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2024/11/3【 関東大学対抗戦A 】vs早稲田大学 マッチレポート
2024/11/05
関東大学対抗戦A 対早稲田大学戦
11月3日(日・祝)・秩父宮ラグビー場
●帝京大学17-48早稲田大学○
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第5戦の相手は早稲田大学。夏の菅平での練習試合で敗れた相手。そこからのお互いの成長が測られる一戦だ。
開始早々、帝京はミスや反則があり、攻め込まれる展開となる。ここはFLグアイニのジャッカルなどで防ぐが、その後、さらにペナルティが増え、攻め込まれる。13分、ラインアウトからつながれてトライを奪われると、相手の50:22から19分に、ペナルティでのクイック・リスタートから21分にと、立て続けに3トライを奪われてしまう(0-19)。
ここまで帝京が攻める場面があまりなかったが、27分にようやくチャンスが訪れる。ラインアウトからつなぎ、ラックからSH李-FL青木と渡り、青木が前進。ようやく初トライを奪う(5-19)。
ここから一進一退の攻防が続くが、WTB森の好タックルなどもあり、チャンスを得る。35分、ラインアウトからつなぐ。ラックから、SH李-FL青木と渡り、青木が前進し、トライ(10-19)。
ここでもう一本、トライを取れれば、流れを引き寄せられそうな展開になるが、次に得点したのは相手の方だった。40分、ラインアウトからつながれて、トライを奪われ、10-26で前半を折り返した。
後半開始直後は、帝京が攻め込む時間帯となるが、惜しくもトライに至らない。すると、相手の鋭い出足、厳しい当たりもあり、掴みかけた流れが相手に傾いてしまう。6分、スクラムから展開され、トライを奪われると、14分にはPGを決められる(10-36)。
帝京が攻める場面も多々あるが、相手の堅いディフェンスでなかなか前に出られない。相手ボールのスクラムを押し込んでペナルティをもらう場面もあるが、逆にコラプシングを取られるプレーも出てしまう。
27分にはラインアウトから展開され、トライを奪われ、40分には帝京が攻めている場面でパスをインターセプトされ、そのまま走られてトライを奪われてしまう(10-48)。
終了間際の42分、ラックから持ち出したFL森元がトライを奪い、CTB大町がゴールを決めるが、ここでノーサイド。帝京は17-48での敗戦となった。
《COLUMN》
―― 只者 ――
この日の試合、帝京は17-48で敗れました。ネット記事の見出しには「王者帝京、敗れる」の文字があふれました。
「王者帝京」という表現。よく目にしますが、帝京は「王者」なのでしょうか。昨シーズンの大学選手権の優勝校ですが、今シーズンはまだ王者を目指して頑張っている段階であって、王者にはなっていません。
突然、話は変わりますが、B’zという2人組のロックバンド(デュオ)のボーカリストで稲葉浩志さんという人がいます。B’zは「日本でもっともアルバムを売り上げたアーティスト」としてギネスブックに載っているそうですが、そのボーカリストの稲葉さんは最近、『只者』というソロアルバムを出しています。
あるテレビ番組のインタビューで、稲葉さんは「只者」というタイトルの意味について、こう語っていました。
「音楽的才能だとか、センスだとか、そういうことに関して自分が突出しているという感覚はまったくなくて、自分より才能のある方もごまんといらっしゃるので、そういう中でのコンプレックスが常にありました」。
「自分は『只者』。何かができないなっていう時に、それは『只者』だから、できないでしょうと。じゃあ、どうすればいいかっていうと、『只者なんだから、あとはやるしかないでしょ』という非常にシンプルな結論に至った」。
「『只者』なんだから、足りない部分を頑張って埋めていくしかない。できないなら、できるように努力する。『只者』でもやれることはいろいろあるわけですから」。
「日本でもっともアルバムを売り上げたアーティスト」が自分自身を「只者」と認めて、「何でもすぐにできちゃう天才じゃなくて、自分は只者なんだから、頑張るしかないでしょ」というマインドセットをしているというのです。
帝京は「王者」ではなく、王者を目指している「只者」。そんな自己認識がリアルに感じられれば「只者なんだから、(王者を目指す道のりで)足りない部分は頑張って埋めていくしかないでしょ」というシンプルな結論に至れるのではないでしょうか。
