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2023/11/5【 関東大学対抗戦A 】vs早稲田大学 マッチレポート
2023/11/07
関東大学対抗戦A 対早稲田大学戦
11月5日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学36-21早稲田大学●
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第5戦は、昨年度の大学選手権決勝を戦った早稲田大学との一戦。
試合開始早々はキックの蹴り合い。そこからHO江良のジャッカルでチャンスを作る。先制したのは帝京。5分、ラインアウトからつなぎ、WTB高本(とむ)が前進。つかまるが、タッチライン際でもしっかりボールを残してつなぐ。FL青木が前進し、ラックからSH李-SO井上-CTB大町-CTB上田とつなぎ、上田が走り切ってトライ(7-0)。
幸先よく先制した帝京だが、このあと、いい攻めを見せながらも最後のつなぎでミスが出て取り切れない時間帯が続く。ペナルティなどもあり、相手に勢い付かせる場面も多くなる。それでも堅いディフェンスで守り、相手に得点を許さない。
試合が動いたのは38分。スクラムでプレッシャーをかけ、ペナルティを得る。ラインアウトから、LO尹がボールをもらって抜け出し、そのまま走り切ってトライを奪う(14-0)。
前半終了間際、帝京はペナルティをもらった場面で、ゲームを切るのではなく、積極的にタッチキックからの攻撃継続を選択。しかし、そのキックがノータッチとなり、相手のカウンターアタックを受ける。つながれ、キックされたボールを相手に拾われ、トライを許し、14-7で前半を折り返した。
ハーフタイムに、岩出雅之顧問からは「この時期にこうした厳しい試合ができたことを喜び、厳しさを楽しむこと」「ノータッチからの失点はチームとしての布陣の問題。キッカーはこれからたくさん練習すればいい。問題はノータッチを想定せず、布陣が甘かったこと」とのアドバイスがあった。相馬朋和監督からは「基本に返って丁寧にボールをつないでいくこと」「タックルされながら無理な体制でオフロードパスするよりも、タックルされる前にパスするか、倒れてからきちんとつなぐこと」とのアドバイスがあった。
後半も一進一退の攻防になる。前半から優勢のスクラムでは、後半も帝京がプレッシャーをかけ続ける。
5分、相手がこぼしたボールをSO井上が前方へキック。後ろから追いかけたWTB高本(とむ)がうまく拾って、そのままトライ(21-7)。
ここから帝京は守りの時間帯になる。相手の攻撃をしっかり防いでいたが、ペナルティを取られ、ピンチを招く。13分、ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる(21-14)。
18分には、帝京がゴール正面でペナルティを得る。ここで帝京はショットを選択。SO井上がペナルティゴールを決め、24-14と突き放す。今シーズンの対抗戦では初めて選択したショットだが、この3点が後々、特に気持ちの部分で効いてくる。
28分、ラインアウトからつながれ、トライを奪われてしまう(24-21)。もしペナルティゴールの3点がなければ、この時点で同点。会場の雰囲気も変わったかもしれないが、スコアで帝京が勝っているという事実が心の余裕となって、帝京の選手たちは落ち着いた状態でプレーに集中できている。
34分、相手ボールのスクラムを押し、ターンオーバーしてペナルティをもらう。ラインアウトからのボールはやや乱れるが、SH上村がうまく拾ってCTB五島にパス。ラックからSH上村-FL奥井と渡り、奥井が抜け出してトライ(31-21)。
ここからは「1トライ1ゴールされても3点リード」というスコア状況から、帝京は焦ることなく、冷静なプレーが続く。
その後、HO江良、No.8アスイらの前進でチャンスを作り、FL青木がインゴールに入るが、惜しくもグラウンディングが認められずにノートライ。そこからのインゴールドロップアウトのボールをLO尹がつかんで抜け出したかに見えたが、ここはノックオンの判定。
終了間際、相手も必死の攻撃をしてくる。抜け出され、走られてピンチになるが、全員がしっかり返ってディフェンスする。厳しいディフェンスが相手のミスを誘い、ターンオーバー。そのボールをFL青木が前方へ大きくキック。これを追いかけたWTB高本(とむ)が拾ってトライ。
