SPECIAL
スペシャル
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2021/09/12【 関東大学対抗戦A 】vs筑波大学 マッチレポート
2021/09/22
《試合経過》
【 前 半 】
02分 【筑波大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムからフェーズを重ね中央にトライ ゴール成功 0-7
12分 【帝京大学】 トライ 相手ボールラインアウトをターンオーバーし外に展開 14大薮が抜け出し裏にキックし自らトライ 10高本ゴール成功 7-7
35分 【帝京大学】 トライ ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3細木がトライ , 10高本ゴール成功 14-7"
前半終了:帝京大学14-7筑波大学
【 後 半 】
08分 【帝京大学】 9 谷中樹平 → 21 前田翔哉
11分 【帝京大学】 5 江里口真弘 → 19 山川一瑳
20分 【帝京大学】 12 押川敦治 → 22 松山千大
33分 【帝京大学】 1 照内寿明 → 17 津村大志 , 11 大藪洸太 → 23 小村真也
38分 【帝京大学】 2 江良颯 → 16 小林恵太
42分 【帝京大学】 7 延原秀飛 → 20 青木恵斗
44分 【帝京大学】 PG成功 敵陣でペナルティを獲得 PGを選択 10高本ゴール成功 17-7
試合終了:帝京大学17-7筑波大学
(試合速報担当:4年 中野光基・藤原清孝)
《BRIEF REVIEW》
2021年度の対抗戦が始まった。熊谷ラグビー場での第一戦、筑波大学との試合は、新型コロナウイルスの感染拡大のため、無観客試合での開催となった。
帝京は、試合開始の深いキックオフをキャッチするが、相手のすばやい出足からのタックルでミスが出て、相手ボールの5mスクラムとなってしまう。ここからうまく攻められ、開始早々、先制トライを奪われてしまった。それでも慌てることなく、自分たちのプレーでチャンスをつくる帝京。SO高本(幹)、CTB押川らの突破で攻め込むが、少しでも孤立すると、相手のジャッカルに遭い、攻め切れない。
それでも、12分、相手ボールのラインアウトが乱れたところを、HO江良がうまく拾って、SO高本にパス。高本が抜け出したラックから、SH谷中-CTB押川-WTB大籔と渡り、大籔が前方へキック。そのままスピードでディフェンスを追い抜き、インゴールで押さえてトライ。SO高本のゴールも決まり、同点に追いつく(7-7)。
ここからは一進一退が続く。チャンスをつくっても、ミスが出ると一気にピンチに変わる。16分、相手のキックでピンチとなるが、スピードで負けなかったPR細木がデッドゴールラインへ蹴り出す。その後もピンチが続くが、なんとかグラウンディングを許さず、インゴール・ドロップアウトで逃れる。
キックの応酬から、帝京が攻める時間帯もあるが、攻め切るまでには至らない。しかし、帝京はスクラムでチャンスを切り開く。自陣でのマイボール・スクラムを押し、ペナルティをもらうと、敵陣深くでのラインアウトを獲得。ここからモールを押し込み、PR細木が落ち着いてトライ。その後もさらにスクラムを押し込むシーンがあるが、そのままハーフタイム。前半を14-7で折り返した。
後半は、帝京が攻める時間帯が続く。しかし、攻め込みながらも、相手のディフェンスの鋭さもあり、パスがつながらずにチャンスを逃すシーンが増える。力強いスクラムやラックでのターンオーバーもあり、チャンスはさらに増えるが、やはりミスが出て、トライを取り切れない。
27分、ラインアウトからのモールで押し切ったかに見えたが、グラウンディングできず、相手のインゴール・ドロップアウトになる。その後、相手のキックから大きなピンチを招くが、WTB白國が必死に戻ってディフェンス。ゴール前、間一髪のところで、タックルし、トライを防ぐ。
今日の帝京はディフェンスが光る。途中出場のPR津村は、いいタックルでターンオーバーのきっかけをつくる。相手ボール・スクラムでのすばやい球出しにもSH前田が反応し、タックルで止める。後半はここまで両チーム無得点だったが、44分、SO高本(幹)がPGを決め、17-7とし、そのままノーサイド。帝京は対抗戦初戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― ゴールラインドロップアウト ――
新型コロナウイルス感染症がまだまだ収束しない中ではありますが、いよいよ2021年度の対抗戦が始まりました。なんとか無事にシーズンが乗り切れることを願うばかりです。
さて、今シーズン、新たに適用される試験的なルール改定が「ワールドラグビー」から発表され、すでに(8月1日から)主な試合で適用されています。この試合では「ゴールラインドロップアウト」という新ルールが適用されたシーンが二度ありました。最初のシーンは前半17分頃。相手が持ち込んだピンチで、帝京がなんとかインゴールでのグラウンディングを阻止した場面です。