まだまだ時間はあります。「只者」でもやれることはいろいろあるはずです。頑張る学生たちを信じて、見守りたいと思います。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
11月3日(日・祝)・秩父宮ラグビー場
●帝京大学17-48早稲田大学○
《BRIEF REVIEW》
対抗戦第5戦の相手は早稲田大学。夏の菅平での練習試合で敗れた相手。そこからのお互いの成長が測られる一戦だ。
開始早々、帝京はミスや反則があり、攻め込まれる展開となる。ここはFLグアイニのジャッカルなどで防ぐが、その後、さらにペナルティが増え、攻め込まれる。13分、ラインアウトからつながれてトライを奪われると、相手の50:22から19分に、ペナルティでのクイック・リスタートから21分にと、立て続けに3トライを奪われてしまう(0-19)。
ここまで帝京が攻める場面があまりなかったが、27分にようやくチャンスが訪れる。ラインアウトからつなぎ、ラックからSH李-FL青木と渡り、青木が前進。ようやく初トライを奪う(5-19)。
ここから一進一退の攻防が続くが、WTB森の好タックルなどもあり、チャンスを得る。35分、ラインアウトからつなぐ。ラックから、SH李-FL青木と渡り、青木が前進し、トライ(10-19)。
ここでもう一本、トライを取れれば、流れを引き寄せられそうな展開になるが、次に得点したのは相手の方だった。40分、ラインアウトからつながれて、トライを奪われ、10-26で前半を折り返した。
後半開始直後は、帝京が攻め込む時間帯となるが、惜しくもトライに至らない。すると、相手の鋭い出足、厳しい当たりもあり、掴みかけた流れが相手に傾いてしまう。6分、スクラムから展開され、トライを奪われると、14分にはPGを決められる(10-36)。
帝京が攻める場面も多々あるが、相手の堅いディフェンスでなかなか前に出られない。相手ボールのスクラムを押し込んでペナルティをもらう場面もあるが、逆にコラプシングを取られるプレーも出てしまう。
27分にはラインアウトから展開され、トライを奪われ、40分には帝京が攻めている場面でパスをインターセプトされ、そのまま走られてトライを奪われてしまう(10-48)。
終了間際の42分、ラックから持ち出したFL森元がトライを奪い、CTB大町がゴールを決めるが、ここでノーサイド。帝京は17-48での敗戦となった。
《COLUMN》
―― 只者 ――
この日の試合、帝京は17-48で敗れました。ネット記事の見出しには「王者帝京、敗れる」の文字があふれました。
「王者帝京」という表現。よく目にしますが、帝京は「王者」なのでしょうか。昨シーズンの大学選手権の優勝校ですが、今シーズンはまだ王者を目指して頑張っている段階であって、王者にはなっていません。
突然、話は変わりますが、B’zという2人組のロックバンド(デュオ)のボーカリストで稲葉浩志さんという人がいます。B’zは「日本でもっともアルバムを売り上げたアーティスト」としてギネスブックに載っているそうですが、そのボーカリストの稲葉さんは最近、『只者』というソロアルバムを出しています。
あるテレビ番組のインタビューで、稲葉さんは「只者」というタイトルの意味について、こう語っていました。
「音楽的才能だとか、センスだとか、そういうことに関して自分が突出しているという感覚はまったくなくて、自分より才能のある方もごまんといらっしゃるので、そういう中でのコンプレックスが常にありました」。
「自分は『只者』。何かができないなっていう時に、それは『只者』だから、できないでしょうと。じゃあ、どうすればいいかっていうと、『只者なんだから、あとはやるしかないでしょ』という非常にシンプルな結論に至った」。
「『只者』なんだから、足りない部分を頑張って埋めていくしかない。できないなら、できるように努力する。『只者』でもやれることはいろいろあるわけですから」。
「日本でもっともアルバムを売り上げたアーティスト」が自分自身を「只者」と認めて、「何でもすぐにできちゃう天才じゃなくて、自分は只者なんだから、頑張るしかないでしょ」というマインドセットをしているというのです。
帝京は「王者」ではなく、王者を目指している「只者」。そんな自己認識がリアルに感じられれば「只者なんだから、(王者を目指す道のりで)足りない部分は頑張って埋めていくしかないでしょ」というシンプルな結論に至れるのではないでしょうか。
まだまだ時間はあります。「只者」でもやれることはいろいろあるはずです。頑張る学生たちを信じて、見守りたいと思います。
(文/木村俊太・写真/志賀由佳)
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