REPORT
レポート
REPORT
レポート
関東大学対抗戦A 成蹊大学戦
2017/09/17
9月17日(日)・百草グラウンド
○帝京大学(1勝)70-0 成蹊大学(1敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)李(城)⇒當眞(2)金(廉)⇒清水(3)淺岡⇒小山(4)小川⇒藤田(5)秋山(6)ロガヴァトゥ(7)申(賢)⇒長船(8)吉田
[BK]
(9)田上⇒末(10)矢澤⇒龍野(11)亀井(12)松本(13)吉本⇒大内(14)津岡(15)井上
《成蹊大学》※先発のみ
[FW]
(1)志村(2)石井(3)鈴木(4)會田(5)川口(6)牛山(7)阿部(卓)(8)原島
[BK]
(9)茂木(10)神田(圭)(11)保坂(12)阿部(亮)(13)濱(14)嶋崎(15)川本
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0成
ラインアウトから連続攻撃。No8吉田がパスを受け、前進。LO秋山も後ろから一緒に押し込み、そのまま吉田がトライ。ゴール成功。
【8分】帝14-0成
ラインアウトからモールを形成。FLロガヴァトゥが持ち出し、WTB亀井へパス。亀井が飛び込んでトライ。ゴール成功。
【15分】帝21-0成
相手ボールのスクラムをターンオーバーして展開。SO矢澤が前方へキック。WTB亀井が追い付いてキープする。No8吉田が前進しラックに。SH田上-SO矢澤と渡り、矢澤が逆サイドへキックパス。WTB津岡がキャッチし、FB井上へと渡り、井上が抜け出してトライ。ゴール成功。
【24分】帝28-0成
スクラムから連続攻撃。ラックからSH田上-SO矢澤-FB井上と渡り、井上が抜け出してトライ。ゴール成功。
【32分】帝35-0成
ペナルティキックを得て、SO矢澤がキックパス。WTB亀井に渡り、亀井からFB井上へとパス。井上が抜け出してトライ。ゴール成功。
【36分】帝42-0成
相手ボールのスクラムをターンオーバーして、連続攻撃。ラックからSH田上-LO秋山-FL申と渡り、申が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【16分】帝49-0成
スクラムから連続攻撃。ラックからFLロガヴァトゥ-LO秋山と渡り、秋山がトライ。ゴール成功。
【30分】帝56-0成
相手がインゴールでノックオンしたボールに、SH末が走り込んで、グラウンディングしてトライ。ゴール成功。
【41分】帝63-0成
相手のキックボールをWTB亀井が拾って、FB井上にパス。井上から再度、亀井がパスをもらい、大きく抜け出す。つかまるも、WTB津岡にパス。津岡が抜け出してトライ。ゴール成功。
【47分】帝70-0成
ラックでターンオーバーして連続攻撃。WTB津岡、FL長船らが大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックからFLロガヴァトゥ-LO秋山と渡り、秋山が抜け出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
いよいよ2017年度の関東大学対抗戦が始まった。第一戦の相手は成蹊大学。台風18号の接近で冷たい雨が降り続き、時折、強い風も吹く悪天候の中でのキックオフとなった。足場もボールも滑る状態のため、細かなミスも出るが、試合開始からおおむね帝京がゲームの主導権を握り続ける。2分にNo8吉田が、LO秋山のサポートを受けつつ、力強い前進で先制トライを奪うと、8分にはモールからチャンスを作り、WTB亀井がトライ。さらにここから、対抗戦初出場のFB井上が3連続トライをあげ、リードを広げる。ミスから攻め込まれる場面もあるが、堅い守りでピンチの芽を摘む。前半は、42-0で折り返した。後半は、さらに雨、風ともに強くなり、ミスも増えるなど、一進一退の攻防になる。16分、LO秋山が鋭い走りで抜け出して後半最初のトライをあげる。30分にはU20日本代表から戻ったSH末が、相手のノックオンしたボールに反応してトライ。終了間際、ミスから攻め込まれるシーンもあるが、PR淺岡、FL長船、FLロガヴァトゥらの好タックルで防ぐ。帝京は終了間際にもLO秋山がトライをあげ、70-0で勝利を収めた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
――いよいよ対抗戦が始まりました。
「はい、いよいよ始まりました。ただ、今日は悪天候に見舞われ、寒い中でのスタートになりました。17時キックオフになったのは、例年、この時期はまだまだ残暑が厳しく、その暑さを避けるための時間設定だったのですが、今日のような天候までは予測できませんでした。台風の接近で試合の開催自体も危ぶまれた中、最後まで試合ができてよかったです。」
――試合を振り返っていただけますか。
「成蹊大学さんが終始、好ファイトで戦われていて、最後まで厳しいタックルをされていたので、見た目の点数とはまったく違った、引き締まった試合になったと思います。我々の出来に関しては、これからどんどんと積み上げていくためのスタートとしては、いい戦いができたと思っています。もちろん、細かな内容についてはいいところもあり、そうでないところもあり、なのですが、一人一人が真摯に取り組む姿勢の見えるゲームでしたので、いいスタートゲームになったと言っていいと思います。繰り返しになりますが、そうしたいいゲームになったのは、成蹊大学さんが最後まですばらしいファイトを見せてくださったからこそですので、とても感謝しています。」
――今日のメンバー構成については?
