SPECIAL
スペシャル
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2021/09/25【 関東大学対抗戦A 】vs青山学院大学 マッチレポート
2021/10/01
《試合経過》
【 前 半 】
06分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムでスクラムをそのまま押し込み8奥井がトライ 10高本ゴール不成功 5-0
26分 【帝京大学】 トライ 敵陣ラインアウトから連続攻撃し、最後は5本橋が抜け出しトライ 10高本ゴール成功 12-0
34分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3上杉がトライ 10高本ゴール成功 19-0
38分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3上杉がトライ 10高本ゴール成功 26-0
前半終了:帝京大学26-0青山学院大学
【 後 半 】
09分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成し、そのまま押し込み2江良がトライ 10高本ゴール不成功 31-0
18分 【帝京大学】 5 本橋拓馬 → 19 山川一瑳
19分 【帝京大学】 トライ 敵陣ラインアウトから連続攻撃で6青木が抜け出し、さらにフェーズを重ねて最後は2江良がトライ 10高本ゴール成功 38-0
21分 【帝京大学】 1 照内寿明 → 17 津村大志 , 2 江良颯 → 16 小林恵太 , 3 上杉太郎 → 18 細木康太郎 , 7 山添圭祐 → 20 リッチモンド・トンガタマ , 12 押川敦治 → 23 松山千大 , 14 白國亮大 → 22 小村真也
29分 【帝京大学】 16 小林恵太 → 2 江良颯
36分 【帝京大学】 トライ 中盤でターンオーバーし外に展開しながら10高本が裏にキック 13志和池がキャッチしそのままトライ 10高本ゴール成功 45-0
40分 【帝京大学】 13 志和池豊馬 → 21 杉原駿
45分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成し、そのまま押し込み2江良がトライ 10高本ゴール成功 52-0
試合終了:帝京大学52-0青山学院大学
(試合速報担当:4年 中野光基・藤原清孝)
《BRIEF REVIEW》
対抗戦2戦目は、青山学院大学との試合。この日の上柚木公園陸上競技場は、人数制限があったとはいえ、久しぶりの有観客試合で行われた。試合開始直後から帝京が攻める。帝京のキックオフのボールをWTB大籔がうまくキャッチし、前進する。敵陣深く攻め込み、ゴール前でペナルティをもらうと、スクラムを選択。6分、これを押し切って、No8奥井がトライ。帝京が先制点を奪った(5-0)。
ここから勢いに乗るかと思われたが、ミスとペナルティで自陣ゴール前まで攻め込まれる。相手はラインアウトでトリッキーなサインプレーを見せるが、PR照内がすばやく反応して、タックルで止める。さらに攻め込まれるが、しっかりと守り切る。その後、センターラインを挟んでの攻防が続くが、相手の攻撃に対しては、FL山添、WTB白國らの好タックルで前進を阻む。攻撃ではWTB大藪、No8奥井らの前進でチャンスも作るが、ミスも出てトライを取り切れない。
スコアが動いたのは26分。ラインアウトからの連続攻撃で前進し、ラックからのボールをNo8奥井-LO本橋とつなぎ、本橋がトライを奪う(12-0)。さらに帝京が攻める時間帯が続くが、一瞬の隙を突かれ、インターセプトされてしまう。そのまま走られてしまうかに見えたが、WTB白國がスピードを発揮し、なんとか戻ってタックルで止める。
32分には、スクラムでもらったフリーキックをSH李がクイック・リスタート。SO高本幹が誰もいない左タッチライン際深くにグラウンダーのキックを蹴る。新ルール「50:22」が適用されるかとも思えたシーンを作る(相手ディフェンスが直前で追いつくも、ノックオン・タッチ)。34分、ここからのモールをしっかりと押し込み、PR上杉がトライ(19-0)。
さらに直後の37分、先ほどとは逆のサイドでゴール前のラインアウトを獲得。しっかりとモールを組み、押し込んでPR上杉がトライ。26-0で前半を折り返した。
後半も帝京が攻める時間帯が多くなる。ミスからピンチを招くシーンもあるが、LO尹のジャッカルなどで逆にチャンスが生まれる。9分、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ。後半最初の得点を挙げた。ここからペナルティやミスでピンチになる場面も増えるが、SH李、No8奥井らの好タックルで防ぐ。