最後にもう一度、ラインアウトからチャンスがあるが、HO當眞のグラウンディングは認められず、ここでノーサイド。36-21で帝京が早稲田大学との全勝対決に勝利し、対抗戦5連勝を飾った。
《COLUMN》
―― ラグビーワールドカップ2023報告会 ――
11月1日、帝京大学八王子キャンパス キュリオシティホールにて、2023年ラグビーワールドカップ日本代表に選出された帝京大学OBを招聘して行われた「ラグビーワールドカップ2023報告会」が開催されました。司会は相馬朋和監督。帝京OBの代表選手たちに相馬監督が質問していくという流れで進んでいきました。
対抗戦の早稲田大学との試合のあとの記者会見でも、記者さんからこのイベントについての質問が出ました。江良キャプテンは「イベントで感じたこと」を尋ねられ、「堀江さんや坂手さんが言っていた『世界で戦える体を作ることとスキルの成長』の話が印象深かった」と答えました。
江良キャプテンの言う「堀江さんや坂手さんが言っていた」ことについて、簡単に記しておきましょう。こんな感じの会話でした。
相馬監督「これからの日本代表に求められるものは何ですか?」
堀江選手「個人個人のフィジカルを常に上げていかないとダメですね。世界は常にフィジカルを上げながら進んでいるので、僕らはそれにどう付いていくかがとても大切」「個人のプレーの質を上げないと、いくらチームで戦うと言っても、全然、追いつかない」
相馬監督「優勝した南アフリカに勝つために何から始めますか?」
坂手選手「まずは個人。個人の能力をどう上げるか。日本代表に選ばれて、集まってからどうにかするものではないと思う」
このイベントは江良キャプテンだけでなく、多くの部員が参加し、これらの言葉を聞きました。個人のフィジカルとスキルを高め切った人たちが集まるのが日本代表。多くの部員たちがその憧れの場所への思いを強くしたイベントになりました。
部員たちはこれまでも個人のフィジカルとスキルを高める努力をずっと続けてきました。しかし、このイベント後はその目指す場所が数段高いところに変わったはずです。4年後、8年後、またこの日のようなイベントが開かれたら、現部員の何人かは代表OBとしてステージ上に登壇していることでしょう。そのとき彼らは後輩たちに何を語るのでしょうか。楽しみです。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
11月5日(日)・秩父宮ラグビー場
○帝京大学36-21早稲田大学●
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第5戦は、昨年度の大学選手権決勝を戦った早稲田大学との一戦。
試合開始早々はキックの蹴り合い。そこからHO江良のジャッカルでチャンスを作る。先制したのは帝京。5分、ラインアウトからつなぎ、WTB高本(とむ)が前進。つかまるが、タッチライン際でもしっかりボールを残してつなぐ。FL青木が前進し、ラックからSH李-SO井上-CTB大町-CTB上田とつなぎ、上田が走り切ってトライ(7-0)。
幸先よく先制した帝京だが、このあと、いい攻めを見せながらも最後のつなぎでミスが出て取り切れない時間帯が続く。ペナルティなどもあり、相手に勢い付かせる場面も多くなる。それでも堅いディフェンスで守り、相手に得点を許さない。
試合が動いたのは38分。スクラムでプレッシャーをかけ、ペナルティを得る。ラインアウトから、LO尹がボールをもらって抜け出し、そのまま走り切ってトライを奪う(14-0)。
前半終了間際、帝京はペナルティをもらった場面で、ゲームを切るのではなく、積極的にタッチキックからの攻撃継続を選択。しかし、そのキックがノータッチとなり、相手のカウンターアタックを受ける。つながれ、キックされたボールを相手に拾われ、トライを許し、14-7で前半を折り返した。
ハーフタイムに、岩出雅之顧問からは「この時期にこうした厳しい試合ができたことを喜び、厳しさを楽しむこと」「ノータッチからの失点はチームとしての布陣の問題。キッカーはこれからたくさん練習すればいい。問題はノータッチを想定せず、布陣が甘かったこと」とのアドバイスがあった。相馬朋和監督からは「基本に返って丁寧にボールをつないでいくこと」「タックルされながら無理な体制でオフロードパスするよりも、タックルされる前にパスするか、倒れてからきちんとつなぐこと」とのアドバイスがあった。
後半も一進一退の攻防になる。前半から優勢のスクラムでは、後半も帝京がプレッシャーをかけ続ける。