相手はボールをSO高本(幹)に渡し、高本の「ゴールラインドロップアウト」で試合が再開されました。その後の相手の攻撃に対して、HO江良がジャッカルに行き、帝京はピンチを逃れました。二度目は後半27分頃、今度は帝京がモールで攻めますが、グラウンディングできずに相手の「ゴールラインドロップアウト」となって、チャンスを逃しました。
一度目のシーンでは、ラグビーに詳しい人が集まっているはずの記者席でも、若干のざわめきが起こりました。今までなら、攻撃側の5mスクラムでの再開でしたから、「ん?」「なんで?」となるのも当然かもしれません。
ワールドラグビーのホームページには、こう書かれています。
【ゴールラインドロップアウト】
◯試験実施ルール
インゴールにおいてボールがヘルドアップとなった場合、インゴールにいる攻撃側のプレーヤーによるノックオンがあった、または、攻撃側のキックをディフェンダーが自陣のインゴール内でグラウンディングしたこととなり、ゴールラインに沿った任意の地点からのゴールラインドロップアウトでプレーを再開する。
◯主なねらい
ゴールライン付近での攻撃プレーに多様性を持たせ、スクラムの代わりに遅延なく行わなければいけないキックとすることで、ボールインプレーの時間を増やすこと。カウンターアタックのチャンスも生まれる。
最初の文章の「グラウンディングしたこととなり」という表現がわかりにくかったので、元の英文にあたったところ、要するに「インゴールでヘルドアップになったり、インゴールノックオンがあったり、攻撃側のキックをディフェンス側がインゴールでグラウンディングした場合は、ゴールラインからのドロップアウトで再開する」ということでした。
インゴールでグラウンディングできずに「パイルアップ」になると、今まではマイボールの5mスクラムで、もう一度、攻撃できましたが、新ルールでは相手ボールのドロップアウトですから、そのボールをキャッチすればもう一度、攻撃できるとはいえ、陣地的には大きく下げられてしまいます。まさに大きなルール変更と言えるでしょう。
ラグビーは、試験的な変更を含めると毎年のようにルールが変わるという珍しい競技ですが、基本的にはラグビーの魅力を高める目的で行われています。今シーズンのこれらのルール変更は、はたしてどんな魅力を引き出してくれるのでしょうか。感染拡大が収束して、早くスタジアムで見られるようになりますように。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
【 前 半 】
02分 【筑波大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムからフェーズを重ね中央にトライ ゴール成功 0-7
12分 【帝京大学】 トライ 相手ボールラインアウトをターンオーバーし外に展開 14大薮が抜け出し裏にキックし自らトライ 10高本ゴール成功 7-7
35分 【帝京大学】 トライ ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3細木がトライ , 10高本ゴール成功 14-7"
前半終了:帝京大学14-7筑波大学
【 後 半 】
08分 【帝京大学】 9 谷中樹平 → 21 前田翔哉
11分 【帝京大学】 5 江里口真弘 → 19 山川一瑳
20分 【帝京大学】 12 押川敦治 → 22 松山千大
33分 【帝京大学】 1 照内寿明 → 17 津村大志 , 11 大藪洸太 → 23 小村真也
38分 【帝京大学】 2 江良颯 → 16 小林恵太
42分 【帝京大学】 7 延原秀飛 → 20 青木恵斗
44分 【帝京大学】 PG成功 敵陣でペナルティを獲得 PGを選択 10高本ゴール成功 17-7
試合終了:帝京大学17-7筑波大学
(試合速報担当:4年 中野光基・藤原清孝)
《BRIEF REVIEW》
2021年度の対抗戦が始まった。熊谷ラグビー場での第一戦、筑波大学との試合は、新型コロナウイルスの感染拡大のため、無観客試合での開催となった。
帝京は、試合開始の深いキックオフをキャッチするが、相手のすばやい出足からのタックルでミスが出て、相手ボールの5mスクラムとなってしまう。ここからうまく攻められ、開始早々、先制トライを奪われてしまった。それでも慌てることなく、自分たちのプレーでチャンスをつくる帝京。SO高本(幹)、CTB押川らの突破で攻め込むが、少しでも孤立すると、相手のジャッカルに遭い、攻め切れない。
それでも、12分、相手ボールのラインアウトが乱れたところを、HO江良がうまく拾って、SO高本にパス。高本が抜け出したラックから、SH谷中-CTB押川-WTB大籔と渡り、大籔が前方へキック。そのままスピードでディフェンスを追い抜き、インゴールで押さえてトライ。SO高本のゴールも決まり、同点に追いつく(7-7)。
