REPORT
レポート
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関東大学対抗戦A 日本体育大学戦
2017/09/30
9月30日(土)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学(2勝)70-3日本体育大学(2敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒李(城)(2)堀越⇒呉(3)垣本⇒平井(4)今村(5)菅原⇒小川(6)古田(7)安田⇒長船(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)小畑(10)北村⇒岡村(11)竹山(12)マクカラン(ニ)(13)矢富(14)尾﨑(15)奥村⇒龍野
《日本体育大学》※先発のみ
[FW]
(1)宮澤(2)関(3)村山(4)酒井(5)中川(真)(6)熊谷(7)毛利(8)中島
[BK]
(9)堤(10)石田(一)(11)小濱(12)石田(大)(13)城(14)深見(15)中野
【前半】【得点経過】
【1分】帝0-3日
PGを決められる。
【15分】帝7-3日
スクラムから連続攻撃。ラックからFL安田が持ち出し、押し込んでトライ。ゴール成功。
【22分】帝14-3日
ラックでターンオーバー。SO北村-SH小畑-WTB竹山と渡り、竹山が走り切ってトライ。ゴール成功。
【25分】帝21-3日
キックオフから連続攻撃。HO堀越が抜け出し、大きく前進。ボールがこぼれるも、再度、連続攻撃。ラックから、SH小畑-SO北村-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【33分】帝28-3日
ラインアウトからFWで連続攻撃。ラックからLO今村が持ち出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【3分】帝35-3日
ラインアウトからモールを押し込み、PR垣本がトライ。ゴール成功。
【8分】帝42-3日
スクラムから連続攻撃。No8マクカランが大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックからHO堀越が持ち出してトライ。ゴール成功。
【17分】帝49-3日
自陣ゴール前のスクラムから連続攻撃。LO菅原が大きく前進。つかまるも、ラックからSH小畑-WTB竹山と渡り、竹山が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【21分】帝56-3日
SO北村がフェアキャッチし、クイック・リスタート。WTB尾﨑が大きく前進。つかまりかけるも、SH小畑にパス。小畑からHO堀越-No8マクカラン-FB奥村と渡り、奥村が抜け出しトライ。ゴール成功。
【32分】帝63-3日
相手のキックをSH小畑がキャッチ。WTB尾﨑にパスし、さらにCTB矢富にパス。矢富が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【42分】帝70-3日
ペナルティからSH田上がクイック・リスタートして、連続攻撃。FL長船が前進。ラックからSH田上-HO呉と渡り、呉が抜け出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第2戦の相手は日本体育大学。今シーズン初の秩父宮ラグビー場での試合となった。秩父宮でプレーするのは初めてというメンバーも少なくないなか、独特の雰囲気に飲まれず、メンタルをしっかりとコントロールしていきたい。だが、帝京は、立ち上がりにいきなり先制点を許してしまう。開始1分、PGを決められ、0-3とされる。その後は攻め込むシーンは多く作るものの、相手のすばやい出足のディフェンスに阻まれ、またミスも出て、得点することができない。15分にFL安田のトライで逆転し、そのまま勢いに乗るかと思われたが、相手ディフェンスの出足は衰えず、前進を阻まれる。だが要所ではしっかりとプレーし、着実にスコアを重ねていく。前半は28-3で折り返した。後半は3分、8分とFWでトライを重ね、波に乗るかに見えたが、ここから守りの時間帯となる。ゴール前まで運ばれ、ペナルティから失点のピンチを招くが、WTB竹山のビッグタックルが連続して決まり、相手のノックオンを誘う。その自陣ゴール前のスクラムから、逆に攻撃に転じ、WTB竹山が走り切ってトライを奪う。相手の勢いは最後まで衰えなかったが、それでも21分にFB奥村、32分にはCTB矢富がトライを奪い、突き放す。終了間際の42分には、途中出場のHO呉がいい形で走り込んでボールをもらってトライを決める。