5分、相手がこぼしたボールをSO井上が前方へキック。後ろから追いかけたWTB高本(とむ)がうまく拾って、そのままトライ(21-7)。
ここから帝京は守りの時間帯になる。相手の攻撃をしっかり防いでいたが、ペナルティを取られ、ピンチを招く。13分、ラインアウトからモールを押し込まれ、トライを奪われる(21-14)。
18分には、帝京がゴール正面でペナルティを得る。ここで帝京はショットを選択。SO井上がペナルティゴールを決め、24-14と突き放す。今シーズンの対抗戦では初めて選択したショットだが、この3点が後々、特に気持ちの部分で効いてくる。
28分、ラインアウトからつながれ、トライを奪われてしまう(24-21)。もしペナルティゴールの3点がなければ、この時点で同点。会場の雰囲気も変わったかもしれないが、スコアで帝京が勝っているという事実が心の余裕となって、帝京の選手たちは落ち着いた状態でプレーに集中できている。
34分、相手ボールのスクラムを押し、ターンオーバーしてペナルティをもらう。ラインアウトからのボールはやや乱れるが、SH上村がうまく拾ってCTB五島にパス。ラックからSH上村-FL奥井と渡り、奥井が抜け出してトライ(31-21)。
ここからは「1トライ1ゴールされても3点リード」というスコア状況から、帝京は焦ることなく、冷静なプレーが続く。
その後、HO江良、No.8アスイらの前進でチャンスを作り、FL青木がインゴールに入るが、惜しくもグラウンディングが認められずにノートライ。そこからのインゴールドロップアウトのボールをLO尹がつかんで抜け出したかに見えたが、ここはノックオンの判定。
終了間際、相手も必死の攻撃をしてくる。抜け出され、走られてピンチになるが、全員がしっかり返ってディフェンスする。厳しいディフェンスが相手のミスを誘い、ターンオーバー。そのボールをFL青木が前方へ大きくキック。これを追いかけたWTB高本(とむ)が拾ってトライ。
最後にもう一度、ラインアウトからチャンスがあるが、HO當眞のグラウンディングは認められず、ここでノーサイド。36-21で帝京が早稲田大学との全勝対決に勝利し、対抗戦5連勝を飾った。
《COLUMN》
―― ラグビーワールドカップ2023報告会 ――
11月1日、帝京大学八王子キャンパス キュリオシティホールにて、2023年ラグビーワールドカップ日本代表に選出された帝京大学OBを招聘して行われた「ラグビーワールドカップ2023報告会」が開催されました。司会は相馬朋和監督。帝京OBの代表選手たちに相馬監督が質問していくという流れで進んでいきました。
対抗戦の早稲田大学との試合のあとの記者会見でも、記者さんからこのイベントについての質問が出ました。江良キャプテンは「イベントで感じたこと」を尋ねられ、「堀江さんや坂手さんが言っていた『世界で戦える体を作ることとスキルの成長』の話が印象深かった」と答えました。
江良キャプテンの言う「堀江さんや坂手さんが言っていた」ことについて、簡単に記しておきましょう。こんな感じの会話でした。
相馬監督「これからの日本代表に求められるものは何ですか?」
堀江選手「個人個人のフィジカルを常に上げていかないとダメですね。世界は常にフィジカルを上げながら進んでいるので、僕らはそれにどう付いていくかがとても大切」「個人のプレーの質を上げないと、いくらチームで戦うと言っても、全然、追いつかない」
相馬監督「優勝した南アフリカに勝つために何から始めますか?」
坂手選手「まずは個人。個人の能力をどう上げるか。日本代表に選ばれて、集まってからどうにかするものではないと思う」
このイベントは江良キャプテンだけでなく、多くの部員が参加し、これらの言葉を聞きました。個人のフィジカルとスキルを高め切った人たちが集まるのが日本代表。多くの部員たちがその憧れの場所への思いを強くしたイベントになりました。
部員たちはこれまでも個人のフィジカルとスキルを高める努力をずっと続けてきました。しかし、このイベント後はその目指す場所が数段高いところに変わったはずです。4年後、8年後、またこの日のようなイベントが開かれたら、現部員の何人かは代表OBとしてステージ上に登壇していることでしょう。そのとき彼らは後輩たちに何を語るのでしょうか。楽しみです。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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