「もともとチーム、そして私自身のポリシーとして、『15人だけ、あるいは23人だけで長いシーズンを戦っていくことはできない。チーム全員のレベルを上げ、全員が強くなっていかなければ最終的に勝つことはできない』という考えがあります。今日のメンバー構成は『常に出続ける』といった本来的な意味での『レギュラー』ではないかもしれませんが、その位置を必死で目指しているメンバーであり、またファーストジャージの重みと責任を十分に理解しているメンバーを選んだつもりです。」
――昨日、パナソニックさんとの練習試合がありましたね。こちらはどうでしたか。
「パナソニックさんも試合経験を積みたいメンバーがいる、という流れの中で実現しました。20分×3本というゲームでしたが、いいファイトをしてくれて、いい経験を積むことができました。」
――少し前にチーム全員で、チームビルディングの一環として、東京ディズニーシーに行かれたそうですね。
「チームビルディングというよりは、完全なるリフレッシュのためのイベントでしたね。夏合宿等でしっかり頑張って汗を流した分、リフレッシュしてもらおうと思いまして。個人的によく行っている人がいるかどうかはわかりませんが(笑)、チームのみんなで行くという機会はありませんでしたので、新鮮な気分を味わってもらって、新たな気持ちでシーズンに入っていこうという意図で行ってきました。チーム全員で同じ時間に楽しみを共有するという意味では、チームビルディングになったかもしれませんね。」
――今後に向けてのメッセージをお願いします。
「一戦一戦、中身の濃い試合をしていけるように、いい準備をして、対抗戦をしっかり戦っていきたいです。挑む気持ち、自分たちで自分たちをどこまで引き上げていけるか。そういった気持ちを仲間同士が持ち寄って、戦う集団になっていってほしいと思っています。まずは気持ちの入った準備をして、試合でそれを出し切っていく。それを一試合一試合、積み重ねていってほしいと思います。」
■ゲームキャプテン・HO金廉(4年)
「今日は、対抗戦のファーストゲームということで、80分間、ひたむきに泥臭いプレーをしていこう、そして、帝京のファーストジャージを着ている以上、自分たちがAチームなのだと声を掛けて試合に臨みました。試合は、自分たちの強みを活かせたところもあったのですが、自分たちが準備をしてきたことしかできなかったので、もっと相手を見て判断していくという部分が足りなかったと反省しています。そうしたところを、練習から改善していきたいです。チーム自体は、オーバーリラックスすることもなく、また緊張しすぎることもなく、いいマインドセットができていると思うので、そこはこれからも続けていけたらと思います。」
■チームが優勝するために自分は何ができるかを考えていきたい・PR李城鏞(4年)
「チームとしては、今日は対抗戦のファーストゲームということで『挑む心』というテーマで臨んだのですが、自分も強みであるスクラム、ブレイクダウンで挑む気持ち、そして4年生として周りを引っ張って行こうという気持ちをもって臨みました。ただ、試合の中では相手に対応するのが遅いという自分のよくない部分も出てしまいました。ただ、それを引きずるのではなく、これからに活かせるようにプラスに捉えて、日頃の練習で相手の出方にどう対応していくかを意識してやっていきたいと思います。自分はファーストジャージを着て試合に出ることが初めてだったので緊張もありましたが、楽しみもとても大きいものがありました。これからも4年生として、チームが優勝を勝ち取るために自分は何ができるか、何をすればいいかを考えて、行動していきたいと思います。」
■最上級生として信頼されるプレーヤーになりたい・LO小川正志(4年)
「今日は自分としては対抗戦初出場ということで、少し緊張したところもあったのですが、自分の普段どおりのプレーをすることを意識して臨みました。また、悪天候でしたので、丁寧にプレーすることを心掛けました。アタックの面で力強く前に出るという部分は、少しはできたと思うのですが、まだ細かい部分でやり切れなかったところもあったので、次に試合に出させていただくチャンスがあったら、もっと思い切り出し切って、大胆かつ繊細なプレーをしたいです。これからも自分のやるべきことをしっかりやって、最上級生として信頼されるプレーヤーになっていきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
思い切りのよさで3トライを奪う
FB 井上 亮(2年)
Inoue Ryo