この日のゴールキッカー竹山は10本のゴールキックをすべて決め、70-3でノーサイド。帝京は対抗戦開幕2連勝とした。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日の日本体育大学さんはとても気持ちの入った、すばらしいプレーをされていたと思います。学生たちにとっては、シーズンを通してどのような経験をしていくかということがとても大事ですので、自分たちの思いどおりのプレーができることもいいことですし、今日のように思いどおりのプレーができないこともまた、いい経験です。思いどおりにいかないことが多かったとはいえ、前後半それぞれでよさも出ていますので、今日のゲームをネガティブに捉えることなく、進んでいきたいと思います。学生たちも自分たちを厳しめに見ているようですので、まずは相手を称えて、自分たちの修正すべきところを見つけて、次に臨んでいきたいと思います。今シーズンは日程が変わって、今週からジュニア選手権のゲームが4週続きます。そうした日程を考えたメンバー構成もしていかなければなりませんし、今日出場したメンバーがそのまま今後も対抗戦に出続けるかはわかりません。シーズンを通じて伸びてくる選手が、最後にグラウンドに立つことになるのだと思いますし、そういった選手がたくさん出てきてくれることを期待したいです。そういう意味でも、今日は学生たちにとっていい反省のできる試合になったと思います。あらためて、最後の最後まで走り続けた日本体育大学さんに敬意を表するとともに、われわれももう一度、奮起し、力強く前に進んでいきたいと思います。」
■キャプテン・HO堀越康介(4年・ゲームMVP)
「今日の試合は、相手をノートライにおさえることができたのはよかったので、このゲームで得たものをプラスに捉えて、次に向かっていきたいと思います。ただ試合に対する気迫、ひたむきさが日本体育大学さんからヒシヒシと感じました。そこでこちらが少し受け身になってしまいました。今後は、ゲームに出るメンバーそれぞれが、コミュニケーションをより密にして、さらにチーム力を高めていきたいと思います。」
■熱い気持ちをグラウンドで表現・呉季依典(3年)
「今日は日本体育大学さんが前半からいいプレッシャーをかけてきていて、帝京らしいアタックが少しでていないなと思ってベンチで見ていたのですが、自分はいつ出てもチームにエナジーと元気を与えられるようなアタック、ディフェンスをしたいと思っていました。トライはありましたが、自分の中ではもっともっとグラウンドでみんなに勇気を与えられたはずだと思うので、次の試合ももっといい準備をして、長く出場できるように頑張っていきたいです。自分の熱い気持ちをグラウンド表現して、周囲からの信頼を重ねていきたいと思っています。」
■体を当てるタックルをしていきたい・岡村晃司(1年)
「ケガがあって、3ヵ月ぶりの復帰戦だったのですが、自分のやるべきことを明確にして、自分の持っているものを全力で出し切ろうと思って臨みました。ですが、かなり緊張してしまって、周りも全然見えなくなってしまいました。みんなが疲れているなかで、元気な自分がみんなを元気づけなければいけなかったのに、それができませんでした。スピードや体の使い方をもっとよくして、今日出た課題を次に活かしていきたいです。もっともっと体を当てるいいタックルを精いっぱいしていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
毎日を大切にやっていきたい
FL 長船 馨雅(4年)
Osafune Keiga
1995年10月3日生まれ
文学部社会学科
福岡工業大学附属城東高校出身
身長177cm/体重94kg
■まずは試合の感想からお願いします。
「今日は自分たちがやってきたことをやろうと言って試合に臨んだのですが、前半はあまりできませんでした。後半は少しずつですが、自分たちの形でできたところも多かったので、そこは良かったです。ここからシーズンが深まる中で、全員がチーム一丸となってしっかりやっていきたいです。」
■後半から入るにあたって、どんなことを考えて入ったのでしょうか。
「初めての秩父宮だったので、自分の持ち味であるボールキャリーのところを意識して、自分の持ち味を出し切ろうと意識していました。」
■やってみた手応えはいかがでしたか。
「1本だけいいプレーがありましたが、もっとボールをもらえるシーンもありましたし、ディフェンスがあまりできていなかったので、そこはもっと修正していかないといけないと思いました。」
■初めての秩父宮という話がありましたが、その秩父宮の雰囲気はどうでしたか。
