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2023/06/18【 第12回 関東大学春季交流大会 】vs東海大学 マッチレポート

2023/06/18【 第12回 関東大学春季交流大会 】vs東海大学 マッチレポート

2023/06/18

6月18日(日)・小田原市城山陸上競技場
○帝京大学64-5東海大学●


《BRIEF REVIEW》

春季交流大会第4戦は、昨年度のリーグ戦の覇者・東海大学との一戦。
前節、台風の影響での公共交通機関運休等により明治大学との試合が不成立となり、試合間隔が開くことになったが、その影響は特に見られず、立ち上がりから帝京が攻める展開となる。開始早々、自陣から展開し、WTB高本(とむ)が抜け出し、前方へキック。SH李が追い付くが、惜しくもノックオンでここは得点にまでは至らない。
その後も攻め続ける帝京。試合が動いたのは7分。ラインアウトからの連続攻撃。パスをもらったLO尹がディフェンスをはじいて抜け出し、そのまま中央にトライ(7-0)。
直後のキックオフのボールはお互いに手につかず、帝京ボールのスクラムとなる。このスクラムを強烈に押し込み、ペナルティをもらう。ミスもあり、得点にはつながらなかったが、この試合でのスクラムの価値を示すのには十分な押しだった。
次の得点チャンスも相手ボールのスクラムを押し込んでのターンオーバーから。その後、ペナルティをもらい、ラインアウトからモールを押し込む。15分、しっかりとモールを押し切って、HO江良がトライ(12-0)。
ペナルティからピンチとなる場面もあるが、全員の粘り強いタックルで守り、モールもしっかり止めてターンオーバー。スクラムを押し込んでピンチを脱する。すると、FBの小村のハイパントキャッチ、WTB青栁(潤)の前進からもらったペナルティでゴール前でのチャンスとなる。25分、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良が持ち出してトライ(19-0)。
ここから、いいプレーとミスの両方が出て、お互い一進一退の展開となる。次に得点が動いたのは37分、スクラムでもらったペナルティからチャンスを作り、ラインアウトからモールを押し込んで、No.8延原がトライ(24-0)。さらに、LO尹の突破後、再度スクラムでもらったペナルティから、チャンスを得る。42分、ラインアウトからモールを押し込み、HO江良が持ち出してトライ。31-0で前半を折り返した。
後半も帝京がペースを握る。乱れたボールをうまく拾って、CTB戒田が大きく前進。チャンスは続き、2分、ゴール前でのマイボール・スクラム。これを押し切り、No.8延原がトライ(36-0)。次のチャンスは、FL奥井のジャッカルから。7分、ペナルティをもらい、ハーフウェイライン付近でのラインアウトから展開。外へとパスが渡り、WTB青栁(潤)が前方へキック。これを後ろから追い抜いたWTB高本(とむ)が上手く拾って、ディフェンスをかわしながらそのまま走り切ってトライ(43-0)。
直後の10分、自陣10mライン付近でのラインアウトからモールを大きく押し込む。HO江良が持ち出して大きく前進。前方へのキックを試みるも、相手のタックルでボールが乱れる。それでもSH李がうまく拾って、WTB高本(とむ)-SO井上とパスがつながる。井上が外側へキックパス。WTB青栁(潤)がうまくキャッチし、ディフェンスをかわしてトライ(50-0)。
その後のスクラムはやや不安定だったが、なんとかキープし、展開。FL青木が突破し、大きく前進。WTB青栁(潤)にパスし、青栁がディフェンスをかわして走り切ってトライ(57-0)。
リザーブ陣が入り、PR森山の突破など好プレーも出るが、つながりの部分でややうまくいかず、得点にまでは至らない。ペナルティも増え始め、ピンチを背負う時間帯もあるが、FL奥井のジャッカルや好タックル、CTB神田の好タックルなどで守る。
38分にはスクラムからつながれて失点を許すが、43分、スクラムを回され、ペナルティのアドバンテージが出る中、SH上村が持ち出し、そのままトライ。SO井上がゴールを決めてノーサイド。64-5で帝京が勝利した。



《COLUMN》

―― もっとつながるチームに ――

この日の試合は64-5と、得点だけを見れば帝京の圧勝だったと言えます。実際、ほとんどの時間帯を帝京が支配していましたし、ピンチと見えるシーンでも、安定したディフェンスがあるので、立て続けにトライを奪われるような大量失点はイメージしづらい展開だったと言っていいでしょう。

しかし、記者会見での江良颯キャプテンのコメントからは、反省点、改善点の話が多く聞かれました。大学日本一を目指すチームとしては、改善すべき点が見えるのはとてもいいことです。

それでもよかった点にもフォーカスしてほしいと思い、記者会見では「よかった点は?」という質問をしました。それでも江良キャプテンは「よかった点……」としばし考え込んでしまいました。横に座る相馬監督から「ディフェンスはよかったよ」と水を向けられても、「ディフェンスはよかったのですが、もっとつながれたらよかった」とさらに上を目指すための改善点を示しました。

「もっとつながれる」というのは、全員が自分たちの進むべき方向を完璧に理解していて、あの人がこういうことをしたのだから自分はこうするというように、阿吽の呼吸で全員が動けて、それらがすべて連動しているような状態を指すのでしょう。

実際「去年の大学選手権準決勝や決勝ではそれができていた」(江良キャプテン)と言います。いくつかの選択肢があっても、全員が阿吽の呼吸で理解し合えていて、何も言わなくてもやるべき動きが連動していったということのようです。それもすごい話です。

ただ、まだ春の段階としてはいきなり「阿吽の呼吸」でつながるのは難しいので、しっかりとコミュニケーションをした上でつながっていこうと確認していました。こうして高い目標を掲げながら、チームはそこへ向かって一歩一歩、登っていきます。

(文/木村俊太・写真/志賀由佳)

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