1997年10月21日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
高鍋高校出身
身長175cm/体重85kg
■初めての対抗戦でしたが、試合にはどんな心境で臨んだのでしょうか。
「自分は経験が浅いですが、その分、持っている力を思い切って出していこうと思い、ボールキャリー、カウンターアタックを思い切りやろうと思っていました。」
■実際にプレーをしてみての手応えはいかがでしたか。
「前半はゲインできたり、サポートプレーもいい形でできたと思いますが、後半、足が止まってしまったり、攻められている局面で前に出られなかったところが反省点として出てしまいました。そこは次までに修正したいです。」
■3連続トライがありました。
「それについては、みんながつないでくれたボールを最後に押さえるという役目を果たしただけなので、チームで取ったトライです。ただ、サポートプレーができていたという部分はよかったので、次につなげていきたいです。」
■自身の強み、ここを評価されてメンバーに選ばれたと思う部分はどこでしょうか。
「思い切りのよさだと思います。岩出監督からも『思い切り、自信を持っていけ』と言われているので、今日も迷わず、やるべきことを明確にして挑むことができました。」
■課題として、取り組んでいることはありますか。
「もともとはFBではなく、SO、CTBといろいろなポジションをやってきました。まだ経験が浅く、今日もFBとしてのポジショニング、FWとの連係といったところが、後半、特にできていませんでした。自分がやりたいこと、外のWTBがやりたいことを内側にきちんと伝達できなかったところがあり、それが後半、得点が伸びなかった原因だと思っています。これは自分の責任だと思っていますが、ここから経験を重ねて、感覚を覚えて、先輩方のアドバイスも聞いて、修正していきたいと思います。」
■今後への意気込みをお願いします。
「今日出た課題を修正して、よかったところをさらに伸ばして力にして、次の試合にも出られるように、練習からしっかりと取り組んでいきたいと思います。」
対抗戦初出場で3連続トライをマークし、存在感を見せた。本人は、この結果にも奢ることなく「みんなでつないだボールを最後に押さえただけ」と言うが、サポートするプレーや常にボールに絡もうという積極的な姿勢が生んだトライだと言える。もともとはSO、CTBで、FBとしての経験は浅いが、吸収力も高く、経験の浅さはむしろ「伸びしろ」だと言える。自身の強みも課題も自覚している点も心強い。今後の成長を見守りたい。
《COLUMN》
――リーダーシップへの意識――
今シーズンの対抗戦が始まりました。
台風18号が近づき、開催自体も危ぶまれましたが、雨、風が強い中、何とか試合を行うことができました。悪天候、そしてこの時期としては異例の寒さが襲う悪条件ながら、百草グラウンドには大勢の観衆の方々が足を運ばれ、ずぶ濡れになりながらも、ラグビーシーズンの開幕を味わっておられました。
スタンドに座り切れないお客様も大勢おられ、風で傘が裏返しになっても、選手たちの奮闘に熱い視線を送り続ける方々もおられました。
さて、この日は3人の4年生に話を聞くことができたのですが、この3人ともが「4年生として」「最終学年として」という言葉を使いながら、自分自身のプレーの話以上にチーム全体のこと、チームの目指す目標のことを語ってくれました。この「4年生として」という意識は、チームを引っ張るリーダーシップに直結していきます。
このコラムでも何度も出てきた、帝京の「4年力」が今年も求められる時期になってきました。この力は、シーズンが深まれば深まるほどより求められ、より力を発揮し、より多くの4年生たちがその力を実感していきます。
まだシーズンは始まったばかり。その段階で、すでに多くの4年生がその力に気づいているのは、とても頼もしく思います。
もちろん、話を聞いた3人がたまたま、特にそうした意識の高い人たちだったというだけなのかもしれません。もしそうだとしても、ここから彼らが周囲にいい影響を与え続けていくことは間違いありません。
そして、その影響がチーム全体に行き渡っていったとき、本当の意味で強いチームになっているはずです。
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対日本体育大学(http://nittairfc.d2.r-cms.jp/)
9月30日(土) 秩父宮ラグビー場
15時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦20勝18敗(大学選手権での対戦なし)