「いつもスタンドから見ていましたが、グラウンドにいてスタンドのみんなの声がよく聞こえました。もともと緊張というのはそれほどなかったのですが、みんなの顔を見たらさらにリラックスできたので、いつもと変わらずにできました。」
■今日、自分自身、一番よかったところはどこだと評価していますか。
「ボールキャリーは相手に通用したと感じたものはありました。修正するポイントとしては、ディフェンスがまだまだだったところですね。コミュニケーションがうまく取れていませんでしたし、ストラクチャーの部分でもミスがありましたので、そこは自分の課題だと思っています。」
■対戦相手の日本体育大学さんがすごくいいプレーをされていましたが、実際に体を当てた印象としてはいかがでしたか。
「ディフェンスに圧力がありましたし、前に前に行くプレーについては僕らもリスペクトすべき部分だったと思います。その圧力に押されて、自分たちのやるべきことがあまりできなかったので、帝京としては試合が続くなかで、練習中からもっと考えて修正していかなければいけないと思いました。」
■次戦以降に向けて、意気込みをお願いします。
「ジュニア選手権も始まりますし、また公式戦以外の練習試合なども含めて一つ一つの試合、そして日々の一つ一つの練習を毎日大切にやっていきたいと思います。」
「感想をお願いします」といったややあいまいな質問をすると、返ってくる答えは2種類に分かれる。最初に自分自身のプレーについて語るケースと、自身のプレーの前にチーム全体の話を語るケースだ(人によっては、「どちらを話しましょうか」と問いかけてくるケースもある)。FL長船はこの質問に、真っ先にチーム全体の話を語り始めた。自身はベンチスタートで前半はプレーしていないのだが、その前半について冷静に分析していた。常にチーム全体のことを考えているからこそ、真っ先にチームの話が出てくるのだろう。もちろん、自身のプレーについてもきちんと分析し、課題についても理解している。まだまだ伸びしろがあると言えそうだ。頼もしい4年生が、また一人、頭角を現してきた。
《COLUMN》
――SMILEとチーム一丸――
2017年度版のイヤーブックが完成しました。
すでにお手にされた方もいらっしゃるかと思います。
昨年度と大きく変わったところはと言えば、コーチ陣(齋藤コーチ、福田コーチ)のインタビューが掲載されたことと、三・四年生の女子マネージャー&レフェリーの記事が加わったことでしょうか。
また、表紙をめくった2ページめに「SMILE」とあります。そのとおり、全編を通じて「SMILE」に満ちた構成になっています。
女子マネージャー&レフェリーの記事の中に、こんなセリフがあります。
「最後の一人まで笑顔っていうのは帝京大学の最大の特徴、魅力だと思うので、その瞬間、そこにいられるのはとても幸せなことだと思います。」
笑顔で満ち溢れているということだけでも見ていて十分に楽しいのですし、こちらまで自然と笑顔になってしまうのですが、それだけではなく、「最後の一人まで」=「全員が」笑顔ということは、すなわち「チームがいい形で一つになっている」証拠でもあります。
シーズンは始まったばかりですが、ここから、チームが一つになっている証拠=「笑顔」をどれだけたくさん見せることができるでしょうか。そんなところにも注目していただくと、ゲームをより楽しく観戦していただけるのではないでしょうか。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
FL 沓澤 北斗(1年)
帝京八王子高校出身
身長169cm/体重78kg
「低い身長を逆に活かした低いタックルが強味です。課題としては、いまはまずは体を大きくすることに取り組んでいます。帝京大学ラグビー部に入ってみて、Aチームで活躍されている人たちだけではなく、全員の考え方がすごくて、考えるということに対するチーム全体のレベルの高さを感じています。今後は、まずは当たり負けしない体を作っていきたいと思っています。」
WTB・FB 杉永 将三(1年)
長崎南山高校出身
身長176cm/体重81kg
「自分の得意なプレーはキックカウンターです。また、課題はハンドリングなので、ハンドリングがもっとうまくなるように、しっかりと取り組んでいきたいです。兄(杉永亮太・現キヤノンイーグルス)が帝京大学ラグビー部にいたので、入部前から部の話は聞いてはいたのですが、練習の質ですとか、ミーティングの内容といったものが、自分が考えていた以上に深かったです。深い話でも、先輩方が丁寧に教えてくださるので、1年生の自分たちにとってもすごくわかりやすいです。いま自分はケガをしているので、まずはケガを治して、その上で自分のプレーをして上のチームで活躍できるように頑張りたいです。」
