REPORT
レポート
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第54回全国大学ラグビーフットボール選手権大会・準決勝 東海大学戦
2018/01/04
1月2日(火)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学31-12東海大学●
《帝京大学》
[FW]
(1)西⇒岡本(2)堀越⇒金(廉)(3)垣本⇒淺岡(4)今村⇒藤田(5)秋山(6)古田⇒菅原(7)マクカラン(ブ)(8)吉田
[BK]
(9)小畑⇒末(10)北村⇒奥村(11)竹山(12)マクカラン(二)(13)岡田⇒矢富(14)木村(15)尾﨑
《東海大学》※先発のみ
[FW]
(1)三浦(2)大塚(3)春名(4)川瀬(5)タタフ(6)藤山(7)深見(8)モエアキオラ
[BK]
(9)山菅(10)眞野(11)齋藤(12)鹿尾(13)池田(14)小野木(15)野口
【前半】【得点経過】
【0分】帝0-7東
ターンオーバーされ、展開されてトライを奪われる。
【8分】帝7-7東
相手のドロップアウトをキャッチし、連続攻撃。CTB岡田が前進し、さらに連続攻撃。ラックから、SH小畑-HO堀越-LO秋山と渡り、秋山が大きく前進。CTBマクカラン(二)にパスし、マクカランが走り切ってトライ。ゴール成功。
【36分】帝14-7東
ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH小畑-SO北村-FB尾﨑-WTB木村と渡り、木村が抜け出し、走り切ってトライ。ゴール成功。
【後半】【得点経過】
【13分】帝21-7東
スクラムから、FLマクカラン(ブ)-SH小畑-CTBマクカラン(二)と渡り、マクカランが抜け出してトライ。ゴール成功。
【20分】帝28-7東
ラインアウトから連続攻撃。パスが乱れるも、WTB木村がうまく拾って前進。FL菅原に渡り、ラックに。ラックからSH小畑-SO北村-FLマクカラン(ブ)-HO堀越-WTB竹山と渡り、竹山がトライ。ゴール成功。
【36分】帝31-7東
WTB竹山がPGを決める。
【39分】帝31-12東
ラインアウトから攻められ、トライを奪われる。
《BRIEF REVIEW》
大学選手権準決勝の相手は、昨年、一昨年と決勝で接戦を戦った東海大学。帝京は開始早々に、先制パンチを浴びる。キックオフのボールをうまくキャッチするも、激しいタックルを受け、ターンオーバーされる。そのまま外につながれ、開始30秒足らずで先制トライを奪われてしまう。だが、これで目が覚めたか、帝京は相手の激しさに対して、さらなる激しさでぶつかっていく。8分に、LO秋山の突破からチャンスを作り、CTBマクカラン(二)がトライを奪うと、ここからはお互い、さらに激しくぶつかり合い、一進一退の攻防が続く。得点は動かないが、互いにミスの少ない攻防を見せ、スタンドを沸かせる。得点が動いたのは36分。WTB木村がうまく抜け出し、逆転トライ。前半を14-7で折り返した。後半も激しいぶつかり合いとなるが、攻められる場面でも、帝京は落ち着いてディフェンスし、決定的なシーンは作らせない。チャンスと見れば、No8吉田、FB尾﨑らがしっかりとボールに絡み、相手のペナルティを誘う。後半最初の得点は帝京。13分、CTBマクカラン(二)がうまく抜け出して、この日二つめのトライで突き放す。20分にはWTB木村の前進からチャンスを作り、WTB竹山がトライ。LO今村、FL菅原、SH小畑、SO北村、CTB岡田らも激しいタックルを見せ、大きな相手を止める。最後に1トライ返されるも、31-12でノーサイド。帝京が10年連続で、大学選手権決勝への進出を決めた。
《POST MATCH INTERVIEW》
■岩出雅之監督
「あけましておめでとうございます。東海大学さんとの対戦が決まり、このゲームがあったからこそ、我々は成長できたと思っています。特に、昨年、一昨年のように決勝で戦うのではなく、この準決勝で戦うことになったことで、選手たちの充実ぶりにつながったように思います。準々決勝から10日間ほどありましたので、攻防ともに自分たちのやるべきこと、やってきたことをやり、そして東海大学さんの強みの部分をしっかりとみんなで理解して、それを封じる、そのことを学生たちがきっちりとやり切ってくれたと思います。その意味では、今シーズン一番の会心のゲームだったと思います。ノーホイッスルトライからスタートしましたが、逆にあれによって、大観衆の中で外に向きがちな集中力が引き締まった方に向いてくれたようです。ミスから生まれるスイッチオンになったと思って、見ていました。そのあとは、本当に練習どおりに体を張るプレーをしてくれました。このあとすぐに、明治大学さんとの試合があります。ここからあまり時間がありませんが、お互い、対抗戦の段階からどのように成長してきたか、それをお見せできるようにしっかりと準備して、いい試合をしたいと思います。」
