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2023/05/14【 第12回 関東大学春季交流大会 】vs流通経済大学 マッチレポート

2023/05/14【 第12回 関東大学春季交流大会 】vs流通経済大学 マッチレポート

2023/05/16

関東大学春季交流大会A 対流通経済大学戦

5月14日(日)・百草グラウンド
○帝京大学93-0流通経済大学●

《BRIEF REVIEW》

春季交流大会2戦目は、昨シーズン、リーグ戦2位の流通経済大学との一戦。
試合開始直後は一進一退。PR平井、PR上杉らの好タックル、LO本橋の果敢なハイパントキャッチなどもあり、帝京が押し気味に進める時間帯もあったが、ペナルティから逆に攻め込まれる場面となる。だが、相手のキックをFL奥井がしっかりとキャッチし、キープ。HO江良が抜け出し、さらに前方へと大きくキック。これが50:22となり、チャンスを作る。さらに相手のペナルティでチャンスをもらった11分、ラインアウトからモールを押し切り、HO江良がトライ。帝京が先制点を奪う(5-0)。17分には、ゴール前でのラインアウトからモールを形成。ラックになるが、FW、BKでつなぎ、最後はHO江良がトライ(10-0)。
23分には、ラインアウトから連続攻撃。ラックからSH李が持ち出してトライ(17-0)。続く26分もラインアウトからの連続攻撃。ラックからSH李-FB小村-LO本橋-HO江良と渡り、江良が前進。さらにLO本橋-SH李とパスが渡り、李がトライ(24-0)。
ここから、やや攻められる時間帯も多くなるが、全員でしっかりと守り、ピンチの芽を摘む。そして37分、ゴール前でペナルティをもらい、スクラムを選択。これを押し込んで、No.8延原がトライ(31-0)。43分には、ラインアウトのボールがやや乱れるも、うまくつなぎ、HO江良が前進。ラックからSH李-LO尹と渡り、尹が抜け出してトライ。38-0で前半を折り返した。
後半開始後も帝京が優位に試合を進める。ただ、ノックオンなどもあり、チャンスを活かせない。得点が動いたのは6分。相手のペナルティからチャンスを得、ゴール前でのラインアウトからモールを押し込み、HO江良がトライ。この後、ペナルティからピンチを招くが、ラックでFL奥井がターンオーバーして守る。13分には、CTB久木野の前進でチャンスを作り、ゴール前ラインアウトからモールを押し込み、HO江良がこの日4つ目のトライ(50-0)。
その後、攻められる時間帯もあるが、CTB久木野の好タックル、FL奥井のジャッカル、さらにはCTB上田、WTB青栁(潤)、FB山口らの前進でチャンスを広げる。22分、ラックからSH李-FLアスイと渡り、アスイが抜け出してトライ(57-0)。
さらに帝京の怒涛の攻めが続く。24分、WTB青栁(潤)がキックオフキャッチして前進。つないで、FB山口が抜け出す。ハーフウェイライン付近でWTB高本にパスし、高本がそのまま走り切ってトライ(62-0)。26分、LO尹のキックオフキャッチからつなぎ、HO倉橋が大きく前進。SH李にパスし、李がさらに前進。ゴール前でつかまるも、FL青木-SO小村-WTB高本と渡り、高本が抜け出してトライ(67-0)。29分、FL奥井がキックオフキャッチ。SO小村が小さく前方にキックし、CTB戒田がうまくキャッチして大きく前進。つかまるが、ラックからSH上村-SO小村-FB山口-WTB高本と渡り、抜け出してトライ。なんとWTB高本の3連続ノーホイッスルトライで72-0とし、帝京が大きくリードを広げる。
それでも帝京の攻撃の手は緩まない。32分、ラックでターンオーバーしてつなぐ。CTB戒田が前進し、CTB日隈へパス。日隈がうまく走り切ってトライ(79-0)。35分、相手のハイパントをFB山口がうまくキャッチ。SH上村からパスを受けたHO倉橋が抜け出す。サポートしていたPR森山にパスし、森山が走り切ってトライ(86-0)。44分、CTB戒田の好タックルからのラックで、PR津村がターンオーバーして前進。FL青木にパスし、青木が抜け出してトライ。FB山口がゴールも決め、93-0でノーサイド。帝京が春季交流大会2連勝を飾った。


《COLUMN》

―― 神輿にぶら下がるという貴重な経験 ――

この日の試合、メンバーに1年生が5人、名を連ねました。相馬監督は「いいものをたくさん持っているからこそ選んだメンバー」としつつ、同時に「上級生たちがどのようなプレーをしてくれるのかも見てみたい」とその意図について語ってくださいました。試合後の話では1年生、上級生ともに概ね、高評価でした。

ただ1年生本人たちに話を聞くと、「もっと積極的にボールをもらいに行くべきだった」「ディフェンスでも先輩たちに頼るのではなく、自分からタックルに入らなければいけなかった」など、納得している様子はありませんでした。

これはとてもよいことだと思います。「もっと積極的に」という部分は1年生が今後、成長していくところですし、「ディフェンスで先輩たちに頼るのではなく」という部分は、上級生たちが1年生に負担をかけないように先回りしてプレーしていたということでしょう。

岩出雅之前監督はよく「1年生は『わっしょい、わっしょい』と言いながら、お神輿にぶら下がっているようなもの」という話をされました。先輩たちと一緒に神輿を担いでいるつもりだが、実際に担いでいるのは上級生たちで、1年生は雰囲気だけは味わうものの、ほとんどぶら下がっているようなものだという意味で、1年生が試合に出ている時には上級生がその分、しっかりフォローしてあげようというたとえ話でもあります。

1年生にとっては、そうやって(実際にはぶら下がっているだけであっても)一緒に神輿を担いでいるという経験が大事で、そうした経験を積んで、やがて本当に担げるようになるというわけです。

神輿を担ぐ楽しさとたいへんさを肌で感じた1年生たち。そして、その1年生たちに気持ちよく担がせてあげようと頑張った先輩たち。どちらも今後の成長につながる、いいゲームを経験できたようです。

(文/木村俊太・写真/川本聖哉)

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