PR・HO 清水 岳(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長175cm/体重103kg
「自分の強味はコンタクトプレーです。ボールキャリーでも、近場のディフェンスでも、コンタクトの強さに自信をもっています。また、フロントローでありながら、ボールキャリーのスピードにも自信があるので、そこは自分のアピールポイントだと思っています。課題は、一番にはまずはPRとしてのスクラムの強さの部分です。あとHOとして、ラインアウトのスローだったり、スクラムの中心でコントロールしていく部分はまだまだ不慣れなので、頑張って練習しています。帝京大学ラグビー部は一人一人の意識が高く、絶対に妥協しない強さがあると感じます。まずは体づくりをしっかりやって、セットプレーを安定させて、Aチームで活躍できるように頑張りたいです。」
FL・No8 古田 勇作(1年)
深谷高校出身
身長180cm/体重102kg
「自分の強味はボールキャリーの強さとブレイクダウンでのジャッカル、コンタクトプレーの部分です。ブレイクダウンでの仕事量、仕事の質がアピールポイントです。高校時代からケガが多かったので、まずはケガをしない体づくりをして、その上で運動量を増やしていきたいです。運動量はプレーの質にも関わると思うので、量と質の両方を高めていきたいです。帝京大学ラグビー部は一人一人の意識の高さがすごいです。全員がチームの目標である大学日本一に向かって、高い意識で練習に取り組んでいます。部には知っている先輩もいたので、話は聞いていたのですが、入部する前に思っていた以上にレベルが高かったです。今後はまずはしっかりと戦える体をつくって、チームに貢献できる選手になりたいと思います。」
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対青山学院大学(http://www.aogaku-rugby.com/)
10月14日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦26勝8敗1分(大学選手権での対戦なし)
[青山学院大学の直近5戦]
8月24日 ●41-55摂南大学(夏季練習試合)
8月26日 ●21-69朝日大学(夏季練習試合)
8月27日 ●17-53大阪体育大学(夏季練習試合)
9月16日 ●7-108明治大学(関東大学対抗戦A)
10月1日 ●24-94早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学(2勝)70-3日本体育大学(2敗)●
《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒李(城)(2)堀越⇒呉(3)垣本⇒平井(4)今村(5)菅原⇒小川(6)古田(7)安田⇒長船(8)マクカラン(ブ)
[BK]
(9)小畑(10)北村⇒岡村(11)竹山(12)マクカラン(ニ)(13)矢富(14)尾﨑(15)奥村⇒龍野
《日本体育大学》※先発のみ
[FW]
(1)宮澤(2)関(3)村山(4)酒井(5)中川(真)(6)熊谷(7)毛利(8)中島
[BK]
(9)堤(10)石田(一)(11)小濱(12)石田(大)(13)城(14)深見(15)中野
【前半】【得点経過】
【1分】帝0-3日
PGを決められる。
【15分】帝7-3日
スクラムから連続攻撃。ラックからFL安田が持ち出し、押し込んでトライ。ゴール成功。
【22分】帝14-3日
ラックでターンオーバー。SO北村-SH小畑-WTB竹山と渡り、竹山が走り切ってトライ。ゴール成功。
【25分】帝21-3日
キックオフから連続攻撃。HO堀越が抜け出し、大きく前進。ボールがこぼれるも、再度、連続攻撃。ラックから、SH小畑-SO北村-FB奥村と渡り、奥村が抜け出してトライ。ゴール成功。
【33分】帝28-3日
ラインアウトからFWで連続攻撃。ラックからLO今村が持ち出してトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【3分】帝35-3日
ラインアウトからモールを押し込み、PR垣本がトライ。ゴール成功。
【8分】帝42-3日
スクラムから連続攻撃。No8マクカランが大きく前進し、さらに連続攻撃。ラックからHO堀越が持ち出してトライ。ゴール成功。
【17分】帝49-3日
自陣ゴール前のスクラムから連続攻撃。LO菅原が大きく前進。つかまるも、ラックからSH小畑-WTB竹山と渡り、竹山が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【21分】帝56-3日