[日本体育大学の直近5戦]
8月18日 ●24-28立正大学(夏季練習試合)
8月22日 ○59-12武蔵大学(夏季練習試合)
8月25日 ○53-14九州共立大学(夏季練習試合)
8月28日 ●19-47京都産業大学(夏季練習試合)
9月16日 ●20-54早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(1勝)70-0 成蹊大学(1敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)李(城)⇒當眞(2)金(廉)⇒清水(3)淺岡⇒小山(4)小川⇒藤田(5)秋山(6)ロガヴァトゥ(7)申(賢)⇒長船(8)吉田
[BK]
(9)田上⇒末(10)矢澤⇒龍野(11)亀井(12)松本(13)吉本⇒大内(14)津岡(15)井上
《成蹊大学》※先発のみ
[FW]
(1)志村(2)石井(3)鈴木(4)會田(5)川口(6)牛山(7)阿部(卓)(8)原島
[BK]
(9)茂木(10)神田(圭)(11)保坂(12)阿部(亮)(13)濱(14)嶋崎(15)川本
【前半】【得点経過】
【2分】帝7-0成
ラインアウトから連続攻撃。No8吉田がパスを受け、前進。LO秋山も後ろから一緒に押し込み、そのまま吉田がトライ。ゴール成功。
【8分】帝14-0成
ラインアウトからモールを形成。FLロガヴァトゥが持ち出し、WTB亀井へパス。亀井が飛び込んでトライ。ゴール成功。
【15分】帝21-0成
相手ボールのスクラムをターンオーバーして展開。SO矢澤が前方へキック。WTB亀井が追い付いてキープする。No8吉田が前進しラックに。SH田上-SO矢澤と渡り、矢澤が逆サイドへキックパス。WTB津岡がキャッチし、FB井上へと渡り、井上が抜け出してトライ。ゴール成功。
【24分】帝28-0成
スクラムから連続攻撃。ラックからSH田上-SO矢澤-FB井上と渡り、井上が抜け出してトライ。ゴール成功。
【32分】帝35-0成
ペナルティキックを得て、SO矢澤がキックパス。WTB亀井に渡り、亀井からFB井上へとパス。井上が抜け出してトライ。ゴール成功。
【36分】帝42-0成
相手ボールのスクラムをターンオーバーして、連続攻撃。ラックからSH田上-LO秋山-FL申と渡り、申が抜け出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【16分】帝49-0成
スクラムから連続攻撃。ラックからFLロガヴァトゥ-LO秋山と渡り、秋山がトライ。ゴール成功。
【30分】帝56-0成
相手がインゴールでノックオンしたボールに、SH末が走り込んで、グラウンディングしてトライ。ゴール成功。
【41分】帝63-0成
相手のキックボールをWTB亀井が拾って、FB井上にパス。井上から再度、亀井がパスをもらい、大きく抜け出す。つかまるも、WTB津岡にパス。津岡が抜け出してトライ。ゴール成功。
【47分】帝70-0成
ラックでターンオーバーして連続攻撃。WTB津岡、FL長船らが大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックからFLロガヴァトゥ-LO秋山と渡り、秋山が抜け出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
いよいよ2017年度の関東大学対抗戦が始まった。第一戦の相手は成蹊大学。台風18号の接近で冷たい雨が降り続き、時折、強い風も吹く悪天候の中でのキックオフとなった。足場もボールも滑る状態のため、細かなミスも出るが、試合開始からおおむね帝京がゲームの主導権を握り続ける。2分にNo8吉田が、LO秋山のサポートを受けつつ、力強い前進で先制トライを奪うと、8分にはモールからチャンスを作り、WTB亀井がトライ。さらにここから、対抗戦初出場のFB井上が3連続トライをあげ、リードを広げる。ミスから攻め込まれる場面もあるが、堅い守りでピンチの芽を摘む。前半は、42-0で折り返した。後半は、さらに雨、風ともに強くなり、ミスも増えるなど、一進一退の攻防になる。16分、LO秋山が鋭い走りで抜け出して後半最初のトライをあげる。30分にはU20日本代表から戻ったSH末が、相手のノックオンしたボールに反応してトライ。終了間際、ミスから攻め込まれるシーンもあるが、PR淺岡、FL長船、FLロガヴァトゥらの好タックルで防ぐ。帝京は終了間際にもLO秋山がトライをあげ、70-0で勝利を収めた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