19分、ラインアウトからの連続攻撃から、FL青木らの前進でチャンスをつくると、走り込んでパスをもらったHO江良が抜け出し、トライ(38-0)。ここから、さらにペナルティが増え、耐える時間帯が続く。だが、攻め込まれてのラインアウトをFL青木が奪って、LO山川が大きく前進。36分、LO尹のターンオーバーから展開すると、SO高本幹が前方へ小さくグラウンダーのキックを蹴る。CTB志和池がうまく拾って、そのままトライ(45-0)。45分には、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライを奪い、52-0で帝京が対抗戦連勝。ボーナスポイント1点を加えた勝ち点5点を獲得し、合計の勝ち点を9点とした。
《COLUMN》
―― 新ルール「50:22」 ――
今シーズン、いくつかの「世界的試験実施ルール」が適用されています。その中で「50:22」というものがあります。どう読むのかも難しいのですが、日本語では「ごじゅう、にじゅうに」と読むようです。
日本協会のホームページでルールを確認すると「ボールを保持しているチームが自陣の内側からボールを蹴って相手陣の22メートルラインより内側で間接的にタッチになった場合、その後のラインアウトではそのチームがボールを投入する。50:22を行うために、ボールを防御側の陣内にパスバック、または、キャリーバックすることはできず、防御側の陣内からフェーズが始まらなければならない」となっています。
つまり、自陣からタッチキックを蹴って、バウンドして(バウンドしないとダイレクトタッチなので)タッチに出たとき、そのタッチの場所が相手陣の22mラインの向こう側だった場合、マイボールラインアウトで再開できるという新ルールになります。ただし、自分たちで自陣側に戻してキックを蹴った場合は認められません。
試験的とはいえ、大きなルール改正です。自陣からタッチキックを蹴り、22mラインの向こう側でタッチラインを割った場合、ペナルティキックと同様、マイボールラインアウトになるわけです。ゴール前ですから、一気に大チャンスになります。
夏合宿での練習試合の初戦、慶應義塾大学戦で、帝京は前半早々にこの「50:22」を二度もやられて失点しています。うまく決まると、試合を左右するほどのインパクトを発揮します。ただ、対抗戦2試合を見る限りですが、簡単に決まるものでもなさそうです(9月26日の筑波大学対慶応義塾大学で、筑波大学が一つ成功させていましたが)。
なぜ簡単に決まらないのでしょうか。まず、あまりに大きなインパクトであるがゆえに、各チームともきちんと対策を取っています。守りの局面では、概ね各チームとも2人を両側のタッチライン際に下げて守っています。
実は「50:22」というのは、そもそもこのように守備の人数を後ろに割かせるのが目的で導入されたルールなのだそうです。それによって、前線のディフェンスラインの数が減り、アタック側に有利になって、よりエキサイティングなシーンが増えると期待されているわけです。World Rugbyのホームページにも「主なねらい」として「防御側のチームがバックフィールドにより多くのプレーヤーをあてがうようにすることで、アタッキングスペースがより生まれてディフェンスラインスピードが遅くなるようにすること」と書かれています。
また、ディフェンスがいないケースでも、自陣から22mラインの向こう側でタッチに出すキックを蹴るには、かなり高度なスキルが要求されるという「そもそもの難しさ」があります。帝京のSO高本幹也選手も何度か試合で試みた(だろうと思われる)シーンがあるのですが、まだうまくいったケースはありません。この試合でも、前半32分過ぎに見られましたが、ギリギリのところで追い付かれています。
菅平のサニアパークで見た「50:22」の光景が強烈だったのですが、サニアパークのメイングラウンドは目視でもすぐにわかるほど、タッチライン側が低くなっています(グラウンドの内側が盛り上がる、アーチ形をしています)。そのため、外側に転がりやすくなっているわけです。しかし、多くのグラウンドはほぼフラットなため、楕円のボールはあまり転がらずに止まってしまうことが多いようです。
それでも、このルール、各チームの戦略・戦術には大きな影響を与えるはずです。World Rugbyの「ねらい」どおりになるのかどうか。そんなところにも注目して、今後の試合も見ていきたいと思います。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
