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2023/8/20【 SUMMER TRAINING GAME 】VS早稲田大学 マッチレポート
2023/08/23
8月20日(日)・サニアパーク菅平メイン
○帝京大学62-7早稲田大学●
《BRIEF REVIEW》
菅平高原での夏合宿第2戦。対戦相手は昨年度の大学選手権決勝の相手・早稲田大学。
この試合、相馬朋和監督が体調不良により宿舎で休養することになったため、急遽、監督代行として前監督の岩出雅之顧問が指揮を執ることとなった。
開始早々は帝京のペース。相手の鋭いタックルにもひるまず前進。4分、相手のペナルティで得たラインアウトからモールを組んで押し切り、HO江良がトライを奪う(5-0)。
しかし、ここから帝京のペナルティが増えてくる。そのほとんどが、今シーズンから厳しくなったハイタックルの反則。ペナルティが増えることで、当然、ピンチも増えていく。攻め込まれては守り、押し返してはペナルティという流れが続き、なかなか攻撃に移ることができない。
さらには、20分にFL青木がイエローカードをもらってしまう。一人少ない状態での戦いとなるが、その分、帝京は一人一人の働きを増やすことで補っていく。FL奥井の好タックルからCTB五島がジャッカル。WTB青栁(潤)の気迫あふれるハイパントキャッチ、ゴール前でのモールを全員で押し返してターンオーバーするなど、苦しい状況が続く中でも必死のディフェンスで守る。
青木が戻った後の36分、相手のラインアウトをターンオーバーしてチャンスを作る。ゴール前でのマイボール・ラインアウトからモールを形成し、押し切り、HO江良がトライ(10-0)。
38分にはキックオフからつなぎ、パスが乱れるも、WTB高本(とむ)がうまく拾って前進。そのまま走り切ってトライ(17-0)。
41分にラインアウトからつながれ、抜け出されてトライを奪われ、さらにその後のキックオフからの流れでピンチを迎えるが、HO江良のジャッカルで防ぎ、17-7で前半を折り返した。
ハーフタイムで岩出監督代行からは、ハイタックルについては大学選手権でもこのくらいの基準で反則を取られる可能性が高いこと、その基準を体験できるすばらしい試合をやれていることをありがたく思うこと、こうしたすばらしい試合をしてくれている相手をリスペクトすること、ハイタックルを恐れてタックルが甘くなるよりも、しっかりとタックルに行って基準を確認すべきであることなどのアドバイスがなされた。
そうして迎えた後半は、開始直後から帝京のペースで進む。2分、相手のペナルティで得たラインアウトからモールを組むが、押し切れず、BKへ展開。外への大きなパスはやや乱れるが、WTB青栁(潤)がうまく拾って、そのままトライ(24-7)。
8分には相手のパスが乱れ、こぼれたボールをNo.8尹がうまく拾って前進。CTB五島にパスし、五島がさらに前進。ゴール前でつかまるも、サポートしていたPR平井につないで、平井が抜け出してトライ(31-7)。
12分、相手のペナルティで得たラインアウトからモールを組み、押し切って、HO江良がトライ(38-7)。
15分には、LOアスイに帝京としては2枚目となるイエローカードが出てしまい、再度、14人での戦いを強いられることになったが、前半同様、一人一人の仕事量を増やすことで、攻められてもしっかりと守る。
20分、ラインアウトから展開。SO井上が前方へキック。WTB青栁(潤)が追いつき前進。ゴール前でつかまりかけるが、一旦ボールを離してから再度立ち上がって前進。ディフェンスを振り切ってトライ(43-7)。
アスイが戻った後の34分、ペナルティで得たラインアウトかモールを組み、押し切って、HO當眞がトライ(48-7)。
37分には、ラインアウトから展開。FL奥井が前進し、つかまったラックからSH上村-No.8尹と渡り、尹が抜け出し、走り切ってトライ(55-7)。
44分には、ペナルティからSH上村がクイック・リスタートで前方へキック。帝京がキープしてつなぐ。ボールをもらったPR森山が相手のタックルをかわして前進し、そのままトライ。62-7で帝京が勝利した。
