をシンプルに理解して実践しているところがいいプレーにつながったようだ。今後はさらに自身の強みを強化しつつ、戦術理解も高めていってくれることだろう。
《COLUMN》
――芯のプレーとは――
雨、そして気温10度という北海道・札幌でのゲーム、帝京にとってはいいところ、よくないところの両方が出た試合になりました。
堀越キャプテンが「いいところもすごくあったのですが、いつも『芯のプレー』と言っている1対1のタックルやブレイクダウンでの戦いで、明治大学さんのプレッシャーがかかったときに自分たちのラグビーができなくなってしまったところがありました。」と述べているように、「芯のプレー」が流れを左右したゲームになりました。
「芯のプレー」とは体をしっかりと当てていくプレー、つまり堀越キャプテンが述べているような、タックル、ブレイクダウン、そしてアタックでのコンタクト、さらにはスクラムやモールなども力強く体を当てていく「芯のプレー」に入るでしょう。
これら「芯のプレー」は試合の局面を一変させる力があるのと同時に、甘くなると途端に大きなピンチを招くことになります。それほど重要なプレーなのです。
また、激しいタックル、アタックでの力強い前進、スクラムでの押し……こうした力勝負はラグビーの醍醐味ですし、これらが決まるとスタンドのお客さんも大いに沸きます。選手たちも、お客さんの声援に元気づけられることでしょう。気持ちの盛り上がりが、試合の流れを引き寄せることもあり得ます。
「そんなことはラグビーでは当たり前」と言ってしまえばそれまでですが、実はこの当たり前を当たり前にやることが意外に難しいのです。
ただ力強く当たればいい、がむしゃらに突っ込んでいけばいいというわけではありません。よく言われますが、「体半分ずらして当たる」とか「低い姿勢で当たる(あるいは、ボールに絡むためにあえて高い姿勢で当たる)」といった、細かな「スキル」があります。さらには、当たる前のポジショニング、当たったあとの体の使い方、味方との連携など、さまざまな要因が重なって、いいプレーが生まれます。
今年の帝京は例年以上に「芯のプレー」にこだわって取り組んでいます。こう書きますと「激しさ、力強さにフォーカスしているんだな」と思われるかもしれませんが、実はそれだけではなく、細かなスキルの確認、戦術理解に基づくポジショニングやコミュニケーション、そういった技術、戦術的な部分も同時に高めて練習しているのです。
「芯のプレー」がきちんとできているか。特にどの選手がよくできているか。私たちファンもそこにフォーカスして観戦してみると、見る楽しみがさらに増していくのではないでしょうか。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
LO 久保克斗(1年)
國學院栃木高校出身
身長191cm/体重104kg
「自分の強みは身長を活かしてのラインアウトやキックオフのキャッチです。またオフロードプレーも強みにしたいと思っています。課題はタックル。一人でしっかり倒せていないので、タックルを強化して一人で倒せるようにしていきたいです。帝京大学ラグビー部に入る前から、先輩たちは常に考えてプレーし、行動すると聞いていましたが、自分が思っていた以上に深い考え方をされていて驚きました。頑張ってついていきたいと思いました。4年生に兄(久保佑太)がいるのですが、お互いなかなか会う機会がなく、帝京大学ラグビー部の情報は父からよく聞いていました。今後はしっかりと体を作って、当たり負けしないプレーをしていきたいと思います。」
No8 安田司(1年)
常翔学園高校出身
身長180cm/体重106kg
「僕の得意なプレーはボールキャリーです。ただ、フィジカル不足、体の弱さを感じているので、もっと体を鍛えて強い体にしていきたいです。帝京大学ラグビー部は、毎日、考えることが多く、特に社会に出て活躍できるようになるためにはどうすればいいかを考える日々を送っています。今は毎日が勉強です。先輩方の話を聞くだけの受け身にはならずに、自分から能動的に発信できるようにしていきたいです。目標は大学選手権優勝に貢献できる選手になること、そして社会で活躍できる人になることです。そのために、今、しっかり勉強して、成長していきたいと思っています。」
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
対早稲田大学(http://www.wasedarugby.com/)
6月11日(日) 百草グラウンド
14時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(勝ち点18)40-26明治大学(勝ち点9)●