SO北村がフェアキャッチし、クイック・リスタート。WTB尾﨑が大きく前進。つかまりかけるも、SH小畑にパス。小畑からHO堀越-No8マクカラン-FB奥村と渡り、奥村が抜け出しトライ。ゴール成功。
【32分】帝63-3日
相手のキックをSH小畑がキャッチ。WTB尾﨑にパスし、さらにCTB矢富にパス。矢富が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【42分】帝70-3日
ペナルティからSH田上がクイック・リスタートして、連続攻撃。FL長船が前進。ラックからSH田上-HO呉と渡り、呉が抜け出してトライ。ゴール成功。
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第2戦の相手は日本体育大学。今シーズン初の秩父宮ラグビー場での試合となった。秩父宮でプレーするのは初めてというメンバーも少なくないなか、独特の雰囲気に飲まれず、メンタルをしっかりとコントロールしていきたい。だが、帝京は、立ち上がりにいきなり先制点を許してしまう。開始1分、PGを決められ、0-3とされる。その後は攻め込むシーンは多く作るものの、相手のすばやい出足のディフェンスに阻まれ、またミスも出て、得点することができない。15分にFL安田のトライで逆転し、そのまま勢いに乗るかと思われたが、相手ディフェンスの出足は衰えず、前進を阻まれる。だが要所ではしっかりとプレーし、着実にスコアを重ねていく。前半は28-3で折り返した。後半は3分、8分とFWでトライを重ね、波に乗るかに見えたが、ここから守りの時間帯となる。ゴール前まで運ばれ、ペナルティから失点のピンチを招くが、WTB竹山のビッグタックルが連続して決まり、相手のノックオンを誘う。その自陣ゴール前のスクラムから、逆に攻撃に転じ、WTB竹山が走り切ってトライを奪う。相手の勢いは最後まで衰えなかったが、それでも21分にFB奥村、32分にはCTB矢富がトライを奪い、突き放す。終了間際の42分には、途中出場のHO呉がいい形で走り込んでボールをもらってトライを決める。この日のゴールキッカー竹山は10本のゴールキックをすべて決め、70-3でノーサイド。帝京は対抗戦開幕2連勝とした。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「今日の日本体育大学さんはとても気持ちの入った、すばらしいプレーをされていたと思います。学生たちにとっては、シーズンを通してどのような経験をしていくかということがとても大事ですので、自分たちの思いどおりのプレーができることもいいことですし、今日のように思いどおりのプレーができないこともまた、いい経験です。思いどおりにいかないことが多かったとはいえ、前後半それぞれでよさも出ていますので、今日のゲームをネガティブに捉えることなく、進んでいきたいと思います。学生たちも自分たちを厳しめに見ているようですので、まずは相手を称えて、自分たちの修正すべきところを見つけて、次に臨んでいきたいと思います。今シーズンは日程が変わって、今週からジュニア選手権のゲームが4週続きます。そうした日程を考えたメンバー構成もしていかなければなりませんし、今日出場したメンバーがそのまま今後も対抗戦に出続けるかはわかりません。シーズンを通じて伸びてくる選手が、最後にグラウンドに立つことになるのだと思いますし、そういった選手がたくさん出てきてくれることを期待したいです。そういう意味でも、今日は学生たちにとっていい反省のできる試合になったと思います。あらためて、最後の最後まで走り続けた日本体育大学さんに敬意を表するとともに、われわれももう一度、奮起し、力強く前に進んでいきたいと思います。」
■キャプテン・HO堀越康介(4年・ゲームMVP)
「今日の試合は、相手をノートライにおさえることができたのはよかったので、このゲームで得たものをプラスに捉えて、次に向かっていきたいと思います。ただ試合に対する気迫、ひたむきさが日本体育大学さんからヒシヒシと感じました。そこでこちらが少し受け身になってしまいました。今後は、ゲームに出るメンバーそれぞれが、コミュニケーションをより密にして、さらにチーム力を高めていきたいと思います。」
■熱い気持ちをグラウンドで表現・呉季依典(3年)
「今日は日本体育大学さんが前半からいいプレッシャーをかけてきていて、帝京らしいアタックが少しでていないなと思ってベンチで見ていたのですが、自分はいつ出てもチームにエナジーと元気を与えられるようなアタック、ディフェンスをしたいと思っていました。トライはありましたが、自分の中ではもっともっとグラウンドでみんなに勇気を与えられたはずだと思うので、次の試合ももっといい準備をして、長く出場できるように頑張っていきたいです。自分の熱い気持ちをグラウンド表現して、周囲からの信頼を重ねていきたいと思っています。」