《COLUMN》
―― 厳しくなったハイタックル ――
今シーズンから、ハイタックルに対するペナルティの基準が(試験的に)厳しくなっています。具体的には、胸骨へのタックルがペナルティの対象となります。もちろん、それより高い位置もペナルティなので、胸骨よりも低い位置にのみタックルしていいということになったわけです(胸骨の位置にあるボールへの働きかけはOK)。
これは非常に大きなルール改正なので、帝京の学生たちも当然、これに適応すべく、ロータックルの練習に励んできました。しかし、練習でのタックルと実際の試合でのタックルとはやはり異なります。この日の試合、帝京はかなり多くの「ハイタックル」のペナルティを取られてしまいました。
選手によっては、これまでやってきた練習どおりにタックルしたのに、どうしてペナルティを取られてしまうのだろうと混乱したり、ペナルティを取られることを恐れて、無意識にタックルの勢いが弱くなってしまったりといったことがあったようです。
この日、急遽、指揮を執った岩出前監督はこうしたことを感じ取り、ハーフタイムにこんなアドバイスをされました。
「大学選手権もこの基準でペナルティを取られる可能性が高い。フラストレーションをためるより、この時期に基準を体験できたことをありがたく思おう。でも、その基準はタックルしないとわからない。ハイタックルを怖がって、これまで練習してきたタックルをしないのではもったいない。練習してきたロータックルをどんどん出していって、基準を体験しよう。」
前半終了間際、ややタックルが甘くなった点を指摘し、基準を体で感じ取るためにもしっかりとタックルしようとアドバイスしたのです。それを受けた後半、帝京は相手に得点を許しませんでした。
ハイタックルの反則自体はありましたが、それも「基準を体で体感できた」と解釈することで、今後への改善につながっていくはずです。
今シーズンの行方を左右しかねないハイタックルのルール改正。次戦の明治大学戦でも、注目したいポイントです。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
○帝京大学62-7早稲田大学●
《BRIEF REVIEW》
菅平高原での夏合宿第2戦。対戦相手は昨年度の大学選手権決勝の相手・早稲田大学。
この試合、相馬朋和監督が体調不良により宿舎で休養することになったため、急遽、監督代行として前監督の岩出雅之顧問が指揮を執ることとなった。
開始早々は帝京のペース。相手の鋭いタックルにもひるまず前進。4分、相手のペナルティで得たラインアウトからモールを組んで押し切り、HO江良がトライを奪う(5-0)。
しかし、ここから帝京のペナルティが増えてくる。そのほとんどが、今シーズンから厳しくなったハイタックルの反則。ペナルティが増えることで、当然、ピンチも増えていく。攻め込まれては守り、押し返してはペナルティという流れが続き、なかなか攻撃に移ることができない。
さらには、20分にFL青木がイエローカードをもらってしまう。一人少ない状態での戦いとなるが、その分、帝京は一人一人の働きを増やすことで補っていく。FL奥井の好タックルからCTB五島がジャッカル。WTB青栁(潤)の気迫あふれるハイパントキャッチ、ゴール前でのモールを全員で押し返してターンオーバーするなど、苦しい状況が続く中でも必死のディフェンスで守る。
青木が戻った後の36分、相手のラインアウトをターンオーバーしてチャンスを作る。ゴール前でのマイボール・ラインアウトからモールを形成し、押し切り、HO江良がトライ(10-0)。
38分にはキックオフからつなぎ、パスが乱れるも、WTB高本(とむ)がうまく拾って前進。そのまま走り切ってトライ(17-0)。
41分にラインアウトからつながれ、抜け出されてトライを奪われ、さらにその後のキックオフからの流れでピンチを迎えるが、HO江良のジャッカルで防ぎ、17-7で前半を折り返した。