――いよいよ対抗戦が始まりました。
「はい、いよいよ始まりました。ただ、今日は悪天候に見舞われ、寒い中でのスタートになりました。17時キックオフになったのは、例年、この時期はまだまだ残暑が厳しく、その暑さを避けるための時間設定だったのですが、今日のような天候までは予測できませんでした。台風の接近で試合の開催自体も危ぶまれた中、最後まで試合ができてよかったです。」
――試合を振り返っていただけますか。
「成蹊大学さんが終始、好ファイトで戦われていて、最後まで厳しいタックルをされていたので、見た目の点数とはまったく違った、引き締まった試合になったと思います。我々の出来に関しては、これからどんどんと積み上げていくためのスタートとしては、いい戦いができたと思っています。もちろん、細かな内容についてはいいところもあり、そうでないところもあり、なのですが、一人一人が真摯に取り組む姿勢の見えるゲームでしたので、いいスタートゲームになったと言っていいと思います。繰り返しになりますが、そうしたいいゲームになったのは、成蹊大学さんが最後まですばらしいファイトを見せてくださったからこそですので、とても感謝しています。」
――今日のメンバー構成については?
「もともとチーム、そして私自身のポリシーとして、『15人だけ、あるいは23人だけで長いシーズンを戦っていくことはできない。チーム全員のレベルを上げ、全員が強くなっていかなければ最終的に勝つことはできない』という考えがあります。今日のメンバー構成は『常に出続ける』といった本来的な意味での『レギュラー』ではないかもしれませんが、その位置を必死で目指しているメンバーであり、またファーストジャージの重みと責任を十分に理解しているメンバーを選んだつもりです。」
――昨日、パナソニックさんとの練習試合がありましたね。こちらはどうでしたか。
「パナソニックさんも試合経験を積みたいメンバーがいる、という流れの中で実現しました。20分×3本というゲームでしたが、いいファイトをしてくれて、いい経験を積むことができました。」
――少し前にチーム全員で、チームビルディングの一環として、東京ディズニーシーに行かれたそうですね。
「チームビルディングというよりは、完全なるリフレッシュのためのイベントでしたね。夏合宿等でしっかり頑張って汗を流した分、リフレッシュしてもらおうと思いまして。個人的によく行っている人がいるかどうかはわかりませんが(笑)、チームのみんなで行くという機会はありませんでしたので、新鮮な気分を味わってもらって、新たな気持ちでシーズンに入っていこうという意図で行ってきました。チーム全員で同じ時間に楽しみを共有するという意味では、チームビルディングになったかもしれませんね。」
――今後に向けてのメッセージをお願いします。
「一戦一戦、中身の濃い試合をしていけるように、いい準備をして、対抗戦をしっかり戦っていきたいです。挑む気持ち、自分たちで自分たちをどこまで引き上げていけるか。そういった気持ちを仲間同士が持ち寄って、戦う集団になっていってほしいと思っています。まずは気持ちの入った準備をして、試合でそれを出し切っていく。それを一試合一試合、積み重ねていってほしいと思います。」
■ゲームキャプテン・HO金廉(4年)
「今日は、対抗戦のファーストゲームということで、80分間、ひたむきに泥臭いプレーをしていこう、そして、帝京のファーストジャージを着ている以上、自分たちがAチームなのだと声を掛けて試合に臨みました。試合は、自分たちの強みを活かせたところもあったのですが、自分たちが準備をしてきたことしかできなかったので、もっと相手を見て判断していくという部分が足りなかったと反省しています。そうしたところを、練習から改善していきたいです。チーム自体は、オーバーリラックスすることもなく、また緊張しすぎることもなく、いいマインドセットができていると思うので、そこはこれからも続けていけたらと思います。」
■チームが優勝するために自分は何ができるかを考えていきたい・PR李城鏞(4年)
「チームとしては、今日は対抗戦のファーストゲームということで『挑む心』というテーマで臨んだのですが、自分も強みであるスクラム、ブレイクダウンで挑む気持ち、そして4年生として周りを引っ張って行こうという気持ちをもって臨みました。ただ、試合の中では相手に対応するのが遅いという自分のよくない部分も出てしまいました。ただ、それを引きずるのではなく、これからに活かせるようにプラスに捉えて、日頃の練習で相手の出方にどう対応していくかを意識してやっていきたいと思います。自分はファーストジャージを着て試合に出ることが初めてだったので緊張もありましたが、楽しみもとても大きいものがありました。これからも4年生として、チームが優勝を勝ち取るために自分は何ができるか、何をすればいいかを考えて、行動していきたいと思います。」