《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒岡本(2)堀越⇒岩永(3)當眞⇒淺岡(4)久保(5)金(廉)⇒藤田(6)
古田(7)安田⇒野沢(8)吉田
[BK]
(9)小畑⇒土永(10)奥村⇒北村(11)竹山(12)マクカラン(ニ)(13)本郷⇒
矢富(14)木村(15)尾﨑
《明治大学》※先発のみ
[FW]
(1)齋藤(2)武井(3)祝原(4)小宮(5)舟橋(6)前田(7)井上(8)坂
[BK]
(9)福田(10)堀米(11)山村(12)鶴田(13)山﨑(14)渡部(15)山沢
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0明
WTB木村がパス・インターセプト。そのまま自陣から走り切ってトライ。ゴール成
功。
【6分】帝7-7明
ラインアウトからつながれてトライを奪われる。
【15分】帝14-7明
ラインアウトからFW、BKで連続攻撃。HO堀越が前進。ラックからSH小畑-SO奥村-
CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランが抜け出してトライ。ゴール成功。
【26分】帝21-7明
ラインアウトからFWでつないで前進。ラックからSH小畑-HO堀越-LO金(廉)と渡
り、金が抜け出してトライ。ゴール成功。
【34分】帝26-7明
こぼれ球をWTB竹山がうまく拾って前進。自陣からそのまま走り切ってトライ。
【後半】【得点経過】
【7分】帝26-14明
スクラムでの反則でペナルティトライを奪われる。
【18分】帝33-14明
ラインアウトからモールを押し込む。HO堀越が持ち出してトライ。ゴール成功。
【22分】帝33-21明
ブレイクダウンでターンオーバーされ、連続で攻められ、トライを奪われる。
【31分】帝33-26明
スクラムから攻められ、トライを奪われる。
【39分】帝40-26明
ラインアウトからモールを押し込む。HO堀越-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
北海道・札幌の地で行われた春季大会、対明治大学戦。前日から冷たい雨が断続的に降り、この日の気温は10度。寒さ、そして雨でぬかるんだ状況での対戦となった。先制したのは帝京。相手の攻撃を受け、攻め込まれるも、WTB木村が絶妙なタイミングで間合いを詰め、相手のパスをインターセプト。そのまま自陣から走り切ってトライを奪う。6分に追いつかれるも、そこからは帝京がいい流れを作っていく。HO堀越の前進を起点に2つのトライを奪う。攻め込まれる場面もあるが、34分には相手ボールがこぼれたところを、WTB竹山がうまく拾って前進。追いすがる相手ディフェンスを振り切ってトライを奪い、前半を26-7で折り返した。ハーフタイムで岩出監督から「後半はもう一度、0対0のつもりで戦おう」そして、「体を当てていく『芯のプレー』をしっかりやろう」と声がかかる。しかし、前半のいい流れのイメージで安心してしまったか、その「芯のプレー」で後手を踏んでしまう。相手の猛攻を受けるが、それでも要所はしっかりとしめ、攻撃面でもラインアウト・モールを起点に2トライを挙げ、40-26で帝京が勝利し、春季大会の勝ち点を18とした。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日は前半、風下の中でいい戦いができたのですが、その分、後半に少し安心したところが出てしまったように思います。まだまだ基本的なプレーの精度が甘い部分がありますので、今年のテーマの一つである『楽しむ』ということを実践していくためにも、日々、もっと自分に厳しく取り組んでいってほしいと思います。また、今日は明治大学さんのいいところを我々が出させてしまった部分もありました。明治大学さんの成長ぶりに負けないように、我々もしっかりと成長していかなければと思っています。明治大学さんとは夏合宿の菅平、そして対抗戦、さらには大学選手権でも戦うことになるだろうと思いますが、皆様にその間の成長ぶりをお見せできるようなゲームをしていきたいと思っています。最後になりましたが、明治大学の選手、スタッフ、関係者の皆様、ご招待いただきました北海道ラグビーフットボール協会の皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。」
■キャプテン・HO堀越康介(4年)