■キャプテン・HO堀越康介(4年)
「今日は、ディフェンスでプレッシャーをかけ、ディフェンスで自分たちのペースを作ろうという話をして臨みました。練習からその厳しいディフェンスを楽しもうと言ってやってきましたが、今日の試合、それができたと思います。試合のメンバーだけでなく、部員全員で最高の準備ができたと感じます。80分間、我慢強いディフェンスができたと思うので、そこは次の決勝戦につなげていきたいです。ただ、後半立ち上がりのミスや、タックルの甘さなどもありましたので、そこを修正して、決勝戦ではいい試合だった今日以上の試合をお見せできるように、頑張りたいと思います。あとは自分たちのやってきたことをしっかりやるだけだと思うので、80分間、やり続けたいと思います。」
■ラックで再三ボールに絡み、ディフェンスでリズムを作った・No8吉田杏(4年)
「今日はディフェンスをキーに試合に臨みました。自陣でも、敵陣でも、ディフェンスから流れを作ってトライにつながったゲームだったと思います。相手の思いどおりにさせずに、ゲームを運ぶことができたと思います。東海大学さんもディフェンスで流れを作ってくるチームでしたので、そのリズムを作らせないように、負けずに自分たちのやってきたディフェンスをやり続けようと言って、全員が意思統一できたことでこうした結果につながったと思います。そこは次の決勝戦にもつなげていきたいです。次で最後の試合になるので、4年間やってきたことを全部出し切れるように、頑張りたいと思います。」
■後半、激しいプレーでチームを鼓舞・FL菅原貴人(3年)
「前半、厳しい時間帯がありましたが、そこをしっかりとディフェンスで踏ん張って、いいゲームができていたので、後半、自分が入ったときには、チャンスメーカーとしていい流れを作っていこうと思って、試合に挑みました。ケガもあり、ゲームから長く遠ざかっていて、ゲーム感覚が鈍っていたのでそこを心配していたのですが、自分のやるべきことはできたかなと思っています。決勝に向けて、もう一度いい準備をして、チーム全員で戦っていきたいと思います。」
《PICK UP PLAYERS》
攻守にわたり強さを発揮し続けた
LO 秋山 大地(3年・ゲームMVP)
AKIYAMA DAICHI
1996年11月14日生まれ
医療技術学部スポーツ医療学科
つるぎ高校出身
身長191cm/体重111kg
■まずは、今日のゲームの感想からお願いします。
「今日は自分たちがやってきてことをやり切れた、ベストに近いゲームだったと思います。みんな、気持ちもしっかり作れていましたし、いいゲームができました。」
■自身のプレーでも前に出るシーンが多くあったように見えました。手応えはいかがでしたか。
「自分の強みでもあるコンタクトで前に出て、ボールを繋げたところはよかったと思いますが、それが何度も連続してできなくて、単発に終わってしまったので、そこは課題として決勝に向けて、身体を張り続けることを意識していきたいと思います。」
■セットプレーはどう思いますか。
「マイボールのときはよかったと思いますが、相手ボールに対してプレッシャーをかけることができずに、相手にいいアタックをさせてしまったので、決勝では相手にプレッシャーをかけられるようにしたいです。」
■ブレイクダウンなどでは、相手にプレッシャーをかけられていたと思いますが。
「タックルしたら自分の仕事は終わりというわけではないので、しっかりと粘り強く相手にプレシャーをかけられれば、相手にいいボールを出させないことにもつながりますし、さらにそれがいいディフェンスにつながると思ってプレーしました。」
■準々決勝から10日間、どんなことを意識して練習に臨んでいたのでしょうか。
「自分自身としては、いかにボールをもらって、身体を当ててチャンスを作れるかというところを意識しました。ディフェンスでは、タックルに入るまでのポジショニングを全体で確認しました。」
■これまで大学選手権決勝はスタンドで見てきたと思いますが、今年、大学選手権決勝に臨む思いはやはり違ったものがありますか。
「そうですね。やはり、去年出られなかった悔しさはもっていますし、憧れの舞台でもありますが、自分が出たら出場メンバーとしての責任を背負って、スタンドで一緒に戦っている仲間の分もグラウンドで力を出し切りたいです。」
■では、改めて決勝戦に向けての意気込みをお願いします。
「この1年間やってきたことをしっかりやり切ること。試合に出ている23人だけじゃなく、みんなで戦っているので、グラウンドに立つ責任というものを楽しみに変えて、80分間、出し切りたいと思います。」