■最上級生として信頼されるプレーヤーになりたい・LO小川正志(4年)
「今日は自分としては対抗戦初出場ということで、少し緊張したところもあったのですが、自分の普段どおりのプレーをすることを意識して臨みました。また、悪天候でしたので、丁寧にプレーすることを心掛けました。アタックの面で力強く前に出るという部分は、少しはできたと思うのですが、まだ細かい部分でやり切れなかったところもあったので、次に試合に出させていただくチャンスがあったら、もっと思い切り出し切って、大胆かつ繊細なプレーをしたいです。これからも自分のやるべきことをしっかりやって、最上級生として信頼されるプレーヤーになっていきたいです。」
《PICK UP PLAYERS》
思い切りのよさで3トライを奪う
FB 井上 亮(2年)
Inoue Ryo
1997年10月21日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
高鍋高校出身
身長175cm/体重85kg
■初めての対抗戦でしたが、試合にはどんな心境で臨んだのでしょうか。
「自分は経験が浅いですが、その分、持っている力を思い切って出していこうと思い、ボールキャリー、カウンターアタックを思い切りやろうと思っていました。」
■実際にプレーをしてみての手応えはいかがでしたか。
「前半はゲインできたり、サポートプレーもいい形でできたと思いますが、後半、足が止まってしまったり、攻められている局面で前に出られなかったところが反省点として出てしまいました。そこは次までに修正したいです。」
■3連続トライがありました。
「それについては、みんながつないでくれたボールを最後に押さえるという役目を果たしただけなので、チームで取ったトライです。ただ、サポートプレーができていたという部分はよかったので、次につなげていきたいです。」
■自身の強み、ここを評価されてメンバーに選ばれたと思う部分はどこでしょうか。
「思い切りのよさだと思います。岩出監督からも『思い切り、自信を持っていけ』と言われているので、今日も迷わず、やるべきことを明確にして挑むことができました。」
■課題として、取り組んでいることはありますか。
「もともとはFBではなく、SO、CTBといろいろなポジションをやってきました。まだ経験が浅く、今日もFBとしてのポジショニング、FWとの連係といったところが、後半、特にできていませんでした。自分がやりたいこと、外のWTBがやりたいことを内側にきちんと伝達できなかったところがあり、それが後半、得点が伸びなかった原因だと思っています。これは自分の責任だと思っていますが、ここから経験を重ねて、感覚を覚えて、先輩方のアドバイスも聞いて、修正していきたいと思います。」
■今後への意気込みをお願いします。
「今日出た課題を修正して、よかったところをさらに伸ばして力にして、次の試合にも出られるように、練習からしっかりと取り組んでいきたいと思います。」
対抗戦初出場で3連続トライをマークし、存在感を見せた。本人は、この結果にも奢ることなく「みんなでつないだボールを最後に押さえただけ」と言うが、サポートするプレーや常にボールに絡もうという積極的な姿勢が生んだトライだと言える。もともとはSO、CTBで、FBとしての経験は浅いが、吸収力も高く、経験の浅さはむしろ「伸びしろ」だと言える。自身の強みも課題も自覚している点も心強い。今後の成長を見守りたい。
《COLUMN》
――リーダーシップへの意識――
今シーズンの対抗戦が始まりました。
台風18号が近づき、開催自体も危ぶまれましたが、雨、風が強い中、何とか試合を行うことができました。悪天候、そしてこの時期としては異例の寒さが襲う悪条件ながら、百草グラウンドには大勢の観衆の方々が足を運ばれ、ずぶ濡れになりながらも、ラグビーシーズンの開幕を味わっておられました。
スタンドに座り切れないお客様も大勢おられ、風で傘が裏返しになっても、選手たちの奮闘に熱い視線を送り続ける方々もおられました。
さて、この日は3人の4年生に話を聞くことができたのですが、この3人ともが「4年生として」「最終学年として」という言葉を使いながら、自分自身のプレーの話以上にチーム全体のこと、チームの目指す目標のことを語ってくれました。この「4年生として」という意識は、チームを引っ張るリーダーシップに直結していきます。