「今日の試合、ボールキャリアの体の使い方、モールでの攻め、FW近辺の動き、BKの連携など、いいところもすごくあったのですが、いつも『芯のプレー』と言っている1対1のタックルやブレイクダウンでの戦いで、明治大学さんのプレッシャーがかかったときに自分たちのラグビーができなくなってしまったところがありました。そこが今日出た課題だと思います。タックルでは当たりには行っているのですが、バインドなど細かいスキル、ブレイクダウンではかたくヒットして相手をはがし切るといった基礎的なスキルでできていないところがあり、そこは反省点です。スクラムに関しては、明治大学さんは今年、とてもスクラムに力を入れておられ、個人的には大学の中では一、二を争う強さだと思っているのですが、その強い相手に対してしっかりと組むことができたことで、足りない部分と通用する部分が明確になったので、成長させていただいたとポジティブに捉えています。実際、毎試合ごとにスクラムは成長していると思うので、そこは自信をもって、これからも取り組んでいきたいと思います。次戦は早稲田大学さんとの戦いですが、まずは『芯のプレー』、体を当てるプレーをしっかりとやっていきたいです。もっとエリアを取って敵陣でプレーしたいので、BKと連携したFWの動きを練習の中で確認していきます。去年は、スクラムで早稲田大学さんにやられていたイメージがあるので、なんとかリベンジしたいという気持ちも大きいです。FWが一丸となって押せるように、練習に励みたいと思います。」
■ラインアウトの安定で存在感を示した・LO藤田達成(3年)
「今日はディフェンス、特にタックルをしっかりやるという目標をもって臨んだのですが、ポジショニングが悪く、相手にゲインを許してしまった場面があり、もっと練習していかないといけないと感じました。ただ、ラインアウトでは概ねクリーンなキャッチができて、そこからいいモールも組めたので、そこはよかったと思います。もっと体を大きく、強くして、コンタクトで当たり負けしない体を作っていきたいです。」
■短い出場時間ながら大学のレベルを実感・SH土永雷(1年)
「大学に入って初めての試合だったので、入ったときにはまずは大学のレベルに慣れること、自分ができることをしっかりやり切ること、そしてさらに自分の得意な球さばきやパスを出していこうと思って臨みました。緊張はほとんどなかったです。むしろ楽しみの方が大きくて、試合が始まってベンチで見ているときには『早く出たいなあ』という気持ちでいました。出場時間は短かったのですが、大学レベルのコンタクトをSHとして感じることができましたし、改善すべき点もいくつも見えました。今日の経験は次に試合に出たときに、また活きてくると思います。今日感じた以上のテンポ、スピードでやっていけるように、もっともっと練習していきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
力強い新星タックラー登場
FL 野沢 涼介(2年)
NOZAWA RYOSUKE
1997年11月26日
医療技術学部スポーツ医療学科
仙台育英学園高校
身長180cm/体重92kg
■まずは今日のゲーム、どんな意識で臨んだのでしょうか。
「今日、初めてAチームの試合のメンバーに選ばれ、まずは自分のできることは何かを考えて、自分の強みであるディフェンス、そしてボールキャリーの部分では全力で前に進んで行くことを意識してやりました。」
■初めてのAチームで緊張もあったかと思いますが、メンタルの部分はどうコントロールして臨んだのでしょうか。
「もちろん緊張もありましたが、パニックにならないように自分のやるべきことは何かを頭の中で整理して臨んだので、いいマインドで入れたと思います。」
■入ってすぐにいいタックルを決めて、試合後、岩出監督からも高評価をいただきました。やはりタックルは意識して入ったのでしょうか。
「はい。やはり、自分の強みを前面に出したかったので、タックルに入る局面を一つ一つ大切にして、目の前のプレーに集中しようと思ってやりました。」
■今年のFWはスクラム強化を意識していると思いますが、8人でかたまりで押すという点では第三列としてスクラムはどんな手応えだったでしょうか。
「押され気味だったのは、個人個人の役割の部分でまだうまくかたまることができていなかったのだと思います。自分が入った時も、その自分の役割を意識して組むようにしました。」
■今後への意気込みをお願いします。
「自分の強みを活かせるように、日々の練習でもっともっと伸ばしていきたいと思います。」
後半22分過ぎからの出場。入るなり、いきなり好タックルと力強いボールキャリーを見せ、存在感をアピールした。試合後、岩出監督からも「やるじゃないか」と高い評価を得た。いわゆる「芯のプレー」をしっかりと体現したことで、チーム全体を引き締める効果もあった。FLとしてタックルとボールキャリーの力強さにフォーカスするという、自分の役割をシンプルに理解して実践しているところがいいプレーにつながったようだ。今後はさらに自身の強みを強化しつつ、戦術理解も高めていってくれることだろう。