■体を当てるタックルをしていきたい・岡村晃司(1年)
「ケガがあって、3ヵ月ぶりの復帰戦だったのですが、自分のやるべきことを明確にして、自分の持っているものを全力で出し切ろうと思って臨みました。ですが、かなり緊張してしまって、周りも全然見えなくなってしまいました。みんなが疲れているなかで、元気な自分がみんなを元気づけなければいけなかったのに、それができませんでした。スピードや体の使い方をもっとよくして、今日出た課題を次に活かしていきたいです。もっともっと体を当てるいいタックルを精いっぱいしていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
毎日を大切にやっていきたい
FL 長船 馨雅(4年)
Osafune Keiga
1995年10月3日生まれ
文学部社会学科
福岡工業大学附属城東高校出身
身長177cm/体重94kg
■まずは試合の感想からお願いします。
「今日は自分たちがやってきたことをやろうと言って試合に臨んだのですが、前半はあまりできませんでした。後半は少しずつですが、自分たちの形でできたところも多かったので、そこは良かったです。ここからシーズンが深まる中で、全員がチーム一丸となってしっかりやっていきたいです。」
■後半から入るにあたって、どんなことを考えて入ったのでしょうか。
「初めての秩父宮だったので、自分の持ち味であるボールキャリーのところを意識して、自分の持ち味を出し切ろうと意識していました。」
■やってみた手応えはいかがでしたか。
「1本だけいいプレーがありましたが、もっとボールをもらえるシーンもありましたし、ディフェンスがあまりできていなかったので、そこはもっと修正していかないといけないと思いました。」
■初めての秩父宮という話がありましたが、その秩父宮の雰囲気はどうでしたか。
「いつもスタンドから見ていましたが、グラウンドにいてスタンドのみんなの声がよく聞こえました。もともと緊張というのはそれほどなかったのですが、みんなの顔を見たらさらにリラックスできたので、いつもと変わらずにできました。」
■今日、自分自身、一番よかったところはどこだと評価していますか。
「ボールキャリーは相手に通用したと感じたものはありました。修正するポイントとしては、ディフェンスがまだまだだったところですね。コミュニケーションがうまく取れていませんでしたし、ストラクチャーの部分でもミスがありましたので、そこは自分の課題だと思っています。」
■対戦相手の日本体育大学さんがすごくいいプレーをされていましたが、実際に体を当てた印象としてはいかがでしたか。
「ディフェンスに圧力がありましたし、前に前に行くプレーについては僕らもリスペクトすべき部分だったと思います。その圧力に押されて、自分たちのやるべきことがあまりできなかったので、帝京としては試合が続くなかで、練習中からもっと考えて修正していかなければいけないと思いました。」
■次戦以降に向けて、意気込みをお願いします。
「ジュニア選手権も始まりますし、また公式戦以外の練習試合なども含めて一つ一つの試合、そして日々の一つ一つの練習を毎日大切にやっていきたいと思います。」
「感想をお願いします」といったややあいまいな質問をすると、返ってくる答えは2種類に分かれる。最初に自分自身のプレーについて語るケースと、自身のプレーの前にチーム全体の話を語るケースだ(人によっては、「どちらを話しましょうか」と問いかけてくるケースもある)。FL長船はこの質問に、真っ先にチーム全体の話を語り始めた。自身はベンチスタートで前半はプレーしていないのだが、その前半について冷静に分析していた。常にチーム全体のことを考えているからこそ、真っ先にチームの話が出てくるのだろう。もちろん、自身のプレーについてもきちんと分析し、課題についても理解している。まだまだ伸びしろがあると言えそうだ。頼もしい4年生が、また一人、頭角を現してきた。
《COLUMN》
――SMILEとチーム一丸――
2017年度版のイヤーブックが完成しました。
すでにお手にされた方もいらっしゃるかと思います。
昨年度と大きく変わったところはと言えば、コーチ陣(齋藤コーチ、福田コーチ)のインタビューが掲載されたことと、三・四年生の女子マネージャー&レフェリーの記事が加わったことでしょうか。
また、表紙をめくった2ページめに「SMILE」とあります。そのとおり、全編を通じて「SMILE」に満ちた構成になっています。
女子マネージャー&レフェリーの記事の中に、こんなセリフがあります。