ハーフタイムで岩出監督代行からは、ハイタックルについては大学選手権でもこのくらいの基準で反則を取られる可能性が高いこと、その基準を体験できるすばらしい試合をやれていることをありがたく思うこと、こうしたすばらしい試合をしてくれている相手をリスペクトすること、ハイタックルを恐れてタックルが甘くなるよりも、しっかりとタックルに行って基準を確認すべきであることなどのアドバイスがなされた。
そうして迎えた後半は、開始直後から帝京のペースで進む。2分、相手のペナルティで得たラインアウトからモールを組むが、押し切れず、BKへ展開。外への大きなパスはやや乱れるが、WTB青栁(潤)がうまく拾って、そのままトライ(24-7)。
8分には相手のパスが乱れ、こぼれたボールをNo.8尹がうまく拾って前進。CTB五島にパスし、五島がさらに前進。ゴール前でつかまるも、サポートしていたPR平井につないで、平井が抜け出してトライ(31-7)。
12分、相手のペナルティで得たラインアウトからモールを組み、押し切って、HO江良がトライ(38-7)。
15分には、LOアスイに帝京としては2枚目となるイエローカードが出てしまい、再度、14人での戦いを強いられることになったが、前半同様、一人一人の仕事量を増やすことで、攻められてもしっかりと守る。
20分、ラインアウトから展開。SO井上が前方へキック。WTB青栁(潤)が追いつき前進。ゴール前でつかまりかけるが、一旦ボールを離してから再度立ち上がって前進。ディフェンスを振り切ってトライ(43-7)。
アスイが戻った後の34分、ペナルティで得たラインアウトかモールを組み、押し切って、HO當眞がトライ(48-7)。
37分には、ラインアウトから展開。FL奥井が前進し、つかまったラックからSH上村-No.8尹と渡り、尹が抜け出し、走り切ってトライ(55-7)。
44分には、ペナルティからSH上村がクイック・リスタートで前方へキック。帝京がキープしてつなぐ。ボールをもらったPR森山が相手のタックルをかわして前進し、そのままトライ。62-7で帝京が勝利した。
《COLUMN》
―― 厳しくなったハイタックル ――
今シーズンから、ハイタックルに対するペナルティの基準が(試験的に)厳しくなっています。具体的には、胸骨へのタックルがペナルティの対象となります。もちろん、それより高い位置もペナルティなので、胸骨よりも低い位置にのみタックルしていいということになったわけです(胸骨の位置にあるボールへの働きかけはOK)。
これは非常に大きなルール改正なので、帝京の学生たちも当然、これに適応すべく、ロータックルの練習に励んできました。しかし、練習でのタックルと実際の試合でのタックルとはやはり異なります。この日の試合、帝京はかなり多くの「ハイタックル」のペナルティを取られてしまいました。
選手によっては、これまでやってきた練習どおりにタックルしたのに、どうしてペナルティを取られてしまうのだろうと混乱したり、ペナルティを取られることを恐れて、無意識にタックルの勢いが弱くなってしまったりといったことがあったようです。
この日、急遽、指揮を執った岩出前監督はこうしたことを感じ取り、ハーフタイムにこんなアドバイスをされました。
「大学選手権もこの基準でペナルティを取られる可能性が高い。フラストレーションをためるより、この時期に基準を体験できたことをありがたく思おう。でも、その基準はタックルしないとわからない。ハイタックルを怖がって、これまで練習してきたタックルをしないのではもったいない。練習してきたロータックルをどんどん出していって、基準を体験しよう。」
前半終了間際、ややタックルが甘くなった点を指摘し、基準を体で感じ取るためにもしっかりとタックルしようとアドバイスしたのです。それを受けた後半、帝京は相手に得点を許しませんでした。
ハイタックルの反則自体はありましたが、それも「基準を体で体感できた」と解釈することで、今後への改善につながっていくはずです。
今シーズンの行方を左右しかねないハイタックルのルール改正。次戦の明治大学戦でも、注目したいポイントです。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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