このコラムでも何度も出てきた、帝京の「4年力」が今年も求められる時期になってきました。この力は、シーズンが深まれば深まるほどより求められ、より力を発揮し、より多くの4年生たちがその力を実感していきます。
まだシーズンは始まったばかり。その段階で、すでに多くの4年生がその力に気づいているのは、とても頼もしく思います。
もちろん、話を聞いた3人がたまたま、特にそうした意識の高い人たちだったというだけなのかもしれません。もしそうだとしても、ここから彼らが周囲にいい影響を与え続けていくことは間違いありません。
そして、その影響がチーム全体に行き渡っていったとき、本当の意味で強いチームになっているはずです。
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対日本体育大学(http://nittairfc.d2.r-cms.jp/)
9月30日(土) 秩父宮ラグビー場
15時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦20勝18敗(大学選手権での対戦なし)
[日本体育大学の直近5戦]
8月18日 ●24-28立正大学(夏季練習試合)
8月22日 ○59-12武蔵大学(夏季練習試合)
8月25日 ○53-14九州共立大学(夏季練習試合)
8月28日 ●19-47京都産業大学(夏季練習試合)
9月16日 ●20-54早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
アーカイブス
- 2019年12月(1)
- 2019年11月(4)
- 2019年9月(3)
- 2019年8月(2)
- 2019年6月(3)
- 2019年5月(3)
- 2019年4月(1)
- 2019年1月(1)
- 2018年12月(2)
- 2018年11月(2)
- 2018年10月(3)
- 2018年9月(1)
- 2018年8月(3)
- 2018年6月(2)
- 2018年5月(2)
- 2018年4月(1)
- 2018年1月(2)
- 2017年12月(1)
- 2017年11月(4)
- 2017年10月(2)
- 2017年9月(2)
- 2017年8月(3)
- 2017年6月(3)
- 2017年5月(3)
- 2017年1月(3)
- 2016年12月(2)
- 2016年11月(3)
- 2016年10月(2)
- 2016年9月(2)
- 2016年8月(3)
- 2016年6月(3)
- 2016年5月(3)
- 2016年4月(1)
- 2016年2月(1)
- 2016年1月(2)
- 2015年12月(4)
- 2015年11月(3)
- 2015年10月(2)
- 2015年9月(2)
- 2015年8月(3)
- 2015年6月(4)
- 2015年5月(2)
- 2015年4月(2)
- 2015年2月(2)
- 2015年1月(2)
- 2014年12月(5)
- 2014年11月(2)
- 2014年10月(2)
- 2014年9月(2)
- 2014年8月(3)
- 2014年6月(4)
- 2014年5月(3)
- 2014年4月(2)
- 2014年2月(1)
- 2014年1月(2)
- 2013年12月(4)
- 2013年11月(3)
- 2013年10月(2)
- 2013年9月(2)
- 2013年8月(2)
- 2013年7月(1)
- 2013年6月(3)
- 2013年5月(5)
- 2013年2月(2)
- 2013年1月(3)
- 2012年12月(5)
- 2012年11月(5)
- 2012年10月(5)
- 2012年9月(2)
- 2012年8月(2)
- 2012年7月(1)
- 2012年6月(3)
- 2012年5月(3)
- 2012年4月(1)
- 2012年3月(1)
- 2012年2月(1)
- 2012年1月(2)
- 2011年12月(7)
- 2011年11月(2)
- 2011年10月(3)
- 2011年9月(3)
- 2011年8月(1)
- 2011年6月(4)
- 2011年5月(3)
- 2011年4月(1)
- 2011年2月(2)
- 2011年1月(2)
- 2010年12月(3)
- 2010年11月(2)
- 2010年10月(3)
- 2010年9月(1)