先制された前半8分、同点トライにつながる力強い縦突破を見せ、チームは勇気と自信を取り戻した。もちろん、タックル、ブレイクダウンでも力強さを見せ、相手の突進を止める。その後は、ボールを持つたびに相手が2人、3人と人数をかけて止めに入るようになるなど、チャンスメイクに貢献した。同学年からは「寡黙ながら、激しいプレーで周囲を引っ張るタイプ」と評されるが、最近は言葉で自身の思いを伝える機会も増えているようだ。試合後はゲームMVPに選ばれ、岩出監督からも「なかなかすごかった」と賛辞が送られた。決勝に向けて、気持ちも充実してきている。優勝に向けて、この日以上の爆発を期待したい。
《COLUMN》
―― 好敵手との切磋琢磨 ――
この日の対戦相手は、昨年も一昨年も大学選手権の決勝戦で戦った東海大学でした。しかも、一昨年は27-17、昨年は33-26といずれも接戦。また、思い起こせば、帝京のVロードの出発点、2010年1月の初優勝時の対戦相手も東海大学。14-13という大接戦を制し、ここから帝京の連覇が始まりました。
さらに、今シーズン、東海大学とは春季大会で対戦。このときも31-28(前半3-21)という大接戦を演じています。
その東海大学と「準決勝」で対戦することになりました。選手たちの気持ちは、いやが上にも盛り上がります。
記者会見での岩出監督や堀越キャプテンの言葉、試合後の選手たちのインタビューを聞いても、準々決勝からこの日までの充実ぶりが伺えましたし、その充実ぶりがそのまま試合に出た結果が、この得点差になったように思えました。
これまで辛口のコメントが多かった岩出監督から「今日は会心の勝利です」という言葉が聞かれ、「東海大学さんとこの準決勝で対戦できたことが、我々がしっかりと気持ちが入った一番の要因」とも述べられました。
さらに「学生が東海大学さんをリスペクトし、『厳しい相手だ』と認めている証拠」「成長できる相手」「選手をより本気にさせてくれる相手」と、東海大学との戦いが自分たちを成長させてくれた、東海大学はそれほど強い相手だということを繰り返し述べています。
いいライバル、好敵手との戦いはお互いを大きく成長させてくれます。
おそらく東海大学も「打倒帝京」のために日々、努力を重ね、大きな成長を遂げてきたはずです。そんな相手としのぎを削ること、好敵手と切磋琢磨して、お互いに高め合っていくこと、それは大学選手権という大会を盛り上げるだけでなく、日本のラグビー界全体のレベルを高めていくことにつながると思います。
さあ、次は対抗戦での好敵手、明治大学との決勝戦です。今シーズンだけでも、札幌・月寒野外競技場での春季大会、菅平高原・サニアパークでの練習試合、横浜・ニッパツ三ツ沢球技場での対抗戦、さらにはジュニア選手権(カテゴリー1と決勝トーナメント決勝)としのぎを削り、切磋琢磨し合ってきました。
今シーズン最後の好敵手との対戦に向け、さらに大きく成長できるはずです。1月7日、その成長ぶりを存分に見せてくれることを期待しましょう。
《THE NEW FACE》
ニューフェースたちの声を紹介します。
PR・HO 安岡 大樹(1年)
東京高校出身
身長175cm/体重106kg
「自分の強みはスクラムとタックルです。課題は、フィットネス。持久力の部分です。練習中の走り込みが苦手な分、試合でも走れないことが多いので、そこを改善したいと思っています。帝京大学ラグビー部は上級生がいろいろな仕事をしてくださるということは聞いていたのですが、思っていた以上で、本当にほとんどすべての仕事を上級生がやってくれて、僕たち1年生は心の余裕、時間の余裕を持たせてもらえています。それが部に入って一番驚いたところです。今はケガで練習ができていないのですが、春シーズンにはラグビーができるように治療、リハビリをし、体づくりもしっかりやっていきたいと思います。」
《耳寄り情報》
今年も『箱根駅伝・ラグビー大学選手権応援サイト』が立ち上がりました!
いよいよ、箱根駅伝に挑んだ帝京大学駅伝競走部。史上初の9連覇をめざすラグビー大学選手権。
今年も『箱根駅伝・ラグビー大学選手権応援サイト』運営中です。
Teikyo Red Project2017~応援へ行こう!~
特設サイトは
http://www.teikyo-u.ac.jp/red_project2017
(今シーズンよりスマホでも見れます!)
《NEXT MATCH》
第54回全国大学ラグビーフットボール選手権大会・決勝
対明治大学(http://www.meijirugby.jp/)
1月7日(日) 秩父宮ラグビー場
14時 キックオフ
過去の対戦成績:関東大学対抗戦13勝27敗(大学選手権2勝0敗)
[明治大学の直近5戦]
11月5日 ○101-7日本体育大学(関東大学対抗戦A)
11月18日 ●14-41明治大学(関東大学対抗戦A)
12月3日 ○29-19早稲田大学(関東大学対抗戦A)
12月23日 ○27-21京都産業大学(大学選手権準々決勝)
1月2日 ○43-21大東文化大学(大学選手権準決勝)
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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