《COLUMN》
――芯のプレーとは――
雨、そして気温10度という北海道・札幌でのゲーム、帝京にとってはいいところ、よくないところの両方が出た試合になりました。
堀越キャプテンが「いいところもすごくあったのですが、いつも『芯のプレー』と言っている1対1のタックルやブレイクダウンでの戦いで、明治大学さんのプレッシャーがかかったときに自分たちのラグビーができなくなってしまったところがありました。」と述べているように、「芯のプレー」が流れを左右したゲームになりました。
「芯のプレー」とは体をしっかりと当てていくプレー、つまり堀越キャプテンが述べているような、タックル、ブレイクダウン、そしてアタックでのコンタクト、さらにはスクラムやモールなども力強く体を当てていく「芯のプレー」に入るでしょう。
これら「芯のプレー」は試合の局面を一変させる力があるのと同時に、甘くなると途端に大きなピンチを招くことになります。それほど重要なプレーなのです。
また、激しいタックル、アタックでの力強い前進、スクラムでの押し……こうした力勝負はラグビーの醍醐味ですし、これらが決まるとスタンドのお客さんも大いに沸きます。選手たちも、お客さんの声援に元気づけられることでしょう。気持ちの盛り上がりが、試合の流れを引き寄せることもあり得ます。
「そんなことはラグビーでは当たり前」と言ってしまえばそれまでですが、実はこの当たり前を当たり前にやることが意外に難しいのです。
ただ力強く当たればいい、がむしゃらに突っ込んでいけばいいというわけではありません。よく言われますが、「体半分ずらして当たる」とか「低い姿勢で当たる(あるいは、ボールに絡むためにあえて高い姿勢で当たる)」といった、細かな「スキル」があります。さらには、当たる前のポジショニング、当たったあとの体の使い方、味方との連携など、さまざまな要因が重なって、いいプレーが生まれます。
今年の帝京は例年以上に「芯のプレー」にこだわって取り組んでいます。こう書きますと「激しさ、力強さにフォーカスしているんだな」と思われるかもしれませんが、実はそれだけではなく、細かなスキルの確認、戦術理解に基づくポジショニングやコミュニケーション、そういった技術、戦術的な部分も同時に高めて練習しているのです。
「芯のプレー」がきちんとできているか。特にどの選手がよくできているか。私たちファンもそこにフォーカスして観戦してみると、見る楽しみがさらに増していくのではないでしょうか。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
LO 久保克斗(1年)
國學院栃木高校出身
身長191cm/体重104kg
「自分の強みは身長を活かしてのラインアウトやキックオフのキャッチです。またオフロードプレーも強みにしたいと思っています。課題はタックル。一人でしっかり倒せていないので、タックルを強化して一人で倒せるようにしていきたいです。帝京大学ラグビー部に入る前から、先輩たちは常に考えてプレーし、行動すると聞いていましたが、自分が思っていた以上に深い考え方をされていて驚きました。頑張ってついていきたいと思いました。4年生に兄(久保佑太)がいるのですが、お互いなかなか会う機会がなく、帝京大学ラグビー部の情報は父からよく聞いていました。今後はしっかりと体を作って、当たり負けしないプレーをしていきたいと思います。」
No8 安田司(1年)
常翔学園高校出身
身長180cm/体重106kg
「僕の得意なプレーはボールキャリーです。ただ、フィジカル不足、体の弱さを感じているので、もっと体を鍛えて強い体にしていきたいです。帝京大学ラグビー部は、毎日、考えることが多く、特に社会に出て活躍できるようになるためにはどうすればいいかを考える日々を送っています。今は毎日が勉強です。先輩方の話を聞くだけの受け身にはならずに、自分から能動的に発信できるようにしていきたいです。目標は大学選手権優勝に貢献できる選手になること、そして社会で活躍できる人になることです。そのために、今、しっかり勉強して、成長していきたいと思っています。」
《NEXT MATCH》
関東大学春季大会A
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14時キックオフ
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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