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2022/11/6【 関東大学対抗戦A 】vs早稲田大学 マッチレポート

2022/11/6【 関東大学対抗戦A 】vs早稲田大学 マッチレポート

2022/11/08

《試合経過》
【 前半 】
04分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前でフェーズを重ね、最後は13二村がトライ 10高本ゴール成功 7-0
25分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前でフェーズを重ね、最後は2江良がトライ 10高本ゴール成功 14-0
35分 【早稲田大学】トライ 自陣でキックチャージし、そのまま14トライ 12ゴール成功 14-7
44分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前でフェーズを重ね、最後は13二村がトライ 10高本ゴール成功 21ー7

前半終了:帝京大学 21-7 早稲田大学


【 後半 】
02分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前からモールを形成しそのまま押しこみ2江良トライ 10高本ゴール成功 28-7
13分 【帝京大学】 12 松山千大 → 22 五島源
17分 【帝京大学】 1 髙井翔太 → 17 津村大志 , 5 江里口真弘 → 19 本橋拓馬
13分 【帝京大学】 15 谷中樹平 → 23 戒田慶都
21分 【早稲田大学】トライ 連続攻撃から抜け出し12トライ 28-12
25分 【帝京大学】 4 山川一瑳 → 20 山添圭祐
30分 【帝京大学】トライ 敵陣ゴール前からモールを形成しそのまま押しこみ2江良トライ 10高本ゴール成功 35-12
35分 【帝京大学】 2 江良颯 → 16 福井翔 , 3 上杉太郎 → 18 崔暢賢
38分 【帝京大学】トライ ゴール前スクラムから9李が持ち出しトライ 10高本ゴール成功 40-12
39分 【帝京大学】 9 李錦寿 → 21 岡本泰斉
42分 【早稲田大学】トライ 連続攻撃から裏へ転がし、それをキャッチし13トライ 42-17
44分 【帝京大学】トライ 敵陣で8延原がインターセプトしそのままトライ 10高本ゴール成功 49-17

試合終了:帝京大学 49-17 早稲田大学

(試合速報担当:4年 湯浅宏太 3年 辺 純鍾,池上玲央)



《BRIEF REVIEW》

対抗戦第5戦は、早稲田大学との全勝対決。春・夏と帝京が勝利しているものの、どちらも簡単に勝たせてもらったものではない。特に夏合宿での練習試合では、立ち上がりから立て続けに3トライを献上するなど、課題が浮き彫りとなるゲームとなった。3度目の戦いとなるこの試合、帝京は入りの時間帯から集中して臨みたいところだ。
その入りの時間帯。帝京は非常に高い集中力を見せる。キックオフのボールは相手に入るが、これをFL青木がジャッカル。その後もガツガツと体を当てていく。4分、キックカウンターから連続攻撃。CTB二村、WTB小村らが前進。さらにHO江良が何度もボールをもらって前に出る。最後はラックからSH李-FL青木-SO高本幹也-CTB二村と渡り、二村が抜け出して先制トライを奪う(7-0)。
守っても、CTB二村、WTB高本とむ らの好タックルで防ぐ。その後も勢いのあるアタックを見せるも、相手の厳しいディフェンスや帝京のミスなどもあり、得点までは至らない。相手ゴール前で何度もラインアウト・モールで押し込み、HO江良が持ち出して前進するも、グラウンディングできず、相手のインゴール・ドロップアウト。WTB高本とむ が抜け出すシーンもあるが、惜しくもタッチに押し出される。
攻め続けながらも得点に結びつかない時間帯が続くが、それでも帝京に焦りは見られない。地道にやるべきことを続けた25分、ようやく実を結ぶ。ラインアウトから縦に連続攻撃。最後はHO江良が相手ディフェンスをはじきながら前進してトライ(14-0)。
その後も帝京が勢いのあるアタック、ディフェンスを見せるが、35分、一瞬の隙を突かれてしまう。SO高本幹也のキックを相手がうまくチャージ。FB谷中が必死で戻り、先に追い付いたかに見えたが、グラウンディングと認められず、相手のトライが認められる(14-7)。
7点差に迫られるが、ここでも帝京に焦りは見られない。相手の厳しいディフェンスにも、逃げずに身体を当て続ける。前半終了間際の44分、ゴール前でのラインアウトから展開し、ラックからSH李-CTB二村と渡り、二村が抜け出してトライ。21-7で前半を折り返した。
後半も開始早々から、帝京が集中力を見せる。2分、FB谷中のジャッカルでチャンスを作り、相手ゴール前でのラインアウトからモールを押し切り、HO江良がトライ(28-7)。
その後、攻められる時間帯もあるが、CTB松山が好タックルを連発。さらに全員で前に出るディフェンスで守る。CTB五島、WTB高本とむ らも激しいタックルを見せる。自陣ゴール前でのラインアウトでピンチとなるが、モールをタッチへと押し出す。
21分にスクラムから攻められ、トライを返されるが(28-12)、ここから帝京は途中出場組も躍動する。WTB戒田が好タックルを見せ、攻めてはこぼれ球を前方へとキック。これをCTB五島が追いかけるが、惜しくも相手の方が先に追い付く。
それでも帝京の攻めは続く。30分、ゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ(35-12)。38分にはスクラムを押し込み、SH李がボールアウトし、抜け出してトライ(42-12)。
42分にトライを返されるが(42-17)、その後もCTB五島の好タックルなど、最後まで前に出るディフェンスで圧力をかけ続ける。最後はFL山添の好タックルからNo8延原のインターセプトが生まれ、延原が走り切ってトライ。この日、難しい位置からのキックも含め、ゴールキックをすべて決めていたSO高本幹也が、最後に正面からのキックを決めてノーサイド。49-17で帝京が対抗戦5戦全勝とし、ボーナス点も獲得して対抗戦の勝ち点を25と伸ばした。


《COLUMN》

―― 試合の入り ――

この日の試合、帝京が49-17で勝利し、対抗戦5戦全勝としました。

ここまでの帝京の戦いぶりついて結果だけを見ますと、大差での勝利も多く、その強さは盤石のように見えるかもしれません。しかし、細かく見ていくと、試合開始直後、いわゆる「試合の入り」の時間帯に苦しんでいるケースが少なくないことがわかります。「エンジンかかりが遅い」「スロー・スターター」などと言われることもありますが、今後はそれが試合の勝敗に直結することもあるため、ここまで勝っているからといってけっして軽視はできません。

特にこの日の対戦相手の早稲田大学とは夏合宿での練習試合で、開始早々から連続3トライを献上し、非常に不利な状態から試合を進めていかざるを得なくなりました。日本一を目指すためにも、どこかで「試合の入りの時間帯から厳しい戦いをする帝京」へと変化していく必要があるはずです。しかし、メンタルの部分が大きいため、一筋縄ではいかないかもしれません。

ところがそんな懸念は、この日、杞憂と化しました。帝京は試合の入りの時間帯から厳しい攻守を見せ、それを80分間、やり続けました。あとは、今後の試合でもこれをやり続けられるかどうか、ということになります。

先ほど「メンタルの部分が大きい」と述べましたが、これは逆に言うと、「試合の入りの時間帯から厳しい戦いをするためのメンタルが身に付けば、毎試合、そのメンタルで試合に臨むことによって、厳しい入りができるようになる」ということでもあります。

もちろん、これもまた「言うは易く、行うは難し」ではあるのですが、「行う」ための大きな手掛かりを、この試合で得られたことは確かです。次戦からの「試合の入りの時間帯」に注目です。


(文・木村俊太/写真・志賀由佳)

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