SPECIAL
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2022/8/16【 SUMMER TRAINING GAME 】vs天理大学 マッチレポート
2022/08/21
《BRIEF REVIEW》
夏合宿での練習試合第一戦は天理大学。Aチームとしてはおよそ2カ月ぶりのゲームとなった。
久しぶりのゲームのためか、立ち上がりは小さなミスが重なる。パス、ブレイクダウン、キック処理などでのノックオンが増えるが、ターンオーバーされても堅い守りで防ぐ。スクラムでは強烈な押しを見せ、相手ボールスクラムでも押し込んでペナルティをもらい、チャンスに変える。一進一退の攻防が続き、両チームとも得点にまでは至らない。
試合が動いたのは前半20分。相手ボールのラックでターンオーバー。HO江良がボールを拾い上げて、真っ直ぐ前進。そのまま走り切ってトライを奪った(5-0)。その後、ピンチを招くシーンもあり、またシンビンで一人少ない時間帯もあったが、それでも帝京の守りは緩まない。LO江里口のジャッカルなどでピンチを防ぐ。
29分には相手がこぼしたボールをうまく拾い、しっかりつないで前進。最後はNo8奥井がトライ(12-0)。34分には相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけて、こぼれ球を奪う。うまくつないで、最後はWTB高本とむ が抜け出してトライ(17-0)。
その後もチャンスを得るが、相手の必死のディフェンスもあり得点できず、17-0で前半を折り返した。
ハーフタイムでは、点数が入らなくても焦らず、丁寧にボールを継続していこうという確認がなされた。
後半も帝京が試合の主導権を握り続ける。4分、相手のこぼしたボールをWTBツイナカウヴァドラがうまく拾って前進。スピードを活かし、そのまま走り切ってトライを奪う(24-0)。9分にはラインアウトから、しぶとくつなぎ、最後はSO高本幹也が仕掛けて抜け出してトライ(31-0)。
攻められるシーンもあるが、相手のタッチキックをギリギリで中に入れて地域を戻すなど、いいプレーが続く。CTB松山の好タックルからターンオーバーするなど、ディフェンスからチャンスとなるケースも増える。
18分、ゴール前のスクラムを押し切り、No8延原が丁寧に押さえてトライ(38-0)。23分には、ラインアウトから連続攻撃でつなぎ、最後はFB小村が抜け出してトライ(43-0)。
ここでメンバーを大幅に入替。入替直後は、試合開始当初と同様、久しぶりの試合でややミスが多く出るが、それでもFL山添の好タックルなど、ひたむきなプレーで徐々にエンジンがかかっていく。
30分、ラックでターンオーバーし、つないで前進。最後はSH上村が抜け出してトライ(50―0)。34分には、ラインアウトでのサインプレーから相手にうまく抜け出され、失点するが(50-7)、38分にはスクラムから連続でつなぎ、最後はCTB松澤が抜け出してトライを奪う(55-7)。
このままノーサイドとなり、55-7で帝京が菅平での練習試合第一戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― ボールをつなぐ「コネクト」 ――
菅平での夏合宿第一戦を、帝京は勝利で飾りました。ただ、特に前半はボールをつなぐよりも前に運ぶ意識が強く出てしまったためか、強引に前に出てターンオーバーされたり、キックを蹴って相手にボールを渡してしまったりといったシーンがありました。帝京の守りがしっかりしていたこととスクラムで圧倒できたことで、大きな傷にはなりませんでしたが、ハーフタイムにはその点についてコーチ陣から声が掛かりました。
「早く点数がほしくて、基本プレーがおろそかになっていないだろうか」
後半は基本を大事に、しっかりとボールをつないでいくことを意識するようになり、得点も自然と重なっていくようになりました。もちろん、相手の疲労度もあるとは思いますが、得点がほしくて取りにいったときには取れず、得点よりも目の前の基本プレーに集中してボールをつなぐことを意識すると得点が取れるようになるというのは、逆説的ながらとても重要なポイントが示唆されているように感じました。
言うまでもなく、ラグビーという競技は15人でボールをつないで得点を取り合うゲームです。「どのようにボールをつなぐか」と「どのようにボールをつながせないか」を競うゲームだとも言えるでしょう。もちろん、「絶対に倒されない人」がいれば、その人にボールを渡すことで限りなく得点に近づきますが、そんな人はどこにもいません。根気よく15人でボールをつなぎ続ける。守る側は、根気よく15人でつながせないようにし続ける。その根気と根気の戦いが勝敗を大きく左右する競技だと言えそうです。
帝京は「コネクト」を強く意識して練習や試合に臨んでいます。ディフェンスの場面でよく使われる言葉ですが、ボールをつないで得点まで持っていくという意味でも使えます。この日の試合は、その「コネクト」の意味の多様性を再認識させてくれたものになったのではないでしょうか。今後の試合でも「コネクト」に注目して見ていきたいと思います。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