【 前 半 】
06分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前スクラムでスクラムをそのまま押し込み8奥井がトライ 10高本ゴール不成功 5-0
26分 【帝京大学】 トライ 敵陣ラインアウトから連続攻撃し、最後は5本橋が抜け出しトライ 10高本ゴール成功 12-0
34分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3上杉がトライ 10高本ゴール成功 19-0
38分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成しそのまま押し込み3上杉がトライ 10高本ゴール成功 26-0
前半終了:帝京大学26-0青山学院大学
【 後 半 】
09分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成し、そのまま押し込み2江良がトライ 10高本ゴール不成功 31-0
18分 【帝京大学】 5 本橋拓馬 → 19 山川一瑳
19分 【帝京大学】 トライ 敵陣ラインアウトから連続攻撃で6青木が抜け出し、さらにフェーズを重ねて最後は2江良がトライ 10高本ゴール成功 38-0
21分 【帝京大学】 1 照内寿明 → 17 津村大志 , 2 江良颯 → 16 小林恵太 , 3 上杉太郎 → 18 細木康太郎 , 7 山添圭祐 → 20 リッチモンド・トンガタマ , 12 押川敦治 → 23 松山千大 , 14 白國亮大 → 22 小村真也
29分 【帝京大学】 16 小林恵太 → 2 江良颯
36分 【帝京大学】 トライ 中盤でターンオーバーし外に展開しながら10高本が裏にキック 13志和池がキャッチしそのままトライ 10高本ゴール成功 45-0
40分 【帝京大学】 13 志和池豊馬 → 21 杉原駿
45分 【帝京大学】 トライ 敵陣ゴール前ラインアウトからモールを形成し、そのまま押し込み2江良がトライ 10高本ゴール成功 52-0
試合終了:帝京大学52-0青山学院大学
(試合速報担当:4年 中野光基・藤原清孝)
《BRIEF REVIEW》
対抗戦2戦目は、青山学院大学との試合。この日の上柚木公園陸上競技場は、人数制限があったとはいえ、久しぶりの有観客試合で行われた。試合開始直後から帝京が攻める。帝京のキックオフのボールをWTB大籔がうまくキャッチし、前進する。敵陣深く攻め込み、ゴール前でペナルティをもらうと、スクラムを選択。6分、これを押し切って、No8奥井がトライ。帝京が先制点を奪った(5-0)。
ここから勢いに乗るかと思われたが、ミスとペナルティで自陣ゴール前まで攻め込まれる。相手はラインアウトでトリッキーなサインプレーを見せるが、PR照内がすばやく反応して、タックルで止める。さらに攻め込まれるが、しっかりと守り切る。その後、センターラインを挟んでの攻防が続くが、相手の攻撃に対しては、FL山添、WTB白國らの好タックルで前進を阻む。攻撃ではWTB大藪、No8奥井らの前進でチャンスも作るが、ミスも出てトライを取り切れない。
スコアが動いたのは26分。ラインアウトからの連続攻撃で前進し、ラックからのボールをNo8奥井-LO本橋とつなぎ、本橋がトライを奪う(12-0)。さらに帝京が攻める時間帯が続くが、一瞬の隙を突かれ、インターセプトされてしまう。そのまま走られてしまうかに見えたが、WTB白國がスピードを発揮し、なんとか戻ってタックルで止める。
32分には、スクラムでもらったフリーキックをSH李がクイック・リスタート。SO高本幹が誰もいない左タッチライン際深くにグラウンダーのキックを蹴る。新ルール「50:22」が適用されるかとも思えたシーンを作る(相手ディフェンスが直前で追いつくも、ノックオン・タッチ)。34分、ここからのモールをしっかりと押し込み、PR上杉がトライ(19-0)。
さらに直後の37分、先ほどとは逆のサイドでゴール前のラインアウトを獲得。しっかりとモールを組み、押し込んでPR上杉がトライ。26-0で前半を折り返した。
後半も帝京が攻める時間帯が多くなる。ミスからピンチを招くシーンもあるが、LO尹のジャッカルなどで逆にチャンスが生まれる。9分、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ。後半最初の得点を挙げた。ここからペナルティやミスでピンチになる場面も増えるが、SH李、No8奥井らの好タックルで防ぐ。