ここからは一進一退が続く。チャンスをつくっても、ミスが出ると一気にピンチに変わる。16分、相手のキックでピンチとなるが、スピードで負けなかったPR細木がデッドゴールラインへ蹴り出す。その後もピンチが続くが、なんとかグラウンディングを許さず、インゴール・ドロップアウトで逃れる。
キックの応酬から、帝京が攻める時間帯もあるが、攻め切るまでには至らない。しかし、帝京はスクラムでチャンスを切り開く。自陣でのマイボール・スクラムを押し、ペナルティをもらうと、敵陣深くでのラインアウトを獲得。ここからモールを押し込み、PR細木が落ち着いてトライ。その後もさらにスクラムを押し込むシーンがあるが、そのままハーフタイム。前半を14-7で折り返した。
後半は、帝京が攻める時間帯が続く。しかし、攻め込みながらも、相手のディフェンスの鋭さもあり、パスがつながらずにチャンスを逃すシーンが増える。力強いスクラムやラックでのターンオーバーもあり、チャンスはさらに増えるが、やはりミスが出て、トライを取り切れない。
27分、ラインアウトからのモールで押し切ったかに見えたが、グラウンディングできず、相手のインゴール・ドロップアウトになる。その後、相手のキックから大きなピンチを招くが、WTB白國が必死に戻ってディフェンス。ゴール前、間一髪のところで、タックルし、トライを防ぐ。
今日の帝京はディフェンスが光る。途中出場のPR津村は、いいタックルでターンオーバーのきっかけをつくる。相手ボール・スクラムでのすばやい球出しにもSH前田が反応し、タックルで止める。後半はここまで両チーム無得点だったが、44分、SO高本(幹)がPGを決め、17-7とし、そのままノーサイド。帝京は対抗戦初戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― ゴールラインドロップアウト ――
新型コロナウイルス感染症がまだまだ収束しない中ではありますが、いよいよ2021年度の対抗戦が始まりました。なんとか無事にシーズンが乗り切れることを願うばかりです。
さて、今シーズン、新たに適用される試験的なルール改定が「ワールドラグビー」から発表され、すでに(8月1日から)主な試合で適用されています。この試合では「ゴールラインドロップアウト」という新ルールが適用されたシーンが二度ありました。最初のシーンは前半17分頃。相手が持ち込んだピンチで、帝京がなんとかインゴールでのグラウンディングを阻止した場面です。
相手はボールをSO高本(幹)に渡し、高本の「ゴールラインドロップアウト」で試合が再開されました。その後の相手の攻撃に対して、HO江良がジャッカルに行き、帝京はピンチを逃れました。二度目は後半27分頃、今度は帝京がモールで攻めますが、グラウンディングできずに相手の「ゴールラインドロップアウト」となって、チャンスを逃しました。
一度目のシーンでは、ラグビーに詳しい人が集まっているはずの記者席でも、若干のざわめきが起こりました。今までなら、攻撃側の5mスクラムでの再開でしたから、「ん?」「なんで?」となるのも当然かもしれません。
ワールドラグビーのホームページには、こう書かれています。
【ゴールラインドロップアウト】
◯試験実施ルール
インゴールにおいてボールがヘルドアップとなった場合、インゴールにいる攻撃側のプレーヤーによるノックオンがあった、または、攻撃側のキックをディフェンダーが自陣のインゴール内でグラウンディングしたこととなり、ゴールラインに沿った任意の地点からのゴールラインドロップアウトでプレーを再開する。
◯主なねらい
ゴールライン付近での攻撃プレーに多様性を持たせ、スクラムの代わりに遅延なく行わなければいけないキックとすることで、ボールインプレーの時間を増やすこと。カウンターアタックのチャンスも生まれる。
最初の文章の「グラウンディングしたこととなり」という表現がわかりにくかったので、元の英文にあたったところ、要するに「インゴールでヘルドアップになったり、インゴールノックオンがあったり、攻撃側のキックをディフェンス側がインゴールでグラウンディングした場合は、ゴールラインからのドロップアウトで再開する」ということでした。
インゴールでグラウンディングできずに「パイルアップ」になると、今まではマイボールの5mスクラムで、もう一度、攻撃できましたが、新ルールでは相手ボールのドロップアウトですから、そのボールをキャッチすればもう一度、攻撃できるとはいえ、陣地的には大きく下げられてしまいます。まさに大きなルール変更と言えるでしょう。
ラグビーは、試験的な変更を含めると毎年のようにルールが変わるという珍しい競技ですが、基本的にはラグビーの魅力を高める目的で行われています。今シーズンのこれらのルール変更は、はたしてどんな魅力を引き出してくれるのでしょうか。感染拡大が収束して、早くスタジアムで見られるようになりますように。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
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