「最後の一人まで笑顔っていうのは帝京大学の最大の特徴、魅力だと思うので、その瞬間、そこにいられるのはとても幸せなことだと思います。」
笑顔で満ち溢れているということだけでも見ていて十分に楽しいのですし、こちらまで自然と笑顔になってしまうのですが、それだけではなく、「最後の一人まで」=「全員が」笑顔ということは、すなわち「チームがいい形で一つになっている」証拠でもあります。
シーズンは始まったばかりですが、ここから、チームが一つになっている証拠=「笑顔」をどれだけたくさん見せることができるでしょうか。そんなところにも注目していただくと、ゲームをより楽しく観戦していただけるのではないでしょうか。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
FL 沓澤 北斗(1年)
帝京八王子高校出身
身長169cm/体重78kg
「低い身長を逆に活かした低いタックルが強味です。課題としては、いまはまずは体を大きくすることに取り組んでいます。帝京大学ラグビー部に入ってみて、Aチームで活躍されている人たちだけではなく、全員の考え方がすごくて、考えるということに対するチーム全体のレベルの高さを感じています。今後は、まずは当たり負けしない体を作っていきたいと思っています。」
WTB・FB 杉永 将三(1年)
長崎南山高校出身
身長176cm/体重81kg
「自分の得意なプレーはキックカウンターです。また、課題はハンドリングなので、ハンドリングがもっとうまくなるように、しっかりと取り組んでいきたいです。兄(杉永亮太・現キヤノンイーグルス)が帝京大学ラグビー部にいたので、入部前から部の話は聞いてはいたのですが、練習の質ですとか、ミーティングの内容といったものが、自分が考えていた以上に深かったです。深い話でも、先輩方が丁寧に教えてくださるので、1年生の自分たちにとってもすごくわかりやすいです。いま自分はケガをしているので、まずはケガを治して、その上で自分のプレーをして上のチームで活躍できるように頑張りたいです。」
PR・HO 清水 岳(1年)
大阪桐蔭高校出身
身長175cm/体重103kg
「自分の強味はコンタクトプレーです。ボールキャリーでも、近場のディフェンスでも、コンタクトの強さに自信をもっています。また、フロントローでありながら、ボールキャリーのスピードにも自信があるので、そこは自分のアピールポイントだと思っています。課題は、一番にはまずはPRとしてのスクラムの強さの部分です。あとHOとして、ラインアウトのスローだったり、スクラムの中心でコントロールしていく部分はまだまだ不慣れなので、頑張って練習しています。帝京大学ラグビー部は一人一人の意識が高く、絶対に妥協しない強さがあると感じます。まずは体づくりをしっかりやって、セットプレーを安定させて、Aチームで活躍できるように頑張りたいです。」
FL・No8 古田 勇作(1年)
深谷高校出身
身長180cm/体重102kg
「自分の強味はボールキャリーの強さとブレイクダウンでのジャッカル、コンタクトプレーの部分です。ブレイクダウンでの仕事量、仕事の質がアピールポイントです。高校時代からケガが多かったので、まずはケガをしない体づくりをして、その上で運動量を増やしていきたいです。運動量はプレーの質にも関わると思うので、量と質の両方を高めていきたいです。帝京大学ラグビー部は一人一人の意識の高さがすごいです。全員がチームの目標である大学日本一に向かって、高い意識で練習に取り組んでいます。部には知っている先輩もいたので、話は聞いていたのですが、入部する前に思っていた以上にレベルが高かったです。今後はまずはしっかりと戦える体をつくって、チームに貢献できる選手になりたいと思います。」
《NEXT MATCH》
関東大学対抗戦A
対青山学院大学(http://www.aogaku-rugby.com/)
10月14日(日) 秩父宮ラグビー場
14時キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦26勝8敗1分(大学選手権での対戦なし)
[青山学院大学の直近5戦]
8月24日 ●41-55摂南大学(夏季練習試合)
8月26日 ●21-69朝日大学(夏季練習試合)
8月27日 ●17-53大阪体育大学(夏季練習試合)
9月16日 ●7-108明治大学(関東大学対抗戦A)
10月1日 ●24-94早稲田大学(関東大学対抗戦A)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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