SPECIAL

スペシャル

トップ
   
スペシャル一覧
   
2020/11/1【 関東大学対抗戦A 】vs早稲田大学 マッチレポート

2020/11/1【 関東大学対抗戦A 】vs早稲田大学 マッチレポート

2020/11/04

《試合経過》
前半
08分 【早稲田大学】トライ 敵陣スクラムから8から12と繋ぎトライ 10ゴール成功 0-7
13分 【早稲田大学】トライ ラインアウトから13が抜け出し最後は7のトライ 10ゴール失敗 0-12
18分 【帝京大学】トライ ゴール前連続攻撃から10高本のオフロードをもらった12押川がトライ 15奥村ガール成功 7-12
24分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前スクラムをターンオーバーしそのまま押し込み最後は8奥井がトライ 15奥村ゴール成功 14-12
29分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前連続攻撃から最後は6リッチモンドのトライ 15奥村ゴール失敗 19-12
37分 【早稲田大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールで押し込みトライ 10ゴール成功 19-19
前半終了: 帝京大学 19-19 早稲田大学

後半
13分 【早稲田大学】トライ 敵陣で連続攻撃から最後は13がトライ 10ゴール成功 19-26
17分 【早稲田大学】トライ 中盤からBKに展開し最後は14がトライ 10ゴール成功 19-33
18分 【帝京大学】7 上山黎哉 → 20 松本健留
19分 【帝京大学】10 高本幹也 → 22 北村将大
20分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトモールから9土永が持ち出し、最後は11尾崎のトライ 15奥村ゴール失敗 24-33
21分 【帝京大学】8 奥井章仁 → 19 久保克斗
24分 【帝京大学】1 近藤芽吹 → 17 清水岳 , 2 江良颯 → 16 李承爀
25分 【早稲田大学】トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールで押し込みトライ 10ゴール成功 24-40
26分 【帝京大学】12 押川敦治 → 23 岡村晃司
32分 【帝京大学】3 渡邉元太 → 18 上杉太郎
37分 【早稲田大学】トライ 早稲田の連続攻撃から最後は11のトライ 10ゴール失敗 24-45
39分 【帝京大学】13 人見太基 → 21 杉原駿
42分 【帝京大学】トライ 敵陣連続攻撃から最後は21杉原のトライ 15奥村ゴール失敗 29-45
試合終了:帝京大学 29-45 早稲田大学

(試合速報担当:3年 伊藤健人・金裕平・中野光基・藤原清孝)



《BRIEF REVIEW》

対抗戦第4戦は、昨年度の大学日本一・早稲田大学との一戦。開始から帝京の選手たちの動きにやや硬さが見られる。激しいタックルで相手を止めるも、反則で押し込まれる展開となる。ディフェンスもやや甘くなり、9分、14分と立て続けにトライを奪われる。しかし、ここから帝京が落ち着きを取り戻す。18分にラインアウトからのモールは押し切れなかったものの、連続攻撃からCTB押川がトライ。25分には、相手ボールのスクラムを押し込み、こぼれたボールをNo8奥井がインゴールで押さえてトライ。29分にもラインアウトからモールを形成。これも押し切れないが、連続攻撃でFLトンガタマが腕を伸ばしてトライを奪う。だが、37分にトライを返され、19-19の同点で前半を折り返した。後半は一気に突き放したい帝京。だが、相手の激しいディフェンスは衰えない。逆に、大きくつなぐ展開ラグビーに13分、17分とトライを奪われる。20分に、モールからパスをつないで、WTB尾﨑がトライを奪うが、後半も前半同様、今シーズンから厳しく取られているノットリリースザボールやオフザゲート、ラックに横から入るオフサイド、ノットロールアウェイなどの反則が重なり、ピンチを招く。25分、37分とトライを奪われ、24-45と大きくリードされる。42分にCTBの位置に入った杉原がトライを返すが、反撃もここまで。帝京は29-45で敗れ、今期初黒星を喫した。



《COLUMN》
―― ホーム&アウェイ ――

この試合、帝京は今シーズン初黒星を喫してしまいました。敗因についてはいろいろあるとは思いますが、岩出監督も松本キャプテンもリモート記者会見で「今シーズン初めての秩父宮で、硬くなっている選手が多かった」という趣旨のコメントをしています。

帝京はこれまでの3試合、すべて百草グラウンドでの無観客試合でした。対して対戦相手の早稲田大学は秩父宮ラグビー場で1試合、熊谷ラグビー場で1試合、有観客での試合を経験しています。

また、11月1日から収容人数が緩和され、それまでの5000人から8000人になっています(いずれも運営関係者やマスコミ関係者等も含んだ総人数)。席の間隔をあけての観戦とはいえ、客席はかなり埋まって見えました。もちろん、例年のような大歓声はありませんでしたが、それでも大勢のお客さんがいる、大きな舞台での試合だったことは間違いありません。

スポーツには「ホーム&アウェイ」という考え方があります。特にサッカーでは重要視されていて、ホームグラウンドのチームの方が圧倒的に有利だとされており、データとしてもはっきりとその傾向が読み取れます。理由については諸説あるものの、主なものとしては「慣れている場所なので過度の緊張もなく、安心感をもってプレーできる」「応援が多いので気持ちが入りやすい」といったことがあります。アウェイの会場では、これらの逆の形(「慣れていない場所なので落ち着かず、不安になり、過度に緊張する」「応援が少ないので気持ちが入らない」)になるということになります。

秩父宮ラグビー場が帝京にとってアウェイだとは思いませんが、少なくともこれまで3試合を戦った百草グラウンドのような「完全なホーム」とはまったく異なる環境だったことは間違いありません。ましてや、無観客という、ある意味、練習環境に限りなく近い状態(=何もしなくても普段と同じような心理で試合に臨める状態)でプレーするのと、人数制限があったとはいえ、大勢のお客さんの前でプレーするのとで、心の作り方に違いが出るのは当然です。

ただし、ここからはそんなことは言ってはいられません。どこで試合をしても「ホーム」で行うのと同じ心の状態を作り、調えて、ゲームに臨まなければなりません。

今後は基本的には(新型コロナウイルス感染症の拡大状況が変わらない限り)すべて有観客試合になります。対抗戦ではもう1試合、秩父宮ラグビー場で試合がありますし、大学選手権も当然、大きな会場での試合になるでしょう。

帝京は、心の調え方が得意だったはずです。それも、他人に調えてもらうのではなく、自分自身で工夫して調えていくことで勝ってきたはずです。今日の悔しさも糧にして、ここからどのような心の状態を見せてくれるか。次戦以降、ここに注目して見ていきたいと思います。


(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

スペシャル一覧