19分、ラインアウトからの連続攻撃から、FL青木らの前進でチャンスをつくると、走り込んでパスをもらったHO江良が抜け出し、トライ(38-0)。ここから、さらにペナルティが増え、耐える時間帯が続く。だが、攻め込まれてのラインアウトをFL青木が奪って、LO山川が大きく前進。36分、LO尹のターンオーバーから展開すると、SO高本幹が前方へ小さくグラウンダーのキックを蹴る。CTB志和池がうまく拾って、そのままトライ(45-0)。45分には、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライを奪い、52-0で帝京が対抗戦連勝。ボーナスポイント1点を加えた勝ち点5点を獲得し、合計の勝ち点を9点とした。
《COLUMN》
―― 新ルール「50:22」 ――
今シーズン、いくつかの「世界的試験実施ルール」が適用されています。その中で「50:22」というものがあります。どう読むのかも難しいのですが、日本語では「ごじゅう、にじゅうに」と読むようです。
日本協会のホームページでルールを確認すると「ボールを保持しているチームが自陣の内側からボールを蹴って相手陣の22メートルラインより内側で間接的にタッチになった場合、その後のラインアウトではそのチームがボールを投入する。50:22を行うために、ボールを防御側の陣内にパスバック、または、キャリーバックすることはできず、防御側の陣内からフェーズが始まらなければならない」となっています。
つまり、自陣からタッチキックを蹴って、バウンドして(バウンドしないとダイレクトタッチなので)タッチに出たとき、そのタッチの場所が相手陣の22mラインの向こう側だった場合、マイボールラインアウトで再開できるという新ルールになります。ただし、自分たちで自陣側に戻してキックを蹴った場合は認められません。
試験的とはいえ、大きなルール改正です。自陣からタッチキックを蹴り、22mラインの向こう側でタッチラインを割った場合、ペナルティキックと同様、マイボールラインアウトになるわけです。ゴール前ですから、一気に大チャンスになります。
夏合宿での練習試合の初戦、慶應義塾大学戦で、帝京は前半早々にこの「50:22」を二度もやられて失点しています。うまく決まると、試合を左右するほどのインパクトを発揮します。ただ、対抗戦2試合を見る限りですが、簡単に決まるものでもなさそうです(9月26日の筑波大学対慶応義塾大学で、筑波大学が一つ成功させていましたが)。
なぜ簡単に決まらないのでしょうか。まず、あまりに大きなインパクトであるがゆえに、各チームともきちんと対策を取っています。守りの局面では、概ね各チームとも2人を両側のタッチライン際に下げて守っています。
実は「50:22」というのは、そもそもこのように守備の人数を後ろに割かせるのが目的で導入されたルールなのだそうです。それによって、前線のディフェンスラインの数が減り、アタック側に有利になって、よりエキサイティングなシーンが増えると期待されているわけです。World Rugbyのホームページにも「主なねらい」として「防御側のチームがバックフィールドにより多くのプレーヤーをあてがうようにすることで、アタッキングスペースがより生まれてディフェンスラインスピードが遅くなるようにすること」と書かれています。
また、ディフェンスがいないケースでも、自陣から22mラインの向こう側でタッチに出すキックを蹴るには、かなり高度なスキルが要求されるという「そもそもの難しさ」があります。帝京のSO高本幹也選手も何度か試合で試みた(だろうと思われる)シーンがあるのですが、まだうまくいったケースはありません。この試合でも、前半32分過ぎに見られましたが、ギリギリのところで追い付かれています。
菅平のサニアパークで見た「50:22」の光景が強烈だったのですが、サニアパークのメイングラウンドは目視でもすぐにわかるほど、タッチライン側が低くなっています(グラウンドの内側が盛り上がる、アーチ形をしています)。そのため、外側に転がりやすくなっているわけです。しかし、多くのグラウンドはほぼフラットなため、楕円のボールはあまり転がらずに止まってしまうことが多いようです。
それでも、このルール、各チームの戦略・戦術には大きな影響を与えるはずです。World Rugbyの「ねらい」どおりになるのかどうか。そんなところにも注目して、今後の試合も見ていきたいと思います。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
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