夏合宿での練習試合第一戦は天理大学。Aチームとしてはおよそ2カ月ぶりのゲームとなった。
久しぶりのゲームのためか、立ち上がりは小さなミスが重なる。パス、ブレイクダウン、キック処理などでのノックオンが増えるが、ターンオーバーされても堅い守りで防ぐ。スクラムでは強烈な押しを見せ、相手ボールスクラムでも押し込んでペナルティをもらい、チャンスに変える。一進一退の攻防が続き、両チームとも得点にまでは至らない。
試合が動いたのは前半20分。相手ボールのラックでターンオーバー。HO江良がボールを拾い上げて、真っ直ぐ前進。そのまま走り切ってトライを奪った(5-0)。その後、ピンチを招くシーンもあり、またシンビンで一人少ない時間帯もあったが、それでも帝京の守りは緩まない。LO江里口のジャッカルなどでピンチを防ぐ。
29分には相手がこぼしたボールをうまく拾い、しっかりつないで前進。最後はNo8奥井がトライ(12-0)。34分には相手ボールのスクラムにプレッシャーをかけて、こぼれ球を奪う。うまくつないで、最後はWTB高本とむ が抜け出してトライ(17-0)。
その後もチャンスを得るが、相手の必死のディフェンスもあり得点できず、17-0で前半を折り返した。
ハーフタイムでは、点数が入らなくても焦らず、丁寧にボールを継続していこうという確認がなされた。
後半も帝京が試合の主導権を握り続ける。4分、相手のこぼしたボールをWTBツイナカウヴァドラがうまく拾って前進。スピードを活かし、そのまま走り切ってトライを奪う(24-0)。9分にはラインアウトから、しぶとくつなぎ、最後はSO高本幹也が仕掛けて抜け出してトライ(31-0)。
攻められるシーンもあるが、相手のタッチキックをギリギリで中に入れて地域を戻すなど、いいプレーが続く。CTB松山の好タックルからターンオーバーするなど、ディフェンスからチャンスとなるケースも増える。
18分、ゴール前のスクラムを押し切り、No8延原が丁寧に押さえてトライ(38-0)。23分には、ラインアウトから連続攻撃でつなぎ、最後はFB小村が抜け出してトライ(43-0)。
ここでメンバーを大幅に入替。入替直後は、試合開始当初と同様、久しぶりの試合でややミスが多く出るが、それでもFL山添の好タックルなど、ひたむきなプレーで徐々にエンジンがかかっていく。
30分、ラックでターンオーバーし、つないで前進。最後はSH上村が抜け出してトライ(50―0)。34分には、ラインアウトでのサインプレーから相手にうまく抜け出され、失点するが(50-7)、38分にはスクラムから連続でつなぎ、最後はCTB松澤が抜け出してトライを奪う(55-7)。
このままノーサイドとなり、55-7で帝京が菅平での練習試合第一戦を勝利で飾った。
《COLUMN》
―― ボールをつなぐ「コネクト」 ――
菅平での夏合宿第一戦を、帝京は勝利で飾りました。ただ、特に前半はボールをつなぐよりも前に運ぶ意識が強く出てしまったためか、強引に前に出てターンオーバーされたり、キックを蹴って相手にボールを渡してしまったりといったシーンがありました。帝京の守りがしっかりしていたこととスクラムで圧倒できたことで、大きな傷にはなりませんでしたが、ハーフタイムにはその点についてコーチ陣から声が掛かりました。
「早く点数がほしくて、基本プレーがおろそかになっていないだろうか」
後半は基本を大事に、しっかりとボールをつないでいくことを意識するようになり、得点も自然と重なっていくようになりました。もちろん、相手の疲労度もあるとは思いますが、得点がほしくて取りにいったときには取れず、得点よりも目の前の基本プレーに集中してボールをつなぐことを意識すると得点が取れるようになるというのは、逆説的ながらとても重要なポイントが示唆されているように感じました。
言うまでもなく、ラグビーという競技は15人でボールをつないで得点を取り合うゲームです。「どのようにボールをつなぐか」と「どのようにボールをつながせないか」を競うゲームだとも言えるでしょう。もちろん、「絶対に倒されない人」がいれば、その人にボールを渡すことで限りなく得点に近づきますが、そんな人はどこにもいません。根気よく15人でボールをつなぎ続ける。守る側は、根気よく15人でつながせないようにし続ける。その根気と根気の戦いが勝敗を大きく左右する競技だと言えそうです。
帝京は「コネクト」を強く意識して練習や試合に臨んでいます。ディフェンスの場面でよく使われる言葉ですが、ボールをつないで得点まで持っていくという意味でも使えます。この日の試合は、その「コネクト」の意味の多様性を再認識させてくれたものになったのではないでしょうか。今後の試合でも「コネクト」に注目して見ていきたいと思います。
(文・木村俊太/写真・志賀由佳)
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